Phantom Blood Musical Special Talks (February 2024)

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Published February 12, 2024
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Phantom Blood Musical Special Talks (February 2024)
Interview Archive
Promotional poster for the musical

Talks with the main cast of the Phantom Blood musical, that were included in the performance program booklet. It was released on February 12, 2024.

The first talk includes Yuya Matsushita & Shotaro Arisawa (Jonathan), Miisha Shimizu (Erina), YOUNG DAIS (Speedwagon), and Tetsuya Bessho (Sir Joestar). The second talk includes Mamoru Miyano (Dio), Yoshihisa Higashiyama & Yusuke Hirose (Zeppeli), Yamato Kochi (Jack the Ripper), Jumpei Shimada (Wang Chan), and Kong Kuwata (Dario).

Interviews

Matsushita, Arisawa, Shimizu, DAIS, Bessho

SPECIAL TALK
松下優也/有澤樟太郎/清水美依紗
YOUNG DAIS/別所哲也

苛烈な運命の渦に巻き込まれていくジョジョを今回Wキャストで演じる松下優也、有澤樟太郎。ジョジョに献身的な愛を注ぐエリナ役の清水美依紗、ジョジョと行動を共にするスピードワゴン役のYOUNG DAIS。そして、ジョジョに大きな影響を与える父ジョースター卿役の別所哲也。『ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド』をミュージカル化すべく、稽古の日々を送る5人の想いとは。

※舞台の内容に触れている部分がございますので、開演前にお読みになる場合はご注意ください。


――熱烈なファンの多い漫画が原作です。反響の大きさなどは感じていますか?

松下 普段、僕が舞台に出るとなっても連絡をしてこない友人からも連絡がくるんです。舞台やミュージカルを観ない層も興味を持っているって、すごいことですよね。

有澤 僕も、出身地の兵庫公演があることもあり、今まで劇場に足を運んだことがないような友だちも「行く」と言ってくれています。加えて、特に男友だちなどは、DAISさんが出演されたりと、ミュージカル畑の人だけではないバラエティに富んだキャストだというところにも惹かれているみたい。

清水 私は……兄が喜んでいます。

松下 いいねぇ~。

清水 双子の兄が、『ジョジョ』をすごく好きなんですよ。その影響で私も小学生の頃にアニメ版を見ていました。その兄が「お前、エリナやるん!?」って(笑)。

DAIS 僕は北海道在住なのですが、情報解禁された時に地元のコンビニのおばちゃんが「『ジョジョ』出るんでしょ」と言ってきて、『ジョジョ』すげぇ!と思いました。札幌で公演があるということもあり、そのコンビニでこのミュージカルの宣伝をしていたのもアツかった(笑)。

別所 僕は原作にのめり込んでハマったという世代ではないのですが、僕の場合も、ミュージカルをあまり観ない知人から連絡をいただいたりして、周囲のリアクションのすごさに驚いています。実は、2016年に「ベストドレッサー賞」というものをいただいたのですが、その時に原作の荒木飛呂彦先生と一緒に受賞しているんですよ。

一同 えー!

別所 そのあたりから作品のことは意識してたかな。

清水 素敵なご縁ですね。

――人気キャラを演じる皆さんですが、ご自身の役の印象と、アピールポイントをお願いします!

松下 この漫画は表面的に見ると、インパクトの強いシーンや表現方法が冴えていて、ジョジョもぶっ飛んだキャラクターに思われがち。でもシーンごとの思考を繋げていくと、とても“普通のヤツ”だなと感じています。

有澤 そうですね。僕も最初は、有名なセリフやシーンがたくさんあるので、勢いで突っ走る感じになると思っていたのですが、一緒に稽古をしていく中で、“そのシーンに至るまでどういう心情なのか”を大切にする必要があるなと思い始めました。製作発表の時は「ジョジョは突き抜けた真面目さ、突き抜けた正義感がある」と言っていたのですが、根っこには真面目な要素はありつつ、温室育ちで愛らしく、お人よしな一面もある。それが物語が進むにつれ、色々な悲しみを経験し、内面も肉体的にも研ぎ澄まされていく。ジョジョの成長物語でもあるというところを大切にしたい。

松下 うん。最初は怠け者なところもあるし(笑)、紳士になると言いながらも真逆のヤンチャさがある。でも火事場の馬鹿力的な、何か起こった時に出てくる潜在的な能力があって、自分でもそれを使いこなせてはいないけれど……ってところがジョジョのカッコ良さかな。加えて、ディオに引っ張り出されるジョジョらしさ、ジョジョに引っ張り出されるディオらしさがあると思うので、その表裏一体感は大事にしたいですね。エリナは、どう?

清水 エリナは強く、誇り高い女性。星みたいだな、って思います。ジョジョとディオはもちろん、様々な人の運命を遠くから見守っているような。悲しいことも愛も何もかもを受け容れている器の大きい人。……演じる上ではものすごく難しいのですが。

松下 星、いいね。原作にも出てくるけれど、今回のミュージカル版では“星か、泥か”というのが重要なモチーフになっているしね。スピードワゴンはとにかくラップがかっこいいですよね。

有澤 語り部としても登場するというのは、原作にはないところですよね。本当にかっこいいです!

DAIS ハードル上げないで(笑)。僕はラップのリリック作りにも関わらせてもらっていますが、ワードチョイスが難しくて。寧さんも大切にしている“格差”“貧困”という言葉や、今の“星と泥”など、ラップで言う時に伝わらないといけない部分の精査が重要になるので苦労しています。ただスピードワゴンは食屍鬼街という貧困街の出。もともとラップは黒人文化から出てきているので、貧困や差別という部分でシンパシーがあり、スピードワゴンがラップするということに対して違和感はありません。

――別所さんはジョジョの父のジョースター卿役を演じられますね。紳士の中の紳士というのがぴったりです。

別所 とんでもない。ジョースター卿は『ジョジョの奇妙な冒険』が始まる出発点。『ファントムブラッド』はディオにジョジョが触発され、化学変化が起きて物語が転がっていくけれど、ギリシャ神話の時代から父・母の存在は、永遠に人間が背負う宿命です。だから品格や紳士たる意志、継承すべき精神性など、常にジョジョの後ろに父の存在が見え隠れする。彼の信念を通して人間とはなんだ、生きるということはなんだ、運命という言葉で片付けるな、というメッセージにたどり着けたらいいなと思います。“星か、泥か”も、最初にジョースター卿が話すんだよね。「牢獄で鉄格子の外に見ていたのは目の前の泥だろうか、それとも頭上に輝く星だろうか」という話。これは深いですよね……。

松下 ディオは泥を見ていたと言い、ジョジョは星を見ていたと言う。つまりディオは這いつくばってでも手に入れるという結果を大事にする人で、ジョジョは結果より過程が大事なのかなって。どちらが正解ということではないと思っているし、それはお客様に委ねる部分でもありますよね。

別所 これは今の混沌とした時代にも通じると思うしね。現実に起きている戦争も、戦ってでも掴み取る必要があると考える人、あるいは平和こそ一番という理想を諦めては人間じゃないという人、それぞれいる。そんな正反対のようなジョジョとディオが、でもどこかで繋がっている不思議。

松下 まさに僕は、ディオがいることでジョジョが成長できたと感じています。ディオと出会わなかったら、彼はもしかしたら、体力を持て余した不良みたいになっていたかもしれない。

有澤 僕もディオあってのジョジョだとは思いますが、それに加えて父の影響の大きさを感じています。死んだ後も父の存在がジョジョの中にあって、思いなどを継承している。それ以外にもまだまだ掘り下げていくところはたくさんありそうです。

松下 どうしても漫画原作って再現度を重視することが多いですが、今回僕はキャラクターの細部にこだわるより、全体の構造の中でどう作っていくかが大事なんじゃないかなと思うんです。漫画の印象的な部分は大事にしますが、それを忠実に再現するためには、キャラクターをしっかり人間として造形しないといけないなって。

――インパクトの強い名シーンの数々に血を通わせるために四苦八苦、というのが伝わってきましたが、とはいえ観客としては「あのシーンをどう舞台で表現するの?」等々は気になります。皆さんもお稽古を見ていてテンションが上がることもあるのでは。

松下 僕はツェペリの登場シーンは印象的だなー!

有澤 僕も、そう表現するんだ!と思った。「メメタァ」も出てくるし。

別所 そういうところは、もう拍手!!ですよね。

有澤 思い切って言っちゃう!みたいな(笑)。ディオの「URRYYY」も。

DAIS 「URRYYY」ねー! 皆さんがおっしゃったシーンは、全部楽しいです(笑)。

――そして1ヵ月ほど稽古が進んでいますが(※取材時)、現時点の心境は。

松下 “新しいもの”を作っている感覚はすごくあります。ミュージカルって振付、アクション、お芝居を別々で作って、後で合わせることが多いのですが、今回は寧さんが演出も振付もなさっているので全部同時に作り上げていくというのも大きい。

有澤 僕らとしても新鮮です。時間をじっくりかけながら、先日も1幕第4場を1週間かけて作りましたよね。寧さんは自分から動きを見せてくださるんですけど、いつもまさに『ジョジョ』!という動作で。その動きが難しいんですよ。

DAIS 僕はミュージカルが初めてで、何もわかっていない状態なので「こういうものだ」と受け止めています。でも皆さんがこれは相当大変だと言うから、僕はすごいところから第一歩を踏み出すんだなとニヤニヤしている(笑)。美依紗ちゃんもじゃない?

清水 そうですね、私もまだミュージカルは3回目なので不安な部分もありますが、原作にはないエリナの心情も歌の中で描かれていたりもするので、きちんと自分の歌声でそれを表現していきたいです。

松下 美依紗ちゃんの歌声をまだ稽古場で聴けていなくて、聴くのがすごく楽しみです。稽古ではやることの分量が多くて追いつかないくらいなんですけど、やりがいがすごくありますね。

別所 とにかく全員、熱量が高いよね。ギリギリまで試行錯誤をやめないぞという覚悟がビシビシと伝わってくる。クリエイティブチームが「どう新しく生み出すか」にチャレンジしている。熱量が“固めない”“試す”という方向へ向かっている。

松下 舞台に限らずあらゆる分野で分業が効率よいとされている時代ですが、『ジョジョ』は全員で一つの集合体になって新たなものを切り拓いている感覚ですよね。それは僕らキャストも含めて。寧さんもすごく僕たちの想いを聞いてくださいますし。

別所 本当にクリエイティブでいい現場だと思う。皆でディスカッションもどんどんしていけたらいいね。僕らはミュージカル『ジョジョ』のオリジナルキャストになるんだから。こんなワクワクはないよ!

一同 はい!

(取材・文:平野祥恵)


Miyano, Higashiyama, Hirose, Kochi, Shimada, Kuwata

SPECIAL TALK
宮野真守/東山義久/廣瀬友祐
河内大和/島田惇平/コング桑田

ジョジョと共に育ち、やがて宿命のライバルとなるディオ役を務める宮野真守。ジョジョに大きな影響を与えるツェペリをWキャストで演じる東山義久、廣瀬友祐。ジョジョチームと相対するディオの配下となる、切り裂きジャック役の河内大和、ワンチェン役の島田惇平、そしてディオの父親であるダリオにはコング桑田。個性的なキャラクターを演じる6人がミュージカル『ジョジョ』の世界を語る。

※舞台の内容に触れている部分がございますので、開演前にお読みになる場合はご注意ください。


――超人気漫画のミュージカル化です。この中で我こそは『ジョジョ』ファンだ! という方は。

東山 僕は昔からすごく好きです! もともとダンスから芸能の世界に入ったのですが、『ジョジョ』のキャラクターの形を模写して踊りを習得したところもある。ポージングをめちゃくちゃ真似していました。

河内 僕も中学生の頃などは、立ち方を真似したりしたな。大学から始めた芝居でも、『ジョジョ』のシルエットの影響は大きかったと思う(笑)。

島田 わかるわかる、絵の力が強いから。僕も28歳からダンスを始めましたが、身体表現にスッと入っていけたのは『ジョジョ』のおかげもあります。漫画は静止画ですが、そこからの動きを想像して自分の身体に落とし込んで……というようなことはやっていた。

宮野 皆さん身体表現として影響を受けているんですね、面白いな。僕は声の側から影響を受けています。「オラオラオラオラ!」とか、口に出したいセリフもたくさんありますから。アニメ化される時期が連載開始からずいぶん後だったので、声優界でも誰がやるんだと話題になりましたし、それ以前からいつアニメの話がきてもいいように練習していました(笑)。実はアニメのオーディションも、ディオで受けたんですよ。その時はご縁がなかったのですが、こうしてミュージカルでこの役に出会えてすごく嬉しいです。

廣瀬 僕は、(出演が決まる以前は)読んだことがなかったんです。でもタイトルや絵のテイスト、そして偉大な存在だということはもちろん知っていました。

コング 俺もダンスをやっていた若い頃は、残念ながらまだ連載が始まっていなかったので……あ、ごめん、ダンスやってませんでした!

一同 (笑)!!

宮野 ええと、どこまでがボケかわからないのですが……。

河内 実際に踊っていらっしゃるし、本当にダンサー出身なのかと一瞬思いました(笑)。

コング いやぁ、ごめんなさい(笑)。『ジョジョ』が出てきた時、すでに大人だったから、もうそんなに漫画を読んでいなかったの。でも改めて今回読んだら、表現方法がすごいなって思った。俺、『餓狼伝説』というゲームでギース・ハワードという役の声を25年くらいやっているんだけど、そことも通じるような、擬音を表現するという世界を楽しんでいるよ。

――ちなみに一読者としては、ジョジョ派ですか? ディオ派ですか?

コング 俺は断然、息子(ディオ)派ですね! 俺のせいでこんな子に育っちゃったけど。

島田 なんならこの話、ダリオのせいですよね(笑)。

宮野 元凶はすべてダリオ……ダリオが悪い、って結論になっちゃった(笑)。

河内 僕もどちら派かと言えばディオです。悪のカリスマというのは惹かれる。

島田 圧倒的に僕もディオですね。

東山 僕も。

宮野 ツェペリ的にはディオでいいんですか!?

東山 僕個人としてはディオかなぁ。“ジョジョ”は、ジョナサンが死んでも次の世代へと紡がれていくものがあるじゃないですか。でもディオはずっと一人。その孤独がたまらない。しかも吸血鬼になったけど、生への執着が誰よりも強い。それは現代に生きる僕たちにとっては、逆に太陽のような存在だなと思って。まぁ光には弱いけど(笑)、生命力を感じるんですよね。そこが魅力的なんです。

コング うん。生きるのに一生懸命だよね。

廣瀬 皆さんが言うようなディオの魅力もとてもわかるのですが、僕はジョジョでしょうか。特にここ数年の世界を見ていると、やはりジョジョのように正義を貫き通すことって改めて大事だなと思うんです。演者としては悪の魅力に憧れは感じますが、人間としてはやはりジョジョが正義であってほしい。

コング 確かにね。いいこと言うなぁ。

宮野 今回のミュージカルは特にどちらの心情もきちんと描かれているし、ジョジョとディオの対比が面白い。作品を貫く“星か、泥か”というテーマも、お客様に投げかけたい言葉だと寧さんも言っていました。だから僕は「どっちも」見てほしいな。

――では、それぞれ演じる役の見どころや大切にしたいポイントを教えてください。

宮野 今、ディオの心情を掘り下げている作業がとても楽しくて。ダリオとの親子関係や家庭環境などを考えると、いち読者だった子どもの頃は「カッコいい」としか思っていなかったディオの繊細な心が見えてくる。また序盤から彼の内面を垣間見られるナンバーもあり、感情移入しやすい。どうしても派手な部分が目立つ役だけど、繊細な部分を大事にしたいです。

コング 俺はどうしてディオのような子が育ってしまったのかというのもありますが、まずはダリオがどう19世紀のロンドンを生きていたかを大事にしたい。以前演じたことのある(『レ・ミゼラブル』の)テナルディエにもちょっと似ていて、それも楽しいですし(笑)。また、複数ある回想シーンの時系列がバラバラに出てくるので、そのあたりの演じ分けもやりがいがある。

河内 僕は二役あり、アーチャー警部は原作だと少ししか出てこないのですが、このミュージカルではジョースター卿と関わりの深い重要な役として登場するので、楽しく作っているところ。もう一役の切り裂きジャックは、ディオと生い立ちが似てるんじゃないのかなと想像しています。彼もダリオみたいなお父さんがいてひどい子ども時代を過ごしたんだと思う。愛を知らずに育ち、ディオから愛を感じ、ディオも愛に飢えていると感じ、この人についていこうと思った。ディオとジャックの関係性を歌の中で見せられたら、ただの悪役ではないキャラクターにできるんだろうなと楽しみにしています。

宮野 僕も最初の本読みで、石仮面を被る時に「居場所が欲しかったんだな」と感じたんですよ。愛に飢えていたのもそうだし、ジャックのように同調する人に対してはちゃんと思いも汲み取るし、だからこそジャックがディオに心酔したんだと思っています。

河内 あと僕は、ミュージカルは初挑戦なんですよ。まさか帝劇で歌えるなんて思ってもみなかった。しかもマモ(宮野)とデュエットする。人生初のデュエットがディオとですよ、すごいことですよね(笑)。そして原作でも印象的なあのシーン……どうやってジャックが馬から出てくるか、も楽しみ。まだ稽古が追い付いていませんが、名シーンになるはず(笑)!

島田 拍手が絶対に起きますよ!……ワンチェンも、最後までディオに尽くします。その理由はあるはずなんだけれど、原作には描かれていない。でも描かれていないところでも登場人物は生きているので、なぜそうなったかを今すごく考えています。ワンチェンは食屍鬼街で売人をしている、つまり一般の社会では生きていけない人間。多分東洋人で、19世紀のイギリスでは差別的なこともあったんだと思う。その中で生き抜くためにずる賢さを身につけていったんじゃないかな。それを表現するわけではないけれど、自分の中の柱として持って演じたいです。

コング ディオに薬を渡す動きがカッコいいんだよなぁ。

宮野 僕はワンチェンの連行されるところの表情が好き。ひとつひとつのシーンに意識が行きわたっていますよね。そしてツェペリのお二人は……。

廣瀬 原作でもコメディとは言わないまでも“面白いおじさん”みたいな印象があるのですが、でも彼は彼として命をかけて生きている、というギャップはカッコいいですよね。人はギャップにやられるらしいので……。

宮野 まっすぐな目で何を言い出しているのか(笑)。

廣瀬 大事なのはギャップ、です。

東山 目をキラッキラさせて二回言った(笑)。ツェペリは登場シーンの音楽がとにかくカッコいい!

廣瀬 『ジョジョ』の特徴である擬音みたいなものが、絵として脳裏に浮かんでくるような音やリズム感があります。ただ、(キーが)高い。

東山 やばいよね、あの高さは。

廣瀬 本当に高い。でもそこに「パウ!」とか「メメタァ」といった印象的なワードが入ってくるのが面白い。

宮野 あの擬音たちをこう表現するのかとびっくりしました。

東山 ドーヴさんの音楽も、“波紋”の表現の仕方も面白いので、決まればめちゃくちゃ素敵なものになると思っています。

――少しずつ気になるお話も出てきていますが、皆さんが「ここ、どうなるんだろう」「楽しみ」と思うシーンなども教えてください。

廣瀬 ツェペリは最後がどうなるのか気になる。彼の最期もまた原作漫画では有名なシーンですので……。

東山 確かに。

廣瀬 最初の本読み稽古の時に、寧さんが全体のトリッキーな部分に関して、どう作っていくかを頭から説明してくれたんです。これだけ全体像が見えているんだ、じゃあツェペリの最後は……と思ったら、そこだけ説明がなかった(笑)。

コング 可能性はいっぱいあるってことだ!

島田 ありすぎるんだよ(笑)。

宮野 確かに、ねぶたとかも出てきたりするから、どうなるのか想像もできない。

東山 フライングもありますよね。僕、フライングを使う作品に出演するのが初めてなんです。純粋に稽古で見られるのが楽しみ。ジョジョもディオも絶対に絵になりそう!

宮野 僕は寧さんの最初の説明で「逆さで出てきてもらいます」「そのあと、壁を歩いてもらいます」と普通に言われて、どうやるんだろうとドキドキしています(笑)。

河内 僕が楽しみにしているのはツェペリの名セリフ「人間讃歌は勇気の讃歌!」ですね。これ、一緒に言いたい!

東山 一緒に言いましょうよ(笑)。

廣瀬 ぜひ!

河内 ジャックが言っちゃダメでしょう(笑)。でも本当にこの言葉が好きで、人生で何度反芻したかわからないくらいなんですよ。そこかしこでこの言葉が頭をよぎる。

宮野 僕ら、この舞台をやるにあたり、相当の勇気が必要になってきますしね。現時点ではまだ未知数の部分が多いのですが、ディスカッションをしながらリアルタイムで作り上げているからこそ、自分たちが言いたいことも言えるし、現場レベルで発見も多い。

東山 僕も『ジョジョ』は大好きだし、原作をリスペクトしていますが、生身の人間が演じるミュージカルでは、原作とは少し違う「こういう形を提案してもいいんじゃないか」というものがあると思うんですよ。その辺を楽しんでもらって、いい意味で観る方に裏切りを与えられたらいいですね。

宮野 『ジョジョ』の初めてのミュージカルを完成させるために、それぞれの人ができる限りの力を注いでいるので、このまま進んでいけばいい作品になると確信しています!

(取材・文/平野祥恵)


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