Phantom Blood Musical Commentaries (February 2024)

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Published February 12, 2024
Incomplete translation
Program guide cover

Commentaries from Hirohiko Araki and the staff in charge of the Phantom Blood musical that were included in the performance program booklet. It was released on February 12, 2024.

Interviews

Hirohiko Araki

JoJo's Bizarre Adventure Part 1: Phantom Blood began its serialization in Shueisha's Weekly Shonen Jump in the combined 1st and 2nd issue of 1987.

And now, after 37 years, it's finally become a musical performed at the Imperial Theater.

When the series first started, I wanted to draw a noble adventurous spirit amid the dark and gothic mood of a horror suspense story. I remember that being a unique appeal that wasn't really in shonen manga magazines at the time. However, as times have changed, so have the charms of manga. Now, Phantom Blood has become the origin story of the JoJo series.

This musical also brings a new kind of appeal to the stage, different from what's been portrayed in the manga and anime. It expresses the energy of life through music and dance against the backdrop of the dark and gothic stage design. The voices and physicality depict the good and evil of the characters, alongside their adventures and youths.

Everyone, please immerse yourselves in this new dark world filled with hope and life, and enjoy the musical.

With such an experience, this musical is truly an honorable event for JoJo's Bizarre Adventure. Thank you very much.


[Translated by Vish]

原作
荒木飛呂彦
Hirohiko Araki


 『ジョジョの奇妙な冒険』―第1部「ファントムブラッド」は週刊少年ジャンプ1987年1・2号より連載が始まりました。

 そして37年。ついにこの度、帝国劇場でミュージカルが上演となります。

 連載当初はダークなホラーサスペンスで、ゴシックのムードで、気高い冒険の精神を描きたいと考えていました。当時の少年漫画誌には、余り無い魅力だったと記憶しています。
 しかし、時代と共に漫画で表現される魅力も進化し、そしてこの「ファントムブラッド」は『ジョジョ』の物語の起源となりました。

 この度のミュージカルは、漫画やアニメで表現されたものとはまた異なる、新たな魅力を舞台の上に引き出してくださることでしょう。ダークでゴシックな舞台美術を背景に、音楽やダンスで表現される生命のエネルギー。キャラクターたちの善と悪を描く声と筋肉。そして冒険と青春。
 皆様、希望と生命と新しいダークな世界に浸って、ミュージカルを楽しんでください。

 そのような意味で、『ジョジョの奇妙な冒険』にとって、このミュージカルは誠に光栄な出来事です。よろしくお願いいたします。


PROFILE
宮城県仙台市出身。1980年、週刊少年ジャンプ(集英社)にて「武装ポーカー」でデビュー。「魔少年ビーティー」「バオー来訪者」の連載を経て、「ジョジョの奇妙な冒険」を連載開始。独特の世界観は多くのファンを生み出す。2005年よりウルトラジャンプ(集英社)に活動の場を移す。13年、第8部「ジョジョリオン」で第17回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞を受賞。23年2月からは第9部にあたる「The JOJO Lands」が連載中。テレビアニメ、実写映画、テレビゲームなど、多数のメディア展開を行い、23年5月には映画「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」が公開。その他の作品に短編集「ゴージャス★アイリン」、「死刑執行中脱獄進行中」など。


Ney Hasegawa

演出・振付
長谷川寧
Ney Hasegawa


ジョジョの奇妙な冒険。
この世界中で愛されている壮大なる冒険譚をどう生身の身体に宿らせ描くか。
その為の私達の長い準備もまた冒険だった。
まず「人間讃歌」というシリーズに通底する大きなテーマを軸に描かれた本作の中で、何処に共鳴出来るかという事を考えた。
その中で私は、このジョナサンとディオという二人の主人公の持つ「正しさ」というものに共鳴した。 それはどちらにも信念があり、否定できない側面があるからだ。

「正しさ」とはとても難しい。
ある側面から見た「正しさ」は、別の側面から見れば時に「正しくなさ」になる。
では私達の日常に、「完全に正しい」と胸を張って言える事柄は幾つあるのだろう。
世の中で信じていた事も、別の視点から見た時に全く意味は異なり、果たして本当の「正しさ」とは何なのだろうか?と揺らぐ事がある。
事実、過去の歴史が「正しさ」としたものが年月を経て変容する事も幾らだってあるし、「正しさ」が違うからこそ、今もどこかの国では未だに争いが絶えない。
時に主義は形を変え、凶暴な「正しさ」へと変容し、人に刃を向ける。
だからこそ「正しさ」とは難しい。
そんな中、彼らは自らの「正しさ」に正面から向き合い、覚悟を持って向かっていた。
この精神が本作を輝かせ、脈々と繋がる壮大な大河作品になった所以だ。

本作を御覧になって頂き、この二人の人物を通じ、その魂と共鳴し「正しさ」の在り方について思いを馳せて欲しい、と願いを込めました。

世紀を超え幾度も争う血脈の始祖である二人が持つ哲学に。
高みを目指す二人だからこそ迎えた先に。

懸命に生きた二人の「正しさ」を目撃して頂ければ幸いです。

本冒険に関わって頂けた全ての方と、今を生きるあなたに最大の感謝を込めて。


PROFILE
作家・演出家・振付家・パフォーマー。2003年富士山アネット(フジヤマアネット)設立。異ジャンルとのコラボレーションを通じ本質を見詰め直す「疑・ジャンル」をテーマに国内外にて活動中。17年ベルリン・Theatertreffen International Forum招聘、19年台北國際藝術村レジデンス、20年國家兩廳院IDEA's LAB.参加、21年KYOTO CHOREOGRAPHY AWARDファイナリスト、22年ロンドン・ELECTRIC JAPAN招聘、23年『白夜行』『人間失格』にて北京・天橋音楽劇年度盛典にて優秀演出賞・優秀振付賞他、作品が多数受賞。演出・振付作品として『United Me』、『死刑執行中脱獄進行中』、『歌劇BLACKJACK』、『ピーター・パン』など。ミュージカル『白夜行』『人間失格』は現在も中国全土でツアー継続中。振付家としてフジファブリック、bonobos、EGO-WRAPPIN’などMV・LIVEへの振付の他、ドラマ「ガンニバル」「天狗の台所」など映像作品にも多数参加。国内外の活動を軸に新たなアジアのヴィジョンを更新すべく精力的に活動中。http://fannette.net/


Dove Attia

音楽
ドーヴ・アチア
Dove Attia


Ce fut un honneur et un privilège de me voir proposer par TOHO l’écriture de la musique des chansons de JoJo le musical.
Il fallait que je sois à la hauteur de cette œuvre mythique connue dans le monde entier.
J’ai donné tout mon cœur et toute mon énergie pour essayer de faire des musiques qui plairont, je l’espère, au public japonais, public aussi bien formidable qu’exigeant.
Je suis heureux de la confiance renouvelée par TOHO.
Merci à Mr. Ikeda, et à Mr. Uda ainsi qu’à toutes les formidables équipes de TOHO à qui je souhaite le succès mérité pour JOJO!


 この度、東宝からミュージカル版『ジョジョの奇妙な冒険』の楽曲制作という機会を賜りましたことを大変光栄に思います。

 世界的に知られるこの伝説的作品には、それにふさわしい曲が必要だと思いました。

 様々な名作をご覧になり、確かな目を持つ日本の観客の皆様に喜んでいただけるような曲を作ろうと、全身全霊を捧げてまいりましたので、お楽しみいただけましたら幸いです。

 東宝との信頼の絆がさらに強まったことを幸せに思います。

 同社の池田篤郎氏、宇田典弘氏、そして素晴らしい制作陣に心より感謝申し上げますとともに、ジョジョにふさわしい、大きな成功を願っております!


PROFILE
フランスの理工系グランゼコール出身者。卒業後は教員として数学と物理を教えるかたわら、音楽活動に熱中した数年を過ごす。その後、フランスの民間テレビ局TF1にて国際事業部の総責任者を務め、ハイテック系企業のテクレック社社長などを歴任する。2000年に共同製作したフランス語版ミュージカル『Les Dix Commandements (十戒)』をきっかけに舞台の世界に入り、以後『Autant en emporte le vent (風と共に去りぬ)』、『Les Hors-la-loi (無法者たち)』、『太陽王〜ル・ロワ・ソレイユ〜』、『Le magicien d’Oz (オズの魔法使い)』、『ロックオペラ モーツァルト』、『1789-バスティーユの恋人たち-』、『アーサー王伝説』、『CASANOVA』、そして『Molière l’Opéra Urbain (モリエール アーバンオペラ)』など、立て続けに意欲作を発表している。2023年には東宝公演『LUPIN〜カリオストロ伯爵夫人の秘密~』を新作として書き下ろしている。


Tsuneyasu Motoyoshi

脚本・歌詞
元吉庸泰
Tsuneyasu Motoyoshi


 『ジョジョ』をミュージカル脚本にする、そんな恐れ多いことに挑ませていただいたご挨拶に添え、二つのトピックを共有したいと思い、筆を走らせたいと思います。

 ひとつは、ジョジョは何故歌うのでしょうか。ミュージカルを作劇する折に最も大きな、愛すべき壁であると思います。特に視覚のメディアである日本語にとっては、なかなかに大きな障壁とも言えるものであります。何故歌うのか。『エリザベート』しかり『レ・ミゼラブル』しかり、歌うことに必然性がなければミュージカルとは言えません。『ジョジョ』という作品はその必然性に多くの手を差しのべてくれました。
 思えば、小学生の頃、近所の床屋に置いてある週刊少年ジャンプを手に取って出会ったのが『ジョジョ』でした。今や世代を超えて、世界に広がる原作世界です。学生時代にジョジョのファンイベントに参加し、今でも続く原作を読み続けている私にとって、それは“語り継がれる物語”でありました。全てはつながり、全てに意味がある、そんな黄金の血統を語り継ぐことは、歌う必然性と強く紐付いていると思うのです。

 もうひとつは、なぜ“冒険”なのだろうかということ。ジョジョの奇妙な冒険、冒険、アドベンチャー。荒木先生は何を想像し“冒険”とこの物語を名付け導かれてきたのだろうか。そんなことに想いを馳せてみます。“冒険”とは、日常とかけ離れた状況で、危険に満ちた状況に身を置くこと、とあります。運命の星の下で、ジョジョもディオも誰しもが、その暗闇の荒野で自分の生きた証を必死に探します。その“冒険”は、彼らの生命の輝きは、まさに人間讃歌と呼べるのでないかと思うのです。

 そんな彼らの生きた姿が舞台の上で生命を燃やす俳優たちと共に在ることに、たくさんの勇気を貰える。このカンパニーが帝国劇場でお客様と出会うことに運命を感じるのです。

 ミュージカル『ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド』この素晴らしい冒険にご来場、誠にありがとうございます。


PROFILE
舞台脚本家・演出家。学生時代より劇団を主宰し全作品の脚本・演出を手がける。大学卒業後、モデル・俳優・照明家として活動し、劇作家の鴻上尚史に師事し現在に至る。演出家としてはブロードウェイ作品から2.5次元作品まで多様な作品を手掛ける。近年の参加作品はミュージカル『スライス・オブ・サタデーナイト』演出、『僕のヒーローアカデミア The “Ultra” Stage』の全シリーズ演出。『FLAGLIA THE MUSICAL』構成・作詞・演出、『裸足で散歩』演出など。演出助手としてもミュージカル『NINE』(藤田俊太郎演出)、『陰陽師』『シラノ・ド・ベルジュラック』(鈴木裕美演出)、『スクールオブロック』(鴻上尚史演出)、演出補佐としてミュージカル『ジェイミー』など、数多くのクリエイションに参加をする。


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