3D Latte Art!! (January 2014)
Gamereactor (January 2014)
Interview Archive

An interview between Hirohiko Araki and Kazuki Yamamoto (山本 員揮, Yamamoto Kazuki), also known as George (じょーじ). It was published in his artbook "3D Latte Art!!", on January 24, 2014.[1] The obi strip for the book also featured a comment from Araki.[2]
Interview
僕の生まれた年に『ジョジョの奇妙な冒険』の連載がスタート。代です。独特な世界観とキャラクターデザイン、尽きることのなような存在の荒木さんに、一服を献上する機会をいただけてとてしたが、連載中の主人公のスタンド「ソフト&ウェット」にしましりだと思ったので。お忙しい中、ちょっと驚いて、そしてなごんまさに僕はジョジョを読んで育った世いアイデアで、憧れというよりも神のも感謝しています。テーマは、悩みまた。ミルクの泡で表現するのにぴったでくだされば、光栄だなあと思いま牛乳、やるね!。
ARAKI's Comment
“コーヒーは仕事始めの大事な飲み物”
うまい。これ飲んでしまうの、もったいないですね。やわらかくて、そして濡れている。まさに「ソフト&ウェット」。ありがとう。
コーヒーは、ふだん仕事始めの儀式に、一日1杯だけ自分で挽いていれて飲みます。ブラックで。もっと飲みたいところだけど、胃が荒れるといけないから、1杯だけにしています。でもそれだけに、「そろそろ創作を始めようかな」というモードに切り替えてくれる、大事な飲み物ですね。
今日、初めて3Dラテアートというものを見ました。はじめ、泡の素材が牛乳だとは思えなかったです。この泡立ちがつくれるとは、ふつう思わないですよ。牛乳、やるね!
それにやばいよ、これ。器を手で持っていると、ほら、生きているように、揺れて動いているような感じがする。だんだん溶けていったりするところもスタンドっぽいね。機械っぽくならないというのがスタンドの特徴だから。最終的には崩れて何か違うものになったりして…うーん、おもしろい。こういうスタンドもいるかもしれない。
“形をとったとたんそこには魂が宿る”
もし自分で3Dラテアートをつくるなら、花などの植物を模したデザインを考えるかなと思います。自然の造形はやすらぐので。春は桜、夏はひまわりなど、季節を感じられるようなものもいいし、富士山なども3Dラテにしたらいいのでは。美しい景色を目の前のカップにのせてひととき楽しむという、箱庭の発想で考える。正直いえばこういうキャラクターものは、自然のものとは違って、よくできていればいるほど、崩すのがかわいそうになるなあ。
たとえば、白い紙に1本の線が引かれ、それが丸になって顔になった瞬間に、もうそこには魂が宿っている。そう感じる。3Dラテもそうだと思う。牛乳の泡が、何かの形になったとたん、魂が宿るんです。やがて崩れるとわかっていても、いまそれをこわしていいのかな、という気持ちがわきおこる。その点、花や草木の3Dラテなら、素直に楽しめるじゃないですか。それらはいずれ、形を変えて次のものに命を譲っていく存在だから。
“どうやって自分の発想を「立体」にしていくか”
これまでに、いろんなキャラクターをつくり出してきましたが、アイデアは尽きるということがありませんね。あらゆるものから得られます。たとえば仕事場ではCDをかけるのですが、インターネットではなく必ず音楽ショップで買っています。なぜだかわかりますか。
ダウンロードすればいいと思うかもしれないけれど、そうやって手に入れた音楽は、結局自分が選んだ、自分の枠の中にあるものでしかない。ネットには何でもあるように見えますが、その中から選択しているのがいつも自分では、全くおもしろくないんです。自分はいいんですよ。他人の意見が重要なんです。
音楽ショップに行って、店員のお兄さんが選んだCDの品揃えや、棚の並べ方を見る。そこにはディスプレイした人の気持ちがあって、それそのものが情報になっている。ネット上に一様に並んだ作品リストにはない奥行きを感じることができる。
音楽ってそこに流れる空気なんですよ。音楽の伝える、いろんな時代の空気感そのものが新しい「発想」なんです。ダウンロードでは見ることのできない、CDジャケットに小さく書き込まれたクレジットなどにも非常に注目します。「このプロデューサーはいつもこのエンジニアと組むな」とか、細かい情報に気づいていけば、その音楽がもっと「立体」になって立ち上がってくる。
文章の中にも、裏の意味や文脈があり、それは絵や音楽など人間の創ったもの何にでもあって創った人の意思が宿っている。それが今度は自分のインスピレーションやクリエーションの源泉になる。
3Dラテも、「相手が一番好きなものは何だろう?」と、その人を見て最初に感じた印象や、着こなしや持ち物、いっしょに来ている人など、ディテールを観察して得られることがひらめきのきっかけになると思う。感覚を研ぎ澄まして、もしもいつかお客さんの心までラテで表せるようになったら、すごいね!