TOMORROW (January 2007)
Weekly Young Jump (December 2006)
Interview Archive
A message from Hirohiko Araki broadcasted from J-Wave's "TOMORROW" program on January 17, 2007.[1] The theme of the message was to those about to turn 20 and those who used to be 20. The message was also published on J-Wave's website.[2]
Interview
僕は漫画家で『ジョジョの奇妙な冒険』という作品を描いている荒木飛呂彦といいます。現在はその第七部の”スティール・ボール・ラン”という作品を集英社の『ウルトラジャンプ』誌で連載しています。よろしくお願いします。
僕が漫画家としてデビューしたのがちょうど20歳で、漫画家としてデビューしたって思い出ですね。実家が仙台なんですけれども、1980年の冬、新幹線も通っていなかったので、4時間かけて急行で、朝出て集英社のある神田の神保町に行ったんですけれども、その時ははっきり集英社とか小学館とか決めていなかったんですよね。小学館と集英社って並んで建っているんですよ。小学館の方がすごく巨大なビルで、集英社はちょっと六階建ての小さいビルでした。ちょっとビルの大きさにビビったんで、ちょっと集英社に先に行ってみようと、集英社に行ってから小学館に持ち込んでみようと段階を踏んだような計画で集英社に行ったんですね。もちろん東京は初めてですし、東京人さえ初めてで、二十歳まで仙台人しかしらなかったんです。で、持ち込んだんですね。その時に出てきたのが新人の編集者さんで、原稿を出す段階で批評をし始めるんですよ。「あっ何だこれ!ホワイトはみ出してるだろ!」とか…。それですごいショックで、読んでもいないのに批評がはじまるんですよ。とにかくプロの目なんですけれども、それがすごいショックで、心を引き締められて。そいう感じで持ち込んで、「ここ描き直してこい」「ここ描き直してこい」。結局30ページの作品に100ページぐらい描き直して、その編集者のところに持って行って、それがデビュー作だったんですね。そういう苦労があったっていうか。その時学んだのは、人と違うものを描くということを学びましたね。なんとかちょっと人よりも、面白くなくても、切り口っていうかそういうのを目指して、今、漫画家になっているんですね。あの頃の体験っていうのは強烈なことを今でも覚えているんですけれども、価値観っていうんですか、漫画に対するっていうか、絵を描くための価値観につながっているんだと思うんですけれども.