Bubka (08/1997)

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Published August 1997
Bubka August 1997 Cover

An interview with Hirohiko Araki and Hachiro Taku (宅八郎 Taku Hachirō), published in the August 1997 issue of the Bubka magazine. A revised version was published in Manga Off-Season Blooming (マンガ狂い咲き Manga Kuruizaki) on November 1, 1998.

Interview

ボクと荒木飛呂彦 文・宅八郎   荒木とはもう数年のつきあいになる。

 ボクが荒木コミックにハマったのは、当時住んでいた杉並区のアパート近くにある喫茶店に置いてあった「少年ジャンプ」だった。その喫茶店には発売日前のジャンプが置いてあって、ボクはコーヒーを飲みながら、いち早くチェックを入れていたのである。

 『魔少年ビーティ』、『バオー来訪者』、そして『ジョジョの奇妙な冒険』・・・・・・。

 それらのあまりにもマジカルかつトリッキーな魅力に、ボクは引きつけられたのだ。

 対談のなかで、荒木が力説し、またボクも認めているように、荒木コミックの世界は決してマイナー系のそれではない。確かにメジャー系の王道をいくものなのだ。

 だが、それと同時にボクはマニアックな世界であるとは思う。でなければ、これほど「魅力的に病的」な世界は、あってはならないのかもしれない。

 荒木の世界に魅了されたボクは、90年当時、週刊誌で連載していたコラムで『ジョジョの奇妙な冒険』を批評した。当時「ジョジョ」は第3部を展開し、スタンドという、超能力の特異な表現を開始していた。

 そうしたボクの分析は、前号本誌特集でも執筆したとおりだ。今回、やや暴走ぎみの対談は前号をガイドに読んでいただきたい(のちに「ユリイカ」で精神科医・斉藤環氏は、もっとも的確な評論は宅八郎の文章だけだ、と荒木に語っている)。

 そして、ボクの分析は作者にとっても「本望なもの」だったのだろうか。発表した直後に荒木とボクは出会い、荒木夫人をふくめて友人になった。

 そして話してみて驚いたのは、性格はともかく、その感性の近さだった。かくしてボクらは互いの家を行き来し(ほとんど招かれることが多いのだが)、今日にいたっている。

 ボクと荒木は、お互いに相手を「あんたは異常だ」と突っ込んでいるサイコな友人関係だという気もする(笑い)。

 また、付記しておくと、荒木はともだちが異常に少なく、「知り合いじゃなくて友人というと、こせきこーじ(漫画家)と宅八郎(おたく評論家)の2人だけ」(証言・荒木夫人)だそうである。

 荒木飛呂彦、不思議な人だ。


ここから対談(宅=宅八郎、荒=荒木飛呂彦)


~時代の罪・何がジョジョを生んだのか~

エヴァンゲリオンなんて苦手だ

宅 今日は荒木コミックの原点をたどりたいんだけど、昔はマンガは何を読んでたの?

荒 昔は梶原一騎とやはり、白土三平などですね。特に『柔道一直線』と『巨人の星』が好きでした。それに横山光輝先生の『バビル二世』。前に宅さんに指摘された通り、確かにあれに異常性を加えればもう『ジョジョ』だよな。

宅 異常性は認めるわけだ(笑)。横山マンガのいいところは主人公があんまり難しいこと考えてないところだよね。 荒 すごくストレートでいいですよね。

宅 一見ヒューマニズムの手塚治虫とちがって、横山光輝は始めからそういうの捨てているでしょ。『鉄腕アトム』と『鉄人28号』の差っていうか。ボクは横山派へいくわけ。

荒 かなりキているよね、横山マンガ。ハードボイルドっていうか。

宅 今のジョジョでもそうだけど、原形って横山光輝の『伊賀の影丸』とかでさ。たとえば、忍者と忍者が巻物争いで闘っている(七つの影法師編)のと同じじゃないですか。

荒 あれは基本だよね。あのマンガは『少年ジャンプ』の一時代の作家にとってバイブルみたいなものですよ。

宅 天才的でしょ。ボクは横山マンガの忍者や超能力、ロボットもの(『鉄人28号』『ジャイアントロボ』など)も大好き。横山さんって小難しい事を言わないし、ファンタジーを描こうとしてないでしょ。イジイジウジウジしてないというか。アニメの『新世紀エヴァンゲリオン』なんかとは全然違って。

荒 あの、エヴァンゲリオンとかガンダム系のさ、「ホントは戦いたくない心理の主人公がマンガの主人公になってる」ということがよくわかんないんですよ(笑)。だってスカッとしないじゃないですか! 悩まずに突き進んで欲しいよね。スカッと。

宅 スカッといきたいよね!エヴァンゲリオンとか見ているとわからない。頭が痛いもん。だから、ボクら2人のエヴァ・シンクロ率はマイナス500だ! 荒 あのアニメ、だめだよ・・・・・・。

宅 エヴァの主人公にしても「そういう性格だから、おまえはイジメられるんだ!」って感じで(笑)。ボクはイジケたものは見たくないという気持ちが強いから。女性キャラで大人気の綾波レイにしても、言ってみれば、陰気でタチの悪い女っぽいし(笑)。

荒 でも、あれがあれ程支持されているのも不思議ですよね。

宅 大ヒットしてますね。『ザンボット3』から『ガンダム』、『イデオン』の流れでしょ。イジケ系悩み系ダメ系の極致ですよね。横山作品にはそういう暗さって基本的に無いじゃない。

荒 オレは石ノ森章太郎先生の『仮面ライダー』とかにもその系統あると思う。

宅 たしかに。『人造人間キカイダー』とかもね。

荒 「自分は改造人間になってイヤだよー」みたいなね。オレだったら「うれしいんじゃないか」と思うんだけどね。うらやましいじゃない単純に。ラッキー、みたいな。 宅 そのとおり!あの世界はちょっとメソメソだよな。グズなメソメソ感覚。

荒 「戦いたくないー」とかね。

宅 『サイボーグ009』とかの最後に「やっぱり本当の敵は人類だった!」とかそういうのヤダもん。悪玉ブラックゴーストの首領なんか、最後にすごくイヤな事言うんですよね。「ブラックゴーストを殺すには地球上の人間全部を殺さねばならない。なぜならブラックゴーストは人間たちの心から生まれたものだからだ」(地下帝国ヨミ編)とか。捨てゼリフもいい加減にしてくれ(笑)。

荒 『ジョジョ』だと吉良吉影は、ある意味で<肯定>した上で殺人鬼になっている。悩むとしても「勝つ」ために悩むならいいですよ。だけど人生悩まれても困るよね、前向きに悩んで欲しいよね。

宅 吉良だったら、今度はどの女を殺して手首切り落とそうか、ってこと?

荒 そういうこと(笑)。

宅 スカッと行こうッ!

ジョナサンはもう描けない

宅 荒木さんはいつ頃から漫画家になりたいと思ってたわけ?

荒 子供のころから漠然となりたいとは思っていたけど、プロを目指したのは高校の頃かな。受験勉強とかが嫌いでさ、逃避もあったかもしれない。

宅 漫画家以外では、ファッションデザイナーも考えていたというのは(笑)?

荒 (爆笑)それはないですよ。デザイン学校でファッションを習っていたんです。一度はマネキンのメーキャップの仕事で就職しているんですよ。ラッキーな年で、そのとき同時にデビュー作が採用されて、マンガの方を選んだわけです。

宅 デビュー作の掲載が遅れたら、今ごろマネキンのメークしてたかもね。

荒 今は懐かしいけど、本当に新人時代は厳しかった。もう何回書き直ししたか解らない。書き直しが20ページ中10ページとかありましたね。徹夜でやっと上がって持っていくと、「このページ、ダメタメダメ・・・・・・」「明日までにやってこい!」って感じです。

宅 「迫力無い」とか「構図が悪い」とか言われるの?「無駄無駄無駄無駄!」とか(笑)?

荒 「主人公の顔が違う!」とかね。初めはなかなか安定しないんですよ、表情が。

宅 でも漫画家さんって安定しちゃうと、キャラクターは髪型しか変わらない(笑)。

荒 美しい顔は一種類なんですよ。美学は一つ。だんだん線が決まっちゃう。どんなに上手い先生でもそうですね。池上遼一先生だってそうでしょ。

宅 でも、絵はだんだん変わっていくよね。ジョジョにしても、この10年間でタッチは変わってきてる。『少年ジャンプ』での連載もう長いよね、だって古株で言えば『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の次でしよ。

荒 やっばり歳を感じさせるよね。諦めちゃうときもあるよ、疲れちゃって。

宅 進行は徹夜徹夜でやっているの?

荒 いやー、さすがにもう無理ですね。連載当初ならともかく10年もやってると薬でも使わない限り(笑)。漫画家って一番クスリやりそうな人種じゃないですか(笑)。不思議にやんないね。みんなクスリ。やりそうなのに(笑)。

宅 荒木さんの場合はマンガを描く作業で、どこに時間がかかるの?

荒 僕の場合はやはり絵、ですね、ネームなどよりも。今は一日6ページが限度だけど、アシスタントばかり増やしても指示しきれないし。 宅 どこまで自分で描いて、どこからアシスタントなの?

荒 それは漫画家それぞれだけど、僕は人物は全部自分だね。これは譲れない。群衆は主な線だけで、服の柄とかはアシスタントに描いてもらうけど。

宅 絵を描き込んでいく感覚なんですけどね。ボクも似てるかなと思う面がある。ボクはひどい強迫神経症で完全主義なんですよ。単行本になると、一般読者じゃ気づかないようなところまで文章を手直ししたり。荒木さんは絵を描いてて、そういう自覚はありますか?

荒 うーん、わかる!描き直しはね、基本的にしないんだけどやろうと思えばいつまででもやっちゃいますね。それで、毎週の締め切りではいつも編集者には30分待ってもらっているんですよ。ほんとは来た時には終わっているんだけど、原稿渡す前に何かちょっとでも手を加えていたいんですよ。

宅 同じですね。ボクも原稿をなかなか渡せないの(編集者/苦笑)。

荒 だから、どこまでも描きこめるからついやりすぎちゃって(笑)。でもあれは無我の境地に入るんですよ。描いてるうちに気がつくと時間の感覚が飛んだりとか。 宅 第2部から第3部になった時、絵のタッチが変わりましたものね。今じゃ第1部の絵は描けないでしょ?

荒 そうそう。だから”ジョナサンでサインして下さい”とか言われると困るんです。「いやぁ、ジョナサンかけないよー」って(笑)。

宅 一度、ジョナサン・ジョースター(一代目ジョジョ)が誰だかわからなかったんですよ。折り込みポスターの絵かなんかで(笑)。

吉良吉影のリアリティ

荒 宅さんは第4部の吉良が好きなんでしょ。

宅 第3部でディオという最強の敵を描いちゃって、あれ以上行っちゃうと『北斗の拳』みたいに終わるしかないじゃないですか。宿命のライバル・ディオという最強キャラクターがいて、100年の時を越え世代を超えて闘ってきた。で、「ディオの次は一体どんな強い敵だろう?」って思っていたら、何と敵は変質者だった(笑)!しかも爆弾魔。それでボクは「バンザイ!」だったんだけど。

荒 確かにあれはトーナメント制の否定なんですよ。勝って勝ってまた勝って・・・・・・というインフレを繰り返した後、どうなるのかっていう。ある意味で『ジョジョ』って、タイトルだけ一緒で違う作品なんです。ホントは休んで新連載始めたいけど、編集部が休ませてくれなくて(笑)。

宅 だからボクは正直言って第4部は、苦しくて乗り切りつつ描いてるなあ、と思った。

荒 ああ、ありましたね、それは。でもオレはいつも迷っていて、初めは批判も受けるけど批判覚悟で気にせず描いていると、読者にも納得してもらえるみたい。

宅 逆にボクはもっと吉良の方で暴走して欲しかったんだよね。

荒 でもあれはかなりヤバイ領域だよね。

宅 吉良と自分が重なっているところってあるでしょ?

荒 ありますね、確かに。

宅 どこなの、教えてよ~。

荒 いや、それは・・・・・・。

宅 モナリザで勃起したんですかぁ?(急に真面目に)

荒 (爆笑)あれはギャグですよ。

宅 いや、荒木さん。今日は本当のこと言いましょうよ。

荒 ・・・・・・実は近いモノはあるよ。自分のヌード体験ってのは、実はああいうのだよ。写真とかじゃなくて。西洋画に描かれた裸のビーナスとかさ。

宅 そういうのが好きなんだ(勃起しちゃうんだ――内心の声)。

荒 「ああ、女の人の裸ってこうなんだ」という美しさを子供の頃に感じたね。だから、原体験が女神とかのほうなんですよ。

宅 西洋絵画にね(勃起しちゃうんだ)。

荒 そう、あとシルクをまとった女性の体のラインってのがこう、くるんですよ。

宅 くるんですね(勃起しちゃうんだ)。

荒 じつは吉良のアイデアはまだあってね、吉良が殺して切り落とした女の手と、お風呂もトイレも全部入るってのを考えてたんですよ。でもさすがに「それはヤバイ」と止められて。トイレで女の手にお尻拭かせたりしてるんです、本当はね。

宅 (爆笑)最高! でも少年誌によく吉良なんかが載ったと思うよ。少年誌だと表現のコード(規制)があると思うんですよね。

荒 服を着ていてもちょっと男と女が抱き合ってたり、セックス想像させたりするとヤバイ。だから吉良が載ったのは不思議だよ(笑)。道徳性じゃないんだよね、読者の感情を逆なでして抗議がくるかの問題で。よくそういったシーンのカットとかさせられるんですよ。でも直接の抗議じゃないし、納得いかなかったりはしますね。 宅 別に「オラオラオラオラオラ」ってセックスしてる訳じゃないんでしょ(笑)

荒 そりゃそうですよ(笑)。でも体位の話を描いた時、マネキンみたいな絵だったのにダメだったんですよ。逆に描き直し覚悟で描いたヤバイ表現がすんなり通ったり、「モナリザで勃起」とか・・・・・・。吉良は青年誌だったらもっと描けたと思います。でも想像させておくのもまた、いいかと思いますけどね。

宅 寸止めってありますもんね。

荒 あと、宗教施設(寺院)を風景として描いた場合にも「マンガなんかに描かないで下さい」って抗議が来ちゃって、「場合によっては暴力的な人間を向かわせることもありますので」って話も聞いたことありますよ。

宅 宗教関係はラシュディの『悪魔の詩』の例もあったから怖いよね。いきなり半月刀とかで襲われたら。

荒 宅先生みたいに「明日向かうぞ」って(笑)

飛呂彦と八郎、二人は犯罪者? 宅 よく互いに神経症じみた話するじゃない。

荒 オレはそれほどひどくないよ! 多少あるけど(笑)。

宅 それでいうと、第3部に出てきたデス13(悪夢のスタンド)が好きなんですよ。だけどすごく怖い。悪夢とか見ない? 神経症のせいかもしれないけど、ボクは悪夢や寝 言、そう絶叫がスゴイですね。

荒 あるある! 寝言ある。絶叫。

宅 (笑)仮説ですけど、その絶叫が荒木さん特有の描き文字(擬音語・擬態語)なんじゃないですか(笑)。それで、どんな夢見てるか覚えてます?

荒 よくは覚えてないです。

宅 落っこちたりしません?

荒 ありますね。あと、よく人殺してるのあるな、オレ(笑)。

宅 ボクもよく人殺ししますよ。

荒 でも正当防衛ですよ(笑)。

宅 ボクはそうでもないな(笑)。

荒 戦って、相手をメッタ打ちにしたり。

宅 殺されるってのはないですか? ボクは両方あるんですが。

荒 殺されるのはないですね。

宅 吉良みたいに手切ってたりして(笑)。それから醒めない悪夢といえば、例えば『サイボーグ009』とか『仮面ライダー』とか、人体改造のシーンを延々描いてたら怖いよね。

荒 ムムム。それは面白いかもしれん。

宅 人体改造手術ばっかり本気で描いて行ったら宮崎勤みたいなことになっちゃう。彼は幼女に対して「テレビで見た改造人間の、改造手術をした」って言ってるんだよ、供述で。仮面ライダーだと思うんだけど(笑)。

荒 あの事件まだ追ってるんですか?

宅 いや。とりあえず死刑判決出ちゃって。判決は法律解釈を考えると不合理だとおもうんですけどね。ところで凶悪犯罪といえば、オウム事件とか起きちゃうとマンガのリアリティが狂うっていうか、現実の事件のほうがすごいじゃないですか。報道見てました?

荒 というか、見ざるを得なかった。

宅 今のジョジョ、フーゴの「パープルヘイズ」(殺人ウイルスのスタンド)ってサリンぽいでしょ。究極の殺傷能力だもんね。

荒 そうだね。あれ収拾つかないんだよ。考えずに出しちゃったのはいいんだけど、展開を考えなきゃ(笑)。

宅 でも、地下鉄の中であの「パープルヘイズ」を登場させちゃったら、阿鼻叫喚のハルマゲドンで、少年誌じゃなくても「NO」と言われるだろうね(笑)。 荒 どうかな、載るかな(笑)。

宅 そういえば前、荒木さんやたらにルーズソックス気にしてたじゃない。女子高生の尾行とかしてたんじゃないの? 荒 ちがうよ! あれは見てただけ! 人間観察だよ!!

宅 (笑)まあボクもわかるよ、昔は尾行が趣味だったから。ビデオカメラで人のこと録画してたこともあるもん。あ、いっしょにしちゃ悪いか?

荒 近いところはあるね。オレも近所の野良猫の通り道を確かめたりしてる。楽しいよね観察するのって。

宅 奥さんに聞いたよ、近所の猫に嫌われてるらしいじゃん。

荒 え、どういうこと?

宅 いや、荒木さんの顔見ると逃げ出すって。前に特注の空気銃を見せてもらったでしょ。猫を空気銃で撃ってるらしいじゃない。趣味が「猫撃ち」なんでしょ!

荒 ち、違うよ(あせる)! あれは猫が庭でウンコして困ったからちょっと脅かしただけだよ。いつもやってるワケじゃない。ただハンター的に追って遊びたいんだよ。猫って毎日通るルートが決まっているワケよ。それを調べあげて猫が逃げたと思ってるところに先回りしてビビらせたりとか(笑)。

宅 で、撃ってるわけでしょ(笑)。前に、大藪春彦の犯罪小説みたいに、ボクが都内某所に作ったSM監禁拷問ルーム「ネズミ人間の部屋」を荒木さん、見たがってたじゃないですか。吉良がもっと続いたら、尾行とか監視、拷問で色々描けたでしょ。そこら辺をもっと期待しちゃうな。

荒 うん、尾行は今後、是非やってみたいテーマだね。

宅 ディテールだったら、協力しますよ。ボクはプロのストーカーだから(笑)

スタンドの文法

宅 第4部に登場する漫画家・岸辺露伴も元は危ない人でしょ。漫画家が作品中で漫画家を描きだすと、精神状態がヤバイっていう気がする(笑)。

荒 ああ・・・・・・、そうすか(笑)。

宅 後は荒木さんが鏡を描きだすと危ない感じがする。ラカンじゃないですけど。それから『バオー来訪者』でいうと、予知能力少女スミレがスケッチブックから飛び出る男を見たりするじゃないですか。あのあたりの表現って、結構サイコだと思うよ。

荒 確かにね。鏡といえばニセモノ・・・・・・例えばウルトラマンのニセモノとかでてくるとヤバイ時なんだよね。苦し紛れでやっていることもありますね。

宅 子供心に変だと思ったのが、手塚マンガとかよく自分が出てきたりするじゃない。ベレー帽かぶったまま風呂に入ってたりして。

荒 登場しておいて手塚治虫が殺されるのもありましたよね。

宅 マンガというフィクションの中に本人が出てくるのは、おかしな構造だよね。

荒 でも、今度の短編も(『岸辺露伴は動かない』)、原作・岸辺露伴、絵・荒木飛呂彦なの(笑)。

宅 前に新人賞の審査員やったでしょ、露伴の名前で。選考作品を露伴センセイが批評していたのがおかしかった。荒木さんが言えないことを代弁していて。新人にガタガタ言うの好きじゃないでしょ?

荒 うんうん、気が弱いし。

宅 だから、ここは露伴先生にビシッと言ってもらおう、でもこれは自分じゃないっていう(笑)。寸評見たら、新人に対して割合きびしいこと言ってたじゃない。「つまんないね!」とか(笑)。

荒 露伴ないいだろうって。自分の口じゃ言えないくせに(笑)

宅 しかし、危ないと言えば荒木さんの作品って、けっこう手とかブッ飛んでるでしょ。手フェチっぽいよ(笑)。吉良なんか手を集めてるわけじゃない。

荒 でもあの辺はグロテスクには描いていないつもり。デザインとしてですよ。血にしても勢いを絵にしている感じです。

宅 デザイン、ですかあ。本当かなあ。でも仗助の「体を治す」ことが出来るスタンド能力というアイディア入れればあとはいいんだ(笑)。

荒 治せないと収拾つかなくなる(笑)。ストーリーの流れで殺しちゃって困ったりとか。でもここで殺らないとダメな場合があって。絶体絶命にしないといけない時が。

宅 つい殺しちゃったりして。ところで、昔、石川賢さんの『風魔小太郎』って忍者マンガなんて、生きたままノコギリで切ってたりしたんだよね。どこが忍法なんだ(笑)。そんな描写を『少年サンデー』でやってた。ちょっと山田風太郎入ってるの。

荒 オレは本宮ひろしが刀で手切ってるほうが怖かったですね。「これがワシの証じゃあ!」みたいな感じで、ドスンと(笑)。

宅 何が「証」なんだ(笑)。

荒 心外なんだけど自分はマイナー系って見られているところがあるみたいなんです。自分としては正統派を行ってると思うんですけどね。マンガの王道、というか。

宅 王道でありたいのはわかるし、認めるんです。荒木さんのキライなマニアックなファンに引っ張られないほうがいいのも実に正しい判断だと思う。

荒 ええ、そうですね。

宅 ただ、荒木さんの独特の描写、ボクはバイオパンク感って呼んでいるんだけども、テイストは狂ってるよ。吉良はいわゆる「王道」じゃないですよ(笑)。超能力であるスタンドってアイディア自体も、いま初めて読み出した人はわかんないと思いますよ。何でもう一人、背後霊みたいなのがいるのかわからないよ。

荒 長いマンガの欠点といえばそこでしょうね。一話完結ならいいけど。

宅 スタンドという凄いアイディアを思いつき過ぎたのかもしれない。スタンドっていくらでも展開可能な特殊ジャンルだもんね。

荒 ねえ、何なんだろあれ(笑)。よくわからない。偶然の産物だな、もう。

宅 自分自身で、スタンドみたいな固有のリクツって途中で解らなくならない?

荒 ああ、正直わからなくなるね。

宅 例えば、4部の由花子さんの髪って、どこまでがスタンドでどこまでが本当の髪なのか解らないし、最初の設定ではスタンドは普通の人には見えないハズなのに「これ見えてんじゃねーか」とか。

荒 (笑)そういうの出てきちゃうよな。

宅 スタンドの概念も途中で暴走というか変化してますからね。遠距離型や複数タイプが出てきたり。スタンドの「文法」を他の人に伝えようよすると大変ですよ。

荒 でも、本当はものって一言で言えないとちょっとダメだと思うんだよね。例えば「恐竜の映画!」とか「宇宙人が襲ってくる!」とかね(笑)。

荒木コミックの演出論

宅 でも、あのアイディアはビックリした。爆弾魔・吉良のバイツァダストはすごい。時間を爆発させて時を戻しちゃうなんて。でもSF心の無い人があそこだけ読んでもわかんないだろうな。『ビーバップ・ハイ・スクール』とかの読者には(笑)。

荒 いや、わかってくれると思いますよ。オレはビーバップ好きだし。橫山光輝の世界が好きな一方で、梶原一騎の『愛と誠』も好きなんだよ。不良な世界がいいんだよ。『愛と誠』の純愛関係は実は屈折してるし。そしてあの不良な感じが、SFの一方で好きなんですよ。人間の汚いところ、本宮マンガ系の任侠ものにも燃えるんですよ。好きで読み込むマンガは別にあるんですけど、「来週どうなるのかな?」って気になって、本屋に駆け足で走っちやうのは「汚い系」のマンガのためなんですよね。横山光輝はカッコよくて大好きなんですけど、「明日楽しみだ」というのは本宮ひろ志なんですよ。

宅 わかるなあ、その感じ。ボクも『ヤングマガジン』の『代紋TAKE2』とか好きですよ。

荒 SFだと横山先生の演出、サスペンスの作り方とかがいいんですけど。あと『鉄人28号』の影のイメージっていいんですよ。

宅 あの「♪夜の街にガオー」ね。

荒 そう、暗闇で目がピカっと光ったりするあの感じ。

宅 じゃあ、『8マン』は?

荒 8マンはデザイン的にカッコ良かったと思います。演出はやっばり横山光輝だと思いますね。トリッキーな感じとでもいうのかな。「スッ」と急に後ろに立つシーンとかでドキッとするんですよね。

宅 あるある! ボクも8マンはデザインがシャープで好きだし。それから、『影丸』では一回炎の中に消えた男が戻ってくる物語性とかあるでしょ。ああいう兄貴分が戻ってくるというのは『スターウォーズ』だとハン・ソロでもそうだよね。アクション映画にもよくあるパターンだけど、ものすごいピンチになった時に死んだはずの兄貴分が帰ってきたり・・・・・・。

荒 まるで守護精霊の様に・・・・・・。

宅 ・・・・・・でもゃっぱり助けたあと死んじゃったりするんだけどね(笑)。

荒 アニメだと、タツノコプロがそういうの好きだよね。お父さんが実は生きていた・・・・・・とか。タッノコの絵はいいですよね。良くできてますよね。 宅 荒木さんのマンガ見ていると、そういう「兄貴のいる原風景」をよく見たりするんですよ。実の兄弟の設定でなくてもね、「兄貴分」が犠牲になることで「弟分」を成長させていったりね。荒木マンガの一つの特徴だとも思う。

荒 なるほど。そうだね。

宅 ところで、荒木さんは今、アニメって見ないでしょう。

荒 ほとんど見ない。オレはアニメはダメなんだよ。子供の頃は見てたけど・・・・・・ちょっと離れてると、入れなくなるよね。

宅 そうそう。入れないね、もう。中にはスゴいマニア向けってあるから・・・・・・。

荒 エヴァンゲリオンなんかも最初から見ないとわかんないよね。オレのファンも、あんまりアニメとか見ないみたいなんだよな。

宅 わかるよ。だって荒木さんの固有のタッチが好きなんだもん。だから、荒木さんの世界をアニメで表現しようと思ったら、予算とかを何も考えなかったら出来なくもないと思いますよ、おそらく・・・キチガイみたいな人が演出やればね・・・・・・。ボクとか(笑)。

荒 アニメ人気っていうと、他の作家さんのファンって、そのマンガ作品のファンなのね。例えれば、『るろうに剣心』のファンなのね、その作者のファンじゃなく。

宅 ええ、それが荒木ファンっていうのは、荒木さんの絵とか描写とかが好きだからさ。ほら、手や首がフッ飛ぶじゃない。たとえばそういうのが好きだし。

荒 そういう変態チックなのが好きなのか(笑)。

宅 いやいや、変態チックな描写ばかりではないけど(笑)。

ジョジョの未来

宅 第4部に描かれていたのは「潜んでいる恐怖」ですね。

荒 あれはスティーブン・キングの影響です。第3部では描けなかった部分だね。

宅 第3部は目的ハッキリしちゃってますからね。「敵=ディオ・行き先=エジプト・じゃあ=行く!」って。でも笑ったのが承太郎一行のとったルートと猿岩石がとったルートが近かったよね、あれはおかしかった。

荒 そうそう、テレビで見ていたら「このルートどっかで見たことあるな」って(笑)。でも政治的な問題であのルートを使わざるを得ないんですよ。いくらスタンドでも政治が相手じゃ、かなわない(笑)。

宅 第3部ではアジアから中東までワールドワイドな展開だったのに、いきなり第4部の杜王町って、じつは荒木さんの故郷の仙台でしょ。

荒 急に範囲が狭くなっちゃったんだけど、平和な街に「潜む恐怖」は、自分の住んでいる範囲だから描けるものだよね。

宅 キングみたいなお化け屋敷ものはね。スローな閉塞感が重要だから。

荒 それで杜王町にも疾走感が必要になった時に吉良を登場させたんだよ。タイミングを計ってて。週刊連載だと一番強い奴を出しちゃうと読者はそれしか見なくなっちゃうから。それで、第3部のディオでもそうなんだけど、真っ黒な影だけで描いたりするわけね。悩みましたよ、連載の難しさに。

宅 荒木流の週刊誌演出論だね。でも、第4部はうまくひっぱったじゃないですか。途中に吉良のエピソードも入れて。

荒 そういうテクニックを駆使しているんです。流れが止まっているように言われるのはそのせい。あの頃は『こち亀』みたいのを目指していた部分もあるんですよ(笑)。

宅 日常と非日常のゴッタ煮ですか。確かに4部の初めはあまり人が死なないように描いてましたね、最後にはいい人になったり。

荒 友人になったりとかね。

宅 あれは王道ですよ。桃太郎とか八犬伝みたいな物語の作り方ですよね。最初は敵なんだけど、意気投合して仲間ができていくという。

荒 ああいう話は好きです。

宅 ところで、今の第5部イタリア(ギャング)編って、一年以上やってるのにまだ導入感が強いんですよ。全体像が見えてこないでしょ、5部って。先が読めないんですよ。

荒 読めない・・・・・・か、オレも読めないよ(笑)。まあ、正直まだ考えていないところもありますよ(笑)。ジョジョは3部で終わるはずだったから、本当は。でもテーマがあるから安心してよ。

宅 最初は、主人公がボスを最終的にやっつけるって決意するじゃないですか。ただ、今はボスにとっての裏切り者を処刑しながら話進んでるじゃない。

荒 そうですね。会社組織の中でもあると思うんです。こいつはいつか消さなきゃって思っていても、この計画のなかでは、今は嫌いな上司を支持しとくのが有利だから、嫌いな奴とも手を組んでおく、とか。

宅 政治的判断(笑)。集団意志というか。

荒 そうですね。5部でやりたいのは「正義とは何か!」って奴。たとえばヤクザの理屈ね。『ゴッドファーザー』みたいな。

宅 ゴットファーザーは、何が正義か解らないもんね。メソメソしてないし。

荒 メソメソじゃないよ!前向き。吉良も自分の論理に忠実に生きてる人間じゃないですか、前向きに。ウジウジされると嫌なんだよな、読者もそうだと思うよ。それと、とにかくキャラクターを一人一人描き込んで行こうかと。

宅 第5部で嬉しいのはジョルノの能力(モノに生命を宿らせる)。へビとかピラニアとか、生き物いっぱい出せるでしょ。究極生物カーズ(第2部)とか、『バオー来訪者』から続く生物兵器の感じがいいんです。でも、ジョルノがロケットパンチみたいに自分の右手をブッ飛ばして、ピラニアに変形させて敵の体内を食い荒らすシーンがあったじゃないですか。ズボッ、ギャーッといくアレ。突然読んだ人は何がなんだかわからないですよ(笑)。作者が頭狂ったかと思うよ(爆笑)。

荒 それは確かにそうだけど。『少年ジャンプ』ではテレて書いちゃいけないんですよ。そう、これは車田正美先生の教えです(笑)。たとえば、『少年サンデー』なんかだと、欄外に「な~んちゃって」とか書くんですよ。

宅 ああ、テレ隠しで。

荒 でも『ジャンプ』ではそういう「言い訳」しないわけですよ。

宅 なるほど。ジョジョはいつまで続くの?

荒 ジョジョの血統が思いつかないね。第4部の仗助は浮気させて作ったけどさ。だから第6部はクローンしかないと思うんですよ。

宅 でも未来は描けないって、前にも言ってたよね。

荒 リアリティをまず作らなきゃいけないから、それだけで頭が痛くなってくるね。そういう意味で未来のイメージがわかない。

宅 架空では22世紀とか描けないんだな。その辺、手塚治虫ってスゴイよね。頭の中に未来の都市計画図があるんだからね。

荒 細かい描写も必要になってきますしね。ディテールを追求するとブレードランナー的になっちゃったり。その世界作るのはいいんですけど、肝心のテーマやサスペンスがおろそかになったりするじゃないですか。だからシンプルな方がいいんですよね。兵隊がジャングルに入っていくとか。

宅 で、ジャングルで困ってる話とか(笑)。なら別に未来じゃなくてもいいじゃない。そういう未来劇って脚色された時代劇だったりするでしょ。『スターウォーズ』だって原形は黒澤明の『隠し砦の三悪人』だし。

荒 スタイルが新しいだけなんですかね。でも、思想を発展させる未来の書き方もありますよね。ハードSFに多いんですけど。例えばフイリップ・K・ディックとかジャンキーだけの世界になったらいいとか。

宅 ディックはね(笑)。荒木さん、ハードSFも読むんだ。

荒 苦手ですけどね。ただ不思議だったのはファンタジーにある客層がいるじゃないですか。意外な感じですね。マイナーでマニアックな人たちの世界かと思ってたのに多いんですよ、今。

宅 社会現象アニメ、エヴァ人気にも通じるでしょうね。

荒 ファンタジー読みます?オレも読んでみるんですけど全くダメですね。

宅 魔法がかってるもの、宗教っぽいものは読めない。崇高な世界ってわかんない。

荒木飛呂彦は映画が大好き

荒 高級じゃなく、トリッキーな感じというのかな、映画でも、そういうトリックものってバカにされてる面があると思うんですよ。技巧に走るってのが。でも面白さの普遍性ってそこにあると思うんだよね。

宅 それはわかるよ。たとえば暴論を言うと「黒澤明ってB級」じゃないですか。少なくとも、あれが芸術作品なのか、と。

荒 演出方法がなんというか、トリックですよね。人をだますというか手品的な演出で。「なーんだ」って言われちゃうんだけどもそれが普遍の条件と思うんですよ。横山光輝にはその魅力があるんですよ。

宅 『伊賀の影丸』で忍者と忍者が催眠術のかけ合いをした時とか好きだよ。ボクあれ読んでて自分が催眠術にかかって寝込んだもん(笑)。そういう感覚もあるのかなあ。 荒 そうですね、それ。でも読者のなかにはそれを解ってくれない人もいるんですよ。バカにしたりとか。でもそれがないと本質には行かないとおもうんだよね。

宅 『ジョジョ』で第3部ダービー兄弟のあたり読んでいて思ったのが、荒木さん『12人の怒れる男たち』とかも好きでしょ。

荒 シャーロック=ホームズ的なのね。あとトリッキーっていうと『ルパン三世』。名作中の名作ですね、私のなかの。

宅 トリックものは高級感が無いと言われるんだけど、映画なら黒澤明は天皇って言われるでしょ。でもよく見るとB級だという。

荒 外国に認められたから、みんな黙ってるのでしょうけど。

宅 アカデミー賞か。でも実は『火曜サスペンス劇場』みたいなもんでしょ(笑)

荒 それはちょっとないよ(笑)。

宅 そうか、火曜サスペンスはいくらなんででもないか(笑)。でも黒澤黄金期のさ、三船敏郎と仲代達矢のやりとりなんて超B級だよね。『椿三十郎』の血がドバーッとか。

荒 うん。例えばカメラがぐーっと顔に寄っていってそのまま口の中から胃袋まで入ったりとか、バカにされると思いますけど、それがマンガでは重要だと思うんですよ。

宅 そういう意味だとさ、ジョジョでも、映画だとたとえば『シャイニング』とか『スピード』とかの感じを使ったりしてるでしょ。

荒 ちゃんと見てますね(笑)。

宅 ところで、映画俳優では誰が好きですか?

荒 クリント・イーストウッドが昔から好きですね。作家、監督としても。

宅 吹き替えはルパンの山田康雄でしたね。

荒 だけど、オレは『大脱走』が映画の中で一番好きだな。スティーブ・マックィーンのあのへこたれない性格がジョジョの主人公の元だね。「なんで俺が戦わなくちゃいけないんだ」とかメソメソしないし。

宅 そうかジョジョ役はマックウィーンだったのか!

「宅さんには好かれたくない」荒木

宅 でも『大脱走』ってじつは暗いですよね。3人くらいしか助からないし。あと、ブルース・リーとかは見なかったの?

荒 見ましたけど、いまいちキャラクターがわからなかったな。

宅 そうか。塔を上がっていくとどんどん敵が強くなっていくってのは、マンガの王道パターンだけどね。

荒 そうですね。

宅 でもボクはまた吉良みたいなキャラを出して欲しいよね。キチ・・・・・・。

荒 ガイ(笑)

宅 ボクもスティーブン・キングが好きなんですよ。高校時代のあだ名がシャイニングだったし(笑)。それとキューブリックの「2001年宇宙の旅」は宗教的領域まで描いた、とか言われているけど・・・・・・。

荒 (受けて)じつは良く解らない、というところありますよね。

宅 うん。『スターウォーズ』の方が全然面白いけどね。それからボク、スピルバーグはあまり好きじゃない。『未知との遭遇』、『ET』とか。ボクはファンタジーだめだから。

荒 宅さんはもっと刺激がなくちゃだめなんですね。

宅 ボクはもっとシャブ、ガンガン来てるみたいのがOKっす。別にボクはドラッグやらないけど(笑)。そういうアッパー系のが。ジョジョとか。

荒 なんか宅さんに好かれるの嫌かもしんない。オレ・・・・・・(笑)。

宅 荒木マンガは大好きだよッ!

荒 ほめられてる感じしないなー(笑)。

宅 でも、『ビッグコミック・スピリッツ』の『いいひと。』みたいのも好きだよ。こう見えて『一杯のかけそば』で泣くような男だから。『一杯のかけそば』で泣いて、『シャイニング』でへラへラ笑ってる男。最近は『いいひと。』がいいっす。

荒 裏読みとかしてるんじゃないの?

宅 いや。ああいうのは単純に裏読みしないで、ほのぼの「いいな」と思ってる。よし、ボクも人に親切にするぞ、とか(笑)。

荒 だけど、宅先生は「いいひと」が急にさ、次の瞬間に「恐い人」になったら・・・・・・とか思わない?

宅 思う。確かにあれって一種のホラーな感じですよね。『いいひと。』って実際あんなやつが街歩いていると思うとホラーみたい。

荒 あいつ、そのうち何かやるんじゃないか、って思うよね。

宅 テレビドラマではSMAPの草彅クンが主人公だけど、いいキャスティングだよね。恐いもんキムタクとかより草彅クン。

荒 ああいうタイプってキレたりするよね、学校にいたけど。

宅 ジョジョ実写化の際は、吉良の役を是非、草彅クンに。

荒 いいですねー(一同爆笑)。

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