Asahi Shimbun (December 2011)

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Published December 16, 2011
Missing translation
Full review

A movie review of Taken[a] by Hirohiko Araki in the "My Good Movie" column of the Asahi Shimbun newspaper. It was published in the evening edition of the Kanto version on December 16, 2011.[1][2]

Interview

Transcript
父が暴れるほど泣ける

 映画は好きで、ジャンルにこだわらずに週2本ほど見ています。作品単体で楽しむというより、監督や俳優などの作家性を歴史的にたどって見るのが好きですね。

 この作品はリュック・ベッソン製作、リーアム・ニーソン主演というところにひかれて映画館で見ました。「シンプル」「力強い」「泣ける」という、僕の中での映画の定義にピタリと当てはまりましたね。ひとことで言えば、「男泣き」の映画。

 かつて米中央情報局 (CIA) で働いていた主人公が、誘拐された娘を取り戻そうとパリの街で暴走するんですけど、その暴走っぷりが容赦ない。社会的・道徳的には反するんだけど、娘を助けるためだったら何でも許されるという論理が一貫してあるんです。

 主人公が暴れれば暴れるほど、娘への愛情が伝わってきて泣けますね。暴れているのに涙無くしては見られない不思議な味わい。娘が誘拐されているのに、犯人に命乞いじゃなく宣戦布告してしまうキャラクターもいい。父親としての愛情と元CIAとしてのプロ意識が意外と均衡しているんです。

 もっと複雑だったり、社会性を訴えたりして泣ける映画はあるけど、これだけ脚本をシンプルに凝縮させて疾走感があるまま泣ける映画ってなかなかないです。疲れた時に、単純に泣いて癒やされたいと思って見てますね。

 もし自分が主人公の立場だったら? 僕には携帯電話のたった一声を覚えていて、犯人を見分ける特殊能力なんてないですよ。犯人の顔や手にしていた銃を絵にして詳細を教えるくらいしかできないだろうな。

聞き手・岩本恵美


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Notes

  1. Taken is known as "96 Hours" (96時間) in Japan.

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