Ameba (August 2017)
Shonen Jump (July 2017)
Interview Archive
An interview with Mackenyu, who played Okuyasu Nijimura in the live-action Diamond is Unbreakable adaptation, by Ameba on August 3, 2017.[1]
Interview
兄役・岡田将生のことは「本気で愛してます」
ーー人気作品の実写化ということで、プレッシャーも大きかったかと思います。億泰という役には、どのようにアプローチされましたか?
新田: 無知の状態で演じていたらどうなっていたんだろう…と思うくらい、億泰はとても濃い役で、ガチガチに決められたキャラクターだったので、原作を読ませていただきましたし、アニメも見させていただきました。100%寄せていくことができない部分に関しては、監督と相談しながら。自分にしか演じられない億泰を試行錯誤して見つけていくようにしました。
ーー映画を拝見させていただいたのですが、新田さんということが分からないくらい、億泰になりきっていました。
新田: 僕は役作りを語れるほどのキャリアじゃないんですけど、スクリーンの中では、“新田真剣佑”として見て欲しくないという思いがあって。ジョジョの撮影中は、オンもオフも、とにかくずっと億泰として居るようにしていたんです。
ーーというのは?
新田: (パンフレットの億泰を指さしながら)スペインでは、ずっとこんな感じで歩いてました。眉毛もないですし、眉間にしわを寄せてバルセロナの街をふらふらと。本当にやばい人ですよね、地元のちょっと怖い人みたいになっていましたもん(笑)。
ーー髪の毛もそのままですか?
新田: はい。後ろのはねているところ以外は、全部地毛なので。てっぺんは、こんなにしっかりとセットされてはいないんですけど…だいたいこんな感じで歩いていました。
ーー地毛だったんですね、カツラかと思っていました!'
新田: サイドは皮膚が脱皮するほど、冷や汗がでるほど、ブリーチしましたよ。仗助は髪型をけなされたら怒りますけど、多分、億泰もすごい怒ると思います(笑)。そのくらい髪型にはこだわりました。
ーー億泰が怒ったら、どこかに飛ばされそうです…。
新田: 「いま、なんつった?」って、ぼわんって相手がいなくなるかも。億泰のことは怒らせちゃダメですね(笑)。
ーー髪型もですが、体もすごく鍛えられましたよね。
新田: そうですね。8キロくらい増やしたのかな?衣装が小さくなってしまって、スペインで衣装を直してもらったんです。ご迷惑をかけました。
ーー実際に衣装を着られたときはいかがでしたか?
新田: クランクインして、衣装を着て、メイクもして、髪型も億泰になったときに初めて「これが億泰なんだ…!」と思うことができて。そこからスイッチが入り、億泰の中身を本格的に作ることができました。
ーー新田さんが思う”億泰”は、どんな人物ですか?
新田: 素直です。(即答)良い意味でバカ。味方にすると、とても心強い味方だと思いますよ。たまに足手まといになるときもありますけど、そこは多めにみてやってください。
ーーそんな億泰の内面の魅力を伝えるために、意識したことはありますか?
新田: 素直で、真っ直ぐでピュアなところは大事にしようと思いながら演じました。特に、兄貴のことを大好きなところとか。僕自身も、兄役の岡田さん(岡田将生)が大好きになりましたね。
ーー岡田さんとは、2人で役作りなどはされたのですか?
新田: していないです。でも、言葉が必要ないくらいまで、心で通じ合いました。一方的に(笑)。
ーー一方的に(笑)。
新田: ひよこみたいに、ついて歩いていたんです。「なんなんだよぉ~(岡田さんの真似をしながら)」って言われましたけど(笑)。心底大好きだったので、「本気で愛しています」って、ずっとアプローチしてました。
ーー(笑)。今でも岡田さんとの交流は続いていたり?
新田: 今でも続いていますね。「今日ご飯いこうよ~」って言うと「忙しいんだよぉ~マッケン!!また、今度いこうね~」って言われたり(笑)。岡田さんは、すごく優しい方なんですよ。
スタンド使いを演じられて、幸せ
ーー『ジョジョ』に欠かせないのがスタンドの存在ですが、実際は、スタンドが見えない中での撮影ですよね。そういった部分で、難しさを感じたりしましたか?
新田: 自分は動かなくていいので、アクションなどに比べるとラクでした。ただ、想像力がないと、何をやっているか分からない。違った意味で、難しいものがありましたね。
ーー想像力を働かせるために、絵コンテが用意されてたとのことですが。
新田: 絵コンテを見て、イメージをして撮影していたんですけど…形兆の出すスタンドを想像するのが難しいんですよね。小さい兵隊さんたちなので。ヘリコプターもいますし、戦車もいますし、スナイパーさんたちもいますし、それがどこにいるのかな~?って(笑)。
ーーあのシーンは想像するのが難しそうです。
新田: しかも、4人くらいで一緒のシーンになると、全員が同じように想像しなきゃいけない。そこは、一致団結して、良いチームワークで乗り切りました。
ーー想像力を働かせて撮影したものが形になった作品をご覧になったときは、いかがでしたか?
新田: 正直、とても不安でした。億泰はどうなっているんだろう?スタンドをちゃんと使えているのかな?って。でも、観てからは、「早くみんなにみてほしい!」という気持ちしかないです。CGの部分だけ浮いたりせずに、スタンドがちゃんと生きていますし。本当にクオリティの高い作品ができたと思います。
それに、とにかく自分がスタンドを使えていることが嬉しくて。自分に本当に、スタンドの力が備わっているような気持ちになりました。スタンド使いを演じられて、幸せです。
ーーでは、もし実際に億泰のスタンドである「ザ・ハンド」を使えたらどういう生活を送りたいですか?
新田: 嫌いな人を全員消して……っていうのは嘘で(笑)
ーー(笑)。
新田: 右手でハイタッチするだけで相手がいなくなっちゃうから、どうやって使えばいいんだろう…。右手に手袋したらいいのかな?私生活どうしよう(笑)?
ーー確かに、「ザ・ハンド」は、使い所が難しいかもしれないですね。
新田: 億泰は本当に、戦うために生まれてきた人ですよね。仗助は、治す力なので、私生活でもすごく使えると思うんですよ。うん…でも、億泰は僕しかいないので、やっぱり「ザ・ハンド」は捨てられないですね。
三池組は家族 10代ラストの作品が『ジョジョ』で良かった
ーー共演者の方々についてお伺いします。共演シーンも多かった山﨑賢人さんや神木隆之介さんとは、もともとプライベートで交流があったのですか?
新田: 神木くんは、共通の友達に紹介していただいて、一緒にカラオケに行ったことがありました。本当に優しくて、頭の切れる方ですね。賢人くんとは、『ジョジョ』の制作発表のときに初めてお会いして、「初めまして!」とお互いかしこまっていたんですけど、いざ、仲良くなると可愛いところだったり、おっちょこちょいなところを見せてくれます。いまでは、毎日のように見ていますね(笑)。
ーースペインでは、3人で出かけたり?
新田: はい。スペインということで、変装もせずに3人で歩くことができて、すごく気持ちよかったです。素のままでビーチに行ったり、波にやられたり…。
ーー波にやられたとは…?
新田: 賢人くんと神木くんがある夜、「波と一緒に写真撮ろうよ」って、海を見に行ったらしく。そしたら、波が荒すぎて、写真を取り終わったころには全身びしょ濡れになったという(笑)。
ーーそれは大変ですね(笑)!新田さんは、ご一緒されなかったのですか?
新田: 僕がインする前だったので、写真だけ見せてもらいました。でも、そのあとに3人でも同じ場所に行きましたよ。そのときは、波はそこまで荒くなかったんですけど、濡れましたね。
ーーすごく楽しそうです。同世代のお2人と、お芝居をするうえで感じたことはありますか?
新田: 2人が作り出してくれた『ジョジョ』の世界観、『ジョジョ』の中の仗助と康一が自分が思っていたものと全く同じだったんです。僕がインする前に、2人が土台を作ってくれたおかげで、スッと億泰になることができた。演じるうえでのサポートをしていただけたし、引っ張ってもらったなと思います。
ーー新田さんにとって、今回の三池組はどのような存在ですか?
新田: 『ジョジョ』のメンバーは、今はもはや家族だと思っています。クランクインからスペインで1ヶ月間、毎日のようにみんなで夕飯を食べて、同じホテルで生活していたので。みなさんのことを信頼しているし、監督にも全て預けて安心して芝居ができましたね。
ーー10代最後の作品が『ジョジョ』で良かったな、と?
新田: そうですね!10代最後の作品だって、いま気づいたけど(笑)、すごく嬉しいです!ちょうど20歳の誕生日がスペイン編の撮影が終わる日だったので、みなさんに祝っていただいたりもして。タイミングも最高でした。
ーー思い出がたくさんですね。
新田: とにかく写真が多い(笑)!それくらい僕にとって素敵な時間でした。
ーー最後に、改めて『ジョジョ』という作品の魅力を教えてください。
新田: アクションはもちろん、家族や友情の問題もあって、さらに街の平和も守らなきゃいけない。個性の強いキャラクターたちが、スタンドという特殊な能力で、良い方向にも悪い方向にもいける。そんな、いろんなことが起きる『ジョジョ』の世界は、「奇妙な冒険」というタイトルの通り、自分も冒険に出ているような気持ちにしてくれる物語です。ワクワクさせてくれる、男の本能をくすぐってくれるところが、『ジョジョ』の魅力だと思いますね。