Parent-Child Special Talk! Fairouz Ai x Daisuke Ono (March 2022)

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Published March 19, 2022
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Parent-Child Special Talk! Fairouz Ai x Daisuke Ono (March 2022)
Interview Archive
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An interview between Fairouz Ai and Daisuke Ono. It was originally published in the Spring 2022 issue of JOJO magazine, released on March 19, 2022.

Interview

親子キャストスペシャルトーク!
ファイルーズあい×小野大輔

空条承太郎役の小野大輔さんと、空条徐倫役のファイルーズあいさんによるスペシャル対談。
親子役を演じるお二人の『ジョジョ』愛が溢れる熱いトークを堪能して欲しい。


ファイルーズあい=徐倫

――第1クールのアフレコ収録を終えて、手ごたえはいかがですか?

♥ファイルーズあい(以下ファイ):あまり自覚できていないのですが、収録が進むにつれてスタッフの方々に「どんどん徐倫になってきているよ」と言っていただけるようになって。その言葉に、自信がないときはとても勇気づけられました。ほかのシリーズの主演キャストの方々も最初は苦労されていて、回を重ねるごとにだんだんキャラクターになりきっていったらしく、自分もそうなれるよう頑張ります。特に、徐倫は歴代主人公の中でも一番、成長が描かれているキャラだと認識しているので、徐倫の成長に置いて行かれないように必死に喰らいついて演じています。

★小野大輔(以下小野):承太郎を再び僕に任せてくれたことがとても光栄でした。他の部と比べれば、年齢や経験その他色々なものを積み重ねた先にあるのが第6部の承太郎です。ともすれば自分が選ばれないかもと思いました。もちろん僕が承太郎だという自負はあります。ただ今までやっていたからというだけで任せてもらえるものではない、と思っていました。

♥ファイ:でも『ジョジョ』ファンは「小野大輔さんの承太郎じゃないと許可しないィィィィィーーッ!!」と思っていますよ。

★小野:マン・イン・ザ・ミラーかな(笑)。

♥ファイ:そのくらい承太郎に一番近くで寄り添って、誰よりも真摯に向き合ってくれているのは演技を見ていて伝わりました。

★小野:娘にそう言ってもらえると、嬉しいですね。とはいえ、そういう意味での緊張感はありました。選んでいただいたからには「(うけたまわ)ら」なければいけないと。

♥ファイ:お~! 承太郎の「承」と書いて「うけたまわる」ですね!

★小野:これまでの『ジョジョ』を背負うということ、第1部と第2部から渡していただいたものを次の部へ伝えていくというのが、「承る」という言葉の意味だと認識しています。第6部のアフレコ現場に入る前にイベントがあって、そこでファイルーズさんが徐倫役に決まりましたと発表されたとき、「これは伝えなくてはいけない」と思いました。その瞬間に「俺が承太郎だ、彼女が徐倫だ」と気持ちが切り替わりました。そこからはあまり意識することなく、アフレコ現場ではちゃんと積み重ねた承太郎になれた気がします。何よりファイルーズあい=徐倫でした。

♥ファイ:嬉しいです!

★小野:これは本当に嘘偽りなく思った第一印象で、「そのまんまだ。徐倫がいる」と。そういう意味で、アフレコ現場で徐倫としての第一声を聞いたときに「ベネ!」と思いました。

♥ファイ:わぁ~! グラッツェ!

★小野:手ごたえはその時点でありましたね。

♥ファイ:視聴者の方は、キャラクターごとに色々なイメージを持ってらっしゃるじゃないですか。自分にとって徐倫は憧れの存在だったので、自分が徐倫になるとは想像できませんでした。最初の頃は自信がなかったですし、「皆さんの想像する徐倫にならないと」と思いつめていたんです。でも本当に『ジョジョ』が大好きで、一番近くで見守ってくれていた大輔パパから、そう言っていただいて、「それだけでオレは救われる」という心境になりました。興奮してアナスイが出ちゃった(笑)。

★小野:ちょくちょく出てくるよね、会話の中に『ジョジョ』が(笑)。

♥ファイ:もはや癖ですね。

★小野:癖かよ!

オラオララッシュの苦労

――収録前にやっておくルーティンはありますか?

♥ファイ:思う存分オラオララッシュの練習ができるように、自宅に防音室を買いました!

★小野:本当に?

♥ファイ:いつでもできるようにです。アフレコ前は、必ず防音室でオラオラと声を出してから来ています。オラオラが無い回もありますけどね。

★小野:だからか! 手ごたえの話をしているときに、まずファイルーズさんで絶対間違いないと思ったのは、オラオラのシーンなんですよ。というのも、第3話の収録前に岩浪美和音響監督から「オラオラのアドバイスをして欲しい」と言われまして。

♥ファイ:第2話で1回オラオラのシーンがあったのですが、その時は何十回やっても上手くできなくて…。

★小野:次の回に承太郎の出番があったので、オラオラをどうするのか話し合うことになったんです。ただ僕も実際に聞かないと、どうアドバイスしたらいいのかわからない。まずは、前回から1週間たって、自分の中で積み重ねたものを演じてみてくださいと。そしたら、ちゃんと出来ちゃったんですよ。

♥ファイ:岩浪音響監督の「お父さん、教えてあげてよ~」という発言に、「やれやれだぜ」と承太郎の口調で答える大輔パパのやり取りをみて、「これは頑張らなくては!」と気合いが入りました。そのときに初めて間近で「やれやれだぜ」を聞くことができて感動しました。そのおかげか、何とかOKをいただけました。承太郎のオラオラを1週間ずっと聞き続けた甲斐がありましたね。

★小野:それ、以前も言っていたね。

♥ファイ:最初の収録のときは、オラオラの途中で速くなってしまい、「オ」と「ラ」の音がくっついて不明瞭になってしまいました。そこで、大輔パパがどのくらいの速度でオラオラを言っているのかをメトロノームで合わせてみようと思い、メトロノームのリズムを聞きながらオラオラと言い続けて1週間生活していました。それでリズムがちょっとずつ合うようになって、体に染みこんでいきました。

★小野:そんな積み重ねを1週間もやってたのか。こちらから言うことがなかったんだよね。副調整室にいる岩浪音響監督から「あれ? いいね。小野さん、アドバイスありがとうございます」と言われましたけど、「いや僕、何もアドバイスしてませんよ(笑)」と。そのときに「徐倫だな」と確信しました。ファイルーズさんの演技に血のつながりのようなものを感じて、何の不安もないと思いました。

♥ファイ:大輔パパにはほかにもとても助けられたことがありまして…。第5話のときに徐倫の長台詞があって、間違えたら1からやり直しになるので絶対失敗できないという緊張感が凄かったんです。でもマイクの斜め後ろに大輔パパがいて、「いいよ、いいよ」とうなずいてくれていました。そのおかげで安心できて、かまずに台詞を言えました。本当に心強かったです。その収録の後に、喉のケア用品をたくさんいただきました。

★小野:そのときちょうど「貼るのど飴」をたくさん持っていまして。承太郎を演じるときは、どうしても喉を酷使するのでケア用品は必須なんです。

承太郎オラオラの誕生秘話

♥ファイ:第2話のときにオラオラができなかったじゃないですか。で、改めて収録し直しましょうとなって、岩浪音響監督から「大丈夫だよ、小野さんも最初はできなかったから」と言われて、「どの小野さんだろうな?」と(笑)。私の知る限り3人はラッシュしていますから。

★小野:それが僕のことだと、言葉ではなく…。

♥ファイ:心で理解しました(笑)。

★小野:それに関しては全員だと思います(笑)。そう言われて思い出したのは、最初の頃の僕のオラオラは遅かったんです。ちゃんと殴らなきゃと思い、1発1発を意識して重く叫んでいました。あるとき、子安武人さんに「承太郎のラッシュ、遅いね」と言われて「プッツーン」と。子安さんは全部計算じゃないかと思えるような焚きつけ方をしてくるんです。「仲良くしようよ~」と言いながら膝を触ってきたり。

♥ファイ:DIOの「こわがらなくてもいいじゃあないか…」みたい(笑)。

★小野:それを聞いて「マジですか? わかりました。ここから速くなりますから」と言い返しました。そこから少しずつ速くなり、やっと「これだったらオラオララッシュと言えるな」と手ごたえを得たのは、エンヤ婆戦でした。まわりにゾンビがいる状態で360度ラッシュしたとき、石塚運昇さんに「肩に力入りすぎだぞ」と言われて、実際に肩から胸の辺りの筋肉が固くなっていたことに気付きました。僕らはお芝居に入る前によく胸筋をほぐします。リンパも流れるし、肺に空気が流れやすくなる。力を入れない方が肺に空気が入る、肺に空気が入れば結果的に声も出るという。実はシンプルなメカニズムなんですよ。

♥ファイ:私も一緒です。最初の頃は息が続かなくて、逆に速く言おうとしちゃって…。

★小野:そうだね。アフレコ現場でも呼吸の話をしたと思う。

♥ファイ:はい。(ノートを見せながら)オラオラメモにちゃんと書いてあります。いつでも見返して勉強できるように。ノートには「肩の力を抜く」「眉間にしわができるくらいにらむ」「画面ではなく、マイクを見るくらいの勢いで下をちょっと向く」「『オ』にアタックをつける」「速さを求めない」と書いてあります。

★小野:そうそう。速さを求めると逆に殴った感じが出なくなる。ちゃんと肺に空気が入っていれば声は続く。何故「オ」にアクセントをつけるのかと言うと、「オ」で殴っているから。「ラ」で殴っていないんです。最初は「ラ」にもアクセントを入れる形でオラオラと演じていたのですが、「オ」にしっかりパワーが乗った方がいいと思い変えていきました。にらむ理由は、相手を殴る精神状態に持っていくという意味がある。闘うとき、人はあごを引くんですよ。

♥ファイ:闘ったことはないですが、確かにそうですね。

★小野:そして実はあごを引いている方が、喉の空気が通る。

♥ファイ:ドスが効きますね。

★小野:低い音を出すときは、ついみんな上向くんだよ。実は上じゃあない、下向きなんだ。あごを引いた方が大きい声が出る。

♥ファイ:その技術を託してくれたんですね!

★小野:運昇さんから教えていただいたことは、ここに繋がっていたんです。

♥ファイ:脈脈と受け継がれていますね。これも血統ですよ。

★小野:オラオラは運昇さんのアドバイスと、子安さんのむかつく「遅いね」の言い方から生まれています(笑)。お二人がいなかったら、今のオラオラは生まれていなかったかもしれない。改めて『ジョジョ』はすごい作品だと思います。

♥ファイ:出会いの重力ですよね、第6部の。この出会いも重力です。

★小野:ちょっとネタバレ気味!

♥ファイ:ギリセーフです!

「『ジョジョ』に小声はありません!」

――ほかに収録時の印象的なエピソードは何かありましたか?

♥ファイ:岩浪音響監督が仰っていた「『ジョジョ』には演技において小声がありません」という言葉はとても印象的でした。

★小野:第3部最初の「灰の塔(タワーオブグレー)」戦でも敵のスタンドについて飛行機の中で大声で話し合っていましたね。「これ絶対乗客に聞こえてしまっているんだけどな」と思ったのですが、そのときに岩浪さんのあの名言が…。

♥ファイ:そのときが初めてだったんですね。

★小野:声優として演技をする上で、話す相手との距離感はとても大事な要素です。飛行機のシーンで、おかれている状況と距離感を考えたら普通は大声にならない。だから最初はみんな、距離を意識して演じてみたのですけど、岩浪音響監督から「そうじゃない! 『ジョジョ』に小声はないです!!」と。

♥ファイ:承太郎が客室乗務員の方に「うっとーしくなくてよいぜ」と言っていたのに、とても大声で話していましたよね! それが『ジョジョ』の面白いところですから。前に制作スタッフさんのインタビューで拝読したのが「『ジョジョ』の演技は、舞台でのお芝居に近い」ということ。やりすぎはないと『覚悟』してきたのですが、それでもアフレコ現場に来て改めて『ジョジョ』特有の洗礼を受けました。「ここまでやっていいんだ」と驚きましたね。

――第1話のときに戸惑いはありましたか?

♥ファイ:エルメェスとの会話シーンで「小声で」と台本のト書きに書いてあるのでト書き通りに小声で演技したら、岩浪音響監督から初めて先の御指示をいただいて、最初はとても動揺してしまいました。でも、これが『ジョジョ』なんだなと。今までは1ファンとしてアニメを見てきたので、声優になって初めてスタッフさんはこういう想いで作ってらっしゃるのだと知ったことも多くて、本当に嬉しかったです。

★小野:確かにスタッフも『ジョジョ』が好き過ぎて、どうかしている(笑)。これを僕らの界隈では「『ジョジョ』をこじらせる」と言うのですけど。

♥ファイ:私もジョジョ展に行くときは毎回、徐倫の髪型をしていたからわかります。

★小野:こじらせているねえ。

♥ファイ:大輔パパも学生時代にブチャラティの髪型をしていたそうじゃないですか。

★小野:確かにしていた。こじらせてた!(笑)

徐倫は誇り高く憧れの存在

――ファイルーズさんは徐倫をどういうキャラだと捉えていますか?

♥ファイ:私の中で一番強く感じていることは、強くてカッコ良くて誇り高く愛情深い女性というものですけど、演じてみて初めて気づいたのが徐倫には19歳の等身大の女の子という部分もあるということ。そんな普通の女の子が父親譲りのタフな存在になっていくのがカッコ良いと思いました。

――小野さんは、承太郎が第6部まででどのように変化したと思いますか?

★小野:承太郎という存在は、知性とパワーを兼ね備えたキャラだと言われます。要は隙がないのです。最初は完璧を演じないといけないことがプレッシャーでした。さらに承太郎は、『ジョジョ』シリーズ全体のアイコンでもありますから。たくさんの方が『ジョジョ』と言われたら真っ先に承太郎を想い浮かべると思うので、当初は本当に荷が重かったです。第3部の承太郎は、高校生でありながら高い精神力を持っています。その精神力の高さと高校生らしさとを同時に表していたのが「プッツン」するところではないかと。第3部の承太郎は怒るんですよ。怒りのパワーを持っている。演じる上で一番大事にしたのは怒りかもしれない。「正義とは」と語るシーンがありますが、そこにあるのは悪への怒りです。それをベースに作っていきました。ですので、一番荒々しいのは第3部だと思います。

♥ファイ:確かに第4部は怒らないですね。第6部は愛の方が勝っている気が。娘への深い愛情がいいなと思います。

★小野:承太郎は大切にするものが少しずつ変わっていきました。第3部が「怒り」だとしたら、第4部は町を守る使命感、「誇り」ですね。杜王町という町の人だったり、自分を取り巻く仲間との「絆」を大事に生きている。そこからたどり着いた第6部は、娘への「愛」が彼を突き動かしています。そしてお母さんのこともちゃんと愛している。

♥ファイ:「根はやさしい子なのよね」とホリィさんも言っていましたね。

★小野:第6部は一番穏やかですね。もしかしたら今の小野大輔のメンタルに一番近いのは第6部かもしれない。

♥ファイ:承太郎と一緒に年齢を重ねているのかもしれませんね。

★小野:それはあるね。今は気負わず、優しい気持ちで演じています。それでも娘を殴りますけど(笑)。

『ジョジョ』との出会い

★小野:『ジョジョ』と出会ったきっかけは何だったの?

♥ファイ:よくぞ聞いてくれました! 子どもの頃、ネットサーフィンしていたらスラングとして「だが断る」「無駄無駄無駄」が出てきて「これは何だろう?」と。気になって調べたら『ジョジョ』が元ネタだとわかって興味を持ち、いきなり当時最新巻だった第6部の1~5巻を買いました。1巻を読んで徐倫が強くてかっこよくて好きだったのですけど、「承太郎やDIOって誰だ?」となって、よく理解できなかったんです。よくよく調べたら、これは第6部だとわかり、徐倫のことをもっと知りたいという一念で第1部から買おうと少しずつお小遣いをためて全巻揃えました。両親がエジプト人と日本人ということもあり、中高の頃は学校に馴染めなかったんですよ。ルーツを隠していました。でも『ジョジョ』と出会って、第3部でエジプトを舞台にアヴドゥルが活躍したことで、エジプトがより特別なものになりました。さらに『ジョジョ』がきっかけで友達もできて、エジプトにゆかりがあると言うと「アヴドゥルじゃん、かっこいい!」と言われて。このとき、自分のルーツが誇りになったんです。自分の価値観を変えてくれたのも『ジョジョ』だし、辛かった時期にどんな逆境でもくじけず立ち向かう徐倫を見て、同じ女性としてこうなりたいと思いました。そこから徐倫を助ける役を演じてみたいと思い、声優を目指すようになりました。

★小野:声優になるきっかけも『ジョジョ』なの?

♥ファイ:はい! 当時、『ジョジョ』のオタク界隈で『ジョジョ』を朗読することが流行っていたんですよ。初めて朗読会に参加したとき、周りから演技がとても上手いねと言ってもらえて。それが後押しとなって、「いつか声優になって徐倫を助ける役をやるぞ」と思い、ここまで来ました。

★小野:すごい! 夢がかなっちゃったね。

♥ファイ:かなっちゃいました! でもまさか徐倫を演じさせていただけるとは思いませんでしたけど。大輔パパの『ジョジョ』との出会いはどんな感じだったのですか?

★小野:『ジョジョ』との出会いは、大学生のとき。その前から読んでいましたが、しっかりハマったのは大学生。当時は第5部の連載中。大学のカリキュラムの中で挫折して、ラジオ業界を志したものの、そこでも何をどうすればいいのかわからない時期でした。そんななかで『ジョジョ』を読んでいて、ジョルノの「覚悟とは~」のくだりに出会いました。

♥ファイ:「「覚悟」とは!! 暗闇の荒野に!! 進むべき道を切り開く事(・・・・・・・・・・・)だッ!」というセリフですね。

★小野:そうそう。その言葉に勇気をもらえました。そのときに『ジョジョ』はただの漫画ではなく、人生の指標になってくれるような、辛いときに背中を押してくれる作品になったと感じたんです。荒木飛呂彦先生も「『ジョジョ』は人間讚歌だ」と書いていますよね。それが実感できて「本当だ! 俺は今、人間讃歌を読んでいるんだ!」と。

♥ファイ:うんうん。

★小野:そこから高揚しながら読み進めていったので、第5部がとても好きになりました。感動のあまり第1部から読み返すと、第3部で承太郎が「『道』というものは自分で切り開くものだ」と言っているんですよ。

♥ファイ:ブラボー! おお…ブラボー!!

★小野:そうしたつながりがとても好きで。『ジョジョ』は人間讃歌でもあるし、血統の話でもある。想いも受け継がれているんだなと思ったらシビレました。体に波紋を流されたような感覚になったんです。その後、大学のときの経験が自分の道を指し示してくれるキッカケとなりました。大学でラジオドラマを作っていたら、マイク前で声を出す機会があって、そのときに声を褒められたので調子に乗って声優事務所の養成所に通い始めたから、今ここにいると。

♥ファイ:同じじゃないですか!

★小野:血は争えないね。人生の転換期のところに『ジョジョ』が確実にありました。当時はブチャラティの髪型をしていましたしね(笑)。

♥ファイ:素敵ですよ! ブチャラティで思い出したのですけど、第5部アニメのジャパンプレミアが2019年の7月5日に開催されて、私の誕生日の前日だったので覚えているのですけど(笑)。当時の私はまだ声優の1年目で、オーディションを受けることすらなかなかできず、当然仕事も全くなくて…。『ジョジョ』の声優なんて夢のまた夢じゃないかと諦めかけていた時期なんですよ。そのイベントは300人弱のホールで開催されたのですが、観覧は抽選で1万人以上応募があったと聞きました。その応募要項に「『ジョジョ』への想いを書いて下さい」とあったので、絶対に大好きな第5部をイベントで見たいと思って相当長い文章で想いを綴って応募しました。そしたら当選しまして、そのときの座席券は今でも御守りとして持ち歩いています。第6部のオーディションのときももちろん持っていきました。そのイベントで登壇された小野賢章さんや中村悠一さんたちが、とても輝いて見えたんですよ。それを見て「なんで諦めようとしていたんだ私は」と思い直しました。どんな辛いことがあろうと何を言われようと何が起きようと、『ジョジョ』に携わると決めたのだから絶対やるんだと闘志が燃えました。

★小野:さっきからエピソードがすごすぎない? こんな風に彼女に圧倒される感じが時折あるんです。僕の好きはかみしめるような「ああ、好きだな…」という感じですけど、ファイルーズさんの「好き」は発散するというか、表に出る「好き!!」という感じ。そこがもう徐倫っぽいです。

♥ファイ:性格の違いかもしれないですね。

――最後に『ジョジョ』ファンへメッセージをお願いします。

♥ファイ:この『ジョジョ』シリーズは『ファントムブラッド』から『ストーンオーシャン』まで、たくさんのスタッフの皆様が愛と情熱を持って作り上げています。「JOJO magazine」を読んでらっしゃるということは、絶対に『ジョジョ』が好きだと思うので、心に「ズキュゥゥゥン」とくるものがあるはずです。是非、一緒にこれからも盛り上がっていければと思います!

★小野:今の時代のアニメーション技術で『ジョジョ』が大好きなスタッフたちが、その魂をこめて作品にしてくれています。こんなに幸せなことはないなと思っています。『ジョジョ』を好きな方々の期待を裏切ることはありません。原作以上にアニメで表現できることがきっとありますし、このスタッフなら絶対にやり遂げてくれると信じています。その象徴が、ファイルーズあいさんだと僕は思っています。

♥ファイ:ひー!

★小野:この子だったら絶対に『ストーンオーシャン』を素晴らしい作品に仕上げてくれると確信しています。

♥ファイ:それはコーラを飲んだらゲップが出るのと同じくらい確実ですか!?

★小野:そうだね。

♥ファイ:やったー! うれPーです。

★小野:今、真面目な話をしたのに(笑)。

♥ファイ:ごめんなさい(笑)。

★小野:やれやれだぜ。

――本日はありがとうございました!


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