Lawson Ticket (July 2012)
Interview Archive
An interview with Hirohiko Araki conducted right after the JoJo Exhibition press conference on July 5, 2012. It was posted on the Lawson Ticket website in promotion for the sale of tickets to the reopening of the exhibition in Tokyo.[1]
Interview
「スタンド」と呼ばれる特殊な能力を操る者が繰り広げる、手に汗握るスリリングな攻防。
見る者を圧倒せずにはいられないヴィジュアルセンス……。
漫画「ジョジョの奇妙な冒険」で、高い人気を誇る漫画家、荒木飛呂彦。
その連載25周年を記念して、これまでのキャリアを振り返る原画展が10月6日[土]から開催される。
荒木 「絵は、どんどん変わっていってしまうんですよ。 というか、あえて画風を捨てる。描いているうちに、重荷になってくるというのかな……。 過去のものを引きずらないように、話が切り替わるごとにあえて捨ててきました」
少年マンガ的な味わいを残した初期から、デザイン的なソリッドさを身につけた近作まで。厚くなった皮を脱ぎ捨てるように、進化しつづけてきた。
荒木 「絵ってやっぱり、描き方がすごく重要で。世の中にはいろんな画家がいて、いろんな描き方がある。 そうやっていろんな絵を見ているうちに、自分でも挑戦したくなるんです」
では、そんな彼のなかで一貫して変わらないモノとは何なのだろうか。
荒木 「人間への興味、ですかね。機械や神様に頼らずに、人間が解決していくっていう部分。 例えば主人公が違ったり、あるいは劇中に出てくる悪や善の概念が変われば、相応に微妙な変化はするんですけど、人間の行動を追求したい。 そこの部分は、一貫して変わっていないと思います」
仙台、東京での巡回展は、彼が幼少期を過ごした仙台で7月からスタート(すでに終了)。「ジョジョ」の劇中でも「杜王町」という名で、この地を描いてきた。
荒木 「僕の作品には、殺人鬼なんかも出てくる。 だからきっと、仙台の人たちは嫌がるだろうなあと思って、杜王町という地名にしたんですが、実は喜んでもらえているらしくて……(笑)。 僕にとって仙台の町は、やっぱり"故郷"なんでしょうね。そういう意味でも、特別な場所なんで」
仙台での開催に続く今回の東京展。選び抜かれた原画の数々が展示されるほか、荒木作品の独特な世界観を表現した造形物、さらにはAR(拡張現実)技術を応用して、鑑賞者が「ジョジョ」の世界に入り込むことのできるインタラクティブな展示も用意。まさに、「奇妙」な世界観を存分に体感できる展覧会になっている。
荒木 「昔の原画を見ると、その時代の空気やライヴ感が封じ込められている気がするんです。 ツヤツヤしてるなとか、線が走ってるなとか。今、これは描けないなってモノがある。 そんな勢いをぜひ、楽しんで見ていただければと思います」
東京展のキーヴィジュアルは「無敵でおめでたい」組み合わせ!?
すでに開催が終了した仙台展や、開催を予定しているフィレンツェ展など、それぞれの展示会場のために描き下ろされたキーヴィジュアル。 東京展では荒木飛呂彦いわく「日本といえば富士山。 そして承太郎、イギー、たんぽぽ、この4点が揃えばなんとも無敵でおめでたい」と描かれた一枚。
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