PASH! Magazine (February 2024)

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Published January 10, 2024
Mamoru Miyano on the cover of PASH! Magazine February 2024 issue

An interview with Mamoru Miyano, the actor of Dio Brando in the Phantom Blood musical. It was released on January 10, 2024, in the February 2024 issue of PASH! Magazine.

Interview

WIP

JOJO
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MAMORU MIYANO

Special Interview

人気漫画『ジョジョの奇妙な冒険』がなんと帝国劇場でミュージカル化!
主人公・ジョナサン・ジョースターのライバルであるディオ・ブランドー役を演じるのは、声優、歌手、俳優などで幅広く活躍する宮野真守だ。作品への思いや意気込みについて、たっぷりと話を伺った。


大人になって改めて感じたディオの魅力

――ディオ・ブランドー役としてミュージカル『ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド』へ出演することが決まったときの感想を教えてください。

 まずは『ジョジョの奇妙な冒険』という作品がミュージカルになると聞いて、非常に驚きました。……僕、何を隠そう巻ではちょっとした有名な声優なんですが(笑)、やっぱりアニメ業界、そして声優業界のなかで“ジョジョ”って特別な作品なんです。当然僕も触れる機会がたくさんありましたし、実はオーディションを受けたこともあって。でも、そのときはご縁がなかったんですね。そんな自分にとっての初“ジョジョ”が、まさかミュージカルになるとは思ってもいませんでした。僕は“ジョジョ”のなかでも特に第1部が好きで、子どもの頃からコミックスも読んでいましたので、ディオ・ブランドーという役をやれることはこの上ない喜びだし、プレッシャーももちろんありますがとても光栄なことだと感じています。

――ディオに対する印象をお聞かせください。

 “ジョジョ”というシリーズのなかでも圧倒的な存在感を放っていて、“悪のカリスマ”というイメージを持ったディオが示す姿は、やっぱりかっこよく、セクシーだと思います。それは子どもの頃に原作を読んでいたときから感じていた印象ですね。ただ、大人になった今、ディオ役をやらせていただくにあたりコミックスを読み返したところ、子どもの頃に感じていたようなかっこよさとはまた違う、彼の繊細さやその奥底にある真実が⸺なぜああいった、ともすれば独善的にも見える考え方をするようになったのかという点も含めて、より明確に見えてくるようになりました。貧民街で過ごした悔しさや親に対する思い、そこで彼の賢しさが生み出した「自分はこの父親のようにはならないぞ」というメンタリティ…子どもの頃の原体験ゆえにそうならないと生きてこられなかった彼の人となりに改めて触れ、“ジョジョ”という作品のテーマである人間讃歌の深さを再確認した気がします。このインタビューの段階ではまだ稽古には参加できていないのですが、そんな最高に面白いディオという人物を繊細に演じていきたいと思っています。

――PVやスチールの撮影で衣裳を身に付けた感想はいかがでしたか?

 ミュージカルで“ジョジョ”の第1部をやると聞いたときに、なるほどなと思ったんです。あのクラシカルな空気は帝劇の環境にも豪華絢爛な雰囲気にも合うだろうなと。でも衣裳デザインを見たら、めちゃくちゃアバンギャルドでファッション性に富んだものじゃないですか。ファッションデザイナーである久保嘉男 (yoshiokubo) さんが衣裳として入られていると聞いて、うわ、やられた!新しい!と思いました。クラシカルな要素を入れつつもデザインで新しく見せるというのはほかにはないやり方ですし、今までにないものを見せようとしているこのミュージカルならではの切り口だと感じましたね。それを最初に皆さんにお見せするのがあのスチールビジュアルだったというのは、非常に大きかったんじゃないかなと思います。

――スチールはポージングも相まって一気に惹き込まれました。

 スチール撮影の段階から演出・振付の長谷川寧さんが「こんな感じ」と丁寧に演出してくださって。僕もディオになりきって、カメラ前に立たせていただきました。

――ドーヴ・アチアさんが手掛けるミュージカル楽曲の音源を聴いた感想はいかがでしたか?

 いろいろな曲調の曲があって、洋楽のかっこいいサウンドのような感覚でデモを聴かせていただきました。そういう意味では、音楽の面でもこれまでにないミュージカルの形になるんじゃないかなと思います。なかにはディオの曲もありまして。まだ詳しくは言えませんが、いろいろと注目ポイントがありました。そこにどんな言葉で歌詞が綴られるのかも含め、楽しみにしてほしいですね。ぜひ期待していただけたらと思います!

――ちなみに、宮野さんはもともと“ジョジョ”がお好きだったそうですが、好きなキャラクターは誰ですか?

 うーん、難しいですが、ディオ以外で答えると…空条承太郎でしょうか。僕は、第1部はコミックスであとから読んでいまして、第3部がリアルタイムの世代なんです。なので、「週刊少年ジャンプ」の誌上で見ていた承太郎の活躍がやっぱり印象深いですね。

――では、原作を読んで、ディオに関するシーンやセリフで特に印象に残っているものは?

 ディオはいろいろと抱えているものもあるし、名シーンや名ゼリフを挙げようと思ったらキリがないので…ここはあえて、ディオが言われたセリフを挙げたいと思います! 「さすがティオ! おれたちにできない事を平然とやってのけるッ そこにシビれる! あこがれるゥ!」。これ、“ジョジョ”ファンだったら絶対に一度は言ってみたいセリフですよね(笑)。

身体を使った芝居と声の芝居との違い

――帝国劇場の舞台に立つことへの思いもお聞かせください。

 僕が初めて帝劇に立たせてもらったのは、ミュージカル『王家の紋章』のときですね。そのときは漫画原作の日本オリジナルミュージカルで、主人公の宿命のライバルという役どころでした。初演、再演で2回立たせていただき、今回が3回目となるのですが、今回も、漫画原作の日本オリジナルミュージカルで、しかも主人公の宿命のライバル役ということで(笑)。僕しかいなかったんだな!(笑)と、なんだか運命的なものを感じています。『王家の紋章』のあとにもたくさんの舞台に立たせていただいたり、フィジカル表現にも挑戦したりと、あの頃以上に僕自身の経験値も熟してきているのかなという気がしています。

――演出・振付の長谷川さんはフィジカルも存分に活かした表現手段を使うことに定評がある方ですね。今回もそういったパフォーマンスが観られるのではないかとファンの期待は高まっていると思います。

 そうですね、主役のふたり (ジョナサン・ジョースター役の松下優也さん、有澤樟太郎さん) はすごく身体が利く子たちですし、きっと今回はフィジカル表現がすごく肝になってくると思います。ただ、僕としては少し恐怖していますね。僕はもう40歳ですから、お手柔らかにしてほしいなと(笑)。

――宮野さんご自身も、ライブや舞台などで普段からフィジカルを存分に使ったパフォーマンスをされていると思います。

 いやいや、いつも老骨に鞭打ちながら頑張っているんですよ。例えば劇団☆新感線の舞台をやらせていただくときなんかは、毎回必ずどこかしらを負傷していますし(笑)。だから、今回は自分のフィジカルももっとしっかりと磨き上げて臨まないといけないなと、今から恐怖を感じています。ただ、「新感線」と出会い、いのうえひでのりさん演出の3作品に出演した経験が、僕に自信をくれたと思っています。やり遂げられたという事実が。特に2022年にやった「いのうえ歌舞伎『神州無頼街』」という作品は、歌もダンスも殺陣も相当あったので、それをシングルキャストでやり抜けたことは、僕のなかで舞台表現の基盤になっているな、と。今回の“ジョジョ”でも、その経験を活かしながら頑張りたいと思います。

――ちなみに、普段、声優としてお芝居をされるときと、身体も使った芝居をされるときとでは、何か考え方の違いのようなものもあるのでしょうか?

 これは文字としてお伝えするのが難しいことではあるのですが…「その役に向きあって、役のことを考える」という根本においては、声優の仕事も、舞台の仕事も、TVの仕事も同じ向き合い方ではあるんです。ただ、声優のお仕事は、よりイマジネーションが肝になっているといいますか…。単純な話、「ディオが寝転がってしゃべっている」という芝居をする場合、舞台やTVの仕事のような身体も使った芝居の場合は「寝転がってしゃべる」という状況だけがあるので、お腹への力の入り方や喉の締まり具合で声のニュアンスなんていくらでも変わるじゃないですか。でも声優の場合は、それを想像して、普段の声帯の状態のままマイクの前でそれを表現する必要があるんです。しかも、「自分はそれをイメージしてやっている」だけではダメで、きちんと音でそれを伝えなくてはいけない。なので、基本的な考え方は同じではあれど、アウトプットのさせ方は実は細かく違っていて、だからこそそこに難しさがありますね。

――自分の身体を使って声帯の締り方などの肉体の変化を実際に感じながら演じるのと、想像して演じることの違いというわけですね。

 例えば、身体を伸ばして遠くにあるものを取ろうとしたとき、「うっ」と息が漏れるとするじゃないですか。でも、舞台のときは、別にその芝居をやってもやらなくてもいいんです。「遠くにあるものを取ろうとして身体を伸ばす」という芝居が既にあるから。けど、声優のお仕事の場合は「ここで手を伸ばしたときの息をください」というディレクションがあったら、手を伸ばしたときに自然発生する息の音を想像して「うっ」と言わないといけません。だから、「いかにそれを想像できるか」がより大切になってくるんです。その想像力を養うためにはやっぱり経験が必要ですから、僕は普段から声優のお仕事をいただいたときはなるべく役と同じような体験をプライベートでやってみるようにしています。そういう意味では、舞台の仕事やTVの仕事は実体験をさせてくれるので、想像力だけでは補えないことを経験できるし、実際に感じることができるので、声優の仕事にもフィードバックできるものが非常に多いです。役者・宮野真守を形成するうえで欠かせない、さまざまな材料をもらうことができて非常にありがたいなと思いますね。

――先ほど「声優業界で“ジョジョ”は特別な作品」というお話がありましたが、今回、ディオ役を演じるにあたってアニメシリーズのことは意識されていらっしゃいますか?

 これが面白いもので。僕、普段だと漫画やアニメが原作の作品がミュージカルになる場合、僕は原作側になることのほうが多いんです。だから、ミュージカルに出演される役者さんとお話させていただく機会があったら、よく「僕の芝居のことなんて気にしないで、自分の表現を突き詰めてください!」と言っていて。でも、僕は今、(アニメ『ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド』でティオ役を務めた) 子安 (武人) さんのことをめちゃくちゃ研究しているんですよ(笑)。

――そうなんですね!

 ただ、それは決して子安さんを真似しようと思っているわけではなくて。「子安さんはこのときにどういうふうにディオをやっていたんだろう?」と確認することで、自分のディオ像に対して「自分はこうやろう」というフィードバックの仕方をさせてもらえるんです。そもそも、子安さんは僕にとっては師匠のような人なんですよ。20代前半の頃には子安さんが演じる役を「我が師」と呼ぶ役をやっていたのですが、そのときから僕自身もずっと勝手に心の師と仰いで、「盗めるものは盗みたい」という眼差しで子安さんの背中を見てきました。だから、その子安さんが演じた役を舞台で僕がやることに対しても、特別な感慨があって。僕自身がもともと“ジョジョ”、特に第1部が好きだったこともあって、自分のなかで“ジョジョ”の世界観が確立されているからこそ、子安さんのお芝居と照らし合わせたり、そこから導き出したりして、自分のディオを想像するのはすごく楽しいです。そういう意味では、他の人の参考の仕方とは少し違うかもしれませんね。

経験を積み重ねたという事実が自信をもたらす

――宮野さんならではのディオがどんなものになるのか、今からとても楽しみです。さて、舞台やミュージカルはもちろん、アーティストとしても、さらにアイドル「雅マモル」としても、数々の大舞台に立ってきた宮野さん。観客の前に立つ際はいったいどういった心境をされているのでしょう? 緊張でドキドキしているのか、それとも楽しいと思っているのか、その心持ちを教えていただけますか?

 もちろん「楽しい」が根本にないとここにはいないと思いますが、人前に立つときは「絶対に面白いと思って帰ってもらおう」という責任感が一番強いかもしれません。だから僕はプレッシャーを感じやすくて、いつも「今日、いい表現をできなかったらどうしよう…」と思っているんです。一度舞台に立ってその役になったり、パフォーマンスしたりし始めたら、そこに集中するしかないので忘れることではあるのですが、本番前は毎回その責任感に負けそうになりますね。

――それは少し意外です! そのプレッシャーはどうやって乗り越えているのでしょうか?

 その不安を打ち消すぐらいの自信を稽古でつけたり、自分できちんとこだわりを持つことによって、「自分はこれをとことん突き詰めて用意しました!」と思える地盤を固めることでしょうか。それが認めてもらえるかどうかは蓋を開けてみないとわからないので、毎回ドキドキしますが、まずは自分で面白いと思えることを追求しないと、と。皆さんに楽しんでもらいたいという思いがあるからこそ、短パンのアイドルも全力でやれているんですよ。なので、実は緊張しながら短パンを履いているということだけは頭に入れてもらえたらと思います(笑)。

――今年、40歳を迎えた宮野さん。これまでのご自身の活動を振り返ってみて、いかがですか? 今後の目標や課題があったら教えてください。

 ずっと自信がない人生だったので、そのためには「とにかく打ち込むしかない」と思ってずっとがむしゃらに走ってきたと思います。20代の頃は、自分の仕事ができている状況や自分にできる表現、そして自分が求められるものも含め、まだ自信を持てるような状況にはなっていませんでしたが、今改めて振り返ると、ここまでやってきた時間が確実に今の自分を助けてくれていると感じます。舞台でこんな経験をした、こういう作品に参加した、『王家の紋章』で帝劇に立たせてもらった…そういう「こんなことやった」がある事実。声優の仕事も18歳から始めたけど、いろんな仕事に出会って、いろんな役に挑戦してきたという積み重ねがある事実。そして、歌の活動も15周年を迎えましたが、15年間続けることができたという事実⸺。その一つひとつが、40歳になった今、大きな何かになっている気がします。それは朝ドラという形だったり、バラエティ番組のレギュラーという形だったり、声優のお仕事でもマリオの声優を任せてもらえるという形だったり。そこに対して緊張は相変わらずしていますけど、変に気負いすることはなくなりました。きっと諦めなかった時間がいつの間にか自分に自信をくれていたんだと思いますね。若い頃に周りから「大丈夫だよ」なんて言われても「こっちは大丈夫じゃないよ!」「仕事がないんだよ!」って反発していましたけど(笑)。諦めずに打ち込んできたからこそ今があると思うと、どのパーツも自分にとっては切り離せないものにもなっているんだと思いますね。だから今回、ミュージカル“ジョジョ”という形で新たな挑戦ができることにとてもワクワクしています。40歳になってもまだ新しいことがあることがとても楽しいですね。


PROFILE
みやの・まもる 劇団ひまわり所属。主な出演作:『うる星やつら』面堂終太郎役、『THE MARGINAL SERVICE』ブライアン・ナイトレイダー役 ほか


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