SWITCH (April 2006)

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Published April 20, 2006
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SWITCH May 2006 Vol.24 No.5

An interview with Hirohiko Araki discussing his judging for UNIQLO CREATIVE AWARD 2006 and the T-shirt designs he contributed. It was published in the May 2006 issue of SWITCH on April 20, 2006.[1]

Interview

今年二回目を迎えるユニクロ・クリエイティブアワード2006。

毎回さまざまなジャンルのクリエイターが審査を務めるこのアワード、今回は『ジョジョの奇妙な冒険』でおなじみ、漫画家の荒木飛呂彦が審査員に名を連ねている。

「Tシャツは特殊なメディアですね。布にプリントしているということ、そして家に飾るのではなくて、着て外を歩くということが前提にあるので、見た人の印象に残ることが大事かなと思ったんです。パッと見て、明日になったら忘れるようなものではなくて、どこか心に残るようなもの。だから選考も一、二週間かけましたね。最初にいいなと思ったものをまず選んで、 一週間後にもう一度あらためて見て、記憶に残っているものを選ぶようにしました」

かつて、自らのデビューのきっかけとなったのが漫画賞入選だったこともあり、現在も漫画賞をはじめ、今回のようなアワードの審査もできるだけ引き受けるようにしているという。

「僕も、最初に漫画賞に応募したのは、やっぱり自分の好きな漫画家さんが審査しているということが大きかったので。昔、小説家の筒井康隆さんから作品を褒めていただいた一行くらいの短い選評が掲載されたことがあって、やっぱりすごく嬉しかったですから」

そして今回、荒木自身がデザインしたTシャツの絵柄はニパターン。実はそれぞれにタイトルがつけられている。

「"キラー・タイガー・クイーン"と"キラー・ダンシング・クイーン"というタイトルです。"キラー・タイガー・クイーン"のほうは、応募作にも多かったアニマルを自分がテーマにするならこうしたいと思ってデザインしたものです。一方"キラー・ダンシング・クイーン"(左下)は、バレエを踊っている人の緊張感を意識して描きました」

ところで、荒木の代表作である『ジョジョの奇妙な冒険』は、壮大なサーガとして、現在第七部にあたる『スティール・ボール・ラン』がウルトラジャンプ(集英社刊)にて連載中だ。最近、荒木がカントリーミュージックにはまっているらしいという話を担当氏から聞いて、ちょうどアメリカ西部の風景が頻出するその最新作の印象と重なった。

「実を言うと、デビュー作が西部劇の短篇なんです。結構そういう世界は好きですね。子供の頃に『夕陽のガンマン』という映画を見て、主人公が一人で砂漠に馬にまたがっている映像がすごく印象に残っています。それと漫画の『バビル二世』で、砂漠に学生服を着て立っている少年のシーンがあったんですけど、そのシーンがすごく好きで、その絵ばっかり描きたいくらいです。だから、『ジョジョの奇妙な冒険』の主人公である承太郎を、とにかく学生服で砂漠に行かせたかった(笑)」

そんなイメージからはじまったこの壮大なサーガを、すでに二十年近く描き続けている荒木。その持続力の秘密を訊いた。

「やっぱり"人間"をテーマにしたから、ここまで続いているのかもしれない。あるキャラクターを描いていくと、やっぱり謎の部分が残るんです。だから、"描き切っちゃった"と思うと駄目なのかもしれないですね」

人間の行動や運命が抱えている謎や不思議が明かされない限り、このサーガは続いていくのかもしれない。


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