ブチャラティチームキャスト座談会(前編)
ジョルノ役・小野賢章、ブチャラティ役・中村悠一、アバッキオ役・諏訪部順一、ミスタ役・鳥海浩輔、ナランチャ役・山下大輝、フーゴ役・榎木淳弥、トリッシュ役・千本木彩花。最終話までのアフレコを終えたブチャラティチームのキャスト陣を直撃した。ジョルノたちと共に旅をしてきた彼らは、今、キャラクターたちにどんなことをかんじているのだろうか?
ーー最終話までアフレコを終えられたとのことで、まずはお疲れさまでした。現在の率直なお気持ちをお聞かせください。
小野(以下、小) 1年近く録っていたんですけど、本当にあっという間でした。キャラクターが魅力的で、その魅力に負けないように必死についていこうとやっていたらここまで来た、という印象です。
諏訪部(以下、諏) アバッキオは途中リタイアという形になってしまいましたが、作品は視聴者としてずっと追い続けていました。原作通り、最終回直前のエピソードでちゃんと出番があってよかったです。今の心境は、やはり非常にさびしいですね。もっと演じたいという気持ちでいっぱいです。できることなら時間を巻き戻して、最初から。「アリアリ」や「無駄無駄」ラッシュは、生で見たかったなぁ。ムーディー・ブルーズの能力が使えるなら、今ここで「再生(リプレイ)」したい(笑)。
千本木(以下、千) (笑)。私もあっという間だったなという感想と、さびしいなという感想が大きいですね。一生懸命がむしゃらにやっていたら終わってしまったという感覚で。私は第9話からの参加でしたから、本当に早かったという思いでいっぱいです。
中村(以下、中) 始まるときは「長いシリーズになるな」と思ったんですが、終わってみるとあっという間でしたね。間で収録がお休みに入る期間もあったんですけど、それでも1年近くやったような気がしないというか。本当に一瞬に過ぎ去っていった感じがあります。諏訪部さんが言っていたように、もっとやりたいとは思うんですが、原作がある作品で、第2期は確実に存在しないので、さびしいものだなと思いますね。
山下(以下、山) 毎週のように録っていて「この時間は『ジョジョ』の時間だ」と思っていたので、また来週になったらさびしさが倍増するんだろうなという気持ちですね。本当にあっという間でしたし、毎回毎回すごく濃い内容で、思い出に残る作品だったなと思います。今後もどんな形かわからないですけど、演じる機会があればいいな、なんて思っています。
榎木(以下、榎) 私は最初から「あっという間に終わるだろうな」と思っていたました(笑)。フーゴはトータルだと1クール分くらい出ているか出ていないかくらいで、出番のない回も多かったので。でもその中で『ジョジョ』の濃い世界観に浸れて、短かかったですね。フーゴはまだ生きているから、“今後”がある可能性もあると思うので、それを願いたいと思います。
鳥海(以下、鳥) 本当にみなさんがおっしゃるように、期間だけを考えると長い期間やっていたと思うんですけど、終わってしまうとなるとあっという間でさびしさが募ります。収録中も収録後も、チームのような形でみんなでいたので、また何か機会に恵まれたらこうして集まってやれることがあればうれしいなと思います。
ーーありがとうございます。ここからは、これまでの長い旅を振り返っていただきます。それぞれのキャラクターについて、印象に残っているセリフやシーンを教えてください。まずはジョルノから。小野さん、いかがですか?
小 名言ばっかりだったんで悩ましいですね。セリフで言ったらやっぱり、ギアッチョ戦の「『覚悟』とは!!暗闇の荒野に!!進むべき道を切り開くことだッ!」は、原作を読んだときからすごく好きなセリフだったので、印象に残っています。気合が入りすぎてしまって、収録のときのことはあまり覚えていないくらい(笑)。
ーーギアッチョ戦はかなり激しい戦いでしたからね。以前の本誌のインタビューで、鳥海さんもギアッチョ戦の収録は大変だったとおっしゃっていました。
鳥 戦いつつもよくしゃべっていましたからね。印象的なフレーズがとくに多かった回なんじゃないかな。ジョルノもそうだし、ギアッチョも記憶に残るセリフの多い人なので。ものすごいテンションで駆け抜けた思い出しかないですね。細かいことがどうこういうのはなかなか覚えていなくて、とにかく画面上の彼らみたいに過酷な状況で我々も進んでいたような。
ーーまさに「突っ切るしかねえッ!」というかんじですね。千本木さんもギアッチョ戦がお好きだそうですね。
千 はい、やっぱりあの戦いは心を揺さぶれるエピソードだったと思います。私は出ていなかったのですが、オンエアを観ていちファンとして楽し見せていただきました。もう、始まったと思ったら終わっていたというようなレベルで!
中 僕がジョルノのセリフで印象に残っているのは、名ゼリフになるのかはわからないですが、「無駄無駄」かな。総尺は第31話でチョコラータにやったものが一番長いんですが、それよりもディアボロにやったラッシュのほうが地味にきつそうで。
小 チョコラータ戦のラッシュはカットごとで細かく息継ぎはできたんです。15回とか、20回に一回くらい切り返しがあったんで。でもディアボロ戦のラッシュは、45回くらいかな?ノンブレスだったんですよ。完全に盲点でした(笑)。「これは続かないんだ」と最後の最後で知るという。
ーーチョコラータ戦のものが一番大変なのだと思っていたので、意外です。
小 そうなんですよ、僕も「あそこを乗り越えたから、大丈夫だろう」と思って油断していて。アフレコ臨んだら全然息が続かなくて「どうしょう……」って思いました。
中 ただロングトーンでやればいいわけではないですからね。テンションとか、どう終わるかとか。
鳥 最後が一番力強いキメにならないといけないから、ブレスが一番きつくなってきたところで最後の一押しのパワーがいるんですね。
中 なかなか大変だなと思いますよ。
諏 やっぱり特殊な呼吸法を身につけないとね。矯正マスクを装着したりして(笑)。
ーー呼吸法は身につきましたか?
小 そこはもう、頑張りました(笑)。
一同 (笑)。
小 あと、何気にジョルノは「こいつ、無敵か」って言うことが多くて、それもけっこう印象に残っています。大体敵に対面するとまずは「無敵」っていう立ち位置に持っていくんですよ(笑)。
諏 そしてそれをフルボッコにするっていう流れ。
小 上げて落とすんです、ジョルノの無敵宣言(笑)。
ーーギアッチョ戦でも「永に関しては弱点がない」って言っていました。
鳥 ギアッチョは実際に無敵気味でしたけどね。
千 たしかにそうですね(笑)。
山 しぶとかったですよね。
ーー続いてブチャラティの印象的なシーンはどこですか?
中 トータルで見ると、第1話と第2話ですね。キャラがちょっと違うっていう。第38話・第39話では1話の前日譚が描かれるのですが、「……第1話とつながらないな」と(笑)。
諏 きさま!何を言い出すんだッ!
中 いやいや、荒木先生を批判するつもりは全然いないですよ!(笑)全シリーズを見ても、物語の中でどんどんキャラクターが進化していくので。第5部でも全員そうなんですけど、ブチャラティはとくに顕著だなと思います。
鳥 きっと第1話でジョルノに会う直前に組織の麻薬の話を知って、自暴自棄な状態だったんじゃない?(笑)
中 なるほど!きっとそれだ(笑)。
鳥 ブチャラティの名ゼリフといえば、第20話の「吐き気をもよおす『邪悪』」。第2弾OPでも、ブチャラティのあのシーンはいいですよね。
諏 ギャングの中にあっても己の正義を突き通す姿はやはりかっこいいよね。
千 第21話のボート乗り場での「自分の『信じられる道』を歩いていたい!」というセリフも、私の心の中に刻まれています。
鳥 第30話の車中の会話もいいですよね。悟っている感じというか、受け入れている感じ。私(ミスタ)は寝ていたんですが(笑)。
山 血がいっぱい出ちゃっていましたからね(笑)。
諏 名言と言えば、プロシュート&ペッシ戦にもあるよね。
中 「覚悟はいいか?オレはできてる」なんかは、マンガだとけっこう小さめのコマでサラッと言っているんですよ。でもやっぱりみなさんの中で強く残っているから、アニメでは少し目立つ演出にしていて。マンガでやっていたときと違って、今の受け手の解釈でアニメ化しているから、ちょっと演出を変えているというのは面白いなと思いますね。
アバッキオは突っ込みどころが多い⁉
ーーでは、アバッキオはいかがですか?
諏 アバッキオは初登場時、ジョルノにヤバいものを飲ませようと画策するなど、視聴者のみなさん的に「こいつなんやねん」っていうところからのスタートでしたが、最終的には評価が爆上がりしたのではないでしょうか?そうであって欲しいです(笑)。自分の心の中にある守るべき正義を自ら裏切ってしまったことにより、命を落としてしまった同僚警官。それがずっと深い傷として残っている彼は、『命令を完了する』ことを大切なことと定めてやってきました。与えられた命令を遂行する最中、子どもたちに親切心を出したばっかりに……。道半ば無念の最期ではありましたが、しかしアバッキオの魂は救われたような気がしました。アニメオリジナルの演出もあった第28話は非常に素敵なエピソードだったと思います。……ただ、名言は同僚警官のセリフなんですとねぇ。
中 (笑)。アバッキオは途中でしゃべり終えていましたからね。
諏 アバッキオにもいいこと言って欲しかったです(笑)。数少ない戦闘では、ポンペイでのチンピラキックがたまらないですね。あとは第22話でほかのメンバーに後乗りして殴る蹴るところも。
山 あそこはすごく印象に残っています!ワインを飲んだと思ったら次のカットでもう暴行に加わっていて。
鳥 ノらなさそうでノッてくる。
諏 落ち着いた大人っぽさを漂わせつつ「おまえもかいッ!」ってところが面白い。
千 お茶目ですね(笑)。
小 僕はナランチャが小便しているのを見て「きたねえッ!」って言っていたのが衝撃的でした。
山 「変態趣味になったか!」とも言っていましたね。
小 ジョルノとしては、アバッキオから「お茶」の振る舞いを受けた身なので、「あなたが言うんですか」って(笑)。
諏 それは視聴者のみなさんからもさんざん突っ込まれていましたね(笑)。
山 アバッキオはけっこう突っ込みどころが多いですよね。
諏 いろいろ矛盾があるんだよ。人間だもの。
小 前に進むってそういうことですよね。
諏 そうそう(笑)。
小 あと、ムーディー・ブルーズの肩の部分をつかむと伸びるっていうのが印象的で。ちょっと触ってみたいです。
諏 あれは驚きましたね。ヌメッとした質感とセクシーなフォルムがムーディー・ブルーズの魅力ですね。かつては「ほかのスタンドと比べて地味だな」と思っていたのですが、今回のアニメ化で非常に好きになりました。みなさん、「弱い」といじめないでください(笑)。
鳥 弱くはないですよ。マン・イン・ザ・ミラーのときは押していたじゃないですか。
諏 あれはマン・イン・ザ・ミラーが鏡の中に引きずり込む能力にエネルギーのほとんどを使っていて攻撃パワーがほとんどないからで。ムーディー・ブルーズよりアバッキオが直接戦ったほうが強いんじゃないかというウワサです(笑)。
小 音も印象的ですよね。
諏 ちょっとレトロな表現でしたね。アニメならではの表現で色づけされたことによって、ムーディー・ブルーズのスタンド能力はより印象深くなったような気がしました。
ーーお次はミスタについて。
鳥 ミスタは第一印象と、戦闘中とのギャップがすごくある人ですよね。冷静だったり冷徹だったり、戦いの中での肝の据わり方と、ふだんの姿との差が激しくて、演じていても面白かったなと思います。よくしゃべる人なんですが、印象に残っているとなるとなんだろうな……。ギアッチョ戦は印象に残っていますが……あ、「ジョルノ」ってすごくいっぱい言った気がする。
小 僕も「ミスタ」って何回叫んだことが。
諏 ギアッチョ戦はお互いにすごく呼びあっていまして。ミスタは早々にジョルノを認めていましたよね。
中 アニメ化で改めて観ると能力の相性もいいんですよね。銃弾が実弾だから、生命を与えられる。もし(第3部の)ホル・ホースみたいな能力だったらできなかった。
鳥 ホル・ホースの銃はスタンドだからね。そういった意味では、すごく人間くさいやりとりをそれぞれのキャラクターとしているんじゃないかな。そういうところが印象に残っていますね。
ーー14話では、フーゴとトリッシュの胸元にドキドキする一幕もありました。
鳥 年相応のやり取りですね。
榎 忘れがちですけど、10代ですからね(笑)。
鳥 思春期ですもんね。そういうギャップがすごくあるキャラクターだったので、非常に面白かったです。
諏 ミスタだけでなく、セックス・ピストルズもすべて演じるのは大変そうでしたね。
中 あのセリフ量だと、若干「別キャストでもいいんじゃない?」って思いませんでした?(笑)
鳥 でもそうすると、2話くらい出番なし回ができてしまうんですよ(笑)。ミスタがやられたあとにピストルズが頑張るってことがあって。
中 それは大事だね(笑)。
鳥 あそこまでしゃべるスタンドはなかなかないと思うので、大変は大変でしたが、楽しかったですよ。スタンドがミスタとだけじゃなくほかの人とも会話しているんですよ。
山 泣き虫は№5でしたっけ?めちゃめちゃかわいかった。№5が頑張る回が好きです。あの意思があるのはかわいいですよね。
千 お昼ごはんをねだったりするのも、なかなか珍しいですよね。
鳥 ミスタとピストルズは、親子みたいですよね(笑)。
キャラクターの好感度が上下したきっかけとは⁉
ーー続いてナランチャについて、お願いします。
山 ふだんみんなと会話をしているときは、算数もできないアホの子なんですけど、戦闘になるとすごく機転がきいて頭の回転が速くなるというのが印象的で。ホルマジオ戦もそうなんですけど、スクアーロ&ティッツァーノ戦ではすぐ行動に移せるポテンシャルを持っているなと感じました。あとはやっぱり誰よりも、ブチャラティをはじめ仲間のことをすごく思う子だなと感じていて。自分が生きている理由が「ここにいること」だと発見できた、運河をクロールで泳ぐシーンはすごく印象的でした。ナランチャが初めて自分で選択をして一歩踏み出すことができたのが、あのシーンじゃないのかなって思うんですよね。「自分で決めるんだ」ってブチャラティに言われて、「『命令』してくれ」から「命令しないでくれ」になるところが、すごく熱いですよね。原作を読んでいても感じたのですが、あのシーンはすごく好きです。
ーーあのシーンは絵の力も強く感じられました。
山 アニメ化になったからこその演出のすごさ、オリジナリティーみたいなところもありましたね。演出といえば、ホルマジオ戦で色がバッて変わるシーンはすごく感動しました。炎が紫になって、音楽も一緒に変わるのが、すごくかっこいいなと。スタッフのみなさんも『ジョジョ』のことが大好きな人たちで、すごく気合いを入れて作っているんだと感じる演出でした。
中 ナランチャの一番かっこいいところは、第1弾のOPだよね。
山 (腕を広げて)これですか?
榎 セルフ滑走路!
諏 ナランチャは孤立無援で戦いがち。
鳥 必ず一人で戦いに行く。
中 お当番回が長いしね。
山 そうですね、ずーっと叫んで、ずーっとモノローグで葛藤しているんで、本当に忙しかったです。山下の頭の回転が追いつかなかった(笑)。
ーースクアーロ&ティッツアーノ戦で、トーキング・ヘッドに操られるところと、モノローグの葛藤のところは、別々に収録されたんですか?
山 そのままの流れで、一緒に録りました。最初はもっと操られていることがバレないようにやっていたんですけど、「わかりやすくウソをついている感じに」と演出をいただいて。ちょっとロボットっぽく、言わされている感のある演出になったことで、観ている方にはよりわかりやすくなったのかなと思います。でもやっぱり大変でした。自分も自分で何を言っているかわからなくなるし……。
諏 ナランチャはアバッキオが死んだとき一番激しく悲しんでくれたので、好感度が上がりました。
一同 (笑)。
小 ほかのキャラクターの気持ちを代弁してくれていましたね。
鳥 我々も悲しんでいるんですよ。ブチャラティなんて、出ないはずの血を流していましたからね(笑)。
中 あれはきっと無理して出したんだよ、残っていた血を。ワンワン泣くヤツがいるからね。こっちだって泣きたいよ!(笑)
一同 (笑)。
山 やっぱり、小さいころにいろんな経験をしていたからこそ、人に寄り添えるようなやさしさを持っているのかなって思います。残念なことに死んでいしまいましたが……。学校に行ってほしかった……。
榎 あのセリフは、完全にフラグだったもんね。
山 「言うな」って思ったもん!精神が入れ替わっていたので、賢章くんがあのセリフを言ったんですけど。
小 僕も「言いたくないな」って思いましたよ。
山 スクアーロ&ティッツァーノ戦を経て、やっとジョルノとも仲よくなって、いろいろ未来が見え始めたときに、突然だったから……もう「荒木先生……」って思いました。残酷ですよ、この世界は……。
ーーでは続いて、フーゴはいかがでしょう?
榎 フーゴは原作にないセリフをたくさん追加してもらっていて。ボート乗らずに別れるシーンでも「正しいバカにはなれない」とか。その言葉から、「みんながボスのことを許さずに自分の正義のために戦いに行くのを正しいとわかっていながらも、ついていけない」っていう苦しみが人間らしいなと感じました。僕もたぶん、行かないと思うんで。みんな、死ぬだろうと思っていながら戦いに行くので、ついていきたい気持ちもあるけど行けないっていうのは僕的にはいないと思います。ナランチャにスパゲティを食べさせてやるだとか、フーゴの中にも“自分なりの正しさ”があると思うんですけど、やっぱり命には代えられないっていうところが人間味があるなと。ただ、フーゴが離脱して、「次の話数では、みんな少しは悲しんでくれるのかな」って思ったら、そうでもなかった(笑)。
中 普通にご飯を食べるところからのスタートで。
千 「ガッツが足りないよ~」からでしたからね。
榎 飯食ってんじゃねーよ!(笑)。しかも、原作の「ガッツのG」のイラストには何気なくフーゴもいるんですよ。ちょっと悲しくなりました。
鳥 第21話のラストで、「フーゴの野郎、来なかったな」「ま、判断はそれぞれの問題だ」という話になっていますから。しょうがないよ、って(笑)。
榎 「しょうがないよ」じゃないですよ!もうちょっと、「あいつもいろいろあるんだな……」みたいに掘り下げてほしかった!みんなの好感度が僕の中では下がりました(笑)。
一同 (笑)。
小 フーゴの能力があれば、もうちょっとね。
山 死なずにすんだかも。
榎 蛇の血清も、いろんな場面で使えたはずなんですけどね。でも抜けた理由が原作のあとがきに書いてあって、それを読むと「仕方ないな」と思うところもあります。
ーーほかのみなさんの、フーゴの印象的なシーンは?
山 ……暴力?
一同 (笑)。
山 出だしからフォークで頬を刺されていましたから。
中 あの傷、すぐ治っていたよね。
山 ナランチャはすぐ傷が治るんですよ。
諏 若いから(笑)。
山 代謝がいいんです(笑)。
榎 そして謝ったら許してくれる(笑)。
山 スパゲティを食わせてくれる人はいい人だからね。
榎 ナランチャが死んだときも、チラッと絵だけでフーゴが映っていて。やっぱりこの二人には不思議な絆があったんでしょうね。
小 やっぱりフーゴは、キレている印象があります。第12話の、ポンペイに向かう車の中でのブツブツとか。
榎 アドリブでやったやつだ。
諏 一番の常識人のようでいて、じつは一番ヤバい感じ。
山 何が地雷なのかわからないですよね。
鳥 回想でもキレていた。
榎 教授を辞書で殴り倒して。
中 フーゴは……“ピュアギャング”だよね(笑)。
一同 (笑)。
鳥 僕は正当防衛だし。
中 ブチャラティも殺されそうになっている父親を守るためでしたから。でもフーゴは、逃げ出せばいいものを、自分から向かっていっていて。アニメオリジナルでキレるシーンも追加されているし。
榎 純度100%のギャングなんですかね(笑)。
山 トリッシュに服で手をふかれてキレるところも記憶に残っているな。
榎 あれもオリジナルのキレシーンでしたね。すごく愛を注いでいただき、ありがたいなと思います。
山 その一方で、一緒にダンスも踊ってくれる。
榎 ノリはいいんですよ。
鳥 チームで一番の古参ですからね。
榎 最古参。でもついていけないってところが、いいですね。
ーーでは、最後はトリッシュについてお願いします。
千 印象に残っているセリフはいろいろとあります。スパイス・ガールですと「『ダイヤモンド』ヨリモ壊レナイッ」がそうです。ノトーリアス・B・I・G戦は、それまでの過程を経てのバトルでしたので、気合が入りましたし、そこで一つスイッチが入ったという気がします。みんなについていく覚悟ができた回だったなと。ただ、トリッシュにはスタンドを出して戦いはしましたけど、本当に自分が危機になったときにしか出てこないのではないかなと思っています。今後トリッシュが生活していて、スタンドが出るかどうかはわからないなと。
だから、私は、みなさんとは少し違う場所にいるのかなという感覚が強いです。なんて言ったらいいんでしょう……。“女の子”という感じが強いかもしれないです。ナランチャの傷も心配しますし、いろいろなところに“普通の感覚”を持っていたのかなと。その一方で、みんなからったキャラクターだとも思いますね。物語自体は短い期間ではありますけど、出会いから少しずつみんなと関係性を築いていくというのが印象的でした。
ーートリッシュはとくに、成長していく過程が順を追って描かれた印象があります。
千 そうですね。戦いになるとあまり出てこなくはなりますが、少しずつ変化していくというのが丁寧に描かれていたかなと思います。
中 僕はやっぱりミスタと精神が入れ替わったところが印象に残っているな。ほかの入れ替わりよりもこのふたりに関しては、ひとつ“性別の壁”というハードルがありますからね。
鳥 トリッシュの言葉は、私が代弁させていただきました。休憩のときに音響監督の岩浪(美和)さんに「間違ってオーディションを受けに来ちゃったみたいだね」って言われて(笑)。
千 言われましたね(笑)。「間違えすぎでしょ」という感じで。絶対に受からないやつですよ。
鳥 入れ替わりのシーンでは、僕たちだけじゃなく、それぞれ「ふだんだとどういうふうに言っているの?」みたいなやりとりをして。お互いに、実際に本域に近い形でやってみせ合いましたよね。
千 放送された話数を観返して、鳥海さんのミスタのセリフのニュアンスと、私が言うミスタのセリフを照らし合わせました。それで調整してアフレコに行きましたね。
中 ミスタの話になってる(笑)。
千 あ、本当ですね!(笑)
諏 トリッシュ的には、やっぱりスパイス・ガールも忘れてはいけないポイントですね。
中 スパイス・ガールの登場は、ノトーリアス・B・I・G戦くらいか。
鳥 あとは、ディアボロ戦でもちょろっと出ていますね。
千 なんなら私よりも鳥海さんのほうが「スパイス・ガール」と言っているんですよね(笑)。私、発動するときには1回しか言っていないんです。スパイス・ガールは自分で出てきて、自分で名乗っていたから。
鳥 僕は発動させるのは2回やっています。
千 「いいなぁ~」と思いながら見ていました(笑)。
小 そういえば、ミスタが一番言っていますよね。ゴールド・エクスペリエンスも「ジョルノの代わりに俺が叫ばせてもらうぜ」っていっていましたし。
鳥 人のスタンド名をね(笑)。
ディアボロ戦でのラッシュは45回くらいノンブレスだった(小野)
「ジョルノ」ってすごくいっぱい言った気がする(鳥海)
(アバッキオの死には)こっちだって泣きたいよ!(中村)
フーゴとナランチャの間には不思議な絆があったんでしょう(榎木)
私より鳥海さんのほうが「スパイス・ガール」と言っていた(千本木)
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