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Interview with Shunichi Ishimoto, Character Designer and Chief Animation Director for the Thus Spoke Kishibe Rohan (OVA) series, and Toshiyuki Kato, storyboarder and episode director for JoJo's Bizarre Adventure. Interview conducted by livedoor, published on March 25, 2020 on their website.[1]
Interview
Shunichi Ishimoto is the Character Designer and Chief Animation Director for the Thus Spoke Kishibe Rohan (OVA) series. Check his page for more information on him.
- For the drawings, did you feel it was easy to draw JoJo?
Ishimoto: No, unfortunately (lol). I was still a newcomer as a key animator when I worked on the 1st season, and there were times back then when I was learning about the basics of animation, so I didn't have a sense that I had any leeway.
The designs in "JoJo" are of such a unique type that I had never come across anything like them up to that point, and I remember the struggle I went through wondering if I could draw this art. So my first impression of it in terms of drawing the animation was that "JoJo" is really difficult.
- By the way, do you remember which was the first scene you drew?
Ishimoto: That was in "Youth with Dio", episode 3 of the 1st season. I think it was the scene where the house was on fire, and the main character Jonathan (voiced by Kazuyuki Okitsu) and Dio (voiced by Takehito Koyasu) are fighting as they drop down into it. Jonathan removes his belt, and throws it towards Dio.
Looking at the drawings I did back then now, there are places where I say "oh no" at how crude it looks, but it was the best work I could do at the time.
- So in the eight years since then, it wouldn't be an exaggeration to say that you've grown alongside "JoJo."
Ishimoto: That's exactly right, and I think that "JoJo" completely allowed me to train myself in basic art skills. In particular with the drawings I did up to "Stardust Crusaders", those were realistic muscular lines, so it was very enlightening as an animator in terms of how to do the bone structure and muscles.
- The character designs and patterns change with each of JoJo's parts, so even though they are all part of a series, this is still quite a difficult title.
Ishimoto: That was the one thing that bothered me the most. It's common for techniques used up to a certain point to no longer be usable once the new part starts, so we put it all together while testing out various things every time.
何度も原作の“整合性の高さ”に助けられた
おふたりはともに2012年放送の1st Seasonから制作に参加されていますが、『ジョジョ』の原作を本格的に読んだのは、参加が決まってからだそうですね。どんな感想を抱きましたか?
加藤 「めちゃくちゃよくできているな」が最初の感想でした。それまでメディアで取り上げられる『ジョジョ』って、独特な擬音やポーズ、強烈なセリフなど、型破りなところばかりが注目されていたじゃないですか。それもあって、まさかこんなに丁寧にドラマが作られているとは思っていなかったんですよね。
舞台設定も構成も展開も説得力があるし、すべてに意味がある。そのうえで唯一無二の個性があるのがスゴい
石本 そうですね。絵柄のクセがかなり強いので、「これは人を選ぶかな」と思いつつ、でもいざ読んでみたら面白くてビックリ
加藤 後で知ったんですが、荒木先生ってすごく映画がお好きなんですよね。それを聞いたときに合点がいったんですが、『ジョジョ』は一見すると荒唐無稽な展開のようにも思えるんですが、じつは情報がかなり整理整頓されていて、マンガっぽい飛躍がほとんどない
“マンガっぽい飛躍”とは、たとえばどんなところですか?
加藤 マンガって基本的には“決めゴマ”ありきの媒体ですよね。なので、そこを印象的に見せるために、動きや芝居を大胆に省略することも多い。キャラの立ち位置が一瞬で変化していたりとか、アクションにつながりがなかったりとか。
でも荒木先生のマンガは、部屋のどこに誰がいて、それぞれがどうやって移動して次のコマになっているのか、とても理路整然と組み上げられているんです。空間把握能力が高いというか、非常に映像的なんですよね。
絵コンテを描く際に、つじつま合わせに頭を悩ませる必要がなくて、純粋にドラマの演出に注力することができる。演出家としてはとてもありがたいことですし、何度も原作の整合性の高さに助けられました。
作画面でも、ジョジョは描きやすいと感じますか?
石本 いえ、残念ながら(笑)。1st Seasonに参加した当時は原画マンとしては新人で、アニメの基礎を勉強している時期だったこともあり、まったくそんな余裕はなかったですね。
『ジョジョ』の絵柄はそれまでに経験したことがないくらいに特殊なタイプだったので、「僕にこの絵が描けるのかな?」と、ずっと悪戦苦闘していた記憶があります。だから作画的な第一印象としては「『ジョジョ』ってめっちゃ難しい」なんです。
ちなみに石本さんが最初に描いたカットは覚えていますか?
石本 1st Seasonの第3話『ディオとの青春』ですね。館が火事になり、主人公のジョナサン(CV:興津和幸)とディオ(CV:子安武人)がもつれあって落下していくなかで、ジョナサンが腰のベルトを抜いてディオを目がけて投げ付けるカットだったと思います。
あの頃の作画は今見ると拙くて「あちゃー」って思う部分もあるんですが、当時は全力だったんですよね。
それから8年間、石本さんは『ジョジョ』とともに成長してきたと言っても過言ではないですよね。
石本 まさにその通りで、基礎的な画力を鍛えてもらったのは完全に『ジョジョ』だったと思います。とくに『スターダストクルセイダース』までの作画はリアルなマッチョ路線だったので、骨格や筋肉のつき方など、アニメーターとしてすごく勉強になりました。
ジョジョは各部でキャラクターのデザインや絵柄も変化していくので、シリーズ作品とはいえ大変なタイトルですよね。
石本 そこはいちばん頭を悩ますところです。新しい部になるとそれまで使っていた技法が使えなくなることはザラなので、毎回いろいろと研究しながら構築していますね。
原作を追体験できるようなアニメを作る
テイストや絵柄は変化しつつも、「『ジョジョ』らしさ」はつねに保たれているのが不思議です。これは何か秘訣があるんですか?
加藤 1st Seasonを作り上げたメインスタッフのおかげだと思います。初代監督の津田(尚克)くんやシリーズディレクターの鈴木(健一)さんが中心となり、シリーズの根幹となるコンセプトをしっかりと示してくれたので、ここまでブレずにやってこられました。
それはどんなコンセプトだったんですか?
加藤 最初に提示されたのが「『ジョジョ』であること」でした。「『ジョジョ』っぽさ」ではなく、「『ジョジョ』であること」が大切だから、擬音を画面に文字で出す手法やジョジョ立ちなど、アニメでは普通やらない表現もすべて原作に寄せていこうと。
「徹底した原作準拠」という姿勢はとても強く感じます。
加藤 ファンにとって原作を追体験できるようなアニメを作るというのは、このシリーズの命題でしたね。たとえば原作では、不気味さを演出するために霧や煙のような、名状しがたい気体が漂ってとぐろを巻いているコマがよく出てくるんです。
これは普通であればCGで作ったリアルな霧に置き換えるところですが、それも原作そっくりに手書きで再現したりして。「『ジョジョ』であること」とはそういうことなんだと思います。
石本 僕もそれは新人の頃から刷り込まれてきました。ただ作画班としては、原作に描き込まれている線の量を完全に再現すると現場が崩壊するのもまた事実なんですよ(笑)。描き込むほどに見栄えがよくなっていくことは念頭に置きつつも、それ以外の手法で「『ジョジョ』であること」を成立させる方法論を模索し続けているんです。
まだ明確な答えは見つかっていないんですが、それでもとくに『黄金の風』では上手く落とし込めたかなと、個人的には手ごたえを感じましたね。
具体的にはどんな手法や理論ですか?
石本 それが、なかなかこればっかりは口では説明できないんですよね。すごく感覚的なものですし、いまだに見失いそうになることもあるので(笑)。
『ジョジョ』アニメの定義を伝えるのにひと苦労
加藤さんは1st Seasonでは演出として参加し、その後チーフ演出やシリーズディレクターも務められましたが、仕事としてはそれぞれどんな違いがあるんですか?
加藤 1st Seasonでは絵コンテと演出をやりました。第2話『過去からの手紙』から始まり、7、14、20、最終話(26話)と担当しましたね。
シーザー(CV:佐藤拓也)の登場と退場、最終話など、作中でもキーになる話数が多いですね。
加藤 当時周りのスタッフから言われていたのは、「人を殺して泣かせるのが上手いね」だったんですよ(笑)。
石本 僕もそう聞いていましたし、実際にそういう印象を持っています。 加藤 あはは。まあ要するに、ドラマチックなパートをしっかり情緒感を持って演出することを期待されての起用だと思い、そこは意識していました。
とくに印象に残っているエピソードはありますか?
加藤 最初に担当した1st Seasonの第2話です。ラグビーのシーンで、ジョナサンが相手選手3人を引きずりながらも前進をやめないというシーンがあって、それがすごく印象に残っていますね。
というのも、ここは少年時代から一気に月日が経ち、力強く成長したジョナサンの姿を読者に印象付けるシーンなんです。ただ人間の領域を超えると、それは問題。ジョナサンはあくまでも人間で、それでいて人間を超えたディオと戦うというのが初対決の醍醐味ですから。
でもここの絵コンテだけを見て、深く考えずに原画を描いてしまうと、背中に3人の男を抱えているという重みが感じられないんです。これだけの重量を引っ張って進んでいくとなれば、足も体も腕もいろいろな方向から大きな荷重がかかるし、それを受けて手足が「うねる」と思うんですよ。少なくとも普通の走行とは全然違うものになります。
そこをいかにしてアニメーターさんにわかってもらい、こちらの狙い通りに描いてもらうかが大変でした。まだシリーズが始まったばかりで、この作品での芝居の方向性が浸透する前だったこともあり、苦労した記憶がありますね。
そして続く2nd Season『スターダストクルセイダース』では、チーフ演出を担当されました。どのようなお仕事内容だったのでしょう?
加藤 基本的には1st Seasonと同じなんですが、津田くん(ディレクター)や鈴木さん(シリーズディレクター)がチェックしきれないところをバックアップしたり、ラッシュチェック(各カットを断片的につないだ映像の確認作業)に行ったりと、補佐的な役割もしました。
そして、3rd Season『ダイヤモンドは砕けない』でシリーズディレクターとなります。こちらの具体的な仕事内容は?
加藤 鈴木さんが別作品に入っていたので、その代わりですね。シナリオ会議に参加し、津田くんが行けない場合は僕が代わりにアフレコやダビングなどの外仕事を担当していました。改めて振り返ると、『ジョジョ』シリーズではいろいろなことを経験させてもらって、すごく新鮮な日々でしたね。
一方、石本さんは原画からスタートして『ダイヤモンドは砕けない』ではサブキャラクターデザインを担当しています。サブキャラクターとは、たとえばどんなキャラクターですか?
石本 たとえば第1話『空条承太郎!東方仗助に会う』だと、冒頭で仗助(CV:小野友樹)に絡むヤンキーたちとかですね。それ以外にも画面に映る通行人やモブ(キャラクター名がないような端役)など、メインキャラ以外のほぼすべてという感じです。
加藤監督はアニメーターよりも絵が上手い?
おふたりは1st Seasonから長年お仕事をされてきていると思いますが、それぞれの仕事ぶりにはどんな印象を持たれていますか?
加藤 石本さんは、僕が想像しているよりも30~40%くらい濃い絵に仕上げてくれるアニメーターさんです(笑)。作業的にはかなり大変なので、珍しいタイプなんですよ。アニメーターであれば、基本的になるべく少ない線で描きたいじゃないですか。体力的にもキツいですし、そのほうが枚数も稼げますから。
でも石本くんはとくに指示を入れていなくても、ここぞというカットは率先してガンガン濃い目に描いてくるんですよね。 石本 『ジョジョ』シリーズは基本的に濃い作画が特徴ですし、何より作画班のあいだでは当時「濃さ合戦」みたいになっていたので(笑)。
石本さんから見た加藤さんは、演出家としてはどんなタイプだと感じていますか?
石本 純粋にスゴい方だなというのが率直な印象です。原画の修正指示が明確で、なぜこういう芝居にしたいのか、その意図がバシッと伝わってくるんですね。それと、何気に絵も上手いんですよ。むしろ僕より上手いんじゃないですか? 加藤 そんなわけないでしょう(笑)。
絵が上手いというのは、原画への修正指示でわかるんですか?
石本 そうですね。普通の演出家さんは文字やごく簡素な絵で修正指示を入れるんですが、加藤さんは原画の線を直接修正されることも多いんです。それで、その絵がまた上手いんですよね。
加藤さんはアニメーター出身ではないですよね?
加藤 違います。『ジョジョ』シリーズに参加する前からそうなんですが、文字だけだと自分の意図が伝わらない経験を重ねてきたもので、いつしかレイアウトの修正指示を絵で描くようになり、さらにはラフ原画のようなものを描いて渡すようになってしまって(笑)。
演出家としてはあまり褒められたことでもないのかもしれませんけど、そのほうが効率的なんですよね。
露伴は繊細。描くのがものすごく難しい
ここからは『岸辺露伴は動かない』(以下、『露伴』)シリーズについてお聞かせください。そもそもおふたりが参加することになったのは、どんな経緯からですか?
加藤 プロデューサーから直接オファーをいただいたと思います。 石本 僕も同じですね。メインキャラのキャラクターデザインは初めてだったのでプレッシャーは大きかったんですが、こういう怪奇モノは個人的にも好きなジャンルですので、ぜひやってみたいなと。 加藤 ちょうど『ダイヤモンドは砕けない』の終盤、仗助たちと吉良吉影(CV:森川智之)との最終決戦を制作中だったので、とりあえずこれが終わってから考えようと(笑)。
『ジョジョ』本編とはテイストの異なるシリーズですし、エピソードごとにカラーも違います。アプローチは苦労したのではないですか?
石本 まあでも、『ジョジョ』はすべてがそうですから(笑)。間違いなく大変ではあるけれど、その反面チャレンジのしがいもあるので、いつものようにリサーチと実験を繰り返しながら作り上げていった感じですね。 加藤 このシリーズでの岸辺露伴(CV:櫻井孝宏)って、自分自身が事件に巻き込まれることも多いんですけど、オムニバスドラマ『世にも奇妙な物語』におけるタモリさんのような、ストーリーテラーの立ち位置なんですよね。冒頭は必ず日常から入り、そこから非日常となり、最後にはまた日常に戻ってくるのがお約束。
それでいて各エピソードのテイストは異なっていて、そのバリエーションの豊富さがこのシリーズの魅力だし、同時に我々としては難しいところでもあるんです。
ちなみに、キャラクターデザインや作画という観点で見た場合、岸辺露伴というキャラクターは描きやすいですか?
石本 いえ、むしろものすごく難しいキャラクターです。言葉にするのは難しいんですけど、目の描き方とか、顔全体のバランスとか、シルエットとか、少し崩れるだけで露伴っぽくならなくて。
もちろん他のキャラクターでもですが、露伴先生はとくに繊細な印象がありますね。描いても描いても、いまだに「これはちゃんと露伴になってるのかな?」って思っちゃいます(笑)。
『懺悔室』に『ジョジョ』本編とのリンクを追加
新たにアニメ化された『懺悔室』についてですが、これは原作では最初に描かれた作品(1997年)で、絵柄が今とはまったく違いますね。
加藤 最初に悩んだのはまさにそこですね。当時の絵柄に合わせるのか、それとも最近の絵柄に合わせるのか。 石本 2本のエピソードで絵柄がまったく違うのも違和感があるので、ビジュアル的には統一しようということになったんです。集英社さんやワーナーさん、荒木先生とも相談して、結果的に最近の絵柄にアップデートしました。
露伴が登場する『ダイヤモンドは砕けない』放送時のデザインとも違いますよね。
石本 そうです。最新となる『黄金の風』で使った技法もフィードバックさせて、新たにキャラクターデザインを起こし直しています。
オリジナルパートもあって、ファンには嬉しい仕掛けです。
加藤 もちろんファンサービスの一環ではありつつ、でも演出上の必然性もあったので、これは自分でも上手く取り込めたなと思います。くわしくはご覧になってのお楽しみですが、『ジョジョ』本編のファンの方にとっては楽しんでいただけるのではないかと思います。
イタリアが舞台のエピソードですが、とくにこだわった部分などはありますか?
石本 作画的には、いつもの『ジョジョ』らしく、楽しんで描くことができましたね。 加藤 太陽と空とポップコーンという、シンプルなアイテムをじつに荒木先生らしいレンズと構図で捉えている作品で、演出的には新鮮さも感じました。これまでにないダイナミックさを、アニメでもしっかりと再現できたと思います。
声優の喉が心配になるほど、アフレコ現場は過酷
もう1本の『ザ・ラン』は、原作では最新のエピソード。スポーツクラブを舞台に、露伴と狂気にとりつかれたモデル・橋本陽馬(CV:内山昂輝)のトレッドミル対決が展開されます。
加藤 このエピソードに関しては、陽馬の異常性をどうやって見せるかというところがポイントでした。
ごく普通に見える青年が、筋トレにハマって少しずつ狂っていく様子をなるべく丁寧に描写したいと思いカットを追加していったところ、気づけば規定尺を6分くらいオーバーしてしまって。そこからまた削っていったら、原作とほぼ同じ構成に落ち着きました(笑)。
石本 露伴と陽馬のプッシュアップ対決のシーンは、オリジナルですよね。 加藤 そうです。最後のトレッドミルでの走行対決に説得力を持たせるために、露伴と陽馬の因縁をより明確にしておきたかったんです。
冒頭から反省していたり、本気で恐怖を感じていたり、敗北を認めたりと、珍しく弱気な露伴が印象的です。作画で工夫したところはありますか?
石本 このエピソードに関してはアニメーターの津曲大介さんのアイデアが素晴らしくて、たとえば冒頭の露伴先生はしょんぼりした感じを強調するために、いつもはピンと張っている前髪をちょっと垂れ気味にしていたり(笑)。
後半の露伴先生の必死な形相やもがく姿なども原作に輪をかけた表現をしてくださって、「津曲さんありがとうございます」っていう感じですね。
加藤 あのトレッドミル対決は、冷静に考えると2台のトレッドミルでふたりが並走しているだけなので、そのままだとビジュアル的にはかなり地味になってしまうんですね。だから絵も音も演技も思いっきり誇張したものにして、可能な限り緊迫感を出すように工夫しました。
走行シーンは、演技も鬼気迫るものがありました。アフレコの様子はいかがでしたか?
加藤 陽馬役の内山昂輝さんは初参加なのでキツかったと思いますね。おそらく『ジョジョ』の現場の過酷さに驚かれたでしょう(笑)。ですが、お芝居はすごくよかったです。
露伴先生を演じている櫻井孝宏さんは、すでにキャラクターを完全につかんでいらっしゃいますし、原作も台本もチェックしたうえで演技プランを持ってきてくださるので、こちらから何かディレクションするということはほぼないですね。『ジョジョ』の現場がいかに負担が大きいかも、十分承知されていますし(笑)。
やはり『ジョジョ』の現場は特別なんですね。
加藤 1st Seasonから、『ジョジョ』のアフレコはとにかく大変なんです。つねに最大級の熱量と声量を要求せざるを得ず、この後にもう1本収録があったらどうするんだろうと、勝手ながらこちらが心配になるレベルなんです。いつもキャストの皆さんには「ごめんなさい」って思っていますね。
『露伴』シリーズは4本ともまったく違う
『六壁坂』と『富豪村』に今回の新作2本が加わり、計4本のエピソードがアニメ化されました。改めて、『露伴』シリーズの見どころを教えてください。
加藤 4本ともまったく違うフィルムになったと思います。『富豪村』は丁寧でオーソドックスな表現路線だし、『六壁坂』は副監督を担当したソエジマヤスフミさんの個性が爆発していて、新作2本とはまた違うテイストなんです。
原作ファンはもちろん、アニメ版のファンにとっても本編とはまた違った楽しみ方ができる作品だと思います。 石本 作画的にもいろいろな挑戦をした作品ですし、アニメオリジナルのシーンや要素もけっこう盛り込んであるので、ぜひ楽しんでいただきたいなと思います。