Interview:Mainichi Shimbun (May 2022)

From JoJo's Bizarre Encyclopedia - JoJo Wiki
Revision as of 06:38, 8 August 2022 by BlueCombElephant (talk | contribs) (Added transcript)
Jump to navigation Jump to search
Incomplete translation
Published May 23, 2022

An interview with Hirohiko Araki from Mainichi shinbun, a major newspapers publisher in Japan. The article was released in two parts, the first on May 23, 2022, and the second May 24, 2022.

Interview

JoJo's Bizarre Adventure, a popular manga series that has sold more than 120 million volumes, is celebrating its 35 anniversary. From Part 1 to Part 8, JoJo is loved by fans of all ages. The author of the series, Hirohiko Araki (61), gave us a special interview discussing his favorite moments, such as the creation of JoJo, the origin behind Stands, and the hidden themes present in his work. This introduction to The World of Araki will be released in two parts.

A studio located in an apartment building in Tokyo, a bookshelf full of reference materials, a large well-worn desk, and a sound system hidden away in the corner: This is where JoJo is created. "It's very outdated. This place hasn't changed much the entire time I've been here, and I haven't made any attempts at refurbishing it. I've been using this same drawing board for about 30 years now", Araki says with a smile. On weekdays Araki usually works on JoJo from 11:00 AM to 11:00 PM.

The first part of JoJo ended in late 1986 with an intense battle between the protagonist, Jonathan Joestar, and his most powerful rival, DIO. The story afterward depicts the bizarre fates of their descendants. "The idea wasn't well-received by the editorial department, as it was hard to market to their young male demographic." The setting and main protagonist were also foreign, which was frowned upon. "It just didn't feel right to have a Japanese person in a story featuring vampires. I also wanted the main character to have both initials start with "J" so that it was easier to remember, like Steven Spielberg (S.S.)," Araki continues while laughing wryly.

The JoJo as we know it now is currently split into eight parts, however, you originally only intended it to be three. This is very similar to the novel East of Eden by John Steinbeck, which was later adapted into a movie starring James Dean. It tells of a family conflict based on the feud between Cain and Abel from the Book of Genesis in the Old Testament. Araki responds, "I was very drawn to the concept of passing the baton from one generation to the next. Since 'inheritance' is the theme of the series, the protagonist no longer had to stay the same. This allowed me to write scenarios where the main character is killed, which wasn't possible in Shonen manga."

Today, the title "JoJo" has become synonymous with Stands, a supernatural power that takes the form of a guardian spirit. Before, the protagonists used the "Ripple" to attack, but after Part 3, Stands suddenly started popping up. Araki replies, "it all started when the editor in charge at the time jokingly told me, 'Can you stop it with the Ripple? Think of something else.' He also told me to draw something that was easy for readers to understand. So I came up with the concept of Stands that mimic supernatural powers. I always wondered why the guardian spirits in other manga don't throw punches."

The Ripple, which was once formless, had finally been given a humanoid form. For Araki-sensei, Stands were clearly meant as an extension of the Ripple, hence the name Ghost Ripple. However, this decision stirred up a lot of problems for the series. According to Araki, "the readers at the time didn't get it all. Even the editors and people working on the manga were confused about the change." It wasn't until about a year later that the readers finally started catching on with Stands. Once he won the reader's trust, Araki was able to get a lot more inventive with his fights. The battles against their archrival, DIO, were no longer limited to just punching and kicking. With this, Araki could create a variety of recognizable battles, such as a dangerous game of playing cards, a struggle against magnetism, and a clash in someone's dreams...

"A strong opponent almost always needs to look cool. But with Stands, even an ugly opponent can be strong. Because Stands are tied to the user's wit, it's possible to create weak characters who are still strong. The possibilities are endless."

[Translated by Morganstedmanms (JoJo's Bizarre Encyclopedia)]

 累計発行部数が1億2000万部を超える人気マンガ「ジョジョの奇妙な冒険」が、誕生から35周年を迎えた。1部から8部まで、世代を超えてファンに愛される「ジョジョ」。作者の荒木飛呂彦さん(61)が取材に応じ、ジョジョが生まれた経緯や「幽波紋(スタンド)」誕生の裏話、作品に隠されたテーマなど、とっておきのエピソードを語った。「荒木ワールド」を2回にわたり紹介する。
 東京都内のマンションの一室。資料が並ぶ書棚、年季の入った大きな作業机、隙間(すきま)には、オーディオセットがはめ込まれている。そこが「ジョジョ」ストーリーが紡がれる現場だ。
 「もう、古いですよ。ずっとここです。アトリエっぽくしたくないんですよね。画板も30年ぐらい使ってる」。てらいのない調子で荒木さんが表情を崩した。原則、平日の午前11時から午後11時まで、荒木さんはずっとジョジョを描いている。
 「ジョジョ」は、ジョジョとディオを巡るサーガ(家族一門の物語)だ。86年末からの連載は、主人公ジョナサン・ジョースターと強敵ディオの死闘から始まり、以後は両者の血族の数奇な運命が描かれる。「最初は編集部から不評だった。少年読者にはなじみにくいって」。主人公は、外国人。その設定がダメ出しされたのだ。
 「でも吸血鬼が出てくるし、日本人ってのはちょっと。それで親しみがわくように、頭文字をJでそろえることにしたんです。スティーブン・スピルバーグみたいにS・Sだと覚えやすいでしょう?」。いたずらっぽく笑って、荒木さんは続けた。
 ジョジョは8部のサーガとして紡がれる。実は当初から3部までの構想があった。参考にしたのは、スタインベックの小説で、ジェームズ・ディーン主演の映画もある「エデンの東」。旧約聖書の創世記に登場するカインとアベルの確執を基にした家族の愛憎劇だ。
 「世代を超えてバトンをつなぐ文学にひかれたんです。『受け継ぐ』がテーマだから、主人公が変わるのも許されるし、少年マンガではありえない『主人公が殺される』パターンもできたんです」
 ジョジョの代名詞といえば、やはりスタンド。登場人物の守護霊のように描かれる超能力だ。主人公の武器は、最初は「波紋」だったが、3部から、いきなりスタンドが登場する。
   「『もう波紋やめよーよ、人気ないよね。何か別のもの考えて』って担当の編集者に言われたんです。わりと軽い調子で。エー!ってなって。ジャンプでマイナーなものを描こう、なんて言ってたのに。それで超能力を擬人化したスタンドを出したんです。他のマンガに出てくる守護霊は、何でパンチ出さないの?って思っていたんで」
 それまでは抽象的に描かれていた波紋を、人間の形にして可視化する。荒木さんにとって、それは波紋の延長線上のアイデア(だから幽波紋)だった。だが、最初は苦難の連続。「読者が全く分かってくれない。それどころか編集者も、何コレ?って。しまいには、コミックス担当者まで、分からないって言ってきましたから」
 絶対の自信があったスタンドがじわじわ浸透したのは「3部の連載開始から1年後ぐらい」。読者の信頼を勝ち取れば、それは“発明”だった。天敵ディオとの戦いは、単なる格闘にとどまらない。トランプを使ったカードゲーム、磁力との勝負、夢の中での心理戦……と多彩な荒木ワールドを生み出す。
 「普通は強い敵にはカッコ良さが求められるんです。でもスタンドなら、醜くても強い敵が作れる。知恵比べの要素も加わるから、貧弱なのに強い、なんてキャラもできる。これ、無限だなって思いました」
 何でもアリのカオスはダメだから、と荒木さんはルールも作った。スタンドは、基本的には光より速く動かない。遠くに離れると、パワーが弱まる。「生物の営みから外れないように、物理の限界を意識しました」
 二次元メディアのマンガは、人間と超人的なスタンドの質感をそろえることも可能となる。「水のような液体のスタンドでも、機械のような固体でも、描く画材は一緒。同じ絵の具で描けば、人間とも違和感が生じない。それは実写とは大きな違いですよね」。ちなみに絵は、すべて手描きだ。
 荒木さんが35年にわたり描く主人公たち。ジョジョの名は受け継ぐが、そのキャラクターには、こだわりがある。「ルックスやシルエットなどのデザインより、僕の場合は人物の性格を大事に考えている。クセとか、行動の動機、人生観が人格を与えるんです。『ドラえもん』なら、のび太は困る役。ドラえもんが発明品を出して、ジャイアンは、それを奪うのが仕事でしょう?」
 新キャラを登場させる度、荒木さんは身上書を作る。見せてもらうと、身長、体重、生い立ち、悩み、女性への態度、スタンドの能力が性格と一致しているか……。たった一枚の紙に盛り込まれた人物造形のチェック項目は、60に及ぶ。こうした緻密な設定が、立体的な人物を生むカギなのだ。
 でもね、と荒木さん。「キャラクターは時代に弱いんです。10年後には通用しなくなる」。どういうこと?と尋ねると「キャラクターは、時代の価値観が反映されるんです」。
 初代ジョジョは「ロッキー」のシルベスター・スタローンや「北斗の拳」のケンシロウのようなマッチョな世界。それが3代目の空条承太郎では、気骨があるクリント・イーストウッド風に、5代目のジョルノ・ジョバァーナに至ると、その存在は等身大になった、と荒木さんは振り返る。
 「初代はまだ昭和でしたから男はイケイケでしたよね。それが、平成に入った5代目のジョルノでは、男女の価値観が変わらなくなってきた。6代目(空条徐倫)では、とうとう女性が主人公になりましたからね。もう、女性が男性をボコボコにしても違和感がなかった。逆に初代ジョナサンのようなキャラは、今はもう成り立たないのかもしれない」
 ついでながら、5代目ジョルノは、女性をモデルに描いたという。「ポージングなんかも、ここからちょっとモデルチックになった」。独創的な“ジョジョ立ち”人気が爆発したのも、うなずける。
 時代を投影したジョジョのキャラ。では、今の時代の価値観は?と尋ねると「今は多様化してますけど、情報が多すぎちゃって……」と口にしてから、荒木さんはしばらく黙った。そして、こう続けた。
 「主人公は、元気ハツラツじゃダメですね。何かに病んでいないと、今は成り立たない。無理やり、まっすぐのキャラクターを描くと、ウソっぽくなっちゃう」
 東日本大震災後に連載が始まった8部「ジョジョリオン」では、ラスボスが操るのは、なんと厄災だ。「主人公たちは『最悪』を逃れるために、究極の二択を迫られる。どちらを選んでも、犠牲と代償を払わなければいけない。僕も無意識ですけど、行き詰まった時代を反映しているんでしょうね」【川名壮志】
………………………………………………………………………………………………………
 ■人物略歴
 ◇荒木飛呂彦(あらき・ひろひこ)さん
 1960年、仙台市生まれ。80年、マンガ家デビュー。86年末から週刊少年ジャンプで「ジョジョの奇妙な冒険」の執筆を始め、波紋やスタンドを使うジョジョの物語を8部にわたり連載。身長169センチ、体重58キロ。「若い頃から体形はほとんど変わらない」
………………………………………………………………………………………………………
 ◇「シリーズずっと描き続けたい」
 昭和から平成、令和に至る連載で、読者層も親子ほど違うのに、世代間ギャップもなく支持されるマンガ「ジョジョの奇妙な冒険」。若き日にマンガ家を志した荒木飛呂彦さん(61)には、仙台の生家との深い結びつきがあった。下編では、荒木さんの意外な素顔や、作品に込めたテーマ、還暦を超えた「今」の思いに迫る。
 「ウチの父はね、公務員だったんですけど、必ず午後6時には帰ってきたんです。趣味人で家庭人。釣りをして、鉄砲でキジを撃って、自分で料理も振る舞った。木をくりぬいてオモチャのボートも作るし、画集もいっぱい持ってた」
 なぜマンガ家に?と聞くと、荒木さんは仙台市で暮らした子供時代を振り返った。「父の影響が大きかったかもしれない。好きなことをする環境で、小さい頃からマンガを描いてました。温泉に行くと、昔は必ず売店にマンガが置いてあって、祖父が買ってくれましたしね」
 デビューに淡い夢を抱いて投稿を続けた荒木少年。だが、ある日、雷に打たれるようなショックを受ける。同い年のゆでたまごさんが「キン肉マン」でデビューしたのだ。さらに同い年で「キャプテン翼」の高橋陽一さん、2歳下で「ウイングマン」の桂正和さんら、「少年ジャンプ」の黄金期を支えるヒットメーカーも、10代デビューを続々と決める。「マンガ家もアイドルと一緒だな。才能のある人は、すぐに世に出るんだなって痛感しました」
 荒木さんも20歳でデビューしたが、初の長期連載となる「ジョジョ」まで6年近い歳月を費やした。だが、異色とされたその作品が35年も続くのだから、人生は分からない。
 コミックス1巻に、荒木さんのコメントが残っている。<この作品のテーマは、人間讃歌(さんか)>。ジョジョは、米国の作家、スティーブン・キングばりに人間のダークサイドを描くモダンホラーだが、「人間讃歌」は今も作品に通底するテーマだ。「敵も味方も、自分の人生を精いっぱい肯定して生きている。その姿を読者に見せて元気を与えようって。その気持ちは、ずっと持ち続けています」
 異色とされるジョジョだが、実は王道の物語がある。「キャラクターは時代の価値観が色濃く出ますが、ストーリーには普遍の王道がある。それを生み出すことができれば、作品は時代を乗り越えていくんです」
 例えば、荒木さんがジョジョ3部で選んだのは、仲間と一緒に旅をする「スゴロク」方式だ。単純に強敵とバトルを繰り返すのではなく、旅先で敵と戦いながらゴールを目指す展開は「東海道中膝栗毛」にも通じる。話の進め方も、いきなり「敵」を登場させるのではなく、短い会話のやり取りから少しずつ敵が何者なのかを浮き彫りにしていくなど工夫を凝らした。
 そして、ジョジョには孤独なヒーローと女神がいる。こちらも、仙台の生家と関連があるという。「僕の人生にね、わりと妹が影響してるんです。4歳違いの双子。別に仲は悪くはないんだけど、双子同士がめちゃくちゃ結束してる。長男の僕は、疎外感があった。一人っ子よりも、兄妹がいた方が孤独ってこと、あるでしょ?」。荒木少年の心中に、ヒーローは孤独、の意識が芽生えたのだという。
 ジョジョには、窮地に立つ母を救ったり、母が我が子のために身をささげたりする無償の愛の物語もある。「ヤンキー家族は母系家族って言いますよね。僕は不良ではなかったけど、案外、『女神崇拝』があるのかも。父に何か大事な話をする時は、母を通じてやってましたから。妹たちに言わせると『お母さん、やっぱり最後にはお兄ちゃんを取るよね』ってことらしいですし。ええっ? そんなことないだろって思うけど」
 インタビュー中、荒木さんは初めて照れたような笑みを浮かべた。ちなみに、ジョジョの連載を始めた時に祖父が亡くなったことも、サーガ(家族の物語)を強く意識することにつながっているという。
 物語に起承転結を付けつつ家族を描き、ヒーローは孤独であっても、大切な物は失わない--。確かに、それは少年マンガの王道だ。
 一方でファンに独創的だと支持される荒木さんが、難しいと語るのは作品の「世界観」だ。「昔は電車でマンガを読んでる人、多かったですよね。10メートル先からのぞいても、ちらっと絵の端っこを見るだけで『あっ! ドラゴンボールだ』とか分かった。何が描かれているのか、分からないのに、そのマンガの雰囲気がある。良いマンガってのは、子供でもそれが分かるんだよね。これが、マンガの世界観なんです」
 一目見たら、これはアラキ・ヒロヒコの作品だと分からせる。そこにたどり着くために、荒木さんが欠かさないのは、徹底的な下調べ。資料を読み込み、時代背景を確認し、マンガの舞台となる現地に足を運ぶ。その上で、空間の描き方から、背景の景色まで、荒木ワールドを作り上げることに腐心する。
 「気分が悪くなったら困るなとか、ご飯がおいしくなかったらどうしよう、とか心配だから、本当はあんまり旅行が好きじゃないんです。でも、現地の土地だとか文化を見ると、世界観が構築できるんですよね」
 8部を終えた今、荒木さんは次回作を構想中だ。「結局、ゴジラとウルトラマンのどっちが強いか、みたいなことをずーっと考えてるんです。カラータイマーの3分や、放射能の影響、どっちが精神的に強くて、仲間がいるのかいないのか、条件次第で変わってくるでしょ? そんなことを考え出したら、キリがなくなってくる」
 デビュー以来、ずっと書き続けているというノートを見せてもらうと、小さな文字がびっしり。映画を見たり、科学雑誌を読んだりした感想や、思いついたアイデアを書き付けているという。「ボツになるものもいっぱいだけど、新しい発見があると面白いんだよね。葉っぱが落ちるのを見ても、何かスタンドが発動しないかな、とか思っちゃう」
 ジョジョ誕生から35年を迎えるが、荒木さんはジョジョ・シリーズの筆をおくつもりはない。「代表作は、ジョジョ一本でいい。90歳になっても『現役』の陶芸家っているでしょ? そういうのに、僕は憧れるんです。ずっと、ジョジョを描き続けたいな」
 時代を超えて戦い続ける孤独なヒーロー、ジョジョ。取材を終えて、それは孤高の境地に立つ荒木さん自身が投影された姿なのだと実感した。【川名壮志】
………………………………………………………………………………………………………
 ◇ジョジョ・トリビア
 「ズキュゥゥゥン」など独自の効果音が人気のジョジョ。イメージするのは、ヒチコックの映画「サイコ」の演出だ。「シャワーを浴びる女性が刺される有名なシーンがあるでしょ? あの場面で流れた危機感をあおる音楽を、マンガでも表現したいんです」。ちなみに8部で新登場の岩人間。「僕、体に結石ができちゃって。このまま石化するんじゃないか、って思ったら誕生しました」
………………………………………………………………………………………………………
 ■人物略歴
 ◇荒木飛呂彦(あらき・ひろひこ)さん
 1960年、仙台市生まれ。80年、マンガ家デビュー。86年末から週刊少年ジャンプで「ジョジョの奇妙な冒険」を執筆。

References

Site Navigation

Other languages: