Weekly Shonen Brackets 100Q (04/2003)
Manga OMO! (January 2003)
Hirohiko Araki answers 100 questions on the Fuji TV program Weekly Shonen Brackets (週刊少年『』, Shūkan Shōnen Kagikakko). A book version of the show released on December 5, 2003.
Interview
Q01: What time in the morning do you wake up?
Araki: Half past 10am.
Q02: How do you relieve stress?
Araki: I've been walking to work. It's about 10 minutes of walking, but that's it.
Q03: Where do you come up with your ideas?
Araki: Hmm... this room (this interview takes place in Araki's workplace).
Q04: When did you consider becoming a manga artist?
Araki: This is already... very complicated.
⇒ Is that so?
Araki: I can't answer in one word, but it might have been triggered by a friend who told me I was good at drawing manga when I was a kid.
⇒ Hmm... I'm glad you were praised by your friend.
Q05: If you had not become a manga artist, what would you have become?
Araki: Eh, I can't think of this anymore. I think that there's nothing else."
Q06: Have you gotten any fan letters that made an impression?
Q31: Who's your favorite musician?
Prince.
Q32: What album do you recommend?
Country Grammar by Nelly.
Q33: Your favorite TV show?
I don't watch that much.
Q34: Araki-style advice for staying healthy?
Stretch before writing.
Q36: Best place to settle down?
My workplace.
Q37: Any habit?
Playing with my jaw.
Q38: How strong do you like sake?
I don't really drink.
Q39: What are you happy to get?
Delicious sweets.
Q40: What kind of car do you drive?
I can't drive, so I don't have a license.
Q41: What kind of child were you in childhood?
I was bullied by my younger sister.
⇒ I had twin sisters and one of them was the devil, I came home from school and saw that my afternoon snack was
being eaten.
Q42: When was your first love?
High School, first year.
Q43: What anime did you watch as a child?
Star of the Giants. I loved the manga.
Q46: What TV show did you watch religiously?
Columbo.
Q47: Your favorite subject?
I liked social studies and science.
Q48: Your weakest subject?
English.
Q49: What about club activities?
Kendo.
Q50: What kind of woman do you like?
A person who isn't well-mannered.
Q51: Do you have a wife?
I do.
Q52: Your favorite color?
An orange-like yellow.
Q53: What have you accidentally laughed at recently?
When static electricity ran through my eyelids at the ophthalmologist.
Q54: Have you been angry at anything lately?
It's rare.
Q55: Have you cried at anything recently?
When I was drawing up the last storyboard.
Q56: Best place you've traveled to?
Venice, Italy. They don't have cars there.
Q57: What's a place you don't want to go?
Egypt. I hated it, so it became one of the settings.
Q58: What's the most delicious thing in Miyagi Prefecture?
Is there one? Tokyo is more delicious.
Q59: What's your favorite place to shop at?
Italian restaurants.
Q60: What's your favorite place in Tokyo?
Omotesandō.
Q61: Why the name, JoJo?
I had a meeting at Jonathan's and wanted the initials to be the same.
Q62: What's the main theme in JoJo?
Wonderful people carry out justice with a pure heart.
Q63: Where did the concept of Stands come from?
They're based on the 'guardian spirit' from Tsunoda Jirō's Ushiro no Hyakutarō.
Q64: Who's your favorite JoJo?
Josuke from Part 4.
Q65: Who's your favorite character?
Yoshikage Kira.
Q66: Your favorite death?
There's a lot of them, but I can't remember that well.
Q67: Your favorite Araki-style onomatopoeia?
The sound of heavy metal.
Q68: Your most unique pose?
I don't have one.
Q69: How long does it take to draw a chapter?
It takes about three days to draw.
⇒ The storyboard is drawn out on Thursday, coloring is done on Friday, Saturday, and Sunday, the finishing touches are added on Monday, then Tuesday and Wednesday are off-days.
Q70: When the series began, how much was planned?
Up to the end of Part 3.
Q71: What about a TV anime?
I don't think so, it's not a manga that you should show kids.
Q72: What's most important when drawing a character?
The mouth. I hate it when it's not sexy.
Q73: Will Shizuka Joestar come back?
No.
Q74: Will Dio come back?
No.
⇒ Dio hasn't reappeared since Jotaro already defeated him. He intends to keep it that way.
Q75: Is Joseph still alive?
He's become senile, but I think he's still alive.
⇒ I wonder why Joseph aged at the same speed as humans.
Q76: What's the real name of Cool Shock B.T.?
There is none. I just liked Buichi Terasawa. I've also called it Boo Takagi.
Q77: Who would play Jotaro Kujo?
I was thinking about Clint Eastwood when I drew him, but not him.
Q78: If you were a Stand, what ability would you have?
I want to stop time.
Q79: Why'd you go back to Volume 1 with Part 6?
That was the editor's request.
Q80: Is there a plan for Part 7?
There is.
⇒ In the not-so distant future, it would be titled “Steel Ball Run” without the editor's opinions.
Q81: What's the Top 3 manga that you'd recommend?
Babel II, Star of the Giants, Judo Icchokusen, and Dragon Ball.
Q83: What manga artist do you respect?
Mitsuteru Yokoyama.
Q84: What's in your mind when making a weekly serial manga?
Meeting the deadline.
Q85: What's the secret that's kept you going on?
Meeting the deadline.
Q86: Are you close with any manga artists?
No, we're all too busy to see each other.
Q87: Do you use a computer?
I hate wait times.
Q88: What's your ringtone?
I don't have a cell phone.
Q89: What actress would you like to see the most?
Natalie Portman.
Q90: What would you bring to a deserted island?
Favorite manga, a CD, and a pencil.
Q91: What's the most expensive thing?
The most expensive thing is the workplace.
Q92: Who do you respect?
Velázquez.
Q93: What genres would you like to try in the future?
I want to keep moving forward with the current manga.
Q94: How do you read Shōnen Jump?
In order from beginning to last.Note: Not transcribed word for word.
ナレーション
荒木飛呂彦、1960年6月7日、仙台市産まれ。
週刊少年ジャンプ第20回手塚賞に『武装ポーカー』で準入選、デビュー。
『魔少年ビーティー』『バオー来訪者』に続き、87年スタートの『ジョジョの奇妙な冒険』は現在も続き、読者に絶大な支持を受けている………。
タイトル
船越「どーもはじめまして。船越です。今日はお忙しいところ………」
荒木「ああ、どうもありがとうございます」
船越「荒木さん、ちょっと今伺いましたら、ついにジョジョの六部が最終回とか………その原稿を、いま………」
荒木「ええ、今描いてますね」
船越「もう終わるかなという所なんですか」
荒木「そうですね、今日の深夜には」
船越「そんな時にッ!出くわしたわけですね。いやこれはもうこの週刊少年『』の創刊を飾るのにふさわしいタイミングでお邪魔しまして。ちょっと早い完成祝いといってはなんですけど………」
(豆源の紙袋)
荒木「ああすみません」
船越「非常にアンバランスなもので申し訳ないんですが」
荒木「ああ、ありがとうございます」
船越「おかきでございます。よろしくお願いいたします。先生、僕と同い年ですね?」
荒木「あ、そうなんですか?」
船越「1960年生まれですよね?」
荒木「ああ、そうですけど………」
船越「そうですね、僕も60年生まれですね。6月だそうですね?」
荒木「はい」
船越「僕は7月です(笑)」
マンガ家としてQ1~Q20
Q1 朝何時に起きる?
船越「朝、何時に起きますか?」
荒木「私は10時半ですね」
船越「10時半?」
荒木「朝の10時半、はい」
Q2 ストレス解消法は?
船越「ストレスの解消法はなんです?」
荒木「仕事場まで歩いて通ってきているんですけども、歩いて10分ぐらいなんですけど、それですね」
Q3 アイデアを考える場所は?
船越「アイデアを考える場所はどこですか?」
荒木「えっと………この部屋ですね」
(撮影場所は仕事場)
Q4 マンガ家になろうと思ったきっかけは?
船越「マンガ家になろうと思ったきっかけは?」
荒木「これはもう………ものすごい複雑です」
船越「ですよね」
荒木「一言では答えられないですけど、まぁ小さい頃、友達がマンガ上手いね、って言ってくれた事がきっかけかもしれなないですね」
船越「はぁ………」
荒木「友達に誉めてもらったことが嬉しくて」
Q5 マンガ家になっていなかったら
船越「もし、マンガ家になっていなかったら、何になっていましたでしょうか」
荒木「えーっと、これはもう考えられないですね。何も無いと思います」
Q6 印象に残るファンレター
船越「印象に残っているファンレターはありますか?」
荒木「ああ………なんかね、コンサートのチケットとかが同封してあって、一緒に行きませんか、みたいな(笑)」
船越「(笑)」
荒木「ちょっと行ったら隣に座っていらっしゃると思うんで、ちょっと遠慮させていただいたんですけども。すごいいい席で行きたかったんですけど、ロックアーティストのボズ・スキャッグスっていう………」
船越「ボズ・スキャッグスですか………我々の世代にはストライクでございますね」
荒木「そうですね。行きたくてしょうがなかったんですけど、ちょっとそれは………(笑)」
Q7 資料について
船越「資料は、どのようなものを見ますか?」
荒木「ええっと………いや、何でも。もうその時に消防車を使うっていったら消防車の写真をもってくるし、月の満ち欠けを知りたかったら、月の満ち欠けの資料を探してくるって感じで」
Q8 こだわりの道具
船越「こだわりの道具をひとつ、教えていただけますか」
荒木「こだわりの道具? まぁ、一つはGペンですね。これしか使わないんですよ」
船越「マンガ家の命ですよね、Gペンといいますと」
荒木「ええ、他にもペンあるんですけど、これだけですね、僕の場合。ええっと、この種類だけ、ということ」
(画面に「ゼブラのGペン」のテロップ)
Q9 アイデアノートはある?
船越「アイデアノートのようなものは、ございますか?」
荒木「ああ、あります。見せて………表だけ?」
(引出しから大学ノートを取り出す。なんの変哲も無いノート)
船越「突然見せていただけるのですか(笑)」
荒木「中はちょっとあれですからね」
(と言いつつ、パラパラと見せる)
船越「ええ、もちろんもちろん………これがアイデアノートですね」
荒木「こういう感じで」
Q10 マンガ家になって得したことは?
船越「マンガ家になって得したことはありますか?」
荒木「あの、損はあるねぇ。子供の時はマンガばっかり読んで、マンガを読むな、って言われていたんですけど、マンガ家になったとたんマンガを読め、って言われて、それが逆に辛いっていうか………毎日読まなきゃいけないんで(笑)」
船越「そうですよねぇ」
Q11 辞めたいと思ったことは?
船越「辞めたいと思ったことはありますか?」
荒木「これも今のところ、ないですねぇ」
Q12 マンガ家として確信を得たのは?
船越「自分が、マンガ家としてやっていけるなと確信を得たのはいつですか?」
荒木「これも確信したことも別に無ければ………いつ切られるかって毎日おびえていて、それで何年も経っているかな、って感じですけど」 船越「なるほど」
Q13座右の銘は?
船越「座右の銘は?」
荒木「あらゆることを疑う、っていうのが何て言うか………そういう風にしているのが座右の銘ですね。例えば、葉っぱの色が緑っていうのも、本当に緑かなって思うような」
船越「なるほど」
荒木「ピンクでもいいんじゃないの?ってそうやってピンクの葉っぱにしたりとか、そういう事ですね」
Q14 ジンクスは?
船越「ジンクスはありますか?」
荒木「ジンクスでもないですけど、アイデアを考えるときはゴルゴ13じゃあないんですけど、壁を背にするとよく浮かぶんですよ。寝てても駄目なんです。こういう所にこう (壁を背にして)考えると。何故かは解らないんですけど。入り口とか窓を向いてじゃ駄目ですね」
船越「それがジンクスですか」
荒木「それがジンクスです」
Q15 締めきりは守られる?
船越「締めきりは守られる方ですか?」
荒木「ええ、一応。落としたことは今のところなかったと思います。ないですね」
Q16 最大の修羅場は?
船越「マンガ家として最大の修羅場を迎えたなと思ったのはいつでしょう?」
荒木「やっぱり体調を壊したときが」
船越「そうですね」
荒木「特に、僕はストレス性の胃に来るタイプみたいで。その時は、治りも遅いし、締めきりも来るし、と。あれは修羅場だったかもしれません」
Q17 アシスタントは何人?
船越「アシスタントの方は何人いらっしゃいますか?」
荒木「ちょうど6人います」
Q18 アイデアに行き詰まった時は?
船越「アイデアに行き詰まった時はどういたしますか?」
荒木「これもね、行き詰まらない、って思うんですよ」
船越「ああ………」
荒木「宇宙が無限のように広がっているように、人間の心も広がるんだなと」
船越「なるほど」
荒木「膨張すると思う」
Q19 編集者の存在とは?
船越「荒木先生にとって、編集者はどういう存在でいらっしゃいますか?」
荒木「やっぱり助さん角さん、って感じですかね」
Q20 マンガ家の職業病は?
船越「マンガ家として、職業病はなんでしょうか?」
荒木「よくへそ曲がりって言われる(笑)。だから右って言ったら左っていうような癖がついているのかもしれないですね」
(以降、それぞれの質問について詳しく回答)
船越「先生の一週間というのをアバウトに教えていただけるとどういう風な一週間になるんですか?」
荒木「まず、木曜日にネームっていう、アイデアを紙にする訳ですね。金曜日、土曜日、日曜日でペン入れして、月曜に締めきりと仕上げっていうか。そして火、水で休みっていう………」
船越「この………実際には描かれる作業は四日間で」
荒木「四日間ですね」
船越「これで一週間分という事になりますか」
荒木「(ネーム原稿を見せながら)例えばこんな感じに………」
船越「ああ、コマ割をここであらかじめしていく訳ですね」
荒木「絵を描かれる先生もいますが、僕はもうキャラクターだけ描いて、台詞がこうあって」 (ストーンオーシャン最終話、「僕の名前はエンポリオです」のページのネーム原稿が映る)
船越「はあはあ」
荒木「涙を流している、と脚本みたいな………」
(エンポリオのアタリ位置に「涙を流す」と字で書いてある)
船越「ラフスケッチですよね」
荒木「そういう感じで。全部、ページも決まっているんですよ。」
船越「あの、先ほどマンガ家になられるきっかけは、友達に誉められたからみたいな事をおっしゃっていましたけども、その友達に誉められる以前のことをお伺いできればなと」
荒木「今だから解るんですけど、兄弟って言うのが関係あるのかなと思うんですよね」
船越「先生の家族構成をお聞きしても?」
荒木「ああ、父と母がいて、妹は二人なんですけど、それが双子なんですよね。これがね、ちょっと悪魔のシスターって感じなんですよ(笑)。僕にすればね。例えばどういう事かっていうと、学校から帰ってきておやつが3個あったりしますよね。そうすると妹が当然先に帰っているわけだから、食べちゃうわけですよ。そうすると一個あまる。どうする?って感じになると思うんですよね、二人で。食べちゃえば多分解らないだろうって事で、僕が帰ってくるともうないって状態で、ああないのか、感じなんですけど。後でバレたときに、その陰謀がねすごい傷つくわけ(笑)。なんかね、ものすごいんですよ。これ一回や二回ならいいんですけど、毎日なんですよ子供の頃(笑)」
船越「(笑)」
荒木「それでさみしくて、そのときに読んだマンガっていうのはホント、救われるんですよね。例えばテレビのチャンネル権も妹にあるんですよ。二人だから。だからやっぱり部屋で読むマンガっていうのが、素晴らしいもんなんですよね」
船越「その時に先生を救ってくれたマンガ達っていうのは、どういうマンガなんでしょうか?」
荒木「梶原一騎っていう、スポーツ根性モノ………『巨人の星』とか『あしたのジョー』とかね。違うマンガ家さんでは白土三平の『カムイ外伝』とかね。そういうのとか『バビル二世』みたいなやつですね」
船越「『バビル二世』ですね………!」
荒木「もう大好きですね」
書庫拝見
船越「こちらが、先生の書庫」
荒木「書庫っていうかね、本置き場」
船越「こちらにマンガの本が沢山ありますけど、これはもう先生のご趣味?」
荒木「ええそうです」
(画面に『タイガーマスク』『新巨人の星』『カムイ外伝』『ヤマトの火』『仮面太郎』が映る)
船越「これが先生が愛好している作品と思っていいですね」
荒木「捨てられないマンガですね」
船越「なるほど。(船越、何かを取り出して)あった………一度先生に伺いたいと思っていたのがこの方です」
(画面に『ワイルド7』(望月三起也)とその解説、映る) 荒木「ああ、いいですね」
船越「どうしても先生のイラストがね………」
荒木「似てます?」
船越「似ているというよりも、何かこう、望月三起也さんを必ず見ているだろうっていう………」
荒木「あります。銃の握り方がね、望月三起也のはこう、重さがあるんですよ。手首がこう、グッと入る。(実演しつつ)こう固いんじゃあないんです。ここがいいんですよ」
船越「そうですよねぇ」
荒木「(笑) こういう感じでね、重いんだ」
船越「銃を本当に好きな方ならではのリアリティがありますよね」
(アイデアノートはある?)
船越「これ、感動したのはですね、大学ノートだっていう所ですね」
荒木「ああ、そうですか?」
船越「ええ」
荒木「だってこれは中性紙でね、色が変わらない紙なんですよ(笑)」
船越「あの、ちょっと(見せて欲しい)」
荒木「どのへんかな………使っちゃった所ならいいか。この辺だったらいいのかな」
船越「(じっと見る)」
荒木「こっちがテレビを観た感想で、こっちが主に………」
船越「………なるほど、先生これは完全にアイデアブックというよりも、ネタ帖ですね」
荒木「そうかもしれない」
船越「先生が日常生活をされている中で、気づいたこと、あるいはこれを引用しようとか思われていることを書き綴っていらっしゃると」
荒木「はい」
船越「言ってみれば先生の心の日記みたいなもんですね」
荒木「そうかもしんないですね」
船越「作家としての、心の日記かもしれませんね」
(マンガ家として確信を得たのは?)
荒木「やっぱり読者にそっぽを向かれたらその時点で終わりかなぁ、みたいなのは………」
船越「今でも、その危機感というのがおありですか」
荒木「あります。その覚悟はいつでもしているっていうか、覚悟っていうのかな、そういう時はありますね」
(ジンクスは?)
船越「壁を背にするとアイデアがわいてくる、これがジンクスだとおっしゃっていましたね?」
荒木「なんかこのへんが(目の前を手で示して)広い感じがいいんですよね。だから机なんかも必ずこういう感じで、本箱とかを後ろにしたりとか」
船越「何かを背負う」
荒木「ええ、そうですね。アシスタントが前、いたりとかしたんですど、ホント駄目ですね」
(ここで本棚の中が一瞬映る。ジョジョの単行本のほか、辞典など?)
船越「それはちょっと面白い心理ですね」
荒木「アシスタントが前にいる………学校の先生のように。ああいう感じがいいですね。ありますね絶対」
(最大の修羅場は?)
船越「修羅場、これはもう体調を崩したときっておっしゃっていましたけど、これはファンの方の興味は一体ジョジョの何巻目なんだろう、っていう………」
荒木「ああ………第四部のね、最終決戦のあたりとか。吉良っていう敵がいるんですけど、そのへんとかね。これもしかして負けるかもとかね(笑)」
(ナレーション)
(第四部のカラーほか映る。仗助が「それ以上言うな………てめー」のシーン他)
荒木先生最大の修羅場だったというこのシーン、第四部「ダイヤモンドは砕けない」のクライマックス! 殺人鬼・吉良吉影のスタンド、キラークイーンの爆弾に、四代目ジョジョ・仗助が窮地に追い込まれる!
荒木「主人公っていうのはコントロールしていると思うじゃないですか。皆さんは。作家がコントロールして書いていると」
船越「もちろんそうですよね」
荒木「そうじゃあないんですよ。主人公の方が上にきちゃってる事もあるんですよ。描かせられるというか」
船越「主人公に描かせられる!」
荒木「描かせられるときがあって………」
船越「勝手に主人公がこの上で人生を演じいくって事ですか」
荒木「そうですね」
船越「それはみんなから、こうだこう、みたいな」
荒木「動機とかを感じてやると。作った技とかね。あまりにも強すぎると、どうしようもなくなってくるんですよ。あと、性格とかが悪すぎると。どうするんだろうと思って、どうしたらいいかわかんなくなっちゃって(笑)」
船越「先生が今まで手に余っちゃった悪党っていうのは誰でしょうか?」
荒木「やっぱり吉良吉影っていうリアリティあるやつがいるんですけど(ここで『JOJO A GO-GO!』の吉良が画面に映る)、あいつ何でもありなんですよ。あの時はちょっと………でもしかも僕は好きなんですよ、あいつが」
船越「吉良好きなんですか」
荒木「好きなんですよ。なんかちょっと、お前も解るな、っていう所があるんですよね」
船越「負けそうになった承太郎と仗助が勝てたのは、先生の体調の復活と関係があるんですか?」
荒木「いや、それじゃなくて死にもの狂いでどうしようか考えたからだと思いますけど。もう(自分が)主人公の様な感じでしたね」 (ナレーション) 『ジョジョの奇妙な冒険』。1987年より週刊少年ジャンプに連載。19世紀末のイギリスが舞台となりスタート。 第一部の主役はジョナサン・ジョースター。続く第二部はジョセフ・ジョースター。第三部は日本人、空条承太郎。第四部は東方仗助。第五部はイタリアが舞台でジョルノ・ジョバーナ。現在、近未来2011年が舞台の第六部まであり、その連載期間は実に16年にも及ぶ。 それぞれの時代によって主人公が変わり、英国貴族ジョースター家の血統にあるジョジョが活躍。一世紀以上にもわたるジョースター家とディオの因縁を描いた傑作大河ロマン。
プライベート Q21~Q60
Q21 好きな映画ベスト3
船越「好きな映画ベスト3を教えてください」
荒木「洋画ですけど『大脱走』とか。『大脱走』カッコイイですね一番」
船越「(共感して)おお!………スティーヴ・マックイーン」
荒木「あと『ジョーズ』と『ゴッドファーザー』ですね。何度でも観ますね」
船越「今、握手したいなと、私は思っております(笑)」
Q22 好きな小説ベスト3
船越「好きな小説ベスト3を教えてください」
荒木「三本もないんですけど、子供の時は『シャーロック・ホームズの冒険』みたいなのシリーズ。あれで、主人公っていうのはどういう人なのかなって解ったようなような気がするんですけど」
Q23 必ず読む雑誌は?
船越「必ず読んでいる雑誌は何ですか?」
荒木「何十年も読み続けでいる雑誌は………『ロードショー』って映画雑誌があるんですけど、あれはずっと買っているなぁ」
船越「奇しくも集英社ですね(笑)」
荒木「そうですね(笑)」
Q24 好きな食べ物は何ですか?
船越「好きな食べ物は何ですか?」
荒木「スパゲッティーです。何味でもいいです。ナポリタンでもいいし、何でもいいですね」
Q25 嫌いな食べ物は?
船越「嫌いな食べ物は何でしょうか?」
荒木「嫌いな食べ物は………トマトの皮ですね。プチトマトとか、絶対食べれないです」
船越「でもスパゲッティーって、トマトばっかりじゃあ………」
荒木「煮るといいんですけど、生は駄目なんです」
船越「ああ、生のトマトの皮。後は何でも大丈夫、と」
Q26 休日の過ごし方は?
船越「休みの日は何をしていますか?」
荒木「本読んだり、映画観たりとか。あと、運動ですね」
Q27 具体的には?
船越「具体的には?」
荒木「筋肉トレーニングとか、走ったりとか」
Q28 趣味は?
船越「趣味は何ですか?」
荒木「ないです」
船越「仕事、と」
荒木「仕事です」
Q29 最近ハマっていることは?
船越「最近ハマっていることは何ですか?」
荒木「最近ハマっているのは………自分の絵をでっかく描くのがハマっています」
Q30 好きな音楽は?
船越「好きな音楽は何ですか?」
荒木「全部好きですけど………もうラップでも何でも、いいです。ジャズでも」
Q31 一番好きなアーティストは?
船越「登場人物にアーティストの名前が多く出てきますが、一番好きなアーティストは誰ですか?」
荒木「プリンスが好き。プリンス」
Q32 おすすめのアルバム
船越「お勧めのアルバムを教えてください」
荒木「最近はねネリー(NELLY)っていうのの………ちょっとどっかにあったな(CDラックから一枚のCDをさっと取り出す)これがいい。これがいいんですよ。ラッパーのネリー」
(画面にジャケ。『COUNTRY GRAMMAR』(NELLY))
船越「ああ………わざわざありがとうございます」
Q33 好きなテレビ番組は?
船越「好きなテレビ番組は何ですか?」
荒木「最近のですか。あんま観ていないですね」
船越「そうですよね、ご覧になる時間はないですよね」
荒木「映画は観るんですけど」
船越「是非、サスペンスをご覧になってください(笑)」
(注:船越は二時間サスペンスドラマの帝王)
荒木「観てみます(笑)。解りました」
Q34 荒木流健康法は?
船越「荒木流健康法をひとつ、教えていただけますでしょうか?」
荒木「執筆前のストレッチですね」
Q35 ファッションのこだわり
船越「ファッションにこだわりはありますか?」
荒木「自分ではあんまないですけど、やっぱよく見ます」
Q36 一番落ち着く場所は?
船越「一番落ち着く場所はどこですか?」
荒木「落ち着く場所………やっぱこの部屋がいいかな?」
Q37 クセは?
船越「クセはありますか?」
荒木「あごをいじるのが。緊張すると。(自分では)わかんないけど」
船越「そうですね、今日も何度か拝見しました」
Q38 お酒は強い?
船越「お酒は強い方ですか?」
荒木「ほとんど飲みません」
Q39 もらって嬉しいものは?
船越「もらって嬉しいものは何ですか?」
荒木「美味しいお菓子がいいですね」
船越「お菓子、お好きですか」
荒木「ええ」
船越「甘いもの、しょっぱいもの………」
荒木「"おいしい"のがいいんですけど(笑)」
船越「今日お持ちしたものは大丈夫かな、と思って(笑)」
Q40 どんな車に乗ってる?
船越「現在、どんな車に乗っていらっしゃいますか?」
荒木「あ、僕運転できないんです」
船越「そうですか、それはあえて運転を………」
荒木「いや、何か知らないけど、免許取りに行かない人生になってしまいましたね」
Q41 幼少期はどんな子供?
船越「幼少期はどんなお子さんでしたか?」
荒木「妹にいじめられているお兄ちゃんでした(笑)。たぶん」
Q42 初恋はいつ?
船越「初恋はいつでしょうか?」
荒木「ええっ、高校一年の時かな」
Q43 子供の頃見ていたアニメは?
船越「小さい頃、見ていたアニメは何でしょうか?」
荒木「何でも見ていたと思います。『巨人の星』とか。でもあんまりハマんなかったですね。マンガの方が好きですね」
船越「アニメーションよりも、マンガ、と」
荒木「そうですね」
Q44 初めて買ったマンガは?
船越「初めて買ったマンガは覚えていらっしゃいますか?」
荒木「さいとうたかをの『無用ノ介』。侍の」
船越「あれが初めて買ったマンガ?」
荒木「あれ、絵が上手いんだよなぁ………すんごいいい絵が入っているんですよ」
Q45 好きだったアイドルは?
船越「好きだったアイドルはいらっしゃいますか?」
荒木「浅田美代子が好き。歳がねぇ………やだなこういう話」
Q46 欠かさず見ていたテレビは?
船越「欠かさず見ていたテレビは何ですか?」
荒木「向うのテレビが好きでした。刑事コロンボとか。あれはもう、絶対観ていたね土曜の夜」
船越「僕も絶対観ていました」
Q47 得意科目は?
船越「学生時代、得意だった科目は何ですか?」
荒木「別にあんまり得意なものはないけど、好きだったのは社会とか理科が好きでしたね」
Q48 苦手科目は?
船越「学生時代、逆に苦手だった科目は何でしょうか?」
荒木「英語かな」
船越「英語なんですか」
荒木「やなんですよね、あれ単語とか覚えるのが」
Q49 クラブ活動は?
船越「学生時代、どんなクラブ活動をしていましたか?」
荒木「剣道をしていました」
Q50 好きな異性のタイプは?
船越「好きな異性のタイプを教えてください」
荒木「異性のタイプ? あのね、おしとやかじゃあない方がいいですね」
船越「まさしく先生の作品に出てくる女性達が」
荒木「ああ、そういうのが。何か、黙っていると何考えているか解らないような女性は嫌ですね」
船越「活発な人がいいんですね」
荒木「そうですね」
Q51 奥さんはいますか?
船越「奥さんはいらっしゃいますか?」
荒木「います」
Q53 好きな色は?
船越「好きな色は何色ですか?」
荒木「何でもいいけど、オレンジとか、オレンジっぽい黄色」
Q54 最近、思わず笑ったことは?
船越「最近、思わず笑ってしまったことはなんですか?」
荒木「これもよく解らないですけど、眼科に行って検眼とかするじゃないですか。コンタクトレンズ買いに行った時に。そのお医者さんが静電気を持ってまして、僕のまぶたに触ったときに、こうなんか電撃がはしった時かな。あれもトラウマになる。もう行けない(笑)」
船越「『バビル二世』の衝撃波みたいなものですか」
荒木「そうです。衝撃波が目にはしったのには………もう怖くて行けないですよ」
Q54 最近、腹が立ったことは?
船越「最近じゃ腹が立ったことは?」
荒木「腹が立ったことも………あんまりないですね。ないです」
船越「先生、あまり腹はお立てにならないような感じにお見受けするんですが」
荒木「でも、これじゃ駄目だなぁと思うときはありますけどね。テレビとか、ニュースとか見てて」
Q55 最近、涙を流したのはいつ?
船越「最近、涙を流したのはいつですか?」
荒木「最終回描いててちょっと、泣いちゃったな」
船越「今日ですね先生(笑)」
荒木「いや、ネーム書いている時だから、木曜日かな(笑)」
船越「やっぱりそうですよねぇ………それは………そうなんだろうなぁ」
Q56 旅行で一番良かった所は?
船越「旅行で一番良かった所はどこでしょうか?」
荒木「僕はイタリアが好きなんですよ。イタリアの、ヴェネツィアがいいですね」
船越「ヴェネツィア。水の都」
荒木「あの、車がないところがいいですね」
船越「そうですね。全く歩くのにストレスを感じませんからね。ちょっと人が多いかなというのはありますけど」
Q57 もう行きたくない所は?
船越「逆に最悪だなぁと感じた所はございますか?」
荒木「言っていいのか解らないですけど、エジプトが駄目ですね」
船越「でもエジプトといったら第三部のまさに………」
荒木「もうあそこ嫌いで、だから舞台にしているんです」
Q58 宮城県で一番美味しいものは?
船越「宮城県のご出身ですが、宮城県で一番美味しいものはなんでしょうか?」
荒木「あるのかな?(笑) 東京の方が美味しいですよ」
船越「身も蓋もなく終わってしまいました(笑)」
Q59 行きつけのお店は?
船越「都内で行きつけのお店はどこかありますでしょうか」
荒木「あります。僕はイタリア料理が好きなので、そのレストランが好きです。大好きですね。お酒飲まないんで、そういう所が大好きです」
Q60 東京で好きな町は?
船越「東京で好きな町はどこでしょうか?」
荒木「東京で好きな町は………表参道が好きですね」
(好きな映画ベスト3)
船越「(好きな映画)『大脱走』………」
荒木「『大脱走』ね、これはもう子供の頃観て本当に手に汗握ったかなぁと。これ今でもいいです。マックイーンが何回も戻ってくるところもいいんです」
船越「やっぱりそのへんが根深くあって、第六部はジェイル(監獄)ものになったのかなと、それがルーツなのかなと」
荒木「ああ、それはありますね。マックイーンが戻ってくるたびに僕は泣いていたもん(笑)。これだよ! ヒーローってのはこれだよ!って感じ」
船越「そして『ジョーズ』」
荒木「『ジョーズ』ですね。これはもう海に行けなくなるぐらい怖くなった映画。で、何で怖いんだろう、っていう恐怖の分析っていうんですか。最初観たら最後まで。後半は何かバトルものになるし、いいんですよねやっぱり」
船越「で、『ゴッドファーザー』」
荒木「『ゴッドファーザー』………。大河ロマンですね。こういうのがいいですね。親子何代にも渡る………一部、二部、三部とあって」
船越「解りやすいですよね。この映画がジョジョの世界観を作ったっていう」
(最近ハマっていることは?)
船越「大きな絵にハマっていると………これはちょっと面白いなと」
荒木「そうですね。マンガってこのサイズで描いているから(と、原稿用紙を取り出して見せる。B4サイズか?)、もっと何倍かに描きたいんですよ」
船越「そもそも大きく描きたい、と」
荒木「その後ろにあるやつなんですけど」
(たて1mよこ60cmのキャンパス映る。ジョルノ?が描いてある)
船越「おお………ではあまりイラストにしても何にしてもお描きになったことがあったんですか?」
荒木「ないですね。ゆくゆくは2メートルぐらいにしたい。描きたいです」
船越「例えばバオーのイラスト、あるいはゴージャスアイリンなどあのぐらいの時代のイラストを拝見するとあらためて先生の世界観の深さというのが痛感するんですけど」
荒木「あの頃なんかね、凄いファッションデザイナーみたいな人がいっぱい出てきたんですよ。スターみたいなのが。ヴェルサーチですとか、モスキーノとか、それが良かったんですよ。影響を受けて、主人公に着せたいなぁって感じ」
(初恋はいつ?)
船越「初恋は高校生?」
荒木「(笑) はい」
船越「その初恋の方はどういう女性だったんですか?」
荒木「違う学校の女学生ですよ」
船越「明るい子? 暗い子?」
荒木「ちょっとね、おしとやかな感じだったね。だからダメだっったのかも(笑)。そういうマンガのイメージか小説のイメージか知らないけど、そういう女性がいいのかなと思って最初思っていたんですけど、付き合うと駄目ですね。辛いですね」
船越「先生は割とリードしていってくれるような女性が好きですか?」
荒木「ああ、そっちの方がいいですね」
船越「という事は、奥様にはかなりリードして………」
荒木「そうかもしんないですね(笑)」
(欠かさず見ていたテレビは?)
船越「欠かさず見ていた作品に、刑事コロンボを挙げていましたが」
荒木「あれも、犯人に感情移入するときもありますね」
船越「刑事コロンボの作りっていうのはそうですよね」
荒木「僕は結構、犯人に味方しているときがありますよ。コロンボ、また戻ってきたよ!とかね(笑)。ああこれ帰ってくるんだろうなと思うと帰ってくるんだよ、あれ」
船越「これで救ってやりたい、っていう瞬間がある話がいくつかありますよね。このまま逃げ切ればいいのに!っていう」
荒木「そう。でもそこが面白くて(笑)」
(ナレーション)
『魔少年ビーティー』。1983年週刊少年ジャンプ、荒木飛呂彦の記念すべき初連載作品。
悪魔的頭脳を持つ少年、ビーティーが手品トリックを駆使し犯罪に関わっていく様を親友・康一君が語る。すでに荒木独特の台詞回りは確立され、かなりエキセントリックな内容となった。
84年、週刊少年ジャンプに連載された本格SFアクション(『バオー来訪者』)。 遺伝子操作によって生まれた生物兵器バオーを体内に持つ青年と、悪の組織ドレスとの戦いを描いた熱狂的ファンを生んだ作品。
マンガ作品について Q61~Q80
Q61 なぜジョジョという名前に?
船越「なぜ、ジョジョという名前なんですか?」
荒木「もう忘れたけど………(笑)。頭文字が同じになって欲しかったんですよ。AAとかBBとか。あと、ジョナサンというところで打ち合わせをしていたからだと思います」
船越「いわゆるファミレスのジョナサンで………」
Q62 ジョジョのテーマは?
船越「ジョジョのテーマは何ですか?」
荒木「やっぱりこう、人間は素晴らしいな、と。正義とか、清い心を貫いている人ですね。そういう事を、ええ。」
Q63 スタンドの概念はどこから発想?
船越「スタンドという概念はどこから発想されたんでしょう?」
荒木「これは先祖霊っていうの、何ていうのかな」
船越「守護霊?」
荒木「守護霊です。守護霊が出てきて、一緒に戦ってくれたらいいな、っていう。昔『うしろの百太郎』(つのだじろう)っていう………あの辺がルーツではないかな、と思いますけど」
Q64 どのジョジョが好き?
船越「今、第六部までありますけど、先生はズバリどのジョジョがお気に入りでいらっしゃいますか?」
荒木「僕は第四部の仗助っていう………あのツッパリの、あれがいいんですよね」
船越「後ほどじっくりと………」
Q65 お気に入りのキャラクターは?
船越「一番、気に入っているキャラクターは、何ですか?」
荒木「さっきも言いましたけど、吉良吉影がいいですね」
Q66 ボツネタについて
船越「没になったエピソードはありますか?」
荒木「いっぱいありますけど………それもよく覚えていないです」
Q67 荒木流擬音について
船越「荒木流擬音はどこから思いついたものですか?」
荒木「これはヘビメタですね。ギュウゥゥゥーーーーンとか」
船越「あれは楽器の音だったのですね」
荒木「そうです。ホラームービーとかに出てくる。キュンキュンキュンキュンとか」
船越「出てきますねぇ」
荒木「ああいうやつで」
Q68 独特のポーズについて
船越「キャラクターの独自のポーズはご自身でもされるんでしょうか?」
荒木「いや、自分ではしないですけど」
Q69 一話描くのにかかる時間は?
船越「一話描くのにどのくらい時間がかかりますか?」
荒木「一話って、連載一回ですよね? 絵だけで三日ですね」
Q70 連載スタート時、どこまで構想があった?
船越「連載スタート時、どこまで構想があったのですか?」
荒木「一応大河ドラマみたいにしていこうって、世代が交代していくって………第三部の結末までありました。構想だけですけどね」
Q71 テレビアニメ化の話は?
船越「テレビアニメ化の話はないですか?」
荒木「たぶん、子供に見せるマンガじゃあないんで、ないと思いますけど」
Q72 キャラを描くのに一番重要な部分は?
船越「キャラクターを描く上で一番重要な部分は?」
荒木「絵ですか………口ですね」
船越「口ですか」
荒木「色っぽくないと嫌なんですよ。目より口のほうがものを言うと思うんですよね。ちょっと、モナリザじゃないですけど、スマイルで違ってくるんですよ。目はこんな(モナリザの真似?をする)もんでいいんですけどちょっと………(微笑んで)モナリザになるんですよ。微妙ですね」
Q73 『静・ジョースター』の再登場は?
船越「第四部登場、静・ジョースターもジョジョですが、再登場は果たしてあるのでしょうか?」
荒木「これはマニアックですけど………ないです(笑)」
Q74 『ディオ』の再登場は?
船越「続きまして第三部登場、ディオの再登場はありますか?」
荒木「これもないです」
船越「ないんですか!」
荒木「ええ、ありません」
Q75 ジョセフはまだ生きてる?
船越「第六部は2011年の設定ですが、ジョセフ・ジョースターはまだ生きてるのでしょうか?」
荒木「はい、あの………ちょっとボケていると思うんですが、生きていると思います」
船越「このへんは私は、とっても疑問がありますので先生に後でこの疑問を解消して頂かないとと、思っています」
荒木「何歳?って感じ?」
Q76 魔少年ビーティーの本名は?
船越「魔少年ビーティーの本名はなんですか?」
荒木「一応、ないんですけど、僕、寺沢武一さんってマンガ家が好きでして」
船越「『コブラ』の」
荒木「一応その辺も」
船越「Buichi Terasawaですか」
荒木「高木ブーって言われたこともあるんですけど(笑)」
Q77 空条承太郎を演じるとすれば誰?
船越「空条承太郎をもし俳優が演じるとすれば役者は誰になるでしょう?」
荒木「ええっと………解らないですね。でもイメージで描いたのはクリント・イーストウッドがイメージ。あの走ったりしないところが」
Q78 もしも自分がスタンド能力者だったら?
船越「もしご自身がスタンド能力者だとしたらどのスタンドを使いたいですか?」
荒木「何だろうなぁ………時間を止めてみたいですね」
船越「やっぱりね。それですよね」
荒木「ちょっとね」
Q79 第6部で単行本が一巻に戻った理由
船越「なぜ第6部で単行本が一巻に戻ったんでしょうか?」
荒木「編集部の要望です」
船越「先生が何かたくらんだという事ではなくて」
荒木「いいえそういう事ではないです。何か解りやすさを取ったんじゃあないでしょうか」
Q80 第7部の構想は?
船越「第7部の構想はもうあるんでしょうか?」
荒木「はい、あります」
船越「よかった! ………(カメラ目線で)これはもう本当に皆さんご安心下さい。第7部は始まります」
(なぜジョジョという名前に?)
船越「衝撃的ですね。ファミリーレストランだったっていうのが。ジョナサンのルーツが」
荒木「深夜までやっていて、24時間だから、打ち合わせはそういう所でやるんですよ。それで頭文字がスティーブン・スピルバーグ(S.S)みたいにしたかったんですよ。覚えやすいから。それでジョナサンになった」
(スタンドの概念はどこから発想?)
船越「スタンドっていうのは………これはもう『うしろの百太郎』というような言葉が、僕も一瞬ダブったんですけれども」
荒木「そうですね。壊して欲しいって時に、超能力っていったらウーンって念じてパカって割れるんだけど、ここ(背後)から出てきて、守護霊が割るってくれるって見せたほうが、マンガ向きなんですよね」
船越「スタンドと自分自身の肉体が一体化しているという所ですよね。この辺の発想が非常に興味深いんですけど」
荒木「あれもね、たぶん横山光輝先生のマンガだと、リモコンが敵に渡ったら敵のものになっちゃうとかね」
船越「敵に渡すな大事なリモコン、ってね」
(注:『鉄人28号』の主題歌の歌詞)
荒木「そう、ああいう弱点っていうかな、ああいうところが面白いんですよね。ドキドキするっていうか、そういうのがないと面白くないっていうか全部強いものばっかじゃ 描いていてサスペンスが成り立たなくなってくるんですよ。だからそういうのを先輩を見習って作っているっていうのはあるんですけど。 「その横山光輝先生のマンガだとね、学生服を着て砂漠に行くんですよ」
船越「『バビル2世』、まさしくそうですよね」
荒木「それがいいんですよ。戦闘服を着て、じゃあ駄目なんですよ。なんかあれが涙が出てくるの(笑)。学生服を着ている少年が砂漠にいる、っていうの。絵がいいんですよね」
船越「でも裏切られたのは、アニメになったとき学生服着ていなかったんですよね」
荒木「そう、アニメは戦闘服着ていたからあれはひどかった」
船越「ひどいですよね。何であんな裏切り方をするんだろうって。僕も『バビル2世』はやっぱり学生服なんですよね」
荒木「そうです!」
(連載スタート時、どこまで構想があった?)
船越「先ほど、ジョジョの話にも出ましたけど、だいたい第三部までは構想がスタート時にあったという………これはもう第三部は日本に持ってこよう、という所まであった訳ですか?」
荒木「はい、世代を通じるドラマってあるんですよ。『エデンの東』とかいろいろ。それみたいにしようと思って」
船越「日本に持ってくるっていうのはかなり大胆な発想では?」
荒木「いやでもね、逆だったんですよ当時は。日本人じゃあない主人公を少年マンガにはつかっちゃいけないっていうタブーがあった。外人を主人公にすると絶対駄目なんです。そういうタブーが80年代にあって、ウェスタンでも何故か日本人が主人公なんですよ。日本のマンガって」
船越「『荒野の少年イサム』とかね」
荒木「そういうのがなんか知らないけどあったんですよ。だからそっち(主人公が日本人)の方が普通で、一部とかの方が(外国の人が主人公とかの方が)異常なんです」
船越「何で外国の人を主人公にしようって思われたんですか? そのタブーを犯してまで」
荒木「うーん、なんか洋画とかをいっぱい観ていたからですし、旅行したときにカルチャーショックっていうんですか、観るもの全て凄かったですね。美しくて。鼻血出るぐらい美しかったですね。何観ていいかわからないんだもん」
船越「先生は旅行に行かれたっていうのは、最初イギリスなんですか?」
荒木「そうですね、イギリスとかフランスとか行ったんですけども」
船越「これはもう、イギリスを舞台にしたものを、という事ではなくて」
荒木「そこでちょっと凄かったからですね、やっぱり」
船越「という事は旅行にインスパイアされて、ジョジョの舞台はイギリスになったっていう風に解釈しても?」
荒木「あ、そうです。やっぱそういうのも編集者っていう人の影響みたいなもの、あるんですよ。編集者の趣味もとか入ってくることがあるんです。エジプトに行こうって 言ったの、編集者なんですよ。大好きなんだもん。あの象形文字とか読める方で、もう行きたくてしょうがないの」
船越「ヒエログリフが読める」
荒木「読める人で、僕は行きたくなかったんですけど(笑)、汚そうでね、とにかく嫌なんですよ」
船越「じゃあ先生の中にあったものがエジプトじゃあなかったんですね」
荒木「そうですね、あれは担当さんとかそういうそばにいた人の影響っていうのがあって、例えば外国の主人公にしたらどうかな、っていうのも担当さんが反対される場合もあると思うんですよね、打ち合わせで。そりゃまずいよ、って。でもその人は乗ったんですよね。いいかもしんない、みたいな。そうすると勇気になってくるというか」
(『DIO』の再登場は?)
船越「ディオのお話になるんですが………やっぱりジョースターという血統があって、こっちの対極に数十年を貫いて綿々とディオというのが、どうも読者の我々にとっては常にいつもディオの影がつきまとっています。六部に至ってもディオの骨まで出てきました。なのに先生は再登場はないとおっしゃっていたんですけど」
(画面にいつかのカラー原稿?のディオ映る)
荒木「あれは承太郎がやっつけたもんだから。でもその意思は残っているっていうようにしたいんですよね。その志(こころざし)みたいな。悪の志」
船越「という事は、ディオは形としては現れなくとも意思としてはもしかしたら今後も」
荒木「そうかもしれないですけど」
船越「第7部だ………(笑)」
(ジョセフはまだ生きている?)
船越「ところで、ディオもさることながら、ジョセフは先生?」
荒木「ジョセフ………矛盾点は?」
船越「あのね、リサリサは50歳の設定で出てきましたよね? 肉体は二十代でした。あれは何故かというと、波紋があの肉体を保つんだ、老いのスピードを緩めるんだとお描きになりましたよね先生?」
荒木「はい」
船越「何故………リサリサよりもジョセフのほうが僕は波紋のパワーは上だと思うんですよ。何故、ジョセフは人間と同じスピードで歳をとっちゃったんでしょうね?」
荒木「やっぱちょっと、気の持ちようというか(笑)」 船越「失礼いたしました(笑)」
(キャラを描くのに一番重要な部分は?)
船越「先ほど、一番ポイントになるのは口だっておっしゃっていましたよね? これがインパクトがあったんですよ」
荒木「何かね、色気を出しいんですよね。中性的っていうのかな。男でもなく女性でもなく、っていうような。絵にしたときに惹きつけるものがあるんですよ」
(仗助、ジョルノ、ドッピオのカラー原稿、口もとのアップ)
荒木「例えば男描くんでも、女性の顔を見ながら描くときがある。スタイルとか、ポーズの取り方とか………」
船越「先生、顔を描かれる場合、最後は口ですか、それとも最初は口ですか」
荒木「最初は鼻ですね」
船越「鼻、まぁそれは中心をとって」
荒木「どう描くんだろうな………やっぱ最後が口ですね」
船越「やっぱり最後が口。ちなみにちらっと描くところを見せていただいてもよろしいでしょうか」
(荒木、紙をサッと用意して描く)
荒木「こういう感じ」
船越「(小声で)大変なことになりました」
(荒木、ペンを一度取り、また別のを取り直して描き始める。ロットリング?)
荒木「まずちょっと輪郭」
(輪郭、鼻、眉毛、目の順でサッサと描いていく。やや左向きの顔で、右目、左目の順。目はフチ、目玉の順) 船越「やっぱり先生は仗助が好きなんですね」
荒木「いや、これは何でもないんですけど」
船越「あ、何にでもなるんですか、そこから」
荒木「仗助にする?」
(リーゼントを少し描いて、口を描く)
荒木「こういう感じですかね………」
(耳、そして右側の輪郭)
船越「なるほど、確かに表情がスッと出てくるのが口ですね」
荒木「あと叫ぶときにはこう(口をあけるように描くふりをして)なったりとか」
(リーゼントの上の部分を描く)
船越「先生、生のを描かれてしまいましたね」
荒木「生仗助?」
(服を少し描いて、単行本でも人気のラフ画が完成。早い) 船越「先生、口というのはあえて影響を受けたとしたらこの口元はどこがルーツですか?」
荒木「やっぱこういう写真とか(写真集をぱらぱらとめくる)見て描いているんですけど、(写真の口を指差し)やっぱこういう口とか、いいですよね」
(写真がハッキリ見えるんですが、何の写真集でしょうか?)
荒木「でも、これ見て男を描くときもあるんです」
(仕事場拝見)
荒木「ここはアシスタントの仕事場です」
船越「はああ………なんかイメージが全然違いました。もっと雑然とした中で生まれていくのかなと思っていたんですけど。先生の几帳面さが」
荒木「そうですか? いや………まぁ………はい(笑)」
(この時、壁にかかっている絵が面白い。荒木先生の絵?)
(アシスタントがペン入れをしている作業、映る)
ナレーション
荒木先生の絵に、丁寧にペン入れをするアシスタントの皆さん。 (最終話?、神父が地面に倒れこむPAGEが映る)
この日は第六部ストーンオーシャン最終話の仕上げ。
『ジョジョの奇妙な冒険』はここから生まれているのです。
(第7部の構想は?)
船越「これでいよいよ第七部が始まるという、私達は嬉しいニュースを耳にさせていただいたんですけども………」
荒木「編集部とは全然打ち合わせしていないんで」
船越「でも、先生の中にはもう………」
荒木「ありますね。タイトルも、なんだっけな、『スティール・ボール・ラン』っていうんですけど」
船越「教えてもらっちゃいましたよ(笑)」
荒木「でも舞台とか、内容は駄目ですね、まだ」
船越「それはもちろんそうですよ。どっか先生の中で、大きな未来に飛躍するっていうためらいがあるっていう事はあるんですね」
荒木「取材ができない、っていう。あと身近でないと、リアリティっていうか、何でもある発明とか、何でもある世界になるとちょっとまた違ってくるんじゃあないかと思う んですよ。やっぱリアリティですね」
船越「先生がご自分で未来を構築しようとはあまり思われない?」
荒木「ええ、もうスタンドが架空のものだから、どこかリアリティがないと駄目なんですよ」
船越「なるほどなるほど。それでは皆さん、第七部はそれほど遠い未来へ行かない、と。これだけはお聞きできました」
荒木「もう血統がいないんですよね。例えば仗助だって愛人の子なんだもん。苦しいんですよ(笑)」
エピローグ Q81~Q100
Q81 おすすめマンガベスト3
船越「それではエピローグ的にその他のことというくくりで質問をさせていただきたいんですけども、お勧めのマンガベスト3を教えていただけますか?」
荒木「『バビル2世』と………そうだな梶原一騎の………うーんやっぱ『巨人の星』かな。柔道一直線もいいんですけどね」
船越「いいですよねぇ」
荒木「後はやっぱ『ドラゴンボール』ですね」
船越「『ドラゴンボール』ですか!」
Q82 「やられた」と思ったマンガは?
船越「やられた!と思ったマンガはありますか?」
荒木「いや、べつにないですね」
Q83 尊敬するマンガ家は?
船越「尊敬するマンガ家はどなたでしょうか?」
荒木「やっぱり横山光輝先生」
Q84 週刊連載で心がけていることは?
船越「週刊連載をする上で心がけていることはどういう事でしょうか?」
荒木「締めきりを守る」
Q85 長く続ける秘訣は?
船越「長く続ける秘訣を教えてください?」
荒木「あ、これがそうですね。締めきりを守る、と。そういうことです」
Q86 仲の良いマンガ家は?
船越「仲の良いマンガ家さんはどなたでしょうか?」
荒木「えっと………いないですね(笑)。特に。いるって答えてもいいんだけど、そんな会っていないんだよなぁ。みんな忙しくてさぁ(笑)」
船越「そうですよね。なかなかねぇ」
荒木「そうなんですよ」
Q87 パソコンは使う?
船越「パソコンは使えますか?」
荒木「僕は駄目ですパソコン。あの待ち時間が」
船越「でも、お使いにはなられると」
荒木「ええ」
船越「あまり好きではない、と」
荒木「好きではないですね」
Q88 着メロは?
船越「携帯の着メロを教えていただけますでしょうか?」
荒木「携帯は僕、持ってません」
Q89 一番会いたい女優さんは?
船越「一番会ってみたい女優さんを一人教えてください」
荒木「ええっ、これ日本の女優さん、って事ですか?」
(スタッフが「いや、外国でも」と答える)
荒木「ナタリー・ポートマンに会いたいですね。『スター・ウォーズ エピソード1』のアミダラ姫。あれ、いいですねぇ(笑)」
船越「目尻が下がりましたね先生」
荒木「すごい美人ですよあれは」
船越「そうですよねぇ」
Q90 無人島に持っていくものは?
船越「無人島に持っていくものを三つ挙げてください」
荒木「やっぱり好きなマンガと、CDと、鉛筆」
Q91 一番高価なものは?
船越「今まで買った一番高価なものを教えてください」
荒木「何だろう………仕事場かなぁ」
Q92 尊敬する人は?
船越「尊敬する人は誰ですか?」
荒木「尊敬する人? ………僕は画家のベラスケスが」
(画面にベラスケスのテロップ出る。
「ベラスケス」(1599~1660) スペイン セビリア生まれ。フェリペ4世の宮廷画家として活躍)
Q93 今後、挑戦してみたいジャンルは?
船越「マンガ家として今後、挑戦してみたいジャンルはどんなものですか?」
荒木「別に、今のマンガをどんどん進めていきたいだけ」
Q94 『少年ジャンプ』どこから読む?
船越「『少年ジャンプ』どのマンガから読みますか?」
荒木「最初から、載っている順に」
Q95 マンガはいつまで描く?
船越「マンガはいつまで描こうと思われていますか?」
荒木「50ぐらいですかね。そんな長く描けるのかなぁ(笑) 少なくとも週刊連載はちょっとできないんじゃあないかなぁ。スポーツ選手と同じ様な感じがありますけど」
船越「やっぱりこれは時代でしょうかね」
荒木「時代っていうか、体力」
Q96 老後の過ごし方は?
船越「老後はどう過ごしたいですか?」
荒木「やっぱりこう、友達とレストランでだべりながら、みたいな(笑)。それいいですよ。男同士でね」
Q97 もし願い事が叶うなら?
船越「願い事が叶うなら、何をお願いされますか?」
荒木「ええっ………? 何だろうな………あんまりないですけど。別にないです」
Q98 マンガ家に向いている人はどんな人?
船越「マンガ家に向いていると思う人はどんな人でしょうか?」
荒木「マンガ家って、いろんな魅力があるんですよね。脚本家であったり、画家であったり、監督であったり、役者であったりすねから、たぶん音楽家以外は誰でも向いているんじゃあないかと思いますけど」
船越「はぁーなるほど」
荒木「いろんな魅力があるから、そこさえあれば。絵下手なマンガ家もいるし、絵だけで話ができない人もいるし。いろんな魅力があるから何でもできると思いますね」
Q99 マンガ家として大切なことは?
船越「マンガ家として大切なことってなんでしょう?」
荒木「創作は美しい、って心に念じていることじゃあないですか」
船越「素敵な………」
Q100 あなたにとってマンガとは?
船越「では最後に、ちょっと難しい質問かもしれませんけど、先生にとってズバリマンガとは何でしょう?」
荒木「自分を見つめるものですね」
船越「ありがとうございました」
(船越、荒木と固く握手しつつ) 船越「ありがとうございました。素敵な創刊号にさせていただきましたお蔭様で。これからも楽しみにしておりますので、くれぐれも体調を 崩さないように………体調を崩すと主人公がピンチになってしまいますからね(笑)。ご活躍をお祈りしております。ありがとうございました」
荒木「はい、どうもありがとうございます」
(ジョリーンと荒木先生のサイン映る。夜道を歩く船越)
船越「いかがでしたでしょうか。週刊少年『』創刊号としては素晴らしいものが出来上がったと編集長としては自負するとともに、あらためて荒木先生に感謝したいと思いま す。荒木先生のお話を実際に伺うことができて、ジョジョのルーツにも触れることができて、さらにジョジョの作品世界が広がったような気がします。第七部が本当に今から待ち遠しい、そんな思いでいっぱいです。是非、荒木先生、老後のお茶のみ友達の中に私を加えていただきたいと思います。それでは皆さん、また次号でお会いしましょう!」[1]