Anime!Anime! (May 2013)

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Published May 12, 2013
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Interview with Naokatsu Tsuda from the Anime!Anime! website. Part 1 was posted on May 12, 2013[1] and part 2 was posted on May 14.[2]

Interview

Part 1

■ ジョジョ歴は20年以上、津田尚克ディレクター

―アニメ!アニメ!(以下、AA) テレビアニメシリーズの第1、2部が放送を終了しました。全編が終わったいま、作品をどのように振り返りますか?

―津田尚克ディレクター(以下、津田) 自分の中での満足度はすごく高いです。みんながそれぞれ考えている『ジョジョ』があると思うんですが、僕の中にあった『ジョジョ』はまさにこれで、ベストな形で表に出せたのではと思っています。 周囲からも好評で、ほっとしました。これで評判が悪かったら、演出としての生命が終わるかもしれないところでした(笑)。 もちろん、「もっと、ああできたのに!」みたいな部分もあって、今はまだ客観的に振り返ることはできません。むしろ、10年後に見直した時に自分でもすごく面白く見られるんじゃないかなと思います。

―AA 津田さん自身、子どもの頃から『ジョジョ』のファンだと伺いました。

―津田 ジョジョ歴はけっこう長いんですよ、「ジャンプ歴=ジョジョ歴」といっても間違いないです。週刊少年ジャンプを僕が読み始めたのは小学生の頃からなので、もう20年以上。 ただ4部と5部を一番読んでいて、今回制作した1部と2部って単行本がメインだったので、週刊少年ジャンプでは数えるほどしか読んだことがなかったんです。でも何十回と改めて読み返すと、あの頃はできなかった発見が山ほどあります。 1コマ1コマに色々なネタが仕組まれていたりとか、ディオとエリナのキスシーンで「ズキュゥゥゥウン」っていうのはピストルの音じゃなくてギターの音なのかな、とか。 そもそも「ゴゴゴゴ」は何の音なんだっていうのも、編集の方を通して荒木先生に質問してもらいました。あれはホラー映画にあるような環境音を文字にしているらしいです。

■ ジョジョ好きで固められたスタッフ陣

―AA 今回のテレビアニメの『ジョジョ』のディレクターになったきっかけも、ジョジョファンだったからですか?

―津田 弊社(デイヴィッドプロダクション)の副社長でプロデューサーでもある梶田浩司さんから声をかけてもらったのがきっかけです。「津田君、ジョジョ好き?」と聞かれて「大好きです!」って答えたら「実は……」みたいな感じです。 梶田さんはこのタイトルをアニメにするにあたって、「ジョジョ好き」でスタッフを固めたいと思ったようです。そこで何人かに声をかけて、ジョジョ好きで、制作実績が合致して、かつスケジュールなど他の条件がかっちり当てはまったのが、僕だったのかもしれません。

―AA 『ジョジョ』は原作に熱狂的なファンが多くいる作品です。それだけに期待も大きいと思います。アニメ化するにあたってまず考えたことは何ですか?

―津田 原作ファンが怖いなって思いました(笑)。僕自身もジョジョファンなので、「つまんないジョジョアニメを作ったら容赦せんぞ!」みたいなものは当然僕の中にもあります。 奇をてらわず原作を大切にアニメ化しようと思いました。とはいっても、『ジョジョ』は原作に忠実にアニメ化すると奇をてらうことになるんですけどね(笑)。

―AA アニメでのストーリー展開では、サクサクと物語が進む印象でした。そういったスピード感はあえて意識されたのでしょうか。

―津田 そこは不可抗力もありましたね。1部と2部を合わせて24本でやってくれ、という話だったんです。それだけでは収まらなくて、26本に増やしてもらったんですが、それでも収まらなくて、「じゃあ巻きでいこう」と。多少、巻いてでも原作のシーンを一つでも多く拾う方が原作ファンは嬉しいはずだと思いました。 僕は終わり良ければ全て良しだと思っている人間なので、ラストにはとにかく間をいっぱい取りたいと考えていて。そうなると、1部はスピード感を出して駆け足に、2部はじっくり見せていこうという結論に達しました。 1部と2部で、見ている人が違った印象をもってくれたら成功かな、と思います。

■ ディレクターも泣いた“シーザー対ワムウ戦”

―アニメ!アニメ!(以下、AA) 20話でシーザーが死ぬシーンは、急に静寂に包まれて、じっくり間をもたせたことも相まって胸を打つ名シーンになっていました。

―津田尚克ディレクター(以下、津田) シーザー対ワムウ戦は、現在8部ある『ジョジョ』全ての中でもベスト10に入る名シーンだと思っています。これは僕も気合いを入れないといけないと思って、20話に向けてスタッフの調整も行いました。 個人的にも、20話はスタッフリングが上手くマッチしていい出来になったなと思います。シーザーの、ジョセフに何かを託したい・残したいという想いをたくさん叫んでいたものを、きちんと表現できました。

―AA 20話は「男泣きした」という人も多かったみたいです。

―津田 よかったです。実は僕も放送を見て思わずホロっとしちゃったんです。自分たちで作っているのに……(笑)。

■ 雰囲気の異なる1部と2部

―AA 1部と2部では、作り方が違ったところはありますか?

―津田 1部は100年以上前のイギリスが舞台なので、クラシカルになっています。昼間のシーンなんかは『世界名作劇場』のような雰囲気で行きたいと思っていました。 2部はちょうど第二次世界大戦の頃が舞台なので、1部とはあえて雰囲気を変えました。この時代はアメリカ美術が発達した時代でもあるので、タイポグラフィなど色々と参考にさせてもらっています。

―AA 実際に参考にされたものは、何かありますか?

―津田 色々な美術書を参考にしました。「この時代だったらアール・デコだよね」みたいに。ちょっとした影の付け方とかを当時の美術を踏襲してみたり。 意外にネットには参考になるものがなくて、全て本を参考にしているので情報収集は大変でした。 あとは、ハリウッド映画が良かったです。さすがに本場、看板の描き方であるとか、ビジュアルを参考にさせてもらいました。 ただジョジョの美術は、1、2部ともに写実的にならないようにしているんです。遠くのほうは、ほんのシルエットだけとか。 美術の吉原俊一郎さんは、本当はすごく繊細に描く方なんですが、「普段やる作業とは違うパターンなので、楽しく進められました」と言ってもらいました。


Part 2

■ 「ジョジョ!」と叫びたいが、 オープニングの要望。

―アニメ!アニメ!(以下AA) オープニングテーマやエンディングテーマも話題になりましたが、こうした曲はどう決められたのでしょうか?

―津田尚克ディレクター(以下、津田) まず、オープニングテーマでタイアップはしないというのは決定していました。音楽担当から「この人はどう?」と色々提案してもらったんですが、いまいちピンとこなくて。「ジョジョらしさって何だろう?」とみんなで考えるところから始めました。

逆にエンディングテーマは洋楽にしよう、というのが先に決まっていた状態だったんです。 ひとくちに洋楽といってもジャンルはさまざまなので、荒木飛呂彦先生に第1部を描いていた頃に聴いていた音楽を編集を通して教えてもらいました。 荒木先生は洋楽をよく聴かれる方で、仕事中も聴いていると伺っていたので。編集の方を通して頂戴した荒木先生のメモの中から、YESの「ROUNDABOUT」に決まりました。

―AA エンディングテーマの方が先だったんですね。

―津田 そうなんです。オープニングテーマは本当に悩んで、男性ボーカルなのか、女性ボーカルなのか、カッコイイ感じのロックなのか、それとも日本人が洋楽っぽく英語で歌ったものなのか。色々と試行錯誤した挙げ句、どれもはまらなかった。 そこで「王道アニメソングがいいんじゃないか」というアドバイスを編集部に頂いたんです。『ジョジョ』といえば週刊少年ジャンプ。1980年代を彷彿とさせるような、あの暑苦しいほどの王道をやればいいのではないかって。みんなが「これだ!」と思いました。 そして、王道アニメソングといえば作曲家の田中公平さん。彼に依頼したらノリノリで「ジョジョ ~その血の運命(さだめ)~」を作ってくれたそうです。嬉しかったです。

―AA 依頼するにあたって、何かオーダーは出されましたか?

―津田 「ジョジョ!」って叫びたい、それをカラオケで歌いたい、とお願いしました。

―AA オープニングテーマはアニメ好きのカラオケの定番になっていて、まさに狙い通りですね。

―津田 「しめしめ」って感じですよ(笑)。聴いた瞬間にみんな「これはいける!」って確信していて、この暑苦しさ、ダサかっこよさがいい。時代が1周してこういうのがかっこよく感じるのではと思っていました。

■ 悩んだ、みんなの持つ『ジョジョ』の共通イメージ

―AA 制作で、特に苦労されたことはありますか?

―津田 コンテですね。原作の連載スタートから25年経つ今、これをそのままアニメ化してもきっと受け入れてもらえない。 「みんなが思い描いている『ジョジョ』ってどこだろう」と、そこで3部、4部の荒木先生の絵やレイアウトをコンテに入れ込もうと考えました。おそらくみんなが一番もっている『ジョジョ』のイメージはここにあるんじゃないかと。 1部と2部では広角レンズで撮影したようなシーンが多くて、キャラクターが一つの画面の中で並んでいる、望遠レンズで撮ったみたいなシーンって少ないんです。たまにあえて望遠のシーンにしてみよう、くらいです。 そういうコンテをこれまで僕が描きなれていなかったので、第1話のコンテにとても苦労しました。今は別のタイトルを担当していますが、『ジョジョ』のコンテのクセが抜けなくて、苦労してます。演出としてクセが強い人間になりそうなので矯正中です(笑)

■ お気に入りはジョルノ。「DIOの子なのに清廉潔白で性格がいい」

―AA 津田さんが一番好きな『ジョジョ』のキャラクターは誰ですか?

―津田 『ジョジョ』のキャラクターは全員好きなんです。敢えて挙げれば、僕は、ジョルノ・ジョバァーナが好きなんです。ジョースター家の血もディオの血も受け継いでいるのも、ディオの子なのに清廉潔白で性格がいいのも魅力。 ジョルノが一番真っ直ぐですよね。「ジョルノ・ジョバァーナには夢がある」と言った2週間後にはギャングのボスになっちゃうのも「どんだけすげぇんだ!」って思います(笑)。 ジョルノのスタンド「レクイエム」も一番強いんじゃないかな。

―AA 最後に、津田さんにとっての『ジョジョ』作品の魅力を教えてください。

―津田 本当にタイトルどおりの「奇妙な」ところだと思います。とにもかくも荒木節というか、確固たる世界観。ジョジョ立ちってすごいよね、台詞の言い回しが面白いよね、絵がスタイリッシュだよねとか、色々とあるんですが、奇妙さもあって世間ではネタみたいなところもあると思うんです。 でも、それらを並べた時に真っ先に感じるのが「熱い! 面白い!」ということ。この感覚は天才にしか作り上げられないものだと思います。この熱量を感じられるのが魅力です。 もう一つは、絵やストーリーが相まって作り上げられた世界が、オンリーワンであること。『ジョジョの奇妙な冒険』っていうタイトルからして、ほかにはどこにもありませんし、この発想を真似しようと思ってもできませんよ。 そして、これにハマったら絶対に抜け出せない。ほかのアニメやマンガじゃ物足りなくなってしまうのもうなずけます。

『ジョジョ』がもつ、見ている側にもカロリーを消費させる圧倒的な熱量は、生半可な気持ちじゃ向き合えないです。やっぱり荒木先生の内にある熱量が、すごいんだと思います。 もし、第3部があり、やらせていただけるなら、この原作の熱量を忠実に再現したいですね。

―AA 本日は、ありがとうございました。


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