Playboy (February 2007)

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Published February 19, 2007
Missing translation
Playboy March 2007

An interview with Hirohiko Araki and the manzai comedy duo "The Nankai Candies" (Ryota Yamasato & Shizuyo Yamasaki) from the March 5th issue of Shueisha's Playboy magazine on February 19, 2007.[1]

Interview

Transcript

南海キャンディーズ
しずちゃんのアイドル直撃対談!
2時間だけのトリオ 特別編

『ジョジョの奇妙な冒険」シリーズ20周年&
劇場版アニメーション「ファントムブラッド」
公開記念
特別編


南海キャンディーズ
山ちゃん(ツッコミ)としずちゃん(ボケ)による異色の男女コンビ。『笑っていいとも!』(フジ系)。『Qさま!』(テレ朝系)などレギュラー多数。決して荒木先生の〝スタンド〟(次頁参照)なわけではありません!

今週の相方
荒木飛呂彦先生
あらきひろびこ 宮城県出身。『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズは今年で20周年、第7部「スティール・ボール・ラン」が『ウルトラジャンプ』にて連載中


「ジョジョ〜」シリーズ、連載20周年の秘密!?

山ちゃん 今回は、しずちゃんの強い希望で、この対談が実現したわけですけども。彼女は荒木先生が本気で大好きなんです! アイドルなんです!

しずちゃん (モジモジ&乙女モード)

山ちゃん と言ってるそばから、先生にトロけちゃってるんで、まずは僕からお話をお聞きしたいなと。

荒木 わかりました。なんでも聞いてください。

山ちゃん 先生の代表作『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズが、ついに20周年を迎えると。僕ら、コンビを組んで4年目なんですけど、どっちとは言わないですよ。言わないですけども、ひとりだけ売れちゃってる人がいると。どっちとは言わないですけどね。

荒木 (しずちゃんを注目)

山ちゃん 先生、しずちゃんを注目しないでください! ま、というのもあって、今回はぜひ、長く続けられるコツみたいなものをお聞きできればと。

荒木 僕の例は、あんまり参考にならないんじゃないかなぁ。だって、僕は ひとりで仕事を続けてきたから。

山ちゃん でも、〝ジョジョ〟に登場するキャラクターを相方と考えたら、コンビでの活動にも近いですよね?

荒木 なるほどね。それでも、長くやってるなんて偉そうなことは言えないけど、僕の場合をいうなら、〝規則正しい生活〟かな。寝る時間と起きる時間がちゃんと決まってるんです。

山ちゃん へぇ〜!? 世間がイメージする漫画家さんって徹夜なんて当たり前!って感じだと思いますよ。

荒木 それをやっちゃうと短いですね。人気はガーっと出る場合もあるけど、息切れするんじゃないですかね。

山ちゃん それ、昔からですか?

荒木 さすがにデビューの頃は徹夜もせざるをえなかったけど、ここ15年は一切徹夜なしですね。そうしようと思ったのも、いいお手本となる先輩がいたからなんです。〝こち亀〟の秋本治さん。あの人を見習って、僕は規則正しい生活を心がけたんですよ。

しずちゃんの好きな タイプは殺人鬼!?

山ちゃん でね、しずちゃんですよ。そろそろ自分の気持ちをちゃんとお伝えしたほうがいいんじゃない?

しずちゃん いやもう、すごい好きで。まず漫画のファンで始まりまして、テレビの企画でお話しできて、なんていうか……空気がすごくいいんですよ。

山ちゃん しずちゃん、気をつけてね! 空気がいいって、上から目線のコメントにも聞こえるよ。

荒木 ははは。全然気にしないでください。

山ちゃん 荒木先生の〝ジョジョ〟シリーズで、しずちゃん的には、好きなキャラクターとかいるの?

しずちゃん 全部好きなんやけど、私、第4部の『ダイヤモンドは砕けない』の悪役、吉良吉影が大好きなんです。

荒木 それ、変わってますよね(笑)。確かに描き手である僕からしたら、思い入れのあるキャラのひとつなんですけど、吉良って殺人鬼で、殺した女性の手首を肌身離さず持っているような男ですからね。

しずちゃん 確かに、殺した女の人の手首を持った人が実際にいたら好きに……なるかなぁ。

山ちゃん ならないよ!

荒木 それはならないでしょ(笑)。

しずちゃん でも、吉良みたいな人だったらわからないですね。殺人鬼ありきでは好きにならないと思いますけど、好きになってその後でわかったら……すごく愛おしく思えるかもしれない。

山ちゃん うん、僕が今思ったのはですね、しずちゃんが荒木先生と会えて本当にうれしいんだなってこと。だって、ふだんのしずちゃんはこんなにしゃべらないんです! しかも、声が大きくて滑舌まで良くなっている!

荒木 そうなんですか(笑)。

山ちゃん しずちゃんがこのテンションでしゃべるのは、オリンピックよりも難しい周期で訪れるんですから。

荒木 ははは。じゃあ、殺人者評論家みたいな仕事だったら、この調子でしゃべれますね。

山ちゃん 先生、お笑い芸人が殺人者を語る日はこないですから! しずちゃんは殺人者的なとこにくいついたわ けじゃなくて、先生とお会いできてテンションが上がっているだけです!

荒木 あ、そうだったんですね(笑)。

スタンドの秘密が 『バビル2世』にある!?

山ちゃん 〝ジョジョ〟といえば、僕は、〝スタンド〟という発想がすげぇなと思っていたんです。

荒木 ありがとうございます。

山ちゃん あれは先生の発明だと思うんですけど、どうやって思いついたんですかね?

荒木 昔、『バビル2世』ってあったじゃないですか。あれだと、超能力を表現するのに、電気みたいなのがビビビって飛んでいってなにかを割るとかしてましたよね。そうじゃない方法で表現したいというのが始まりですね。

山ちゃん なるほど!

荒木 僕の場合、「謎」からなにかが生まれることが多いんです。「ネッシーって本当にいるのかな?」「なぜ殺人者は人を殺すのかな?」「あの人はなぜ左側ばかりを歩くのかな?」と。飛行機など、文明が発達して世界が狭くなったじゃないですか。だから、探検するところもなくなって、謎もなくなるのかと思ったけど、人間そのものの謎は深まったりして。だから、謎は永遠になくならないのかなって、最近、思いますね。

山ちゃん その謎ということで言えばですね、僕らふたりにとっては恋愛こそが最大の謎なんです!

しずちゃん 先生の恋愛観、すっごく興味があります!!!

山ちゃん しずちゃん、気持ちはわかるけども、くいつきすぎだよ〜!

荒木 僕はね、話していて楽しい人。外見がキレイな人よりそっちですね。

しずちゃん グフフ♡

山ちゃん 「脈あり!」みたいな顔をするんじゃないの!

荒木 小学生の頃とかは、それこそ漫画の中のヒロインとかが理想だったんです。例えば、『巨人の星』の星明子だとか。

山ちゃん あらやだ、まさかの選択肢! 先生、小学校の同級生に星明子的な人はいやしなかったでしょう!

荒木 そうなんですよね。あれ、漫画って嘘だなって思ったなぁ。漫画みたいに健気な女性なんていやしないって。しかも僕の場合、「どうやら漫画と現実は違うらしい」って気づいたのが20歳ぐらいの時でしたからね(笑)。

しずちゃんと荒木先生のデートが実現する??

山ちゃん この対談では、僕がアイドルの方に「こんなデートプランはどう?」みたいな話をすることがあるんですね。で、今日は、ぜひとも、〝しずちゃんが憧れの荒木先生をデートに誘うとしたら?〟という話をさせていただければと!

しずちゃん え〜、そんなんどうしよう! 私、憧れてる人が見てる世界を一緒に見たいってタイプなんですよ。

荒木 でも、せっかくだからしずちゃんのプランでいきましょうよ。どこに連れていってくれます?

しずちゃん え〜(リアルに妄想)。あ、オーロラを見に行きたい♡

山ちゃん しずちゃん、デートプランが長期的すぎる!

荒木 でも、おもしろそうですね。

しずちゃん ロシアでもオーロラが見れるらしいんですよ。車を現地で借りて、雪の中をずーっと走っていって、「寒い」とか言い合いながら何時間もオーロラが見えるのを待つんです。重装備な感じで待つ人もいるらしいんですけど、私としてはカツカツな装備でいきたい。で、それを何日も繰り返す。

荒木 ははははは! ロマンチックですね。すっごく仲良くなれそうだけど、もし死にそうになったら喧嘩して、最終的にはお互いで食べ合ったりしてね。

山ちゃん 先生!?「食べ合う」って、妄想が〝ジョジョ〟っぽいです! 逆に、先生がしずちゃんとのデートプラ ンを考えるとしたらどうですか?

荒木 妖怪を見に行きたいですね。もし、妖怪を見れなくても、遠野とか出雲とかの草原から、しずちゃんが神秘的に現れてきてほしいなぁ。

山ちゃん しずちゃんは昔、近所の子供に「妖怪!」って石投げられたという悲しい時代があった。でも、先生のデートプランで報われたんじゃない?

しずちゃん 私、よかった、妖怪で♡

山ちゃん うん、乙女心はかわいらしかったけど……しずちゃんは妖怪ではないからね!

来週のゲストは北乃きいちゃんだっ!!


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