Weekly Young Jump (December 2006)

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Published December 14, 2006
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Weekly Young Jump 2007 #2

An interview between Hirohiko Araki and Toshio Sako in commemoration of the release of the Phantom Blood film and the second volume of Usogui. It was published in Weekly Young Jump 2007 Issue #2, released on December 14, 2006.[1][2]

Interview

荒木♠ 『嘘喰い』。すごい面白いですよ。

迫♦️ 本当ですか?ありがとうございます。

荒木♠ 一回目の絵と二回目の絵とか、全然違うんですよね。どんどんうまくなっていく。一気に違うんですよ。もうこの回なんか最初と最後の方の絵が違うんですよね。

迫♦️ 荒木先生の絵も常に変わり続けていらっしゃいますよね。

荒木♠ 僕は変えるように意識しているんですよ。変えないようにしようとは思っていないんです。

迫♦️ 荒木先生は描き始めていつぐらいから自分の絵柄を意識し始めたんですか?

荒木♠ やっぱり『ジョジョ』からですね。その前の『バ才ー来訪者』とか、あと『魔少年ビーティー』の頃は、やっぱり先輩の真似というか模倣をしていたのかなと思うんですよね。

迫♦️ 『ジョジョ』で自分の絵に目覚めたって言うのは、何か具体的なきっかけがあったんですか?

荒木♠ 『バオー』の連載の後に、生まれて初めて海外に取材旅行へ行ったんですよね。イタリアに。その影響が大きかった気がしますね。なんか、超ショックを受けたんですよ。もう全てに。彫刻とか、あとファッションとか、町並みとか、何かレストランのセッティングに至るまで全部が、うわーって感じだった。

迫♦️ 旅行で絵柄が変わったんですか?

荒木♠ いや、変わりますよ、多分。どこかへ旅行して感動するしと。

迫♦️ 僕も感動できる取材旅行のセッティングを、編集部にお願いしてみます。(笑)。

荒木♠ でも『嘘喰い』を読んでいるとね、何か『ビーティー』とかちょっと思い出すんですよ。読んだことあります?

迫♦️ ええ、読んでいました。

荒木♠ あれってね、ルーツが『シャーロック・ホームズ』にあるんですよ。あっちは探偵だけど、それを何かちょっと裏返しにして、悪い奴には悪い奴をぶつけようみたいな発想で作ったんだよね。知性で戦っていく。

迫♦️ やっぱり僕も『ビーティー』を子供の頃に読んでいたんで、『嘘喰い』を作るときにもそういうイメージがどこかにあったと思うんですよ。

荒木♠ うれしいですね。

迫♦️ 何かすごい強烈な悪い奴なんですけど、すごい魅力を感じるみたいな。

荒木♠ で、何だろうな、そういう悪知恵というか、そういうのを逆転の発想で使っていくそういうところに、引き込まれるんですよ。一巻だけより、十巻ぐらいそろったところで読みたかったよね。何かね、ガーッといきたい感じなんだよな。

迫♦️ 二巻はアクションも増えるし、もっと面白くなると思います。

荒木♠ 楽しみですよ。貘の動機の裏に何があったのだろう、とかね。

迫♦️ そこまでは、まだぼんやりとしか考えてないんですよ。荒木先生は作品を始めるときはどれぐらい先まで決めて作るんですか?

荒木♠ キャラクターと最初と最後かな。最後はこうなるんじゃないかというのをおぼろげにしておいて、で、キャラクターは一応動機とかだけ決めて、あとは臨機応変です 。

迫♦️ 『ジョジョ』のキャラクターを決めるときは、どんなイメージだったんですか?

荒木♠ あれは善と悪との勝負、象徴的な戦いで、実質的にはディオが主人公なんですよね。悪い方が。それに対して善をぶつけるから、何か坊ちゃんなんですよ、ジョナサンは。僕が描いていて楽しいのはディオだったんです。で、読者に展開の先を予想させたくなかったんですよね。ジョナサンがひょっとしたら負けるのかも、みたいな。

迫♦️ 裏切りみたいですよね。

荒木♠ そうですね。主人公が絶対勝つみたいなのもいいですけど、何か、えっ、どうなるの?という感じが欲しい。

迫♦️ 僕も漫画を描くときに意識しているのは、ルールというかマニュアルを作りたくないなって思っているんですよ。主人公はここで勝たなきゃいけないとか、そういうのをこうがラッと崩したらいい意味で読者を裏切れるのかなとは思っています。


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