第1回 「杜王町」と仙台市との関係は? 2011.2.14
聞き手: この「私の広瀬川インタビュー」では、
仙台や広瀬川にゆかりのある著名人に出演いただくことで、
多くの方に広瀬川をはじめとする仙台の魅力を
知っていただきたいと考えています。
今日は、仙台市出身のマンガ家で
「ジョジョの奇妙な冒険」(以下「ジョジョ」)の
作者・荒木飛呂彦さんに出演いただきました。
どうぞよろしくお願いします。
荒木さん: こちらこそ、よろしくお願いします。
荒木さん
聞き手: 早速ですが、先生の作品にはデビュー当時から
仙台に縁のある地名や人名などが数多く登場しており、
私たち仙台市民は大変嬉しく思っています。
特に「ジョジョ」第四部「ダイヤモンドは砕けない」編では、
「杜王町」という日本の架空都市が舞台となっていますが、
実際に仙台にある地名やお店なども登場しており、
ファンの皆さんから、仙台市が「ジョジョ」作品の
「聖地」の一つとも思われているようです。
そこでまずは杜王町と仙台との関連について
教えていただけますか。
荒木さん: 仙台は自分が生まれ育った街なので、
なじみ深いというか、描きやすいんですね。
作品上の架空の街とはいえ、
自分の体験を下敷きにして作品に描くことは基本ですし、
何よりリアリティが出るので。
聞き手: 第四部の主要人物の一人として登場するマンガ家の
「岸辺露伴」は、読者から先生と
同一視されるむきもあるようですが、
やはり作品でもリアリティを重視していることが窺えます。
「ジョジョ」第四部 ジャンプコミックス第34巻
<「ジョジョ」第四部 ジャンプコミックス第34巻>
荒木さん: 露伴は僕自身ではないですよ(笑)。
ただ、リアリティは欲しいですが、
あいにく第四部では殺人鬼が出てきますので、
仙台をその舞台とするのはさすがにどうかなと思い、
市民の皆さんになるべくご迷惑がかからないように
「杜王町」という架空の街を作らせていただいた、
という次第です。
「ジョジョ」第四部 ジャンプコミックス第36巻
<「ジョジョ」第四部 ジャンプコミックス第36巻>
聞き手: 最近では、仙台市も物騒になりまして、
映画化もされた仙台市在住の作家・伊坂幸太郎さんの
「ゴールデンスランバー」の作中で、
仙台出身の首相が暗殺される時代です。
ちなみに暗殺シーン撮影時には、
エキストラとしてたくさんの市民の皆さんから
協力いただいたので、
今だったらそうしたご心配をされなくても
大丈夫かもしれませんが。
せんだい旅日和「ゴールデンスランバーロケ地紹介」
(c)せんだい・宮城フィルムコミッション
<参考 「せんだい旅日和『ゴールデンスランバーロケ地紹介』」>
荒木さん: 連載時(注:第四部の連載は1992年~1995年)は
S市というのが仙台市で、
杜王町はその郊外の街という設定で、
仙台市そのものが舞台ではなかったんです。
聞き手: 近年では、その杜王町も人口が増えて、
S市「杜王区」に昇格したそうですね。
荒木さん: ええ、S市内に取り込まれる形で合併したようです(笑)。
聞き手: 杜王町の地形的なモデルとしては、
岩手県の宮古市ではないか、という話がファンの間で
されているそうです。
荒木さん: 地理的にイメージしたのは、宮城県の松島の北、
東松島市のあたりです。
ただ、ベッドタウンとしての街のイメージは、
当時開発が進んでいた泉市(注:昭和63年より仙台市泉区)
や宮城野区鶴ヶ谷ニュータウンなどを参考にしていました。
「ジョジョ」第四部 ジャンプコミックス第29巻
<「ジョジョ」第四部 ジャンプコミックス第29巻>
聞き手: なるほど。
そうした当時のニュータウン開発の様子が
作品に反映されているんですね。
荒木さん: 当時は東北学院高校榴ヶ岡校舎に通学していましたが、
毎日のように風景が変わっていくんですよ。
もう道路が急にバーン!とできたりして、
その変化がショッキングでしたね。
そんな体験がいくらかは反映されているかもしれない。
聞き手: 先生が仙台にお住いだった頃の仙台は、
日本の経済成長に合わせて街も
大きく姿を変えていく時代の真っ只中だったと思いますが、
その一方で、まだ戦後の面影を残したような
ミステリアスなところがあったと伺いました。
荒木さん: ありましたね。あの、広瀬川には関係ないですけど(笑)、
子供の頃に小松島や与平衛沼のあたりで
よく遊んでいたんです。
そこには防空壕跡みたいな所があって、
住み付いていた方がいました。
その方は、実は浮浪者ではなく、
昔大金持ちで、その財産が隠されているという
埋蔵金の噂があったんですよ。
聞き手: 先生ご自身も探しに行かれたのですか?
荒木さん: 当然行きましたよ!
まあ、噂話だったと思いますが(笑)、
それが妙なリアリティがあって、子供心に
実際に何かあるのではないかと感じさせられるんです、
本当に。
その方にも知的な雰囲気があって、
英語でしゃべったりして、一体何者なんだ?みたいな(笑)。
聞き手:「ジョジョ」の作中に出てきたりするような…
荒木さん: そうそう。世捨て人だけど、過去に何かあったんだろうな、
という雰囲気があって、埋蔵金の話も、
まんざら噂でもないって思わせられる…
第2回 初めて覚えた言葉は「どざえもん」!? 子供時代の思い出 2011.2.15
聞き手
そんなミステリアスな雰囲気が漂っていた一方で、
どんどん宅地開発が進むという
ちょうど時代の変わり目だったのかもしれません。
子供の頃に広瀬川で遊ばれたことはありましたか。
荒木さん
父が若林の生まれで、幼少の頃は若林区に住んでいました。
宮城刑務所の傍で、
その刑務所がまたミステリアスなんですけど(笑)。
ずっと、塀の向こうはどうなっているんだろう?
と思いながら育ちました。
聞き手
そうした生い立ちから「ジョジョ」は
生まれるべくして生まれたような気がします。
ちなみに宮城刑務所は、
政宗公が隠居後に過ごした若林城跡に建てられており、
堀には広瀬川から取水した水が流れています。
六郷堀七郷堀非潅がい期通水事業
<参考 六郷堀七郷堀非潅がい期通水事業>
荒木さん
広瀬川は当時住んでいたところからも近かったので、
よく遊びに行っていましたよ。
毎年7月1日にアユ釣りの解禁日には、
父に連れられて一緒に胴長をはいて釣りにいっていましたし。
広瀬川でのアユ釣り風景
<参考 広瀬川でのアユ釣り風景>
聞き手
先生が胴長をはいて川に入っているところは、
想像し難いですが、広瀬川は幼い頃から
身近な存在だったんですね。
荒木さん
実は子供の時に、最初に覚えた言葉が
「どざえもん」なんです(笑)。
今は広瀬川に対して、
皆さんきれいなイメージしかないと思いますが、
当時は犬の死体とか流れてくることもあって、
周りの大人たちから
「どざえもんになるから、川に行く時は気ぃつけなよ」
と言い聞かせられていたみたい。
昔はそうした危険に対して、
地域のお年寄りたちの目配りもあったんですね。
荒木さん
聞き手
子供が初めて覚える言葉としては、
かなりショッキングな言葉ですが。
荒木さん
川でどうやって遊ぶかを教えてくれていたのだと思います。
川遊びは自己責任だから、自分自身で気を付けないと
ダメなんだよ、ということで。
聞き手
当時はまだ水難事故で亡くなる方が少なくない時代ですよね。
荒木さん
何か事故があると今だとすぐ行政が責められがちですが、
当時の川遊びなどは自己責任でしたね。
あと、南蒲生浄化センターができる前には
あの辺や河口の閖上のあたりで泳いだり、
キャンプをしたりしました。
それと秋にはもっと上流で芋煮会が定番でしたね。
聞き手
杜王町編には出てきませんが、
先生も芋煮会はよくされていましたか。
荒木さん
もちろんですよ!やはり父に連れられて二口渓谷や
奥新川などへ行ってやっていました。
広瀬川100選 奥新川ライン
<参考 広瀬川100選 奥新川ライン>
父はアユ釣りだけでなく、
雉撃ちやきのこ狩りなどもやっていましたので。
広瀬川宮沢緑地周辺の雉
<参考 広瀬川宮沢緑地周辺の雉>
聞き手
広瀬川の近くにお住まいの方は、
狩猟民族の血が流れているかもしれないですね。
この広瀬川ホームページで今年取材させていただいた
大年寺山のふもとでハチミツつくりをされている方も
冬になると狩りに行くそうですし、
以前奥新川で芋煮会の企画でお世話になった方も
渓流釣りやきのこに通暁されていましたし。
広瀬川ライフ入門vol.5
<参考 広瀬川ライフ入門vol.5>
荒木さん
きのこは難しいですよね。
同じ種類でも宮城県で食べられるのに、
お隣の福島県では毒を持っているものもあるそうですね。
あと、仙台の人は東京に行っても、
芋煮会の話題で盛り上がりますよね。
「芋煮会してた?」
「河原でやるんだよね」って。
でも、東京の人と話すと「それってバーベキューのこと?」
と聞かれますが、
「いや違う違う、芋煮会では煮るんだよ、
河原で肉は焼かないよね~」みたいな(笑)。
聞き手
仙台出身者同士だと芋煮会って言うだけで
すぐ分かり合えたりしますよね。
荒木さん
そうなんですよ。いや~芋煮会はいいですよね。
いろんな人とコミュニケーションできたり、
河原で家族の輪とか確認できたりして。
牛越橋上流河川敷での芋煮会の様子
<参考 牛越橋上流河川敷での芋煮会の様子>
聞き手
「芋煮会」と聞くともうそれだけで仙台のことを
思い出したり、故郷に帰ってきたな、
と実感できたりしますよね。
荒木さん
そうそう。今頃もまだやっていますか。
聞き手
牛越橋の上流が広瀬川での芋煮会の聖地となっていて、
学生さんが中心ですが、天気の良い日は
朝から場所とりしたりしているそうです。
そろそろ寒くなってきたので、
もう下火になってきているようですが、
つい先日もここから見えるあの米ヶ袋の河原で
やっていました。
米ヶ袋河川敷での芋煮会の様子
<参考 米ヶ袋河川敷での芋煮会の様子>
荒木さん
そうなんですか。今の学生さんはバーベキューですか?
聞き手
メインはやはり芋煮だと思います。
荒木さん
ですよね。よかった(笑)。
第3回 広瀬康一君の由来は? 2011.2.16
聞き手
「ジョジョ」第四部には、語り部として「広瀬康一」君
というキャラクターが重要人物として登場します。
こうしたキャラクターに「広瀬」と名付けられた
先生の意図は、広瀬川を仙台のシンボルとして
考えられてのことなのでしょうか?
「ジョジョ」第四部 ジャンプコミックス第32巻
<「ジョジョ」第四部 ジャンプコミックス第32巻>
荒木さん
やっぱり「広瀬川」を出さないわけには
いかないじゃないですか!
杜王町は仙台市ではないですが。
さとう宗幸さんの大ヒット曲もありますし、
広瀬康一君は仙台のシンボル・広瀬川から、
それしかないですよ。
聞き手
ありがとうございます。
仙台市に住む「ジョジョ」ファンにとって、
とても嬉しい話です。
以前広瀬川沿いに「河童」の銅像を市民の寄付で建立しよう
という企画があったようですが、
「ジョジョ」ファンだったら広瀬康一君の銅像を
建てたいと思うでしょうね。
では、仙台を離れた今、懐かしく思う場所や、
今でもよく立ち寄る場所などはありますか?
荒木さん
少年時代に遊んだ小松島の方には今でも行きますよ。
昔からあんまり変わっていないですよね。
与兵衛沼周辺も公園区域として自然が残されていたりして、
いいですね。
あと台原森林公園や東北薬科大学側の瞑想の松とか。
台原森林公園
<参考 杜の都緑の名所100選 台原森林公園>
瞑想の松
<杜の都緑の名所100選 瞑想の松 撮影 高橋政吉>
聞き手
懐かしい場所を訪ねて足を運ばれるのでしょうか?
荒木さん
本当によくあの辺で遊んでいたので。
そうですね、いいことも悪いことも
いろんな思い出があります。
聞き手
「動物の足跡を追っていろいろ訪ね歩くのが
好きな少年時代だった」というお話も伺いました。
足跡
荒木さん
先程の埋蔵金探しではないのですが、
いろんなものを追跡するのが好きで、今でも動物の足跡とか、
すごく興味があります。
聞き手
今年は熊の餌となるナラの実が不作で、
人里までよく熊が降りてくるそうですが、熊の足跡なども…
荒木さん
仙台でも熊が降りて来るんですか?
水溜りのそばとかに爪で引っ掻いた跡があると、
背筋がぞっとしますよ。
「ほんとに、ここに居るんだ、通ったんだ」って。
聞き手
ところで、今年(注:2011年)でデビューから30周年と伺っています。
1987年の「ジョジョ」連載開始からは24年が経ち、
その間に日本を取り巻く社会情勢も
大きく変化したと思います。
連載で仙台を離れられてから、
昔と比べて現在の仙台をどうご覧になりますか。
荒木さん
そうですね、昔の御屋敷のような建物が
無くなっちゃいましたね。
それと、いい喫茶店も無くなってしまって
ちょっと寂しいです。
街自体はきれいになって、住みやすくなったとは思いますが。
聞き手
戦後の面影を残したミステリアスな雰囲気は、
市街地整備が進んでなくなってしまったかもしれません。
荒木さん
でも、さっきタクシーの運転手さんが話されていましたが、
昨日雪が降る前に現れるというユキムシが
舞っていたそうですよ。
それも市内で出ていたそうですが、
そうした自然が身近に感じられることは
素晴らしいなと思います。
聞き手
子供の頃の「どざえもん」が流れて来ていた時代や
高度経済成長期の公害問題などを経て、
自然環境を大切にしなければという意識の高まりから、
自然との共生が回復しつつあるという感じでしょうか。
荒木さん
そう考えると仙台はこの街の規模がいいんですよね。
聞き手
コンパクトでちょうど良い街のサイズなのかもしれません。
荒木さん
そうですね。歩いて回るにしても、
電車やバスを使うにしても、ちょうど良い距離で
どこへ行くにしても移動しやすい。
聞き手
車は運転なさらないのですか。
荒木さん
なぜか・・・しなかったですね。
聞き手
やはり、歩いて追跡したりするのがお好きということで。
荒木さん
荒木さん
追跡は楽しいですね~(笑)
でも本当に仙台は住みやすい都市規模だと思いますよ。
東京だと広すぎて。
聞き手
コミックスの折り返しのコメントで拝見したのですが、
先生が仙台で連載を始めた頃は、
コピーが一枚40円するなど、仙台に住みながら
連載するには大変だということで
東京に引越しされたそうですが。
荒木さん
当時はまだ東北新幹線が開通していなくて、
東京まで電車で4時間はかかったんです。
宅配システムもやっとクロネコヤマトの宅急便が
できたくらいの時期で
週刊誌で連載するのは大変だったんで、
もう行かざるをえない状況でした。
聞き手
今ではインターネットなど通信技術も普及し、
またこうした自然環境も身近にあり住みやすくなって、
逆に、今だったら仙台に住みながら連載してもいいな、
と思うこともありますか?
荒木さん
ありますね。仙台に住みながら連載できたらいいですよね。
聞き手
先ほどの伊坂幸太郎さんを始め、仙台にお住まいの
人気作家の方も多いようです。
荒木さん
小説家の方はほぼ問題ないと思いますよ。
マンガもデジタルで描いていればインターネットがあれば
送れますけど、僕はそうではないので…。
誰かが生原稿を確実に編集部に届けないといけないんです。
「ジョジョ」第四部 ジャンプコミックス第34巻
<「ジョジョ」第四部 ジャンプコミックス第34巻>
聞き手
「岸辺露伴」は杜王町で連載できても、先生が連載中に
仙台に住むことはやはり厳しいのでしょうか…
荒木さん
仕事関係や友人関係といった生活基盤が今は東京にあるので、
難しいでしょうね…。
アシスタントさんたちも、東京に住んでますから。
第4回 街と自然とが共存する仙台の魅力 2011.2.17
聞き手
先生は各地を旅されて、いろいろな街を
ご覧になっていると思いますが、
今の仙台の街の魅力はどのように感じられますか。
荒木さん
こういう、街と自然が共存している感じはいいですよね。
建物と樹木とか。
実はそういう都市ってあんまりないと思いますよ。
関東だと箱根などにはそのような雰囲気が
あるかもしれないですが、別荘地的な要素もあって
また違います。
日常生活の中に溶け込んだ自然という意味では、
青葉通や定禅寺通のケヤキ並木の風景などは、
まさに仙台を象徴する魅力的なところだと思います。
青葉通のケヤキ並木
<参考 杜の都緑の名所100選 青葉通のケヤキ並木>
聞き手
仙台駅に降り立って青葉通りのケヤキ並木を見ると、
仙台に帰ってきたなという感じがしたり。
荒木さん
そうそう。それと、仙台には、
オーディオや自転車、古本とか、趣味というより
もっとマニアックにこだわっている人が実は結構いて、
すごいお店がありますよ。
オーディオだと「のだや」さんとか、
自転車だと「シクロヤマグチ」さんとか。
普通の街中に、すごくこだわった商品を扱っている
お店があるんですよ。
一つの街に、そうしたいろいろなこだわりのお店が
ある街というのは、東京でもあまり見かけないかもしれない。
聞き手
自転車の話がでましたが、
広瀬川は先生が遊んでいらした若林区からは、
川沿いを自転車で河口の閖上まで行けるようになっています。
以前その取材で「シクロヤマグチ」の山口さんに
お世話になりました。
広瀬川ライフ入門vol.4
<参考 広瀬川ライフ入門vol.4>
荒木さん
僕が仙台にいた時からずっとあるっていうのは、
すごいですね。
あと貞山運河沿いにもサイクリングロードがありますよね?
貞山運河
<参考 杜の都緑の名所100選 貞山運河>
聞き手
ええ。2010年には、海岸公園にセンターハウスもできて、
そこで自転車の貸し出しも行っています。
周辺も整備され、多くの人たちが
楽しめるようになっています。
荒木さん
生活圏内にこうした海水浴場やスキー場がある街って、
すごいですよ、本当に。
東京だと、スキーに行くにしても一泊が前提だったりして、
もうそれだけで面倒で…
映画に行くにも、場所によっては
1~2時間かかったりしますから。
聞き手
仙台市内中心部から泉が岳のスキー場、
深沼の海水浴場、広瀬川上流の芋煮会や温泉、
だいたいどこへも30分圏内で行けますよね。
泉ヶ岳スキー場
<参考 泉ヶ岳スキー場>
荒木さん
そうなんですよ。
あと、最近は街を歩いている人も
ずいぶんファッショナブルになったような気が…。
荒木さん
聞き手
先生が仙台にいらした頃は、
あまりファッショナブルなイメージが…?
荒木さん
いやなんか、昔は女の子があんまかわいくないとか…
言われてましたよね(笑)。
今では全然そんなことないですが。
聞き手
先生の学生時代には、私服の学校が流行った時だったと
思いますが、当時はガクランを着られていましたか。
荒木さん
僕はガクラン派でしたね。高校では私服OKでしたが、
服を選ぶのがそのうち面倒になって
みんなガクランになってくる(笑)。
聞き手
「ジョジョ」の登場人物は、みなさんガクランが
ユニフォームみたいになっていて、先生のガクランに対する
思い入れが相当あるのではと思っていました。
「ジョジョ」第三部 ジャンプコミックス第19巻
<「ジョジョ」第三部 ジャンプコミックス第19巻>
荒木さん
ガクラン、やっぱり格好いいですよ。
実は、マンガのファッションとして一番格好いいのは
ガクランで、「クローズ」とかがヒットしたのは
絶対ガクランだったからですよ。
それでガクランにビニール傘をさす、っていうのがまた
格好いいんですよね。
もう、男の美学としてのマンガの黄金方程式というか。
多分、高倉健さんの影響からだと思いますけど。
「ジョジョ」第四部 ジャンプコミックス第47巻
<「ジョジョ」第四部 ジャンプコミックス第47巻>
第5回 マンガと現実世界との関わり 2011.2.18
聞き手
近年では、「ジョジョ芸人」といわれるタレントさんや
熱心なファンによる「ジョジョ立ち」などのムーヴメントが
話題になっています。
マンガというフィクションから
今までと違った形で現実への影響が及んでいると思いますが、
そうしたファンが先生の作品を解釈して盛り上がっている
状況についてはどうご覧になっていますか?
荒木さん
「ジョジョ立ち」については、自分でもびっくりしていて、
世の中のほうが変わったんだなと思いました(笑)。
もともと「ジョジョ」の登場人物のポーズは、
ファンタジー性を出すためにあえて
現実にはありえないポーズを取り入れて演出しているんです。
実際の人間の関節の可動範囲はここまでというところを、
さらに限界を超えたところまで捻って表現していますが、
それを実際にやっているんですから…
写真でみると、ちゃんと再現しているんですよ!
人間の体が進化したのかな?
荒木さん
聞き手
全くの予想外だったのでしょうか。
荒木さん
予想外というか真似して欲しくないというよりも、
そもそも真似しようがない表現にしているのに、
そこに現実に踏み込んでくるという…
なんか、その発想からして驚きですよ。
聞き手
驚かれたとも思いますが、先生にとってはそれも
嬉しいことだったのでしょうか。
荒木さん
嬉しい…というか(笑)。
もう、好きなように楽しんでもらえれば…
と思ってますね(笑)。
聞き手
最近では先生も巻き込まれて、一緒にポージングされる
こともあるようですが。
荒木さん
だってやってくださいって言われるから(笑)。
聞き手
今日はわれわれもぜひ先生と一緒に
「ジョジョ立ち」をしたいと思っていました。
荒木さん
わかりました…って、現実にはできないんだから(笑)。
「ジョジョ」第二部 ジャンプコミックス第4巻
(c)荒木飛呂彦/集英社
<「ジョジョ」第二部 ジャンプコミックス第4巻>
聞き手
私が中学生時代に先生の作品に触れたときは、
もっと直接的に、特徴的なセリフなどを
友達同士で真似したりとした記憶がありますが、
近年のこうした盛り上がりは、
インターネットによる影響も大きいのではとも思います。
荒木さん
確かにそうかもしれないですね。
聞き手
インターネットを通じて見知らぬ人同士が結びついて
共有される、共感されるという時代なのではと思いますが、
そうした変化を実際に感じられることはありますか?
荒木さん
昔は口コミといっても範囲は限定的でしたが、
現代だと、インターネットによる予想のできない
展開があると思います。だから逆に怖いですね…
その、作品には人間の本心が無意識にでますから。
例えば卑怯な描き方をしていると、たぶん読者の方は
見抜くと思いますが、それがネットだと
増幅されたりするのかもしれないですよね。
聞き手
こうした時代だからこそ、より誠実さを求められる
ということなのでしょうか。
荒木さん
そうですね。一見損かもしれないけど、誠実に描いてないと
それがあとになって確実に効いてくる…
聞き手
以前先生が東北大学で「売れるマンガ」というテーマで
講演されたそうですが、そのときも、
「売れる」ためにそれだけを狙って描くというのではなくて、
どんなに良い作品でも結果的に売れないと、読者に
届かないからだめなんだという話をされていたそうですね。
荒木さん
そうですね。「売れる」ことだけを狙った作品と、
読者に届けるために結果的に「売れる」作品との違いは、
読者の方は見抜くでしょう。
また、それとは別に、ネットでの発言などでそういう精神は
よりはっきりと見抜かれてしまうのではないでしょうか。
インターネットの書き込みの内容から、
「この人ずるいな」と感じたり。
聞き手
先生自身はよくインターネットでチェックされますか。
荒木さん
荒木さん
怖いから、なんかね、あまりやらないです(笑)。
聞き手
なるべく避けられたい、とか。
荒木さん
一線を画しておきたいというよりも、「岸辺露伴」
ではないですが、図に乗ったことを言いそうなので
自重のために(笑)。
聞き手
岸辺露伴は、マンガに関しては善悪の判断基準を
超えたものすごい執着心から、ちょっとやりすぎな面が
見受けられますが、やはりそうした面には
先生の想い入れが反映されているように感じてしまいます。
荒木さん
そういう部分もありますが、露伴は憧れですね。
スーパーマンガ家としての。
ただ少しだけ、作品とか芸術に対して
真摯でないことへの怒りなどを表現していますが。
「ジョジョ」第四部 ジャンプコミックス第36巻
<「ジョジョ」第四部 ジャンプコミックス第36巻>
聞き手
あくまでも極端な形での表現だと思いますが、
短編「岸辺露伴は動かない」では、露伴が取材で
イタリアに行き、教会の懺悔室に潜入してみて
体験の重要性を語るシーンもありました。
ファンとしては、そうしたところに実際の先生の姿を
重ねたくなると思います。
「岸辺露伴は動かない」(短編集「死刑執行中脱獄進行中」より
<「岸辺露伴は動かない」(短編集「死刑執行中脱獄進行中」より>
荒木さん
その辺は確かに実感を反映しているかもしれません。
今だとネットで調べればほとんど
あらゆるものの情報は分かる時代だと思いますが、
僕自身はやはり実際に体験した上で描きたいですね。
例えばイタリア料理の絵を描く時、
別に食べなくても写真を見たりして描けますが、
でも、僕だったらその料理の匂いを嗅いだり、
実際に味わいを確かめた上で描きたいです。
その辺は、露伴にも反映されているかな。
「ジョジョ」第四部 ジャンプコミックス第33巻
<「ジョジョ」第四部 ジャンプコミックス第33巻>
第6回 海外のマンガ事情 2011.2.19
聞き手
京都国際マンガミュージアムでは、「マンガ・ミーツ・
ルーヴル―美術館に迷い込んだ5人の作家たち―」
という特別展で、「岸辺露伴 ルーヴルに行く」という
展示が公開されていました。
(注:2010年11月5日~12月3日まで開催)
また、2009年にルーヴル美術館の企画展で、
日本のマンガ家としてルーヴル史上初となる
作品展示がされたと伺っています。
ちなみに今回同行しているスタッフでそれを
鑑賞するためにルーヴル美術館に行った者もおります。
荒木さん
本当ですか?ありがとうございます。
荒木さん
聞き手
その時はフランスでも大変好評であったと
伺っていますが、今やマンガが日本の誇る
現代アートとして海外で評価される時代だと思います。
私たちが学生時代は、どちらかというと
マンガに対するイメージは良くなくて、
学校の先生や両親などからは
「マンガばかり見ていないで勉強しなさい」
というような時代だったと思いますが、
その時代に先生がマンガ家を志そうと思われた
動機は何だったのでしょうか?
荒木さん
70年代という「時代の風」でしょうか。もう、本当に
いろんなマンガが出てきた時代だったんです。
SFもあれば時代劇もあるし、
「ゲゲゲの鬼太郎」みたいな妖怪マンガや
楳図かずお先生のような怪奇マンガとか、
とにかくいろいろな作品が一気に出てきた時期で、
そのエネルギーがとにかくすごかった。
聞き手
一つのメディアとしてのエネルギーが
マックスだったのでしょうか。
荒木さん
というよりも、新しい時代の始まりという感じ
かもしれない。芸術でいうとルネサンスというか、
一つの黄金時代の始まりというか、
今から思えばそんな感じがします。
聞き手
そこに当てられてしまって。
荒木さん
そう、当てられて、もう…ほんと、
マンガ家になりたくてしょうがなかったですよ。
荒木さん
聞き手
マンガ家になられただけでなく、今ではアーティスト
としてルーヴル美術館に展示されるまでになられました。
荒木さん
いや、まだまだですけど(笑)…でもね、
当時は「キン肉マン」を描いたゆでたまご先生が、
僕と同い年なのに高校生でもうプロになっているという
時代でした。僕なんか普通に学校通っていた時で、
「えっ、同い年でもうプロのマンガ家なんだ!」って。
その時は焦りましたね、
「もう学校に行っている場合じゃあない!」と(笑)。
それから僕もマンガ描いて、早く投稿とかしないと
プロになれない、と思いました。
聞き手
そこから独学でスタートされて…
荒木さん
そうですね。本当はアシスタントとかきちっと
やりたかったですが、その前に独り立ちしてしまって…
二十歳のときにデビューさせていただいたんです。
聞き手
先ほど申し上げましたように、今ではマンガが海外でも
評価される時代ですが、デビューされてから
これまでのマンガを取り巻く環境の変化は
どのように感じられますか?
荒木さん
マンガには、例えばストーリーが面白いとか、
画がうまいとか、デザインが素晴らしいといった、
いろいろな要素から成り立つ総合芸術的な魅力も
あると思います。
でも、そのうちのどれか一つだけでも成立すると
思うんです。話が面白くなくても、画がうまいと
それでプロとして成り立ったりするんですね。
普通だったらこのストーリーだと幼稚だな、
というものでも売れちゃうんです。
売れるというか、芸術として成り立つんですね。
逆に、画がこれは子供が描いたの?という作品でも、
とにかくストーリーが面白かったり。
いろんな魅力があるんですよ。
でも、僕には理解できないものもありますが(笑)。
聞き手
これはすごいと感銘を受けるものは今でもありますか?
荒木さん
それはもうたくさんあります。
若い人たちはすごいですよ。
でも逆に、画もうまくないし、ストーリーも面白さが
わからないけど売れる、という作品もありますね。
聞き手
東北大学での講演時にもストーリーは
起承転結が非常に大事という話もされていたそうですね。
荒木さん
そこから完全に外れているマンガでも、
かなりファンがいたりとか…
それはそれで、すごいですけどね。
聞き手
そうした懐の広さというのもマンガの持つ
魅力かもしれませんね。一方で、海外では
マンガはどのように受け止められているのでしょうか。
荒木さん
フランスのマンガは「バンド・デシネ」というのですが、
その描き方はこちらとは明らかに違います。
例えば、日本ではまず表紙に主人公を描くんですよ。
メインのキャラクターをバーン!と。
それを、ルーヴルのスタッフは表紙にキャラクターを
描いてくれるなというんです。
ルーヴル美術館は人物の背景として描いているのに、
背景のルーヴルをメインで描いてくれって。
確かにフランスのバンド・デシネを見ていると、
表紙のメインが背景なんですよ。
聞き手
主人公はどうなってしまうのですか?
荒木さん
主人公は背景のどこかに、
よ~く見ると小さく写っていたりとか、
建物の上を飛んでいる飛行機に
ちょっと乗っていたりとか、
運転している車の操縦席からちらっと
見えていたりとか(笑)。
そういう画を描いてくれって言われました。
逆に、日本の場合は絶対にファッション雑誌の
表紙の様に主人公が前にガーン!と出ている。
そこはまるで違いますね。
聞き手
正反対の価値観なのですね。
荒木さん
ええ。だから、「日本はこういうやり方なんです」って
説明して描いたんですよ(笑)。
なかなか分かってもらえなかったですが、
「日本人のマンガ家に依頼したんだから、
日本のマンガの方法論でやらせて下さい」と
説得しました。
聞き手
先生がデビューされた当時の週刊少年ジャンプでは、
10m離れても見ても誰が作者なのか分かる画を描く、
というのが基本だったそうですね。
荒木さん
ええ、そうです。
聞き手
でもそれとは逆で、向うの人は一目で誰が描いたのか
分からなくても、いいと。
荒木さん
まず全体的なムードを描いてくれ、という感じですね。
あなたならルーヴル美術館をどう描きますか、みたいな。
あくまでもルーヴルがメインという考え方ですね。
聞き手
「ジョジョ」の作者というよりも、アーティストという
位置づけだったのかもしれませんね。
第7回 今後の仙台市とジョジョ作品との関わりは? 2011.2.20
聞き手
確かに欧米では、マンガやアニメは子供のもので、
大人が見るものではないという区分けが
はっきりなされているようですね。
我々ファンは、荒木先生が遂に世界に認められて
ルーヴル美術館に展示された、ということで
嬉しく思っていますが、先生にとっては、
マンガ家の立場とアーティストの立場で
葛藤があったのでしょうか。
荒木さん
葛藤というか、そうした違いをはっきりと感じましたね。
聞き手
京都の展覧会では、ヨーロッパの作家さんと
一緒に展示されていますが、その作家さんたちとの
交流はありますか?
荒木さん
その時来日されていた、ニコラ・ド・グレシーさんには
お会いしました。
聞き手
日本語訳が出版された際に推薦の帯を
書かれたそうですね。
先生の作品と相通じるところはあるのでしょうか?
荒木さん
いや、違いますね。読み味とか全然違うんですよ。
聞き手
ファンの方が運営されているサイトで
紹介されていましたが、先生のファンならば、
これはこれでひとつの完成された奇妙な世界のように
みえるそうですが。
荒木さん
そうですね。画がものすごく上手いです。
聞き手
それはマンガというよりも絵画として。
荒木さん
ええ、なんかねこう、大人がお茶とか
お酒を飲みながらゆっくり鑑賞するようなイメージで、
日本のマンガみたいに電車の中とかでバーッと読む
感じではないですね。
聞き手
アートとして鑑賞するようなイメージですか。
荒木さん
ワイン片手に鑑賞しながら、「ンー」みたいな(笑)。
あるいは週末の午後はこれを観ながら
ゆっくり過ごそうかな、みたいな感じで。
「ジョジョ」第五部 ジャンプコミックス第48巻
<「ジョジョ」第五部 ジャンプコミックス第48巻>
聞き手
日本でもそんなマンガ文化があれば面白いですね。
先生の画集などは、おそらくそういう楽しみ方も
できると思います。
画集等
荒木さん
そうした要素も少しずつ取り入れたいとは思いますが、
でも、電車の中で読むっていうシチュエーションも
また大切なんだよね。
聞き手
家に帰るまで待ちきれない楽しみというのも
ありますから。
荒木さん
そうそう。「来週どうなるんだろなあ~」って。
僕が子供のときは、少年ジャンプは本当は
火曜日発売なのに、仙台駅だけは月曜の夕方に
買えたんですよ!もう一刻も早く読みたくて
駅まで買いに行ってました。
そういうのは必要ですよね。
聞き手
ワクワク感といいますか、続きがどうなるんだろう、
という楽しみが生活の中にあるのは大事ですよね。
その意味でマンガの役割は、大きいと思います。
荒木さん
そうだと嬉しいですけどね。
聞き手
こうして話を伺っていると、先生のアイデンティティは
かなり仙台で生まれ育ったことに起因する部分も
かなりあるように感じますが、そのご活躍や
「ジョジョ」作品を知っている仙台市民は多くても、
実際にご出身が仙台だということは、あまり
知られていないような気がします。
荒木さん
そうかもしれないですね、僕自身あまり仙台を
アピールしていなかったかも(笑)。
聞き手
たまたまあまりその機会が無かったからでしょうか。
荒木さん
主人公が旅をするストーリーが多いので、
僕自身がどこかに定住しているイメージが
ないのかもしれない…
「ジョジョ」で日本を舞台としているのは、
第四部の杜王町シリーズだけだし。
聞き手
ですが第四部で大きくファン層が広がったと思います。
荒木さん
今度はもっとその辺をアピールしますか、
杜王町を舞台にしているのは、「ジョジョ」の作者が
仙台市出身だからだよ!って(笑)。
荒木さん
聞き手
ぜひお願いします。
荒木さん
でもね、殺人鬼とか出てくる話ですから、
仙台市民の方が怒るのではないかという心配が
強いんです。本当に仙台の人たちに
ご迷惑をおかけしたくないから。
聞き手
今年(※注2010年)は市内でも事件があり、
仙台が全国的に注目された時期もありましたが、
裁判員制度も始まり自分の住んでいるところでも、
そうした事件が身近に感じる時代に残念ながら
なりつつあるかもしれません。
荒木さん
「こちら葛飾区亀有公園前派出所」のように
街にとって良いイメージがあるような作品であれば
良いのでしょうが、僕の作品のイメージだと、
ちょっと…(笑)。
あんまり大々的に仙台をそうした舞台とするのは
気が引けます。
聞き手
ところで、以前先生にエコバッグのデザインを
お願いしたことがありましたが、先生に描いて
いただいたものは大人気で
あっという間になくなってしまいまして。
エコバッグ
荒木さん
嬉しいですね、エコバッグで少しは仙台市に
貢献できたのかな。
聞き手
大変話題となったのですが、エコバックの制作枚数
自体がそれほど多くはなくて、あっという間に
コレクターアイテムになってしまったみたいです。
荒木さん
市民の皆さんに喜んでいただけるなら、
今後も頑張ります。
聞き手
「ジョジョ」ファンの皆さんは、仙台を
聖地巡礼として訪れる方がいらっしゃるようですし、
また仙台市での「ジョジョ立ち」も大変盛り上がったと
伺っておりますので、ぜひ、仙台で「ジョジョ」を
リアルに感じてもらえたらと思います。
ちなみに仙台市では「彫刻のあるまちづくり事業」を
行っていて、市のシンボルである定禅寺通りの
ケヤキ並木の下などにも、ファンには「ジョジョ」の
世界観を感じさせる彫刻もありますし。
定禅寺通の彫刻の写真
<参考 定禅寺通の彫刻 エミリオ・グレコ作「夏の思い出」>
荒木さん
ああ、ありますね(笑)。
聞き手
熱心なファンの方でしたら、「ジョジョ」とは
全く関係がなくても「捻り」が入った彫刻を見て
喜ばれると思いますが、実際に「ジョジョ」を
モチーフとした作品を仙台市で鑑賞できたら、全国から
ファンの方がたくさん仙台市を訪れてくれると思います。
ちなみに、仙台市役所にも「ジョジョ」の熱心な ファンがいて、
作品に登場するエピソードや
名所などを巡るルートを設定して、仙台市としても
セールスポイントをつくろうという企画がありました。
荒木さん
いやそんな、恐れ多い(笑)。でも夢のような話としては、
なんだか、楽しそうですね。
聞き手
実際に青葉区花京院にある郵便局などをファンの方が
訪れて、「郵便局なのにやっぱり緑色だ!」という話も
あったそうです。普通の郵便局だけでなく、
街のいろんなところに「ジョジョ」ワールドを
見出す熱心なファンの方がいるようです。
第8回 仙台出身者はいつまでも若い?! 2011.2.21
聞き手
「ジョジョ立ち」もそうですが、フィクションの世界に
とどまらず、作品の魅力が現実世界に侵食してきて
いるということだと思います。
また、2010年のNHK朝のテレビドラマ小説で
「ゲゲゲの女房」が大ヒットして、
モデルとなった水木しげる先生の故郷に
たくさんの観光客が押し寄せるようになったそうです。
テレビ放映前は、ファンの方が訪れるくらいだったのが、
放映後には人口の数倍の一般の観光客が訪れるように
なったそうで、経済効果としても大きな効果があったと。
荒木さん
水木先生ご自身がもう素晴らしいですからね。
聞き手
せっかくですから、今後は何か仙台市でも、
「『ジョジョ』の作者・荒木飛呂彦のルーツはここにあり」
みたいな企画などできたらと思います。
荒木さん
いや、非常に光栄なんですが…恐縮してしまいます。
聞き手
ご存じかと思いますが、仙台市は自然環境に恵まれて
いるものの、正直なところ全国からどっと人が
押し寄せる観光地というよりも、どちらかといえば
実際に暮らしてみて、
いいなぁと思う土地柄だと思います。
荒木さん
荒木さん
そうですね。
聞き手
ですから、仙台の良さをPRする上でやはり
「人」がカギになると思います。
仙台の良さを知っていただき、
実際に住んでみていただいて、
ああ、本当に素晴らしいですね、
と思っていただくためには、そこで暮らす人たち自身が
いいところだと実感していることは前提ですが、
その上で人と人とのつながりによって
魅力を発信していくことが大切だと思います。
「ジョジョ」ファン同士には非常に固い絆があると
思いますから、仙台市の地域振興、魅力の発信という
観点からもぜひ先生のご協力をいただければ、
と思っております。
「水木しげるロード」ならぬ
「荒木飛呂彦『ジョジョ』ロード」ですとか。
荒木さん
本当に夢みたいな話ですね。
仙台市のために協力できることがあったら
これからも何かできればと思っています。
聞き手
ありがとうございます。
生命科学研究者の瀬藤光利さんが、
アメリカの医学生物学誌「cell」の表紙用イラストを
先生にリクエストされたように、
リアルタイムで「ジョジョ」を読んで育った世代が、
作品から受けた影響をマンガ以外のフィールドでも
どんどん現す時代になってきたと感じます。
また、新たな若い読者も増えているようですし。
荒木さん
すごく嬉しいですね。
これからも幅広い世代に渡って読んでいただけたら
いいですね・・・水木先生のように。
聞き手
やはり長く連載されているからこそ、
そうした意味でも広くアピールできると思いますので
今後も末永いご活躍を願っております。
荒木さん
水木先生はもうすぐ90歳になられますが、
それでもなお素晴らしいですよね。
聞き手
以前先生は、週刊誌連載では非常に体力を消耗するので、
連載は50歳くらいが限界、というようなことを
おっしゃっていました。現在は月刊誌での連載となり、
週刊誌よりはいくらかご負担が減ったと思いますが、
今後はどのくらいまででしたら大丈夫と
感じられていますか。
荒木さん
いや…こればっかりは、本当に分からないですね。
でも、あと10年は最低でもやりたいですね。
聞き手
先生は1960年生まれと伺っていますが、
こうしてお話を伺っていながら、
正直に申し上げますがとてもそうは見えません。
噂では「ジョジョ」の登場人物たちと同じく
「波紋使い」ですとか、
奥様が波紋の使い手で、ご自宅で「波紋」を
浴びているとか…
「ジョジョ」第二部 ジャンプコミックス第11巻
<「ジョジョ」第二部 ジャンプコミックス第11巻>
荒木さん
いや歳相応ですよ(笑)。
「波紋」じゃなくて…仙台の人は、
皆さん若いからだと思いますよ(笑)。
聞き手
先生に限らず仙台出身者は若く見える人が多いと。
荒木さん
こうした自然環境や気候とか、お米や食べ物とか…
そうした要素があるかも。
荒木さん
聞き手
では先生もこのまま変わらず、あと私たち仙台市民も、
いつまでも若々しく「ジョジョ」を楽しむことが
できますね。
荒木さん
でも、この仕事は本当に危ないんですよ。
油断できませんから。
手塚先生は60歳で亡くなられていますし。
聞き手
創作にエネルギーを注ぎ込んでしまうから
なのでしょうか。
荒木さん
どうしても無理してしまうのかもしれないですね。
若い時とは違ってもう徹夜できないのに、
描いているとやれると思ってしまうとか。
聞き手
描いているとアドレナリンが出て
疲れを感じられなくなってしまったりするのでしょうか。
荒木さん
集中していたら、あっという間に時間が飛びますから。
気づいたら何時間も同じ姿勢で描き続けていて、
腰がもう…(苦笑)。
聞き手
まるでディアボロのスタンド「キングクリムゾン」
の攻撃にあったみたいに、時間が消し飛び、
腰の痛みだけが残る。
私たちも「波紋」が使えるのでしたら、
先生に生命エネルギーを送りたいですが(笑)。
「ジョジョ」第五部 ジャンプコミックス第59巻
<「ジョジョ」第五部 ジャンプコミックス第59巻>
荒木さん
ありがとうございます。
いつでもエネルギーは欲しいですので(笑)。
でも今日は、皆さんから元気のエネルギーを
たくさんいただいた気がしますよ。
第9回 荒木先生からのメッセージ 2011.2.22
聞き手
では最新作の話をお伺いします。
先日(2010年11月)、第7部「SBR」の第22巻が
発売されました。その中で、
我々行政機関で働く職員にとって
非常に印象的なエピソードがありました。
この世の不幸をどこか自分たちの住む地域とは
別の世界へ追いやるという絶大な能力を得た
アメリカ大統領が、世界中のすべての人間が
幸せになることはありえないので、
自分は愛国心に基づいて、この能力を使って
正しい行いをしていると主張するシーンがあります。
行政職員としては、より多くの市民が幸せを
感じられるような施策を行うことを考えながら、
一方ですべての市民にとって満足のいく施策は
難しいというジレンマがあり、
やはりこの大統領の主張にも
肯かされるところもあるように感じてしまいました。
「ジョジョ」第七部「SBR」 ジャンプコミックス第22巻
<「ジョジョ」第七部「SBR」 ジャンプコミックス第22巻>
荒木さん
予め断っておいた方がいいと思いますけど、
このヴァレンタイン大統領は、悪役ですからね(笑)。
参考にしないで(笑)。でも、実はある意味では
その主張が正しいという悪役にしたかったんです。
聞き手
そうですよね、実際、ストーリー上では主人公が
そのシーンで「あれ?間違っていたのは僕?」
みたいな感じで…
荒木さん
そうそう、揺れています。
「ジョジョ」第七部「SBR」 ジャンプコミックス第22巻
<「ジョジョ」第七部「SBR」 ジャンプコミックス第22巻>
聞き手
先生が「悪役」と言われるのでそのセリフを
真に受けてしまってはダメなんでしょうが、
リーダーシップとしてはありなのかな、とも思えますが。
荒木さん
いや、現実世界ではありだと思いますよ。
僕自身もこの大統領のようなリーダーシップの方が、
本当は好きです。
聞き手
上に立つものとしては、やはりそうした覚悟を
背負う必要があると。
荒木さん
荒木さん
そう。全員にとっての幸せが無理なら、やはりどこかに
視点を置いて考えなければいけないでしょうから。
結局物事において絶対的に正しいとか悪いことって
そんなにないと思います。だからこそ、
もうここだという線引きが重要だし、
政治はそのための仕事でしょうから。
それで、覚悟を持って決めたからにはもう、
突き進んでいくべきだと思います。
ちょっと何か言われたくらいで心が折れたり、
前言撤回したりすることは良くないなと思います。
聞き手
そういう意味では、ヴァレンタイン大統領は、
政治家としてはOKですよね。
もうこのまま行くしかない。
荒木さん
悪役ですけどね(笑)。
聞き手
一方で現実世界は、いろいろな価値観がぶつかり合う
本当に難しい時代です。
今の政治にヴァレンタイン大統領のような精神を
求めることも厳しいかもしれませんが、
それでも寄って立つべき信念は必要ではないか
と思います。大統領は「愛国心だ」と言っていますが、
私たち一市民として持っておくべき信念としては、
先生の作品のテーマにつながる話かと思いますが、
改めてお聞かせいただけませんか。
荒木さん
愛国心とまではいかなくても、
やはり家族を守ろうという感情や、
あるいは自分が生まれた故郷や今暮らしている地域
への想いなどに繋がる部分だと思います。
「ジョジョ」第四部 ジャンプコミックス第 巻
<「ジョジョ」第四部 ジャンプコミックス第29巻>
聞き手
「ジョジョ」が「人間賛歌」をテーマとしている
といわれる由縁ですね。やはり先生の仙台への想いも
そこから来ているんですね。
荒木さん
そこの辺を…自分としては、おろそかにして
欲しくないですし、おろそかにするような人には
上に立って欲しくないと思いますね。
聞き手
仙台市役所職員は自分の住む街を思う気持ちは
もちろん持っていると思いますが、その上でさらに
覚悟を持って仕事に臨まなければいけませんね。
荒木さん
そうですね。厳しい時代ですから、
風当たりは強くなるかもしれませんが。
聞き手
そこはやはり、「ジョジョ」を愛する市職員としては、
作品で描かれているような「『正義』の輝きの中にある
『黄金の精神』」を参考にしたいと思います。
「ジョジョ」第四部 ジャンプコミックス第47巻
<「ジョジョ」第四部 ジャンプコミックス第47巻>
荒木さん
「ジョジョ」作品の中での戦いだと、
最後まで勝ち残るのは、
多分一人二人くらいしかいない世界ですし、
また現実も相当厳しい時代ですが、頑張ってください。
聞き手
ありがとうございます。
聞き手
さて、広瀬川ではNPO団体が約20年振りに
貸しボートを復活させたり、
市民団体が中心となって企業や大学などと
流域一斉清掃活動などを行ったりと、
市民の皆さんがいろいろな活動を行っています。
最後に、先生から広瀬川に関わる活動を行っている
皆さんへ応援のメッセージをいただけますか。
NPO法人広瀬川ボートくらぶによる貸しボート事業の様子
<参考 NPO法人広瀬川ボートくらぶによる貸しボート事業の様子>
荒木さん
広瀬川だけでなく、こうした自然環境を守っていく上で、
これからの時代は行政だけで何もかもやっていくことは
不可能だと思います。
昔は、例えば神社の落ち葉掃除などを
近隣に住む人たちが自然にやっていましたよね。
先ほど愛国心の話もありましたが、
そこまでいかなくても
市民が自分の住む街を大切に思う気持ちから、
ボランティア活動などを行うことは
とても大切なことだと思います。
そうした活動をされている方が広瀬川に
たくさんいらっしゃることは、
素晴らしいことだと思います。
聞き手
市民一人ひとりがそうした地域を愛する気持ちを持って、
連携していければ広瀬川だけでなく仙台市も
さらに素晴らしい街になりますよね。
荒木さん
そうですね。
誰か一人の力で何とかなるものではないと思いますから。
そのためにも、みんなで芋煮会をしたりして
仲良くなったり、付き合いが広がっていけば
いいですよね。何よりも楽しいし(笑)。
聞き手
芋煮会はコミュニケーションを深められるだけでなく、
広瀬川をこれからも守っていくことにつながりますね。
荒木さん
そういった活動がさらに広がっていくことを
願っています。僕もそのために何かできることが
ありましたら協力したいと思います。
聞き手
ありがとうございます。
先生の広瀬康一君にこめられた想いに負けないように、
私たちもこれから頑張りたいと思います。
今日はお忙しいところ本当にありがとうございました。
第10回 こぼれ話 2011.2.23
聞き手
今回は、ここイタリアンレストラン「アル フィオーレ」
をインタビュー会場としてお借りしました。
こちらのお店からは、ご覧いただいているように、
広瀬川と仙台市街地を見下ろす
素晴らしい景色が望めます。
広瀬川と仙台の街を鹿落坂付近から望む
<参考 広瀬川と仙台の街を鹿落坂付近から望む>
荒木さん
そうですね。
この場所にこんな素敵なイタリアンレストランが
あるなんて、僕が仙台にいた頃には
考えられなかったことすね。
荒木さん
聞き手
このロケーションも素晴らしいのですが、
こちらのお店に伺った理由はもう一つあります。
「ジョジョ」第四部、「杜王町」という日本の架空都市を
舞台とした「ダイヤモンドは砕けない」編で、
主人公「東方仗助」と親友の「虹村億泰」が、
イタリア料理店「トラサルディー」を訪れるという
エピソードがあります。
「ジョジョ」第四部 ジャンプコミックス第33巻
<「ジョジョ」第四部 ジャンプコミックス第33巻>
荒木さん
スタンド使いのシェフ・トニオさんが、スタンドで
料理を食べた人を健康な状態に直してしまうというお店。
「ジョジョ」第四部 ジャンプコミックス第33巻
<「ジョジョ」第四部 ジャンプコミックス第33巻>
聞き手
私も大好きなエピソードで、「ジョジョ」ファンならば
そんなお店が現実にあった絶対行きたい、
というお店ですが、実はこのお店のシェフ目黒さんも、
スタンド使いではありませんが、様々な食材も
手づくりされていて、こちらに吊るされている
ハムなどもシェフ自らが作られているんです。
荒木さん
トニオさんみたいに料理にスタンド「パール・ジャム」
が入っているかも。
聞き手
先生、肩こりや眼精疲労などの症状はありませんか。
でも今日は、食事を召し上がっていただく時間がなくて
大変残念ですが・・・
ところで、「ジョジョ」第五部「黄金の風」編で
イタリアを舞台とした作品を描かれていることもあり、
先生はイタリアが大変お好きなのではないかと
思っておりました。
荒木さん
荒木さん
実は東京に行っていちばん衝撃を受けたのは、
パスタなんです。
こんなに美味しい食べ物があったのかー!って、
本当に圧倒的な衝撃でした。
僕が仙台にいた頃は、
今のようなイタリアンレストランはなかったんですよ。
こんな素敵なイタリアンレストランがあるというのは、
当時から考えたら夢みたいです。
聞き手
こちらの目黒シェフは先日TBS「情熱大陸」に出演され、
仙台のイタリア料理界では注目のお店で、わざわざ
東京から足を運ばれるお客さんもいるくらいです。
ちなみに、お店のメニューも、お客さんの好みに応じて
シェフと相談して決めるというのが基本です。
荒木さん
同じじゃないですか。
まさか、「ジョジョ」の方が後からだったりして…
聞き手
お店は開店して間もなく6周年、
現在の場所に移転されてからは、4年周年とのことです。
荒木さん
よかった、「トラサルディー」のオープンが先ですね(笑)。
ところでこのタルト、香りが素晴らしいですね。
僕は食材の香りを活かしている料理が好きなんですよ。
洋ナシのタルト
目黒シェフ
紅イモのアイスクリームピュレを添えた
洋ナシのタルトです。
その上にパルミジャーノ・レッジャーノを
振りかけています。
荒木さん
本当にパルミジャーノ・レッジャーノの香が・・・すごい。
あとこの紅イモの甘みが・・・美味しいですね~。
荒木さん
聞き手
ぜひ今度仙台にお越しになる際にはこちらで食事を
召し上がっていただければと思います。
シーズンになったらジビエ(野獣)料理もお勧めです。
荒木さん
ジビエといっても、例えば海側でとれる雉と野山で
獲れる雉とでは、潮風とか食べる餌の違いらしいですが、
味が違うらしいですよ。
そんな話を聞くと、その違いを探ってみたいですね。
聞き手
では今度、こちらのお店のシェフに
海側の雉と山側の雉を取り寄せていただいて…
荒木さん
二種類出していただいて、今度ぜひ
食べ比べしたいですね(笑)。
でもこちらのデザートをいただいたら
何だか元気が出てきましたよ!
「ジョジョ」第四部 ジャンプコミックス第33巻
<「ジョジョ」第四部 ジャンプコミックス第33巻>
聞き手
シェフ、先生がデザートを召し上がって
元気が出たそうです!
やっぱりスタンド使いだったんですね(笑)。
目黒シェフ
ありがとうございます(笑)。
目黒シェフと荒木さん
取材協力
AL FIORE(アル フィオーレ)
http://blog.livedoor.jp/al_fiore/
[21]
| |
『ジョジョの奇妙な冒険』は勇気をくれる漫画
荒川
荒木先生の作品は『バオー来訪者』から読ませていただいています。もちろん『ジョジョの奇妙な冒険』(以下:『ジョジョ』)も第1部からずっと愛読していまして。今日はお会いできて光栄です。どうぞよろしくお願いします!
荒木
おお〜! そんな昔から読んでくださっているとは、嬉しいですね。ありがとうございます!
荒川
小学生の頃、姉が「少年ジャンプ」を買っていまして。納屋に積んであったのを何気なく手に取ったのが、ちょうど『ジョジョ』第1話の掲載号だったんです。農機具などを入れておく、薄暗い部屋で夢中になって読みました。
荒木
それはムード満点だ(笑)。
荒川
怖さ倍増でしたね。もうハマらないわけがない! という状況でした(笑)。当時は子供だったので、波紋法をマネしたり、「こんなスタンド欲しいー!」と騒いだり(笑)。そして今回お会いするにあたって、改めて「私にとっての『ジョジョ』の魅力とは」を考えてみたのですが、やはり勇気をくれるところではないかと。
荒木
『鋼の錬金術師』(以下:『鋼』)もそこが魅力ですよね。読んでいると、人間の根源について考えさせられます。錬金術のシステムを通じて、自然界や人間界の仕組みまで追求していく。「おお!」って思いました。
荒川
わぁ、ありがとうございます! その、人間の根源を考える時「勇気や誇りって何だろう?」という部分は外せないと思うんです。そこへいくと『ジョジョ』の登場人物は敵も味方もみんな誇りをもって、懸命に生きている。「あっぱれ」だと思います。特にイギーは……あの、ガムをクチャクチャやってたイヌに泣かされるとは……! あと、リサリサの逆さ煙草のシーンもグッとくるし、シュトロハイムのブレのなさもいいですね。本当、どのキャラも大好きです。
荒木
ははは(笑)。シュトロハイムはもう身体半分が機械鎧みたいなものだからね。『鋼』の世界にいても違和感ないですよ。僕は『鋼』ではアームストロングがいいですね。こういう、真面目でありつつ趣味に走る人は好きです。特にシグと一緒にムキッとポーズをとるシーンは楽しい。逆に、アルがボロボロになるシーンは辛いです。何かの拍子に血印が消えたら……と思うとハラハラしちゃって。
荒川
カバーしとけって話ですよね(笑)。
「エルリック」は危険!?‘70〜’80年代の少年漫画界
荒川
『ジョジョ』の魅力といえばもうひとつ、独特のセリフ回しがあると思います。「ジョジョの奇妙な百人一首」のCDを仕事場で流したりするんですけど、『ジョジョ』を読んだことが無いアシスタントさんまでなぜか暗唱できるという。
荒木
それはすごい(笑)。僕は「なぜ戦うのか」とか、動機や理由づけは意識してるんですが、このセリフを流行らせようとか、読者を泣かせようとか、その辺りはあまり考えていないんです。だから、そう言っていただけると嬉しいですね。
荒川
日常生活で、無意識のうちに『ジョジョ』のセリフが出ることがあるんですよ。たぶん荒木先生が思っていらっしゃる以上に、読者の血肉になっているんだと思います。それだけ強い言霊が宿った作品なんだなあと。
荒木
ただ、ホラー要素がある作品なので、あえて汚い言葉も使って……美しい部分ばかり描いてちゃダメって思いはありますね。「白と黒」「善と悪」「美と醜」といった対極的なものを頭に置きつつ描いているので、人間のゲスな部分も避けずに踏み込もう、と。
荒川
なるほど。
荒木
でもね、こうして認めてもらえたのは連載開始から10年くらい経ってからじゃないかなあ。当時は外国が舞台で、主人公も外国人という設定は難しいと言われていて。編集企画段階で落とされちゃうんです。うん、当時は僕も生意気だったんですかね。そういう少年漫画のルールやジンクスに挑戦したいという思いもありました。「ジャンプ」の基本原則である「友情・努力・勝利」さえ守っていれば、横文字でもいいじゃないかと。
荒川
しかも、物語の入り口はアステカですよね。
荒木
わかりにくすぎ(笑)!
荒川
いや〜、私のようなオカルト好きには、もうたまらないですけれども。
荒木
怪奇系の大河ドラマも、当時の漫画界ではヒットしないと言われていたんです。たまたま、こういう世界観が好きな編集者が後押しをしてくれて……『ジョジョ』を連載させてもらえたのは奇跡だと思いますね。だから『鋼』の「エルリック」というネーミングは、当時だったらかなりキケンでしたよ(笑)。
荒川
ははは、ボツだ(笑)。
荒木
その辺りはすんなり決まったんですか?
荒川
エニックス(現・スクウェア・エニックス)はゲーム会社なので、その点はスムーズだったと思います。むしろRPGに慣れた読者を想定していましたから、ファンタジーの香りがするネーミングがいいのかなと。
荒木
そうなんですか。時代は変わったんだなあ。[22]
荒木飛呂彦と岸辺露伴はグッチ好きだった!?
―はじめに、『SPUR』から企画の内容を聞いた時の気持ちを教えてください。
荒木飛呂彦氏:(以下、荒木:敬称略):そうですね。まず企画の内容が、グッチの職人と工房について、さらにものづくりについてのマンガを描いてほしいという依頼だったので、「これは何だろう?」と思いましたね。
―何だろうというと?
荒木:普通だと職人や工房を紹介するマンガで、こういうところで、こんな風に職人さんが働いているんだよとか、そういうものがSPUR編集部もグッチも欲しかったんだと思うんですね。でももう少しマンガのキャラクターと融合したいと思ったんです。ストーリーがあれば登場するのは誰でも良いという感じではなくて、ジョジョと融合したいなと。
―ジョジョと融合というのは、『SPUR』から依頼はあったんですか?
荒木:いいえ、それはありませんでしたね。それでも引き受けたからには、そういう作品を描きたいなと最初に思いました。でも難しいかなとも思いましたけど。
―ストーリーの主人公に第4部に登場する天才漫画家・岸辺露伴を持ってきましたよね?
荒木:そうそう。露伴をストーリーの上にちゃんと乗せて、グッチを紹介していくっていう風にしたかった。
―今回のマンガのタイトルが『岸辺露伴 グッチへ行く』ですが、以前のルーヴル美術館とのプロジェクト作品『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』との関連性はありますか?
荒木:最初はなかったんです。でも露伴だったらグッチに行ってもいいねって。そんな感じでした。
―『ジョジョの~』第4部のクライマックスのシーンで、露伴はグッチの時計をしていますよね?
荒木:そうなんですよね。でもそのことは指摘されるまで僕自身は忘れていました(笑)。「ああ、そういえばしてたなぁ」って。
―ということは、露伴はグッチ好きというキャラクター設定だった訳ではないんですね?
荒木:そうですね。確かに露伴はグッチの時計をしていましたけど、ファッションはどこどこのブランドが好きでという風に設定を決めていた訳ではないですね。だから今回もグッチだから露伴ということではなくて、ストーリー的に露伴なんです!
―なるほどですね。
荒木:露伴はパリのルーヴルにも行ったし合うね。みたいな感じでした。
―今回は荒木先生自身もフィレンツェから来日したグッチの職人に取材をしたそうですが、一番印象に残ったことはなんですか?
荒木:ん~なんですかね。スタッフのプロ意識ですかね? それは本当にすごかった。やっぱり職人というか、働いている人たち全員がプライドを持って仕事をしているんだなと感じました。いろいろなブランドがあるけれど、向こうの人たちにとってグッチで働くということは憧れなんだそうです。みんなグッチが一番良いと言ってましたね。
―荒木先生自身も洋服はとても好きと伺ったんですがグッチはどの程度お持ちですか?
荒木:靴とか鞄とかそういったものが多いですね。恥ずかしながら服はあまり持っていませんでした。
―では、どんなファッションがお好きですか?
荒木:自分では着ないんですけど、なんか不良な感じが好きなんです。
荒木:そうですね。個人的には上品よりはそういうのが好きですね。
荒木先生のマンガ独特の"あの表現"の真相とは?
―今回のマンガの中では、露伴も通訳の女性もグッチの服を着ていますが、あれは荒木先生のアイディアですか?
荒木:そもそもグッチの作品を描けということだったんで、すべてグッチに徹しようと。それが理由ですね。じつはマンガに出てくる人物全員がグッチを着ているですが、それは僕のアイディアですね。あんまりそういう風に見えないんですけど。
―そうなんですか!?
荒木:そうなんですよ。でも、じつは洋服の色を一部変えさせてもらっているんです。
―確かに色が違ってますよね。気がつきました。
荒木:元の色のままだと、絵的に華やかさとか配色の感じがどうしても納得いかないんですよね。茶色だけでまとまってると、ちょっと嫌だなぁとか思ってしまう。
―そういうオーダーに対して、グッチからNGは出なかったんですか?
荒木:色に関してはありませんでしたね。でも本当にお願いをして「このパンツを緑色にさせてください~」とかそんな感じでした。じゃないと絵が沈むんですよ。マンガとして、荒木飛呂彦の作品として違うと思うんですよね!
―なるほどですね。マンガの最後が「このバッグはスタンドだったんだ......」というオチですよね。ファンとしては、あのバッグのスタンド名は何だったんだろう? とすごく気になったんですが。
荒木:確かに! 確かにそうですね。スタンド名か~。考えてなかったなあ。何が良いだろう!? 音楽っぽいもので何か......。バッグに関連する曲は知らないなあ(笑)。そうそう。じつは初期段階のストーリーでは、バッグではなくて財布だったんですよ。
―そうなんですか!?
荒木:はい。でもグッチから財布ではなくてバックにしてくれと強くお願いされたんです(笑)。
―書けないかもしれないですね。この話は(笑)。
荒木:でも結果的にはバッグの方が話としてはよかったですね。
―そうそう。お祖母ちゃんの形見のバッグということは『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』で冒頭にチラッと登場した、あのお祖母ちゃんですよね?
荒木:そのとおりです。温泉宿を経営していたお祖母ちゃんです。もう既に死んでるんですね。『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』は、露伴が17歳のときの話ですからね。
―今回も「パァァーァッ」とか「ガパァァッ」とか「ギャンッ」というような表現があったり、『ジョジョの~』ではおなじみの「オラオラオラオラオラオラ」、「無駄無駄無駄無駄無駄無駄」、「ドラララララララ」、「ズキュゥゥゥンッ」といった荒木先生のマンガ独特のあの表現は、どこからインスピレーションを受けているんでしょうか?
荒木:あれは仕事中もアイディアを考えるときも、いつも音楽を聴いているんです。そのノリですね。あとはリズムです。描いているときってネームのリズムがあるんです。そこで最後に「ッッッツアー!!」ってのばしたり。そういう感じですね。ここでこんな音楽がくると「ズキュゥゥゥンッ!」とか。
―あとキャラクターが突然豹変してしまうパターンもよくありますよね。
荒木:そうですね。大人しいと思っていた人が実は追いつめられて人が変わるとか、描いていて楽しいですね。性格まで崩壊していく感じとか。
―荒木先生の中で一番好きなキャラクターは誰ですか?
荒木:いままで描いた中でですか?
―はい。
荒木:ん~「重ちー」ってキャラクターですね。いろんなところから、小銭や細かいものを拾ってくるスタンドを使うんです。「重ちー」は良いですよー。あとちょっと頭が良くなさそうなところも癒されますよね。主人公では仗助ってのが好きなんですけど。
―いずれも露伴と同じ第4部のキャラクターですね。
荒木:そうですね。普段『ジョジョの~』って神話的に描いているんです。でも第4部は「隣の人」って感じがするんですよ。身近な人って感じ。その中でも「重ちー」です。能力も良いですねー。あれは泥棒じゃないですからね。落ちてるものを拾ってるだけだから悪いことはしてないんです。
―では少し話しを戻して。荒木先生にとって、「良いファッションブランド」とはどういうブランドだと思いますか?
荒木:まず品質が絶対ですよね。着心地が良くて、自己主張せず、それでいて印象に残るやつです。難しいですよね。でもグッチにはそれがあると思います。
―なるほどですね。
荒木:だからやりすぎない寸止めなんですよ。それが良いファッションだと思います。僕は不良っぽいファッションが入ってるのものが好きではありますが、思いっきり不良ではないんですよね。そこに上品さも必要なんです。だからグッチをはじめとするイタリアのファッションはそういうところがすごいんです。まさに寸止めですね。
―わかりました。では最後の質問です。露伴はパリのルーヴルに行って、フィレンツェのグッチにも行って、今回新宿にも行きました。次はどこに行くんでしょうか?
荒木:次は富士山とか良いですね(笑)。 だってNYとか行かなそうじゃないですか? どうせだったら露伴が絶対に行かなさそうな、マニアックなところに行かせたいですね。
GUCCI × HIROHIKO ARAKI × SPUR
「岸辺露伴 新宿へ行く」展
会期:2011年9月17日(土)~10日6日(木)
会場:グッチ新宿
住所:東京都新宿区新宿3-26-11[23]
Interviewer: “JoJolion” has been a bit more erotic in comparison to previous arcs but is this a conscious decision? Is there a motive behind this shift?
Araki: I wanted to draw something that I had never drawn before. Therefore, it’s probably the first time bust shots have made an appearance. As for the art, I want to draw a looser style. Instead of having a constant focus on intense fights, I think the readers also enjoy the off-beat interactions as well. Up until now I was pursuing the element of fear but I also want to incorporate a sense of relatability and looser aspects.
Interviewer: How have you specifically actualized these ideas?
Araki: For example, I have increased the number of white panels. I try not to draw everything to perfection but rather with a little more openness. I could illustrate as dark as I did previously but I intentionally included more white elements so the reader could pass through a section without being heavily invested in a facetious scene.
Interviewer: I do really enjoy how the art throughout the “JoJo” series has constantly evolved.
Araki: Rather than trying to change, I try to avoid illustrating old, already existing art. However, I do realize there are characters like Hirose Koichi or Kobayashi Tamami whose heights have gradually shrunk and that’s not great.. haha
Interviewer: Like, Funny Valentine from part 7 was the opposite as he steadily grew.
Araki: Ha, That’s okay because he was working out! (lol) In reality, the characters constantly move through their lines and poses and they just happen naturally like the flow of nature.
Interviewer: Regarding the dialogue, it’s really amazing because the lines are so memorable that they even publish books such as “Famous quotes from JoJo’s BIzzare Adventure”
Araki: It’s amazing isn’t it! Haha! When I see my work being accepted by the younger generations, I feel glad to have been drawing all this time.
“
I don't play fighting games myself, so I can't comment on that aspect, but I think it's amazing how perfectly they were able to recreate everything. It's beautiful. Whenever people try and adapt JoJo they always want to use a bunch of different colors. But this game actually suppresses the colors and makes them refined/quiet. I think this is good, because it will keep players' eyes from getting tired. I think the more colors on the screen increases the exhaustion in one's eyes. I also think the cutting-edge CG technology they used did a great job of capturing the atmosphere.
The characters have been recreated so well, they may look cooler than they are in the manga. (Laugh) There's a psychological level to the battles here. I like how they've made it something more than just a fighting game.
The town of Morio-cho appears in Parts 4 and 8, but they're in parallel worlds, so they aren't linked in time or space. The two Josukes would never meet each other normally. With this game, though, it becomes possible. At first I was bit taken aback. But then the bizarre nature to it all really got me interested. It's very entertaining. I would never allow something like this in the manga, but since this is a game, it's cool. Same thing with Jotaro fighting Dio Brando. The way the characters look is so different over the parts, though, that normally if you lined them all up they'd look very out of place with each other. But this game fixes all that, and I think that's one of its strengths.
Personally, I play a lot of horror action/adventure games. I like exploring a lot, not just fighting. I like puzzle games too. And I like sports and racing games too, as you might have figured from my inclusions of F-MEGA and Oh! That's a Baseball! in part 3. Lately games have been getting really "real." I still like cheap-looking games like F-MEGA.
Lately, though, I haven't really played any fighting games or shooting games. When I get excited during battles, my Adrenalin pumps up. I want games to heal me. That's why I play horror games. Horror heals me. (Laugh) Even in this game, the punch animations are just too fast for me. I'd rather watch them in slow motion.
I wish I had a technique that girls liked. (Laugh) Or, I wish I could appear as a side character, who says "Do your best!" and offers up an energy drink or something.
People who started reading JoJo when they were young have now become adults and are contributing to this project. I'm really amazed. And moved that we can work together to let the next generation read JoJo. I was so surprised when I heard they were going to make an anime. For 20 years, I've thought about how unsuited JoJo was for TV. (Laugh) It ended up being a lot bigger than I imagined it would. I'm so glad the fans enjoyed it.
People say my gallery showing in Florence was a success, but I don't have any strong feelings about that personally. But one thing I did notice is that whenever I go to Italy, I always hear people talking about Japanese manga. Dragon Ball, Naruto, and Yu Gi Oh are all very popular. And whenever people talk about Japanese manga they always talk about Japanese soccer. I suppose Captain Tsubasa has had a lot of influence over there. Whenever you mention Japan in Italy, it's either Naruto or Nagamoto (soccer player).
I listen to country and Western music a lot. It's like American "enka" music. I like the pure, "human" sound of the vocals.
As for movies, I mainly watch suspense and horror. Recently I saw "Life of Pi" and "Gangster Squad." They were very good. There look to be a lot of good horror movies coming out in 2013, including the Evil Dead remake, so I'm excited.
From here on out, in JoJolion, I plan to focus on the Higashikata family in more detail. But it won't be linked to Part 4 in any way. People keep asking me when Kishibe Rohan will appear, so let me answer that question: he won't. (Laugh) That is absolutely set in stone. Another weird mangaka will appear, though.
Q. What is manga to you?
A. Like how food is a blessing from the sky and earth, I think manga is a blessing from society. I'm receiving ideas and inspiration from Japan.
Q. Who do you respect?
A. Many people... Shirato Sanpei and Fujiko Fujio I've respected since long ago. Recently, I've really thought about how amazing pro mangaka who came before me are. Like how they've polished themselves so much, how much work they were able to handle... it'd be impossible in the present day. They were always so pure about how they faced their work. They weren't drawing manga because they wanted to become someone great. they just wanted to draw. That's what's so amazing.
Q. What's the most important thing in the world to you?
A. A lot is important to me... hmm. The most important thing would be my breathing technique, I suppose. (LOL) If my breathing gets bad, my stomach starts to hurt. So every morning, I use a special breathing technique. I store up breath around my ribs. It trains my inner muscles and connects me with the universe. It's pretty deep.
[24]
”
椛島さんとの対談でも少し話が出ましたけど、 第1部はディオを描きたかったんですよ。 とにかく彼を描くためのストーリーみたいなところがあってディオをどう動かすか」 を常に考えていた気がします。 「 善と悪」 「 白と黒」 みたいな主人公とライバルの対比を見せる漫画にしようと思っていた。 そのためには敵が強力じゃないと絶対面白くないんですよね。 だからディオは、 「 どうやって主人公はコイツに勝つんだ! ? 」 と読者が思ってくれるような「 究極の悪」 にしました。 ただ、 読者がちょっと憧れるような部分も持った悪、 「 共感できる悪」 にしたいとも思ってまし
ディオを究極の悪にした分、 その対比としてジョナサンは純粋すぎるくらいのキャラクターになりましたね。 ジョナサンは今だったら、 もうちょっと違う味付
けができるんだけど、 当時は僕も若かったから。 主人公のジョナサンという名前に、 そんなに深い意味はないですね。 外国人が主人公なので名前は「 とにかく読者が覚えやすいものにしよう」 と思っていました。 「 スティーブン· スピルバーグ」 みたいに、 頭で韻を踏んでいると印象が強いように感じたので「 ジョナサン。 ジョースター」 。 今では受け入れられているけど当時は外国人が主人公
の漫画なんて少なかったから、 馴染みがないというか違和感がありました。 自分でも描いていて「 人気は出ないかもな」 という意識もありつつ、 でも「 こういうのも認めてほしい」 という気持ちもありました
ディオは『 魔少年ビーティー』 の主人公· ビーティー· ピーティーの発展系なんです。 嫉妬だとかハングリー精神といった人間の感情の影の部分を、 ビーティーよりももっと深くしたキャラクターです。 悪役であるディオを描いていた時は自分の精神面にも
影響はあったかもしれない。 イライラするようなことたかもしれないはないんだけど、 例えば普段の暮らしの中でも、 ふとダークなことを考えてしまったり、 ディオと同じ視点になっちゃつて人間を昆虫観察するような目で眺めてしまったり、 そういうことはあったかもしれないですね。
『 魔少年ビーティー』 を描いていた頃もそうだったんだけど、 第1部や第2部の当時に目指していたのは少年漫画へのアンチっていうか、 友情· 努力· 勝利っていう「 週刊少年ジャンプ」 ( 以下、 WJ) の世界に挑戦して開拓していこうっていう生意気な気持ちもありました。
第2部の主人公のジョセフという名前は、 ジョナサンと同じく「 ジョジョ」 になればいいってことだけで、 これも深い意味はない味1。3なしです。 お調子者の性格は、 生真面目だったジョナサンと対比させたからですね。
物語で目指したのは「 誰がいちばん強いのか」 「 どういう人間が怖いのか」 を描くこと。 敵が「 究極生命体」 という設定は、 まさにそこですね、 食物連鎖の頂点。
当時は「 とにかく自分の作風を作らなきゃ」 11かくと思っていました。 僕の先輩の方々1970年代の有名な作家さんは、 皆さんご自分の作風を持っているんです。 そこには何か大事な意味があるんだろうと思っていました。 だから自分の漫画の人気がないからといって「 ホラーを描いていたのに、 急にスポーツ漫画やラブコメ漫画を描くようになっちゃダメだろう」 と。 「 そこは突き詰めていかなきゃダメなんだ」「 ブレてはいけない」 と思うようになったんですそれは自分で自分を追い込むことになるけど、 今でも続いていますね。 行き詰まったら終わりかもしれない。 … でも道は必ず開けると思えばこそです。
第3部は、 第1部と第2部の主人公が外国人で続いた
ので、 日本人になったってうのはあるかな。 でも向かう場所はエジプトだし、 仲間も外国人が多かったんですが( 笑) 。 主人公の名前は「 承」 の字には「 受け継ぐ」 という意味があって、 本当は「 しょう- という読み方だけjごナどぉどお寺の名前とかで「 じょう」 じよAと読ませることもあったので、 それに決めました。 「 空条」 の方は、 第3部が始まる時に鎌倉に取材に行ったことがあって、 鎌倉幕府の執権だった「 北条」氏からですね。 それで「 ジョジョ=空条承太郎」 としました。
Note: Naokatsu Tsuda is the creative director in charge of David Production's enthusiastic anime adaptation of the iconic JoJo's Bizarre Adventure manga. This is an interview for Mr. Tsuda at Anime Expo, Los Angeles on July 4, 2015 by Anime News Network.
ANN: What is the difference between your role as director and Kenichi Suzuki's role as "series director," as far as how things are managed?
Naokatsu Tsuda: The best way to think of it is not as co-directors, but one as the executive director and one as the actual director.
So he's in more of a producer position and you are the creative director?
We're both creative, but I have final say in everything.
How were you approached about directing a JoJo's television series and what was your reaction?
So, the story starts off with me being an employee at our production company, David Production. My previous work was directing Inu X Boku Secret Service and our Vice President, a man by the name of Kajita, asked me, "You like JoJo?" And I said "Yes!" And he said, "Okay, you're directing JoJo." That's it! Very easy.
When looking at the material, did you feel that there was much adaptation that needed to be made for language and references, since it is over twenty years old, or did you feel that it was timeless and you didn't have to change much?
The main adaptation needed for a modern audience would be in the visuals. If you look at the original JoJo's Bizarre Adventure, the lines are very detailed and I question if a modern viewer would be able to relate to these details. Also, we do need to simplify the lines for animation. So simplifying the lines was something we definitely prioritized. But the JoJo's graphic novels, over the years, have become something of an internet meme, or at least they are the source of a lot of internet memes. One thing we can do today that wouldn't have been possible 20 years ago is pick up on already established memes and see how we can pull those into the anime. Many parts of the series are already finished, so we are in a unique position today where we can do a wholesale retrospective on them. Also, modern audiences have a preference for higher-paced dialogue, so that's also different today from how it would've been adapted back then.
That's very interesting to hear about the meme culture of JoJo's. So you were aware of that stuff going in and you consciously said, "Oh we have to get this right, we have to make this feel classic for fans of the manga?"
Yes, in fact that was fully intended. We wanted to make a show where a fan could watch the animated episode and then go back to the graphic novel and see that their idea of JoJo was faithfully animated. We wanted to make something that could be shared as a new source of fan memes, and something where everyone's idea of JoJo could come to life through it.
One of my favorite things about JoJo's is the incredible sound design and music work on this show, both the soundtrack and the use of sound effects visually is very powerful. I feel like viewers can listen to this show and understand the story almost as well as seeing it. What was your philosophy going into the music and sound effects for the series?
The written words that show up in JoJo's is something that we call a "word effect." This comes directly from the manga, where if you look directly at the panel, the written sound effects are an integral part of the layout. Usually, when you animate a graphic novel, all those sound effects would be taken out, but that also changes the visual layout of the panel in translation to the screen. Now when you look at streaming culture today in Japan, especially when you look at websites such as Niconico, all the users just paste up their text reactions as part of the video stream, and that's part of the actual fan culture. My takeaway from that was younger audiences of today don't actually have any problem seeing written sound effects onscreen. So rather than changing the original manga layout, we wanted to incorporate that into the anime as well and use word effects in choice places for favorite lines and favorite sounds, perhaps sound effects that the viewer might want to shout out along with the show. So it's just thinking about things backwards and then making them work out. I don't think you actually need to be able to read the text, because it's more of a visual element than a language thing.
For the music, I really wanted to incorporate film-style music rather than something that resembled a variety show. When you use music in film, it's often set to a specific character or emotion or scene. In the first two parts of Jojo's, the music is really set to the scene and only once in a while is it set to the emotions of the moment. Part 1 takes place in 19th century England, which isn't exactly a place anyone has first-hand experience living through. So we used the music to establish a sense of history and location and period that we can relate to. Then we skip over to Part 2, which takes place in Art Deco America. So we had to establish something more stylish and pop in tone there. Since there's a graphic visual difference between Part 1 and Part 2, we wanted the audience to be transported 50 years forward through the music as well as the visuals.
What was the process for choosing the ending theme songs like "Roundabout" and "Walk Like an Egyptian?" Is this a tradition that you want to continue in future parts?
Well, those came from the author of the original graphic novel, Hirohiko Araki. They're all songs that he was listening to back when he was drawing the individual parts. Mr. Araki only listens to Western music because he doesn't understand English, so none of the lyrics come across to him as language, but as pure sound. So we got a list of these songs that he was listening to back when he was writing each part, and we chose songs for the closing animation based on which ones Warner was able to secure the rights for. It was up to Warner to actually do the negotiating. So if there is an anime production of the next part, we'll probably go by the same process. Traditionally, JoJo's Bizarre Adventure has been a gateway to learn about Western music for Japanese readers. For American fans, a lot of the music and names featured in JoJo's are more an acknowledgement of familiar artists, but this is also cause for Warner to be engaged in a lot of negotiations to secure those rights.
Yes, the names of these characters are changed in the official subtitles for American viewers. Vanilla Ice becomes Cool Ice, Oingo Boingo becomes Zenyatta Mondatta, and so on. The fans always know the real names, so they see that and sort of laugh at it. They feel like "what, are they afraid of lawyers?" How do you feel about American audiences being given changed names?
Well, I do think someone may have tried to err on the sensitive side of things in translation. When you look at characters like Oingo and Boingo, if the musical artist of the same name wasn't happy with the idea of being depicted as such comical characters, perhaps erring on the sensitive side might have been the right decision.
On that note, where did the Oingo Boingo Brothers song come from? It was a very fun surprise!
Part 3, Stardust Crusaders, is split into two halves for television airing. At the time, the music producer at Warner, Mr. Oomori, had asked if there was any scene-specific music that I wanted to have in the series. You might be familiar with a specific practice in Japanese animation where episode one and episode three are very important for a show's production. If episode one doesn't execute well, a lot of viewers will write off the show and never watch it. And you also need to have a new development or twist take place in episode three, or more established viewers will abandon the show. It's not such an issue with episode four onwards, but that's the unfortunately reality of the industry right now. The Oingo Boingo episode in question is actually episode three of Stardust Crusaders' second half, so we knew we had to make it stand out. Boingo is an enemy who uses manga as their gimmick, so for the ending we thought this could be the first and only instance of a character song. I thought it would be something that the viewers would be very happy to see. So I went to producer Oomori, he greenlit it, and the Oingo Boingo Brothers happened.
And the Hol Horse Boingo Combo as well! Now do you have a favorite Joestar or a favorite character? Not just in the three parts that are animated, but from any of it?
Well, since I just finished working on Stardust Crusaders, I'm most sympathetic to Jotaro. In part 4, my favorite is still Jotaro. As a high school reader of the manga, my favorite Joestar was… well, it's actually questionable if he's from the Joestar family, but he's the main character from part 5, Giorno Giovanna. He's actually Dio's child, but he inherits a very large portion of the Joestar family spirit.
You mentioned that the manga's art could be difficult to adapt to animation. What were your thoughts on adapting the manga's striking color design in a way that wouldn't be too overwhelming?
One thing that makes anime different is that once you establish the color setting, you can't change it, whereas there's no set color for a lot of things in the JoJo's graphic novel. Once we established the color setting inside the anime, we knew there might be a lot of fans who would object to the choice of colors. As a JoJo fan myself, I do really understand the kinds of things they would object to. So we decided on scene-specific coloring, so that the "set color" could still change depending on the specifics of the scene. Since the graphic novel doesn't actually have set colors for a lot of things, I think that was one way to take advantage of its style, while creating something that would be acceptable to fans.
One last question: JoJo's is filled with great moments of elation, and it must be exciting for the voice cast to do that sort of thing. What was the most powerful moment for you, vocally?
There's far too many to mention, but if I were to choose one, it would be the final episode of Stardust Crusaders, where Jotaro and Dio are having their showdown, and it is the battle of ORAORA and MUDAMUDA.
I knew the story, so I knew it was coming, but I was still surprised when Dio shouted "ROAD ROLLER!"
I'm very happy to hear that.[25]
Jojo’s Bizarre Adventure X Assassination Classroom
Araki Hirohiko & Matsui Yuusei
Dream talk session
A chance meeting between Matsui Yuusei, author of the popular Weekly Jump manga "Assassination classroom", and Araki Hirohiko, who has built a unique world within his "Jojo's Bizarre Adventure". During this relaxed discussion, they raise the curtain on their work methods.
Even though I look like this, I'm an outdoors type of guy (laughs). -Araki
Thank you for coming today! Matsui-sensei ate Araki-sensei's cod roe spaghetti and chicken soup. Can you give us an impression?
Matsui: Really, I'm overwhelmed by being able to eat the food an artist I look up to made. The chicken soup had a really gentle flavour and I felt it was very invigorating. The spaghetti was good too!
Araki-sensei, you said you like to cook as a divergence from your work. Are making food and making manga similar in any way?
Araki: Well, not really (laughs). However, I make both manga and food in gratitude of many things, so I guess they spring from the same source.
You just ate together. Do you do anything special to keep up your health, and what are your favorite foods?
Matsui: I just eat stuff I buy at the convenience store. I take nutritional supplements and go out to eat some proper food every now and then, so I really don’t fuss over my health much yet.
Araki: I don’t eat anything after 6pm. I eat whatever I like in the morning and afternoon, but I don’t eat anything in the evening. If you eat while working in the evenings, you’ll definitely get fat. If you get fat, you won’t want to move and you’ll fall into a downwards spiral, so I’m careful about my health.
Matsui: You’re still very slim. Do you exercise regularly?
Araki: I do.
Matsui: When did you start?
Araki: I think that when people hit their 40s, they’ll want to take up running because they’re tense about their health. I used to like diving and mountaineering, so from there I started running. I actually like exercising. Even though I look like this, I’m an outdoors type of guy (laughs).
Matsui: I didn’t mind exercise before I started Assassination Classroom, but as soon as the serialisation started, my will to exercise disappeared. Moreover, I feel like muscles get in the way when I’m just sitting and letting my mind work at full force, so it can’t be helped. To draw manga you just need your head and hands. Anything else is unnecessary. Although I do think I should keep up my stamina while doing a serialisation, so it’d be bad if I kept going like this.
Mangaka can take a break whenever they want, but they don’t get any holidays. –Matsui'
Photo caption: Jojo has moved to Ultra Jump since Steel Ball Run. Araki-sensei is currently working on Jojolion, but he says the current amount of pages matches his personal rhythm better.
How do you two gather data and materials?
Matsui: I’ve been relying on the internet a lot recently.
Araki: For me it’s still books. However, I have to buy them at a physical bookstore, or it won’t work. I want to choose a book from a bookstore that I like.
Matsui: Where do you buy them normally?
Araki: In Shinjuku or Aoyama. If I go there I’ll know what’s popular, or what the staff recommends. I want to see those things. If I look online I’ll just see the things I like. Without realising I’ll only look for the things I like, so bookstores and CD shops in which I can see what others recommend are an indispensable source of information for me.
I’d like to ask about your weekly schedules and how you work. Araki-sensei, has your work pace changed since you moved from Weekly Jump to Ultra Jump?
Araki: Weekly Jump was 19 pages per week, but that rhythm didn’t work for me. I really wanted to draw 21 pages per week. Since I’ve gone to Ultra Jump it’s become 45 pages per month. This matches my natural work rhythm better, so I can draw comfortably every month.
Matsui: That’s unusual! For me, 19 pages per week is a bit too much. Bringing that to 21 pages even… doesn’t it become a bit demanding? (laughs)
Araki: That’s true. But for Jojo I want the decisive panels to be big, so the page count goes up anyway.
Matsui: That’s typical of Jojo. If you put in “gogogogo” leading up to the decisive panels…. You’d have 21 pages very quickly.
Araki: Perhaps, yes. But what do you do when your name* ends at 17 pages?
(*t/n: A name is a manga manuscript)
Matsui: It’s not that hard to increase the amount. If I’m 2 pages short I’ll consult with my editor. He’ll generally say something like “let’s add these elements”, and when I incorporate those it usually turns out fine. That’s the easiest way.
Araki: I see.
Matsui: On the other hand, it’s much harder to take things out of the material I’ve already got. I take care not to waste too much time on that. I’ve already got my hands full just trying to get it done every week. How did you manage when you worked weekly?
Araki: On Sunday I’d do the name. On Monday I got that checked by my editor, and from Tuesday to Thursday I’d draw with the assistants. On Thursday we’d also discuss the next chapter. Friday and Saturday were my days off.
Matsui: What an ideal week. For veterans like you or Akimoto-sensei* it’s okay, but there’s no one of my age that can pull that off.
- 1… Akimoto Osamu, the creator of Weekly Jump’s longest running manga, Kochikame. He’s looked up to by other mangaka for thoroughly keeping to his schedule and never missing a deadline in over 40 years of serialisation.
Photo caption: Matsui-sensei is giving his all for Assassination Classroom. He doesn’t have time to take a holiday at this point.
Araki: What does your weekly schedule look like?
Matsui: 3 days for the name, 2 days for the sketches. Finishing up with the assistants also takes 2 days. Recently I’ve changed this to 4 days for the name, 1 day for the sketches and 2 days for finishing up with the assistants. There isn’t a day where I can take the whole day off. However, I think the 4 days I take for the name do include breaks of some kind.
Mangaka can take a break whenever they want, but they don’t get any holidays. If you have some free time, you have to use every spare moment to make your story more interesting. It’s hard to take a proper holiday. In that sense, you veterans are good at relaxing. The better you get at work, the better you get at play.
Araki: Fujiko A-sensei* is amazing. I think it’s something personal, that exceeds technique, which brings forth that sort of appeal to a manga.
- 2…A veteran mangaka famous for works such as Pro Golfer Saru and The Laughing Salaryman. Also famous for associating with a wide variety of people, such as the actress Rie Miyazawa and the singer Inoshita Yousui.
Matsui: In my own generation there aren’t that many people that can relax like that. Myself especially, I can’t even say I have a hobby of any kind. That unrelenting energy and willpower, staying active as a mangaka until your 60s…. I can’t imagine it. Last year was Jojo’s 25th year, but you don’t draw it thinking “I should keep going” or anything do you?
Araki: I don’t.
Matsui: Your body moves naturally?
Araki: No. But 30 years pass in no time at all, you know. And I have examples like A-sensei and Akimoto-sensei.
Matsui: To me, you’re a great example as well!
Araki: Thank you. I’m already 53, but I think I should try to keep going until I’m about 60. I think you should take it easy and focus on making your current work interesting!
Next, I’d like to hear about your works. I’d like to talk about Jojo’s Bizarre Adventure first. How was it when your serialisation first started a quarter century ago?
Araki: When I debuted in the 80’s, Jump was full of people that emitted this intense power. I debuted amongst that, so in order to survive I had to emit a power strong enough to stand up to them. In other words, I had to show my own style. When I started Jojo, I think I finally managed to show something like that. I finally found my own direction. In the 7–8 years before that, I kept wandering, struggling to find my originality, my colour. Those were my twenties.
Matsui: But from our point of view, the works you made before that, like “Magic Boy B.T.” and “Baoh”, are pretty distinct as well! No matter how you look at it, it’s Araki-ism.
Araki: Back then, I used to draw while looking at Shirato-sensei’s* works. I moved my pen, wondering what to do.
- 1…One of the pioneers of the “narrative comic” genre of manga in the 1960’s. He gained fame with his ninja works such as “Sasuke”, and managed to draw adults to manga with the philosophical elements of “The Legend of Kamui”.
Matsui: I get that. To me, you were my Shirato-sensei. When I was young, I tried really hard to get rid of your influence. I think I’ve finally managed to shed all of it recently.
Araki: ‘Hiding’ those things means you’ve finally found your own sense of direction. You can clearly draw whatever it is that you want to draw. You can’t have any doubts there.
Matsui: That’s right. But I think it’s too late to escape things I already know. For instance, if an enemy is slowly following someone and it’d be good to put in “gogogogogo”, I think to myself “If you put it in, you lose”, but I still end up putting it in. It’s like that. I mean to put in something original, but then when I look back at it later I often think “This was influenced by that work”.
Araki: For me, it’s the main characters’ thick eyebrows. It took me 10 years to get those thick boy’s magazine-style eyebrows back to thin eyebrows. Truth be told, I just can’t do it because thin eyebrows gross me out. Maybe it’s just bias, but without realising, this influence became deeply ingrained within me.
Matsui: Jotaro had some pretty thick ones too.
Araki: Yes. A supporting character like Kakyoin can have thin eyebrows, but for a main character like Jotaro I just can’t make them thin.
Matsui: Back then, there was that kind of formula where characters with thin eyebrows had weak emotions, so they were supporting characters.
Araki: But when you’re trying to follow your own path, you should break away from those formulas.
Matsui: That’s true! By the way, how old were you when you started Jojo?
Araki: I was about 26-27. You see, people who were at the top like Yudetamago-sensei* and Takahashi Youichi-sensei*already found their style in their teens. So I was really fretting. At the time it gave me a serious complex.
- 2…A famous manga duo known for the superhuman pro wrestling comic “Kinnikuman”. You can still read new episodes of Kinnikuman in Weekly Playboy Webcomic!
- 3…The mangaka of the immortal soccer manga “Captain Tsubasa”. His works gave rise to an immense soccer boom amongst primary school kids, and has influenced many J-leaguers and world-famous soccer players.
Matsui: Nowadays people are quite premature. I was quite late as well, debuting at 25, so I was pretty frantic until I became 30.
I think that even amongst all those other manga, Jojo is a particularly ambitious work. – Matsui.
Araki: Have you ever had your manuscript rejected by an editor before?
Matsui: Actually, it’s only been small comments like adjusting the dialogue in one panel. I haven’t really had any rejection, so I can say I’ve been allowed to draw freely. What’s rejection like?
Araki: I was once made to redraw all 19 pages! That’s how it was back then. New mangaka all had to undergo this kind of baptism. If you said “I only have two days left, do I really have to redraw everything?” they just replied with “Kurumada-sensei* does it too”.
- 4…Kurumada Masami-sensei of “Kojirou of the Fuuma” and “Saint Seiya” fame. One of Weekly Jump’s top runners, churning out hit series since the 70’s.
Matsui: That’s unfair! In those 2 precious days you could have thought of some valuable topics.
Araki: However, if I look back at it, my drawings were really kind of unstable. The faces on the first and last page are a little different.
Matsui: Couldn’t you have tried getting really angry to see if your editor would give in? (laughs)
Everyone bursts out laughing.
Araki: I tried to protest, but it was futile. Even my popular seniors redrew their work if the editor demanded it. A beginner like me had no margin to object, so I resigned to redrawing.
Matsui: Back then they had that style of training where rookies were burdened both mentally and physically.
Araki: That’s right. Something like the Showa* style. In any case, it was ridiculous! (laughs)
(*t/n: Showa is the historical period lasting from 1926 to 1986)
Matsui: I think that these days the editors don’t need to test them that much, since there are a lot of people who will draw without complaining or fighting. Even though it’s the same Weekly Jump, it really changes with the times.
Araki: Though I think the passion to bring interesting manga to the readers hasn’t changed.
Matsui: That’s right. I agree!
Matsui-sensei, you think that Jojo is the greatest masterpiece in history when it comes to drawing grotesque things. But what do you think is so greatly grotesque about Jojo?
Matsui: A lot of the grotesque things are in plain view, and it’s not as if these things can just be healed again. That’s impossible in other manga!
Araki: That’s why I got a lot of rejections. I couldn’t show erotica either. Even if I used stands to portray things, it was all rejected.
Matsui: I think they allowed a lot more than in other works though.
Araki: Well, there were many unprecedented things in Jojo, so the hurdle was pretty low. Still, there were a lot of topics that got rejected.
Matsui: Wow! I’m really curious!! But I’m sure they’re kind of embarrassing to say.
Araki: Yes (laughs).
Matsui: I think that even amongst all those other manga, Jojo is a particularly ambitious work. I’m really interested in the things you thought up that were too ambitious for your editor to understand. I wanted to see those things. It’s a real pity…… Ah, I also get the feeling that you’re alternating between drawing Jojo in a small and a large world setting. Were you aiming for that?
Araki: Maybe I was, yes. Thank you for noticing. When you’ve drawn a small world for a long time, don’t you feel like travelling? I’m just repeating that process.
Matsui: So Morioh, which also appears in Jojolion, is an example of that too?
Photo caption: In Sendai, which stood model for Morioh, there have been many collaborations, like celebrating Jojo's 25th anniversary with an exhibition last year.
Araki: Yes. I used my hometown of Sendai in Miyagi prefecture as a model for Morioh. I made it into a fictional place because I thought they might complain, but they were really happy I used it. I thought “The times sure have changed”.
Matsui: I was actually pretty surprised you drew such a familiar world for your manga.
Araki: Someone told me “I was surprised to see you do something Japanese”. Is it that surprising?
Matsui: Yes. Even when Morioh first appeared in part 4, it still had something foreign.
Araki: But in my personal life I don’t really get out of the neighbourhood I live in. Before I drew part 5 I went to Italy every year though. Recently I haven’t gone out of the country for anything non-work related.
Jojo is currently up to part 8, but what has been the main cause for you to continue for over 25 years?
Araki: It’s accidental. I didn’t plan for it to be like this, nor did I expect it. I don’t even know what will happen next year.
Last time you said you wanted to continue drawing until you were 60, but what part is Jojo up to by then?
Araki: I’m really not thinking about that! I’m just giving Jojolion my all right now. We’ll know when we get there, won’t we (laughs).
Matsui: That reminds me….. you like zombie movies and horror-type things don’t you?
Araki: I love all zombie movies, from the masterpieces to the absolutely terrible ones.
Matsui: I really don’t have a hobby, so I’d like to have one. I don’t really like gaming either. If I had to say anything, it’d probably just be eating good food.
Araki: You don’t watch horror movies?
Matsui: I watch some every now and then, but I can’t say I watch them all or anything. I’m the type of person who decides what to use from a small number of good and bad movies, rather than learn from watching a lot of them.
Araki: Ah, I see….. I thought you must be a horror movie fan too though.
Matsui: Well, it’s true that I love horror movies. Jojo is like horror movies in that at a glance, it seems to be in a genre that people would avoid, but is loved by everyone anyway and does really well.
Araki: You’re too kind. But it’s good to be perverse too! It’s fine to be perverse as long as you keep it limited. If you get serious about it no one will like you.
Matsui: Yes. If it doesn’t have some kind of charm about it, people won’t like it in the end. Even the most inhumane character should have some kind of charm point. In that sense, don’t you think zombies are super charming?
Araki: Exactly! Zombie movies are really great. I think there’s something wrong with people who say “I can’t watch zombie movies because they’re scary”, even though they haven’t watched any (laughs). But I’ll go on forever if we keep talking about zombie movies, so let’s end it here.
Everyone bursts out laughing.
Araki: We’d need 2 hours if we had this conversation, so let’s talk about zombie movies another time.
As long as the starting point is controversial, it’s fine to be moral afterwards. -Matsui
Photo caption: Korosensei has many tentacles. The gap between his striking appearance and his personality as a humorous, ideal teacher has been reflected in the story since its beginning.
Araki-sensei, I’d like to hear your thoughts on Assassination Classroom.
Araki: It deals with a pretty risky theme, so if it was handled wrong there’d be a lot of complaints. Within that theme you’ve managed to draw about things like school life and friendship, while still keeping morality in mind. It thought that was splendid.
Matsui: I always take great care in making sure no one will copy the actions in my work. For that reason I also needed to create a teacher that isn’t human. The students also use fake knives for their assassinations, so I’m really careful.
Araki: I see. But that edge is what makes it charming. The title, “Assassination Classroom”, is pretty controversial too.
Matsui: It’s just that though. I make the start controversial and then play it safe on the rest.
Araki: But having “assassination” as a theme is still pretty controversial.
Matsui: Thank you! That reminds me. In Jojo, people would slip in the bath and look up at the ceiling…...at which point the battle starts. I don’t think there’s anyone else but you who could turn such an every-day scene into a dramatic, tense battle.
Araki: That’s thanks to working for Weekly Jump all those years. You simply have to draw battles. That’s a very unique working culture, isn’t it? But it’s also a curse that’s quite hard to get rid of.
Matsui: It makes me want to see you draw something that isn’t about battles. What would it be like if you drew a genuine story manga?
Araki: Wouldn’t that be pretty boring? (laughs) In the end, I think battles are the foundation of manga. There’s a main character, a villain and friends. I think my themes are pretty conventional, such as “Good and Evil” or “Conflict”. But even if you make it romance or gags, isn’t everything a battle in the end? Whether you’re deciding to have curry or ramen for lunch; every choice you make is a form of battle.
Matsui: I see! I’m also pretty conscious of what kinds of characters would appeal to kids these days. The kids niche might change and all. Maybe I dealt with it the wrong way, but when I drew this pretty bad character getting beaten up, some people still disapproved of that, even though I got a lot of votes*.
(*t/n: The popularity of manga in WJ is decided by a system of voting through a survey card that is attached in the magazine every week. You pick your three favourite manga of that week and send it in.)
Araki: So you should have let them reconcile.
Matsui: No matter how bad the character is, if you just beat them up it’ll end up leaving a bad taste.
Araki: In Jojo they’re just beyond recovery though. When I think “I don’t need these guys anymore”.
Everyone bursts out laughing.
Matsui: “They put me through all that, so I can have my revenge”, right? I’m jealous that your unique worldview is so accepted by the readers.
I think Assassination Classroom’s story will progress rapidly from here on out, but will we be seeing any new characters?
Photo caption: The students keep developing through their time with Korosensei. The story will expand even further in the second semester!!
Matsui: I had a very solid structure for the first semester. Introducing the characters, introducing the world setting. By now I think everyone will remember the students’ names and faces, so I want to gradually expand the story through the second semester. I’m thinking I could show the kids using their assassination skills in the outside world a bit more.
We look forward to future developments! Finally, if you could give each other some words of encouragement, as well as a message to the Jump Live readers?
Matsui: I couldn’t say everything because I was so nervous, but since middle school, Jojo has been part of my youth. I can’t put it all in one word, but if I must say something it’s….. I love it!!
Araki: I don’t get many chances to meet artists from the new generation, so I was really glad to be able to do this. I’m honoured to have been asked for this and I’m grateful we were able to have such a deep conversation. This time it was a video and a discussion, but next time I’d like to draw manga too. Thank you for everything today.
Matsui: Aw, you’ve said everything already.
Everyone bursts out laughing.
Matsui: Assassination Classroom is contributing to Jump Live in various ways, like mini-games and special drawings. Korosensei has a pretty simple form, so it’s easy to make him appear in all sorts of things. I’d like to have him use that light footwork and appear in Jump Live again sometime, so please keep supporting us!
And just like that, this bizarre special discussion comes to an end! Look forward to Araki-sensei and Matsui-sensei’s further activities![26]
In February, Paris Manga had the honor of hosting Masahiko Komino, a veteran of the industry who's highly acclaimed for his various roles on the animated adaptations of Jojo's Bizarre Adventure, including lead Character Designer of Stardust Crusaders. We took advantage of his visit to Paris to meet with him for a fully dedicated Jojo interview!
Mashiko Komino, thank you very much for accepting this meeting! Can you tell us what brought you to work in animation?
Masahiko Komino: I've been interested in animation since I was very young, but it was only after a brief period abroad that I decided to join a school that specialized in animation.
Are there any artists or works that have influenced your choice of career?
In terms of manga, Ushio & Tora was a series that impacted me deeply, but anime-wise, Sailor Moon was the true turning point in my attraction to this medium. Particularly the first season and its animation, I think the staff managed to find a good balance between the different aspects of the work. It's thanks to Sailor Moon that I discovered that we could convey a lot of emotion through an anime.
Stardust Crusaders is the first anime where you hold the position of Character Designer. How did you go about approaching this first time endeavor?
To be honest, it really wasn't my first time. In fact, I was already given a shot at character design in the past without ever being credited, though Stardust Crusaders is the first series where my name is properly listed in the credits. My past experiences have given me a certain bias of the medium as I've been a long time fan of 80's-90's Shonen such as Dragon Ball, Hokuto no Ken and, of course, Jojo. The problem was that they had previously offered me the character designer role for other series, but I ended up declining them out of lack of interest. However, when I was asked to design the Stardust Crusader characters, you can imagine how thrilled I was since it brought me back to the type of shonen I love.
Although you were already on the staff of Jojo's first animated series, you were not the character designer. Why this change of position between the first anime and Stardust Crusaders?
In the original manga, Hirohiko Araki has a trait of constantly evolving with the times. Out of respect to his series, we felt that it was also necessary to signify these changes in the anime. That's why with each new animated season of Jojo, the character designer is switched out. (Spoiler for Battle Tendency) Regarding the reason that I was chosen for Stardust Crusader's design, the team had admitted to being fairly impressed with how I adapted Part 2, particularly the episode where Caesar died. From there, they wanted to see me push that experience forward.
Hirohiko Araki is one of those authors whose art is very personal and immediately identifiable. How did you handle recapturing it? What was most difficult?
Yes, its true that he has a very special design; Araki is one of those designers who really have their own style. But you know, I've read the manga since I was a kid, so I've constantly absorbed it throughout the years to a point where I find no real difficulty recapturing it. What has actually been difficult is the process. When you draw a manga, you are only responsible for yourself, whereas when you're character designer, you are responsible for a team of a dozen or even hundreds of people who are all waiting to see what they'll work on. The issue is finding a good balance between ease of animation (where the rest of the staff can work without difficulty) and keeping true to the characters. That is what is most difficult.
Which characters were harder to work with? Who was easiest? And who are your favorite characters?
The person I had the most problems with is Daniel J. D'Arby (D'Arby the Gambler). This is a man who is not really old or young, and finding the right balance to emphasize that age and animate it without distorting Araki's original design was very complicated. The easiest character was Jean-Pierre Polnareff because he was very simple to work with, even for action scenes. As for my favorite characters, the one who I prefer to draw is Jotaro, while my favorite short character was Anne as she was the one I related to most.
How was working with Hirohiko Araki?
I have never actually met Mr. Araki. Generally, I would send him my work every Thursday and then he'd make suggestions on modifications, though everything was usually accepted very quickly. I felt alot of confidence from him.
What would you say to a person who would be reluctant to watch Jojo?
Watch, and you'll understand. (Laughs)
JoJo's Bizarre Adventure: Diamond is Unbreakable is arriving this spring. Will you be a part of the staff?
For now, I still have things to wrap up with Stardust Crusaders. I have contacts for participating in Diamond is Unbreakable and I'd love to participate, but before that I'd like to finish what I have to do.
Character Designer, is it an experience that you'd like to repeat?
It's actually not one of the positions I prefer, because I like above all to live the characters, animate them and make them speak. The character design is obviously important, but I prefer positions where I can work on the animation.
Thanks to Mr. Masahiko Komino, his interpreter and manager Emmanuel Bochew, and Paris Manga for the reception.03/28/2016[27]
Savage Garden: Darren Stanley Hayes
Had you heard of this manga "JoJo's Bizarre Adventure" before? If yes, please tell us how you came to know of it.
I was aware that JoJo's was considered to be the coolest anime in Japan. I have many friends who love comics, anime and the show but I admit I had never watched it before! When the request came through, I did of course watch some episodes and I immediately knew the show was lovingly made and clearly adored by millions.
What did you think of your hit "I Want You" being chosen as the ending theme for the TV anime of "JoJo's Bizarre Adventure?"
I was very touched by the fact that the creator of the show had been fond of the song "I Want You" and 'Savage Garden'. When I confirmed the news on twitter, my timeline literally blew up and I was swamped with kind messages of support and welcome from the JoJo community. The last thing I wanted was for fans of the show to think the song didn't fit or wasn't appropriate. So to see the positive response, I felt very grateful.
The Part 4 episodes of "JoJo's Bizarre Adventure" (currently aired in Japan) are set in the year 1999, fairly close to the time "I Want You" first became an international hit. Can you share some memories from around that time?
1996 to 2002 was a roller coaster. In the music industry, this was a time of great excess. The entire Savage Garden period was part of a golden time in music where sales were thriving, music videos were high budget and extravagant and I loved very single minute of it. The fashion, the experimentation and the excitement of radio back then was so electric. I am proud to have been part of that period.
There's been an increased buzz for Savage Garden now that people are hearing "I Want You" on the broadcast of the latest "JoJo's Bizarre Adventure: Diamond is Unbreakable." What is your impression of the reaction from fans?
It's a privilege to reconnect with older fans and meet new fans who were just children when Savage Garden songs were on the radio. I'm meeting fans in their 20's who remember buying our music as their first album. Especially in Japan, the reaction to Savage Garden in the 90's was very special to me. I remember playing some incredible shows to the most gracious and enthusiastic audiences. I still remember my Japanese fans to this day.
The creator of the JoJo series has been a long time fan of Savage Garden and he is thrilled to have "I Want You" on his latest anime series. Any thoughts on the loyalty of your fans and it leading to your track being reintroduced in a brand-new anime project?
I'm just very appreciative that the music has occuppied a very special place in people's lives. I absolutely love the repackaged cover of the album featuring JoJo artwork - it's incredibly cool! Such an honor.
Please give us a message for our Japanese fans.
Thank you for remembering me, our band and our music. My time in Japan was amongst the most magical of my adventures in the music industry. I have fond memories of cheery blossoms, tiny Starbucks cups, incredibly thoughtful gifts, amazing food and an outpouring of love. I love Japan and our Japanese fans and I always will.[28]
(『アニメージュ』2016年11月号記事より)
「重ちーの後ろの億泰と間田は、一応セリフも決めて芝居させています。「お前また鳩とか殺すんじゃあねーぞ」「そんなことやらないよ!」みたいな(笑)。
3人の登下校も、密かに女の子好きな億泰は「可愛い子いないかな」、仗助と康一は「あのアイスクリーム屋で新作出たから買いに行こうぜ」くらいの感じです。」
「太陽のガジェットは、ジョナサンを象徴させています。
OP2でも本当はジョナサンを出したかったんですが、ダメと言われたので太陽にしてしまえばOKかなと(笑)。」
Other Notes:
ソエジマヤスフミさんの解説には、この他にも、OP2は『スターウォーズ/帝国の逆襲』みたいな気持ちで作っていたのに対し、OP3は『ジェダイの帰還』のような位置づけであるなど、ディ・モールト興味深い情報が「たっぷり!」語られている。また、今月号はページ後半の赤黒2色カラーページにも、仗助から辻彩、吉良吉影までの「キャラクター設定資料ファイル」が6ページに渡って掲載されているので、TVアニメ『ジョジョ』に興味のある方は雑誌の方でぜひチェックしよう。[29]
Ono’s first encounter with Jojo’s came in middle school, when Part 3 of the manga -- Stardust Crusaders -- was running. It wasn’t until he went off to college, however, that he realized just how powerful Jojo’s truly was.
“I had a lot of free time as a college student, and I ended up getting totally sucked into Jojo’s, to the point where I spent what little money I had on the whole series up that point. And then during the course of my going to school, as I read it over and over again, I realized everything I needed to live my life was in that comic.”
A big part of that realization was the rather adult nature of Jojo’s, which mixes horror and suspense elements in a bid to live up to the Bizarre part of its title, and, at least according to Ono, became even more satisfying when viewed through the eyes of an adult.
“As I started to understand the little subtleties and quirks of life, as I experienced doubt, confusion and frustration and accumulated life experience, I found more and more things in Jojo’s that resonated and stayed with me,” Ono said.
Ultimately, Jojo’s was part of the reason he decided to enter the world of broadcasting, and part of how he found success. Ono found himself frustrated with weak communication skills, unable to get others interested in what he had to offer professionally, and floundering in general. It was during this period of his life that he encountered Jojo’s again, discovered a love for radio, and met common friends who would shape the rest of his life.
“The people I work with, my closest friends and acquaintances who I see on a daily basis, are all huge Jojo’s fans. In a way, reading Jojo’s pointed the way forward during the time of my life when I most felt frustrated and unsure of what to do next.” An inspiring story, but how did he feel about getting the chance to play Jotaro Kujo, one of the most iconic characters in manga and anime history?
“Well, Jotaro’s a representative character of the series, and from the part that I think most people are aware of in general, so I felt a lot of pressure at first, followed by more pressure, culminating in… really, it was just all pressure.”
There were also a few questions asked about the audition process for the Jojo’s Bizarre Adventure: All Star Battle video game, which Ono also played Jotaro in. As is often the case in these kinds of situations, the audition process for the Stardust Crusaders TV series was completely separate from that of the game, and Ono found himself having to re-audition for Jotaro all the way from square one. It all ended up working out in the end, though.
“Jotaro is a character who’s cool and collected and on the verge of boiling over all at the same time. He takes those two contradictory elements and makes them work together at a high level,” Ono said. “He’s a guy who’s cool on the surface, but deep down inside he’s white-hot.”[30]
『ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース』
/ http://jojo-animation.com/
■ 生きていく中で自分に必要な要素が全てこの作品に入っている
―アニメ!アニメ!(以下、AA)
まず、ジョジョに初めて出会ったのはいつでしょうか?
―小野大輔さん(以下、小野)
小学生の時、第3部をやっていた辺りが最初の邂逅だったと思います。そのあとは大学へ入って上京してから、第5部を連載している辺りです。
大学時代なのでとにかく時間に余裕があるわけですよね。ドハマりして、なけなしのお金で全巻買いました(笑)。大学生活を送りながら「生きていく中で自分に必要な要素が全てこの作品に入っている」と思って何回も読み返してました。
―AA
小学校での出会いから、大学までは間が空くんですね。
―小野
小、中学生の時期は、サスペンス要素もホラー要素も入っている文字通り「奇妙な」作品、ジャンプの中でも大人びた作品だったのでハマるまでは行かなかったんです。大学時代にいろんな人生の機微がわかり始めて、自分がやっていることに疑問を抱いたり、道に迷ったり挫折したりと人生経験が多くなればなるほど、ジョジョから受けとるもの、響くものがどんどん増えていって。これはもしかしたらとんでもなくすばらしい作品を見逃していたのではないかと、やっとそこで気づいたんでしょうね。
―AA
その辺りで、ご自身に転機が訪れたということですか?
―小野
中学、高校時代は自分が将来何になりたいか、かっちり決めてる人はなかなかいないと思います。自分も「大学に行って放送のことを勉強して放送業界になんとなく関わりたい」っていうことしか決めていませんでした。
fd
―AA
日本大学芸術学部に進学されています。
―小野
そうです。ただ、入ってから「自分は人とのコミュニケーションが苦手だ」ということに気づいたんです。僕は放送学科・テレビ制作コースにいたのですが、テレビを作るとなるとものすごく多くのスタッフさんとコミュニケーションが必要だし、企画や演出ですとさらに多くの人に指示を出さないといけない。つまり自分に興味を持ってもらって、やりたいことを伝えないといけないんです。僕にはそれが全くできなかった。
テレビ制作に関する勉強もしてなかったし、ただ好きなだけで放送学科に入ったので、そこで挫折してしまって。そこで、ラジオ制作に行くんです。
ラジオは2人いれば番組作れちゃう。マンガやアニメ、そうしたサブカルチャーがすごく好きだったので、「これを仕事にしたいな」と思い始めたんです。ジョジョに触れたのはその時期なんですよ。
例えば、第3部のホイィール・オブ・フォーチュン(運命の車輪)戦のセリフ「『道』というものは自分で切り開くものだ」という言葉。すごく感銘を受けました。
―AA
刺さる言葉です。
―小野
実はその時の仲間は今でもすごく連絡を取ったりしますし、現場で会ったりもするんですよ。
アニメの制作スタッフさんにいたり、今ライターやってる友だちもいます。親友であり戦友である存在です。それは大学時代、道に迷っていた時の自分がジョジョに出会って変わったからこそだと思うんです。
―AA
ジョジョに導かれて、今の小野さんや友人たちがいるわけですね。
―小野
僕の周りの人、親友として今でも付き合う人ってみんなジョジョ好きで(笑)。コミュニケーションを人と取るということに挫折した時から、ジョジョという作品が人生の指針になる、ということがはじまっていた気がします。
―AA
そういった小野さん自身の人生の指針になるような大きな作品に、主人公として関われるということが決まった時のお気持ちというのはどういったものだったのでしょうか。
―小野
第3部はジョジョを代表するような、象徴的な部だと思います。一般的にも一番認知度が高いパートになっていると思うので、その主人公・空条承太郎を演じるというのは、最初はプレッシャー、さらにプレッシャー……本当にプレッシャーでした。
(C)荒木飛呂彦&LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社・ジョジョの奇妙な冒険SC製作委員会[31]
Naokatsu Tsuda, the creative director in charge of David Production's anime adaptation of JoJo's Bizarre Adventure, was a guest at the Anime Boston 2017 convention. The following is paraphrased from questions that he answered.[32]
Araki had approached them when they started Part 4 to ask them to add in the foreshadowing scenes with Kira. When he was writing the part, he didn’t know who the main villain would be, and if he had known, this is how he would have wanted it to have been.
Tsuda said the color schemes for the characters were based off the Medicos palettes because those are Araki approved. They wanted to add in those color changes because 1) no other anime does that and 2) he felt like everyone reading it had different visions of the colors and wanted to include that feeling in.
His favorite openings were the first one and Great Days, and he talked about how usually directors don’t get a say in the openings but he got to choose the style of music and the feel for the openings. He also mentioned he couldn’t legally say which songs he wished he could have used for the endings but he had a lot.
Usually, anime come out before games, so the voice actors from the anime carry over to the game. However, since All Star Battle was out before the anime, what they did was they allowed those voice actors to re-audition for their roles. Since game voices are recorded alone, and anime is recorded together in a group, they cast voice actors based on how well the teams meshed together, which was why some were chosen differently for the anime. They wanted to have a team that sounded good all together.
The first opening included all the JoJos because Tsuda wanted to promise the fans that he would animate them all. He really wants to do all the parts, and said it really helps to show the companies like Warner that the audience has an interest in them by doing things like writing in. He asks everyone to please send comments in to let them know more JoJo is wanted.
When asked which part he would be most excited to animate, Tsuda replied saying Part 8. He then facetiously asked how they knew Part 8 since it wasn’t officially translated.
---
There is another interview with Tsuda by AnimeHerald at Anime Boston.[33]
It would be difficult to overstate how profound of an effect “Jojo’s Bizarre Adventure” has had on Naokatsu Tsuda’s career. He had been a fan of the manga from Shonen Jump, which led directly to him getting the job directing the anime adaptation. David Production COO Koji Kajita asked Tsuda directly if he liked Jojo, and Tsuda responded “Yes.” Kajita wanted fans on the production team.
After being given the directing job, Tsuda needed to decide how the anime was going to look. Tsuda explained that the publisher provided feedback that they wanted to anime to stick very close to the manga. I’m not sure they anticipated just how close Tsuda was prepared to go.
Of course, the publisher may have had a good reason for wanting the anime to hem quite close to the manga:
“Jojo fans are very fanatical.” -Naokatsu Tsuda
He noted that his job is getting harder every year. The trick is making each season unique, and Tsuda himself noted that “the idea drawer is getting depleted.”
The discussion then moved into the difference between original works and adaptations. Tsuda commented on the subject, stating:
“Both are challenging, but original adaptations are much more difficult and rewarding.” -Naokatsu Tsuda
He explained his reasoning. With an original work, you need to generate a screenplay from scratch. Furthermore, with so little set in stone, directing is much harder.
I was curious if the growth of the American audience, via Crunchyroll, Amazon, and Netflix has affected his job. He responded:
“No change for me yet. We will start thinking about the future audiences for our next productions.” -Naokatsu Tsuda
He elaborated that he’s currently working on several different productions, some of original works, others of existing properties, but he wasn’t at liberty to give specifics.
He dropped a bombshell when I asked about how the industry has changed during his career. He noted that digitization had been the biggest change, but then followed:
“I feel we can do away with paper as soon as possible.” -Naokatsu Tsuda
He explained that the issue is geography. When working digitally, you can have many people working on the project from any location. I’ll come back to this in a second. I followed up, asking what he felt the greater limitation in production was: Money or time. He laughed and replied:
“Talent!” -Naokatsu Tsuda
He followed up, stating that it really depends on the position and the production. Sound directors and editors were very important areas to have quality staff. Character designers, in particular, had to fit the production. I guess that makes a lot of sense, given how much everything flows from the lead character’s design. Nailing Jojo and Dio helped propel the show into the stratosphere.
I was curious about the process for selecting what shows both he and his studio would work on. Tsuda explained that the label would send their producer out to pitch a show to Tsuda’s studio. Tsuda became a bit introspective here, and wondered if their studio might be at the point where they could do an entire production in-house. (I want to confirm that is what he meant as the translator may have struggled a bit here)
I asked him if he felt it was harder to move up in the industry today. He felt this was not the case:
“It is much easier today, with so many titles in production. Too many.” -Naokatsu Tsuda
I swear to Jojo that he said the next line exactly as you’re reading it:
“Each title eats a director.” -Naokatsu Tsuda
We moved on to the nuts and bolts of the job. He explained that he is almost never completely happy with his work. However, he has a responsibility to keep up with the schedule, so that keeps him moving forward. The most important thing are the storyboards. With those, he simply cannot move on until they get a passing mark. After that, he’ll strive to perfect them as time allows.
I was curious if he was worried about being typecast. He replied:
“I’m happy to be known as that ‘JoJo guy’, but it is not something I can rest on.” -Naokatsu Tsuda
He went on to share that he felt compelled to go work on original titles. He was concerned about stuck in one place, mentally.
“I was happy to work on Planetarian. I explored new things, grew, and took that growth back to JoJo.” -Naokatsu Tsuda
I asked him what recent works had impressed him. He replied that KonoSuba: God’s Blessing on this Wonderful World! was pretty much flawless, with nothing to complain about. Sword Art Online and Attack on Titan also impressed him, as did Erased.
He noted that he was impressed both with the Erased manga, as well as the anime. He knew they were going to have different endings, but the fact that they were both executed so well, and in such a short turnaround, that was something special. He followed with one more title:
“I liked Your Lie in April. It was good.”
I finished up by asking what he was reading these days. He said he was reading “Wave, Listen to Me”. Kind of a lucky break that it is something that is available in America, as that didn’t have to be the case.
After having some time to think about and digest everything Tsuda said, I’m wondering if the current production system is sustainable. Tsuda was clearly concerned about acquiring the proper talent for each production, and I wonder if that is going to become more difficult in the future. His push to go digital so that they can work with the best staff available, from anywhere in the world, is apt. He’s also concerned about burnout, with so many productions ongoing.
Special thanks to the Anime Boston staff, including translator Takayuki Karahasi. Thanks to Naokatsu Tsuda as well.
“
Interview with Hirohiko Araki on his choices for the 80's Western Music Hits Parade on MTV Japan. Translated by twitter user @macchalion.
GUNS N' ROSES --- Welcome to the jungle
ZZ TOPS --- Legs
DIRE STRAITS --- Money for nothing
MICHAEL JACKSON --- Thriller
UB40 --- Red red wine
BRUCE SPRINGSTEEN --- Dancing in the dark
U2 --- I still haven't found what I'm looking for
DONALD FAGEN --- New Frontier
THE STYLE COUNCIL --- Shout to the top
SADE --- Smooth Operator
PRINCE ---When doves cry
DAVID LEE ROTH ---California Girls
The 80's were an exciting period for a mangaka too. The stories that were coming out were gradually becoming stronger and deeper. This feeling that was floating around at that time could be perceived in both manga and music I think. From "Welcome to the Jungle" by Guns N' Roses, I really liked that while it's an overly long song it contains a lot of different ideas.
How the riff vertically enters the song "When Doves Cry" by Prince and how the melody feels like rain sticking to the ground gives me a really nice effect of 'solid' and sexy. I think the sound effects in 'JoJo's Bizarre Adventure' came from my desire to incorporate the strange voice that comes out from this song in a manga. For David Lee Roth's "California Girls," I adored the excitement and happy feeling it gave me. If you link the music and images it reflects, ZZ TOPS' "Legs" reminded me of something like the Pinup Girl style.
I consider these songs similar to an oil painting; I especially consider the way Norman Rockwell used to draw them to be quite erotic. His art used to appear in calendars, but it's popular now too. I think it would be nice to listen to these songs while watching those calendars.
[34]
”
◆STAFF & CAST COMMENT
左から、水橋 かおりさん、中原 麻衣さん、櫻井 孝宏さん、高木 渉さん
監督
加藤 敏幸
今回のOVAの見どころを教えてください。
「ジョジョの奇妙な冒険」でも屈指の人気キャラクターである、岸辺露伴のスピンオフ作品が初めて映像化されることになりました。いつもはスタンド使いを相手にしてますが、今回露伴が戦うのは人知を超えた存在です。それにいかに対応していくのか、TVシリーズとも違う独特の表現も含めて楽しんでいただきたいと思っています。
テレビアニメ本編でも露伴がメインになる回がありましたが、「岸辺露伴は動かない」をアニメ化するにあたって本編とは変えた点など、こだわりを教えてください。
まず背景美術の色合い、タッチがTVシリーズとも違っています。これはホラーテイストの原作を活かしたいと思って変更しました。現実の風景のすぐそばに奇妙な世界が潜んでいる。ちょっとしたきっかけでその世界に踏み込んでしまうかもしれない、そんな特徴をはっきりと表現したいと思い変えました。
今回のOVAではTVシリーズとはデザインを一新されています。石本さんが描かれた岸辺露伴を見た時の第一印象を教えてください。
「いい感じ!」という印象を受けました。原作は20年前の『懺悔室』が初出だと思いますが、現在まで続いている「ジョジョ」シリーズの中では息の長い作品です。ですからその中で露伴の描写がタイトルごとに少しずつ違っています。その中から今の「露伴」のイメージを表現してもらえてると思っています。
今回登場する泉京香、一究について、その魅力や演出の上で気を付けたところを教えてください。
泉はそのルックスおよび言動から見てかわいらしいキャラクターだと思っています。露伴に不遜な態度をとりつつも、きっちりと仕事へとつなげてしまうところがタダモノではない。うるさいだけの女性に見えないよう気を使いたいです。 一究は物語のバックボーンと直接つながっていることもあって、神秘的な要素、外見共に意識して演出しています。どこか福助のようなイメージと老獪な執事を思わせるような物腰。そこに注意して映像化したつもりです。
今回は脚本はなしで、監督自ら字コンテを書かれる形で制作がスタートしたとお聞きしました。そのような手法を取った理由は何かあるのでしょうか。
「字コンテ」で制作をスタートしましたが、イメージとしては「シナリオ」に近い感じと考えています。この作業を行うことによって、改めて原作の構成や筋の運び方などを客観的に捉えることができて、映像化する際にどういう部分を重視すればいいのか判断するのに役立ちました。
新たなOPもあります。凝った作りとなっていますが、どういうイメージで作られたのでしょうか。
今回は全巻購入特典映像という立ち位置だったのですが、ワーナーさんのご厚意によりOPのテーマ曲を作っていただけることになりました。イメージとしては、昔の『トワイライトゾーン』や『ツイン・ピークス』のようなどこか懐かしく、そして不安な気持ちになるような曲がいいと思っていました。本編の内容を想起させる素晴らしい曲を作っていただいたので、それに合うような大人っぽいイメージになっていると思います。
最後に「岸辺露伴は動かない」を楽しみにしているファンの皆様へひとことお願い致します。
BD・DVDを全巻購入していただきありがとうございます。今回は「動かない」シリーズの岸辺露伴として作成しました。キャラクターの顔や映像など、原作の雰囲気を活かしたつもりです。最後の方にサービスシーンも追加しました。露伴が繰り広げる新しい冒険をぜひ楽しんでください。
岸辺露伴 役
櫻井 孝宏
久しぶりの「ジョジョ」のアフレコでしたが、いかがでしたか。 再び岸辺露伴を演じての感想やアフレコ現場の様子など、お教えください。
周りの人にはわかりにくかったと思いますが、こっそりテンション高かったです! またジョジョできるのが嬉しくて興奮しました。 集中して一気に録り切ってしまったので、もっと味わいたかったですね。
今回は第4部のTVアニメとはキャラクターデザインの印象が少し異なっています。 演じられる上で意識したことはありますか。
その違いを味わえたのが一番の贅沢だったかもしれません。 「ダイヤモンドは砕けない」と「岸辺露伴は動かない」の間には長い年月の隔たりがありますが、それを一気に飛び越えてしまいました。 お芝居で変えた部分は一切ありません。同じ露伴です。
「富豪村」の見所を教えてください。
導入部分が好きなんです。 間違いなく何かが起きる気配が冒頭の露伴と泉京香のやりとりに立ち込めていて、そこが堪りません。ミステリっぽいドキドキを味わってください。
最後に「岸辺露伴は動かない」を楽しみにしているファンの皆様へひとことお願い致します。
皆さんの期待を裏切らない素晴らしいクオリティのアニメーションです。 岸辺露伴が皆さんをスリリングな世界へと案内してくれますよ。 ぜひ、見てください。
泉京香 役
中原 麻衣
「ジョジョ」のアフレコに参加しての感想をお教えください。
あまり前知識がないままアフレコに参加したので、ジョジョの独特な世界観や台詞回しは衝撃的でした。ただ、現場で諸先輩方にジョジョレクチャーをしていただきながらのアフレコはとても楽しかったです!
泉京香というキャラクターの魅力や演じる際に気を付けた点を教えてください。
無邪気で天然で、知らないからこその強さを持っているところが彼女の魅力だと思います。なので、演じるときはなるべく意図的にならないよう気を付けました。
「富豪村」の見所を教えてください。
登場人物がとにかく少ないので、それぞれのキャラクターがとても活きています。ベクトルの違った奇妙な人達の会話や世界観を楽しんでいただけたらと思います。
最後に「岸辺露伴は動かない」を楽しみにしているファンの皆様へひとことお願い致します。
観てくださるみなさま、スタッフさん、キャスト、全員が熱量のある作品だと感じました。ぜひ楽しんでください!
一究 役
水橋 かおり
「ジョジョ」のアフレコに参加しての感想をお教えください。
スタジオがちょっとしたジョジョ空間になっているようでおもしろかったです。 なんというか、良い意味で独特の緊張感がある現場だなと思いました。
一究というキャラクターの魅力や演じる際に気を付けた点を教えてください。
音響監督から「とにかく怪しいやつ」な雰囲気が出るようにやってみてくださいという指示がありましたのでそんな感じになるよう頑張ってみました。 こんな子供が本当にいたら怪しいです(笑)
「富豪村」の見所を教えてください。
見所はたくさんあるのですが、個人的に山奥の謎の村を取材するという設定が好きです。 推理小説みたいな導入が非常にワクワクします。
最後に「岸辺露伴は動かない」を楽しみにしているファンの皆様へひとことお願い致します。
本編とはまた違った、それでいて本編の世界観が垣間見えるような素敵な物語になっていると思います。 映像化を待っていた方にも、ここで初めて触れる方にも、楽しんでいただけたら幸いです。[35]
「みんな脱出すればいい(笑)」承太郎一行になりきって、運命を乗り越えろ!
ディレクターに聞く『ジョジョの奇妙な館からの脱出』の見どころ
- リアル脱出ゲーム #中国・四国 #九州 #北海道 #北陸 #東北 #東海 #関東 #関西
――2017年11月2日から、「リアル脱出ゲーム × ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース『ジョジョの奇妙な館からの脱出』」が全国で順次開催されます。まず、本公演の内容について、お教えください。
コンテンツ・ディレクター 鹿野康二(以下、鹿野)
『ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース』(以下、『ジョジョ』第3部)が舞台となっていて、宿敵DIOの館へ向かう旅の途中での主人公・承太郎一行の話になります。
承太郎たちは、DIOの館に着く前に訪れたホテルでスタンド使いから襲撃をされ、ホテルの中に閉じ込められてしまいます。
そこから1時間以内に脱出をしないと、スタンド能力によって消滅…つまり、死んでしまう、という設定です。
プレイヤーの方々は、それぞれ5人と1匹の承太郎一行になりきってもらい、その館から脱出する方法を探っていくという大掛かりなゲームになっています。
――『ジョジョ』第3部のキャラクターになりきって楽しむんですね。犬のスタンド使いで、ボストンテリアのイギーになる人は難しそうですね(笑)。
鹿野 イギーをやる方は、ちょっと苦戦するかもしれません(笑)。
――今回のコラボが実現した経緯は?
鹿野 集英社さんとは『ワンピース』や『キングダム』など、これまでもさまざまな作品でコラボをやらせていただきましたが、今年が『ジョジョ』30周年ということで実現に至りました。
お客さんへの「どんな公演をプレイしてみたいですか?」というアンケートで、「『ジョジョ』とコラボしてほしい」というのはいつもめちゃくちゃ多かったので、ついに来た……!という感じでした(笑)。
リアル脱出ゲームのファンと『ジョジョ』のファンは、重なる部分もあるのかもしれません。
――『ジョジョ』の魅力のひとつには頭脳戦や心理的駆け引きのバトルがあるので、リアル脱出ゲームファンが『ジョジョ』を好きなのも納得です。先立って今年の夏には、『ジョジョ』第4部とコラボした遊園地公演『ジョジョの奇妙な遊園地からの脱出』(以下、『遊園地からの脱出』)も開催されていますね。
鹿野 私は『遊園地からの脱出』でも、ディレクターを担当しました。
もともとSCRAPのコンテンツチームでライターをやっていて、ディレクターをやったことはなかったんです。
でも、『ジョジョ』が大好きなので。コラボが決まった時に、僕が社内で一番最初に「えっ!!」って反応したんです。
そうしたら、「よし、お前がディレクターをやれ」って。
やっぱり、「好きこそものの上手なれ」じゃないですけど、作品への愛を尊重するところがあるので。
企画としては『ジョジョの奇妙な館からの脱出』が先に挙がったんですが、
今年の夏に第4部が原作の実写映画『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』が公開されるということと、
毎年夏に遊園地公演をやっていることもあって、『遊園地からの脱出』が先に開催されることになりました。
――どの部も人気がある『ジョジョ』ですが、今回第3部を題材にした理由は?
鹿野 やっぱり、「『ジョジョ』といえばスタンド」というところがあると思います。スタンドが初登場したのが第3部なので、第3部をやりたかったんです。
ジョジョのポーズになりきりグッズ…あなたも承太郎になれる!
――それでは、『ジョジョの奇妙な館からの脱出』の注目ポイントをお教えください。
鹿野 リアル脱出ゲームの公演に、どうスタンド能力を落とし込むのか?というところは議論を重ねてきたので、ぜひ注目していただきたいです。
今回、シルバーチャリオッツだったら「レイピアで突く」という風に、それぞれスタンド特有のアイテムを使ったアクションを謎解きに組み込んでいます。『ジョジョ』はバトルマンガなので、実際に体を動かしてもらって、バトル感や自分がスタンドを使ってる感じを体験してもらいたいです。
思いっきり「シルバーチャリオッツ!!」とか「スター・プラチナ!!」とか叫べます(笑)。
――SCRAPさんの公演で、作品の既存キャラクターになりきるスタイルはちょっと珍しいですよね。
鹿野 少ないですね。『遊園地からの脱出』も、自分がオリジナルのスタンド使いになるって感じでした。
なので、みなさんにはキャラクターになりきってもらって、ゲーム中に『ジョジョ』の名言をいっぱい言ってもらえると楽しいと思います。
――『遊園地からの脱出』でも、“ジョジョのポーズ”をする場面もありましたね。
鹿野 チェックポイントで“ジョジョのポーズ”をして進む、という感じ。
謎を解くには無駄な部分なんですけど、僕は絶対に必要だと思っているんです。
アクションで体を動かしたり、名言を言い合ったりするようなことが意外に楽しかったりするので。
ほかにも、公演中には『ジョジョ』ファンならニヤッとしてしまう小ネタもちょこちょこ入れているので、楽しんでもらいたいですね。
――承太郎一行として、「To Be Continued」の矢印と一緒に“ジョジョのポーズ”を決めて写真を撮りたいですね(笑)。
鹿野 承太郎やジョセフといったジョースター一族の「星型の痣」タトゥーシールといったなりきりグッズもあるので、ぜひ(笑)。
――ちなみに、『遊園地からの脱出』と『館からの脱出』はどういったところに違いが?
鹿野 遊園地公演は実際にアトラクションに乗って謎を解くほか、次の目的地までの道のり自体が謎になっていたりと、かなり謎の質が違います。
また、遊園地などのオープンフィールド型と、ホール型のリアル脱出ゲームでは世界観の作り込みも違うと思います。
『遊園地からの脱出』はフォトスポットのアンジェロ岩など、『ジョジョ』第4部の舞台・杜王町の世界観にうまくハマったのが良かったです。
今回はエジプトのホテルという館が舞台になっているので、館の装飾や館に閉じ込められるという設定など、『ジョジョ』で大事な世界観をトータルで作り込むことができました。
あと、これは『ジョジョ』に限らずですが、ホール型は1時間の時間制限があるので、その緊張感も全然違うと思います。
荒木先生のコメントで活き活きとしたオリジナルキャラ
――『ジョジョの奇妙な館からの脱出』で注目したいポイントとして、公演オリジナルキャラクターであるスタンド使いのディジャ・メイカーの存在が明かされていますね。
鹿野 敵キャラのスタンド使いなんですけど、特に第3部の『ジョジョ』っぽさを意識してキャラクターを作っていきました。
外見もそうですが、身長や体重、性格だったり、好きな映画や好きな音楽、またDIOの手下でもあるので、DIOとの関係性など、いろいろな方向から考えましたね。
――なぜオリジナルキャラクターを登場させることに?
鹿野 承太郎一行になりきってもらった時に、敵キャラはどうしよう? ということになったんです。
最初はDIOを敵として考えたんですが、『ジョジョ』を読んだことがある人はDIOの能力や倒し方などを知っているので、謎を作りにくいというのがありました。
一方で、オリジナルキャラクターであれば、よりダイナミックな謎のアイディアも出てくるだろうということもあり、謎解きとの相性を考えてオリジナルキャラクターを設定しました。
最初、こちらでディジャ・メイカーの性格や生い立ちといった資料を作って、荒木飛呂彦先生に監修をお願いしたんですが、先生からは「もっと設定を作ってほしい」という風に伺いました。
というのも、最初は身長や体重のほか、性格も「一見、物腰柔らかで丁寧だが内面は陰険で狡猾」といったぐらいだったんです。
――現在公開されている公式サイトのキャラクター情報よりも、情報量がかなり少なかったんですね。
鹿野 ですので、そこから好きな映画や音楽だったり、公開はしていない裏設定なども考えていきました。
そうすると、自分の中でキャラクターのイメージがすごく湧いてきて、勝手に動きはじめてくれる感じがありました。
公演のストーリー展開やシナリオを作る際にも、「このキャラだったら、こういうことはしない」「こいつは、ここで多分逃げ出すだろう」というのが見えてきました。
オリジナルのキャラクターを作ったことに加えて、改めて原作を読み込んで、「『ジョジョ』だったら、どうなるだろうか?」という、『ジョジョ』っぽい展開も意識して考えることができたんです。
そして、「これは『ジョジョ』とは違うな」という部分は排除して、制作してきました。
――好きな音楽の理由が「聞き終わる頃には1時間経過しているため」という設定も面白いです。
鹿野 好きな音楽の設定を考える時に、きっとディジャは1時間どこかに潜んでいるから、音楽でもその1時間を測っていたら面白いね、という話になったんです。
その曲を聞き終えたら、1時間経過して敵を始末したことがわかる、っていう。
コンテンツチームは妄想癖のある人が多いので(笑)、みんなでわいわいブレストした中から良いアイディアを採用していきましたね。
――一方、キャラクターづくりで苦労された点は?
鹿野 外見ですかね。なるべく『ジョジョ』第3部に出てきてもおかしくない、クセの強い外見にしたかった。
例えば、原作ではすごく変な小さなメガネをかけたアレッシーや、目からシマシマの線が出ているダービーだったりと、クセの強い外見のキャラが登場してきます。
その雰囲気をデザイナーさんにイメージとして伝えるのは難しかったです。
ただ、それもいきなり外見から考えるんじゃなくて、こういうキャラクターだからヒゲを生やしているのかとか、メガネをかけているのか、っていう風に考えていきました。
デザイナーさんが設定からビジュアルのアイディアをすごく膨らませてくれて、「カギのイヤリングはどうか?」とか「ルービックキューブ模様の柄はどうか」といった意見を出してくれて。
そうやって一緒に作り出していった感じです。
厳しい運命を乗り越える体験を
――ほかに、公演全体を制作する上で苦労した点はありますか?
鹿野 『ジョジョ』の公演を作るとなった時に「ほかのコラボと何が違うのか?」ということを考えました。
その時に、『ジョジョ』の“すごい強い敵に工夫して勝つ”とか“運命を乗り越える”といった感じを出したいな、と思ったんです。
それこそ、荒木先生は原作の単行本などで「人間賛歌をうたっていきたい」、つまり『ジョジョ』は人間と勇気の素晴らしさを描いているということを書いているので、そういった部分が出せたらな、と。
なので、ぜひ「運命を乗り越えて、絶対勝つぞ」という気持ちで来ていただけると嬉しいですね。
あとは、SCRAPの社長・加藤もジョジョ好きなので、打ち合わせをしていても『ジョジョ』談義が止まらなくなっちゃうんですよ(笑)。
「あのシーンはヤバい!」とか、「一番良いシーンは…」とか話し出して、ブレストが進まなくなる、みたいなのは本当にありましたね。
――『ジョジョ』ファンなら、かなり楽しめそうな公演になりそうですね。
鹿野 実は、原作から考えると承太郎一行が全員揃うのって、DIOの館に乗り込む直前の数時間しかないので、世界観的には少しifの世界になってしまうんですけど、ファンの方には5人と1匹が揃った感じを楽しんでもらいたいですね。
――反対に『ジョジョ』をそんなに知らない、というリアル脱出ゲームファンの方も楽しめますか?
鹿野 もちろん楽しめると思います。
今回は先ほど言ったレイピアなど、紙ものを含めてアイテム数が多くなっています。
なので、ただひたすらパズルを解くというのではなく、アイテムを使って立体的に謎を解くという方向性で制作をしています。
そういったギミックが好きな方は楽しめると思います。
それこそ、『館からの脱出』を体験した後にでも、原作・アニメに触れてもらって『ジョジョ』を好きになってもらえるとすごく嬉しいです。
――原作を先に読むか、後に読むか。オススメはやはり読んできてもらえるといい、という感じですかね。
鹿野 ぜひ原作を読んで、名言を覚えてきてもらえると。
『ジョジョ』の名言を使うポイントもきっとあると思うので、「絶対に『やれやれだぜ』を使うぞ」といった気持ちで来てもらって、キャラになりきっていただけたら、楽しさは何倍にもなると思います。
それと、今特設サイトでは謎を解くとアブドゥルがタロット占いをしてくれる「アブドゥル占い」もやっているので、それをやって気持ちを高めていただいても面白いかな、と。
アブドゥルからのコメントもちゃんと『ジョジョ』の原作に合ったものになっていますよ。
――それでは最後に、公演を期待している読者へメッセージをお願いします。
鹿野 『ジョジョの奇妙な館からの脱出』に来てもらって、その一時間はキャラクターになりきって、思いっきりスタンド名を叫んでもらえたらな、と。
それで、みんなで運命を乗り越えてもらいたいです。
……もうみんな、脱出すればいいですよね(笑)。
まぁ、運命を乗り越えるのはそんなに簡単じゃないと思うので、脱出率はいつも通り厳しいんですけど(笑)。
リアル脱出ゲーム×ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース「ジョジョの奇妙な館からの脱出」[36]