Interview Archive

From JoJo's Bizarre Encyclopedia - JoJo Wiki
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For more thoughts from Araki, see the Author's Note or JoJonium Interview pages.

Untranslated

——それでは、何でも聞いて下さい。

エ「写真と同じ顔の人なんですね♡ お店に入ってきた時、すぐわかりました」

荒「ああ、そうですか(笑)」

——でもコミックスの写真は白黒でしょう?

荒「あれは白黒って決まってるんですよ。スーパー・コミックスの方はカラーなんですけど」

エ「生年月日などを…?」

荒「35年6月7日です。双子座です。B型です」

エ「マンガ家になったきっかけは?」

荒「80年の冬ぐらいに、ジャンプに持ちこんだんです。原稿を——『武装ポーカー』という、手塚賞準入選に入ったやつです」

——ああ、今回の特集に集まったハガキで、名前だけ知っているけど読んだことがなくて残念ってのが多かったですよ。

荒「西部劇です。異色の……」

ふ「今とずいぶん感じが違いますね」

荒「そうですね。ポーカーゲームみたいなのしてガンマンが戦うって話で……31枚でした。それでデビューしました。その後

は、短編を3本ぐらいのっけて、『魔少年ビーティー』に入りました」

——そのころのものは、じゃあ今は読めないわけですね。

荒「ああ、短編集は出ていません。もうあのへんのやつは、闇にほうむりたいんです(笑)」

一同「え〜っ!?」

エ「その前に、投稿とか同人誌は?」

荒「高校のころ、けっこう投稿してた」

ふ「どういった雑誌に?」

荒「やっぱりジャンプ。好きだったから……」

——そのころの少年ジャンプというと、どんな作品がありました?

荒「…『ドーベルマン刑事』とか…あと忘れた(笑)。マガジンだと『愛と誠』なんかね」

エ「影響を受けた人とかはいました?」

荒「梶原一騎さんの原作の」

一同「え〜っ(笑)え〜っ(笑)(笑)」

荒「え〜って…何で!?(笑)」

ふ「梶原一騎さんってマンガ描いてるんですか?」

——『愛と誠』の原作とかやってるでしょ。

ふ「あ、そうか」

小「え〜っ!?」

荒「えっ!? そんな世代なの〜っ!? 今、読んでもあれはおもしろい!」

——小見山さんも、何かありません?

小「『ビーティー』のトリックなんか、いつも自分でお考えになるんですか?」

荒「アレンジするのもあるし、自分で考えるのもあります」

——それではそろそろ、『バオー』のお話を……。ファンロードの読者に人気がある原因のひとつは、短い連載だったにもかかわらず、中途はんぱな打ち切りラストではなく、ジャンプの作品の中でも理想的な完結をむかえた作品であるかららしいんですが……。

荒「ああ、あれはラストだけは考えてたの。こういう終わり方にするんじゃないかなって……」

——終わりの方で、やっと“来訪者”って意味がわかるのも、いいですね。最初は、逃げてばかりなのになぜ“来訪者”なんだろうかと……。

荒「ボクもそう思った(笑)」

エ「あれ、続編とかは……?」

荒「作りたいですけどー……」

ふ「17歳のスミレちゃんが見たいで〜す♡ どういうイメージですか?」

荒「そうですね、あんまり活発じゃなくて女らしい人」

エ「スミレちゃんのモデルは?」

荒「現実には、いませんね」

ふ「理想のタイプとか……」

——そういえば、コミックスの2巻目の描きたしページのスミレは、ずいぶん感じが変わっていましたね。

荒「絵はね、なるべく変化させるようにこころがけてます。修行中と思ってますから」

ふ「絵の方で影響受けた方は?」

荒「白土三平……最初はね」

——『バオー』でもいましたね。爆弾投げた2人組なんて、爆弾の代わりに手裏剣にしたら忍者モノのノリですもんね。

荒「その通りです。(笑)『サスケ』とか好きでしたから」

エ「なぜ、スミレちゃんとかマユ毛が太いんですか?」

荒「太すぎますか?(笑)」

ふ「慣れるとかわいいんだけど、パッと初めて見た時は……」

エ「最初、飾りかと思った」

荒「60年代のメーキャップみたいのが好きなので、あのへんをちょこっとやってみた。(笑)ファッション・デザインの学校に 行っていたことがあるので」

ふ「ツリ目の人が好きだとか……」

荒「そう、ツリ目でね、くちびるはちょっと厚めがいいな。描いてはいませんけどね」

——ツリ目じゃないの、あのおばあちゃんぐらいですね。(笑)

小「バオーをどうして、寄生虫にしたんですか?」

ふ「あたしも聞きたかった! 気持ち悪〜いの!(笑)」

荒「あのへん、ちょっと不評だったかも……(笑)」

——でも、ホラー映画では、軍の機密とかなんとかでそういうのって、よくあるんですよ。

荒「リアリティーがあると思ったし……変身する理由がちゃちいと、迫力の面で違ってくると思うんですよ。こいつなら変身しかねないぞと、思わせるためには……」

エ「読んだ時、『サイボーグ009』みたいな感じがした♡」

——女の子の感想ですねえ。たしかに、自分のからだに秘密の力があって組織に追われる孤独なヒーローっていうのは、『009』、『ウルフガイ』、『キマイラ』なんかも、みんな共通の悲劇的な魅力を持ってますからね。そうそう、ここで読者の質問をちょっと……。“バオー”をとじこめた時に、ネペンテス液なんて入れずに水を入れてしまえば、バオーは眠ってしまったんじゃないんですか? というんですが……。

荒「それは、アシスタントからも指摘がありました。(笑)それはね、水を入れている間に、バオーだと扉をとかして脱出しちゃうわけ!」

一同「あっ、なるほどー!」

荒「霞の目は、ちゃんとそこまで考えていたわけ!」

——ボケてたんじゃなかったんですね。

ふ「生物とかはお好きだったんですか?得意科目だったとか……」

荒「そうかもしれません(笑)」

エ「じゃあ英語も? あれだけいろんなことばが出てくるから……」

荒「英語は——(笑)、あれは不得意だから、わざとむずかしくしてる」

ふ「○○フェノメノンとかいろいろ出てくるから、『試験に役立つマンガ』とか(笑)」

荒「あれ書いたら絶対に落ちます!」

エ「子供のころは、どんな子でした?やっぱりマンガ家にあこがれていましたか?」

荒「あんまりあこがれてなかったね。けっこう外で遊んでて、年上のガキ大将の後ろとかチョコチョコついて歩いてた」

——そういえば、同じ宮城の学校の後輩の人からもハガキ来てましたよ。

荒「あっ、ボク、宮城出身です。仙台です」

——寒さに強いそうですよ。

荒「寒さ強いです。夏は——仙台に逃げて帰ります」

エ「マンガ家になろうと思ったのは、いつごろですか?」

荒「デザイン学校入ってからかなあ。高校卒業してからデザイン学校入って、職がないんで、えらいとこに入った〜っと思って、マンガ家になろうと思って持ちこみをやった……」

エ「じゃあ、努力の人なんですね」

荒「努力というよりは……泣きつきです。(笑)お願いしまーすって……」

一同(笑)

ふ「やさしかったですか、編集さんは?」

荒「恐いです!(笑)」

小「でもホントに思ったわ、私。どうしてこんなお坊っちゃまみたいな人がマンガ家になったんだろうって(笑)」

——そうですか?

小「ジャンプでよく、新年号なんかで表紙で先生方の顔が出るでしょ。あれ見て、あーって思って……」

——そうそう、荒木先生は、バレンタインのチョコを、大きな箱に2つだか3つだか、ファンからもらうそうですよ。

一同「わ〜っ、すごい〜!」

荒「どうも、ありがとうございます」

小「キャラクターじゃなくて先生あてに? それはすごい!」

ふ「そういうチョコレートは、みんなどうしていますか?」

荒「全部、食べてます。返事もいくつか書いてます!」

——ああ、これもハガキでありましたけど、お正月にマンガ家やミュージシャンに年賀状を出したら、荒木先生からはお返事を、しかも早くもらえたって。

荒「(笑)ボクはマメです!」

——ファンは細かいとこ見てますね。

荒「週、1通か2通は返事を書いてんじゃないかな?」

——公認のファンクラブみたいなものはあるんですか?

荒「あります……あったかな?」

一同「ええ〜!?」

荒「いいよって、言ったかもしれないけど……」

ふ「『バオー』は、アニメ化の話とかないんですか?」

——う〜ん、ビデオアニメの話とかは耳にしますけど、はっきり決定したものはないですね。

荒「レコードの話は……」

——イメージ・レコードの話はあったんだけど、これは流れちゃいました。

荒「ありゃ残念でした」

エ「自分の作品のアニメ化なんてのは、見てみたいとか思いますか?」

荒「……見てみたいですね。うれしいとかいうのとはちょっと違うけど」

——声優さん、たいへんでしょうね(笑)。

ふ「実写版とかいうのは——はやりのスプラッタで……」

荒「ピキピキピキって(笑)」

ふ「でも気持ちわるそう(笑)」

小「そうしたら先生が主役だ!」

一同「あっ、似合いそ〜ッ!」

荒「やだよ(笑)」

——あっ、荒木先生は苦手なんですって。こう、バルバルってポーズとかとったりするの。

ふ「ポーズは、ほらJACとかスタントの人にやらせて、育朗の時だけ」

エ「ああいうの、海外で受けそう」

——台湾では『魔界訪客』ってコミックスになってますよ。

エ「そうじゃなくて、アメリカとか、もっとメジャーに……」

荒「ことばのギャップがなきゃいいんですけどね」

ふ「こういう英語は使わないとか言われたりして(笑)」

——それは恐い。よくアメリカとかの映画で変な日本語が使われるのといっしょですね。

荒「バオーとかビーティーってのも造ったことばですね。どーゆー名前にしようかと思って……発音で決めるんですね」

——じゃあ何かの略ではない?

荒「ぜんぜんない。ティーってのがいい響きするなあと思って、頭文字でいこうと思って——AT、BT、あっ、ビーティーでいこうと」

——それではそろそろおしまいですよ。早くジャンプで新連載が見れるように、みんなヨイショしましょーね!

一同「がんばって下さーい♡」 [1]

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コ はい。またまたコマル大王です。つぎに登場の荒木飛呂彦先生は、知る人ぞ知るゲーム通。

荒 と言っても、ファミコンじゃないけどね。

コ トランプとかボードゲームですか!?

荒 そう!! カードを使ったゲーム、たとえばポーカーなんか好きだね。それにバックギャモンやモノポリーも大好きだよ!!

コ なかなかしぶい趣味だと思います。カードゲームはどんなところが魅力なんですか!?

荒 それはもう、相手が人間であるというところだね。ゲームそのものの面白さよりも、対戦する相手との駆け引きが面白いんだ。同じゲームでも相手によって全然ちがうゲーム展開になるしね。

コ …ふむふむ。たしかにファミコンでは誰がやっても相手はコンピュータですからね。

荒 あいにくボクはファミコンって、ほとんどやったことがないんだ。でも友だちどうしで戦うゲームなんかもあるらしいね。対人間で、できるゲームならば、ボクも興味はあるよ!!

コ 荒木先生は、わりとファミコン反対!!の人かと思ってましたけど…。

荒 ハハハハッ!!そんなことはないよ。ボクのモットーは「クヨクヨ考えない。自由に生きよう!!」だからね。ファミコンだって自分が好きなら、やればいい!!時間の無駄だと思えば、やめればいいのさ!!

コ そうですね。それじゃ最後にジャンプ読者の皆さんに何か、ひと言!!

荒 『ジョジョ』の連載が始まって、はや2年。だけど新人のときの気持ちを忘れずにがんばりますっ!! [2]

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フレッシュ対談 荒木飛呂彦vs.酒見賢一 漫画も小説もプロレス流に描こうじゃないか

「後宮小説」「墨攻」等、新鮮な息吹あふれる作品を次々に発表する酒見氏と、 『週刊少年ジャンプ』誌に「ジョジョの奇妙な冒険」を連載中の荒木氏、 小説界と漫画界の気鋭が (物語) の魅力を熱論。 ふたりに相通ずるココロは・・・・・・常に全力投球!

●中国のことは全然知らない

荒木 恥ずかしながら酒見さんの作品は『墨攻』しか読んでいないんですけど、なにか私と共通点があるような気がするんです。感情のおもむくままに書きつづっていく人というのは、最初と最後であまり関係なかったりしますけど、酒見さんのは理論的に物事が進んでいきますよね。そういうところが似ているかなと。

酒見 論理的に書いてるつもりはないですけど、いわゆる歴史について書くわけだから、資料はちゃんと集めなきゃいけないということで。でも、緻密な計算なんてないんですよ、実は。

荒木 やはり、昔から中国のことを調べていたんですか。

酒見 いや、中国のことは全然知らないんです。つくって書いているから、ちょっと恥ずかしい。

荒木 そうなんですか。でも、漫画にもそういう人がいっぱいいますよ。拳法にしたって、うそばかり書いてますから。

酒見 でも、知らないのに書くというのはちょっと怖いですね。識者の指摘とか、中国に一年なり住んだ会社員とかに、こんなことないよとか言われたら、もうそれでアウトじゃないですか。今のところはないですけど、今後、ありそうですね。

荒木 といっても、ある程度は創作する歴史みたいなものもあるわけだから。

酒見 僕はみんなつくり物ですよ。だけど、全然存在しないような武器を書いたりしてはいけないし、実在の国を勝手に滅ぼしてもよくないし。その程度の制約があるだけですよ。

荒木 でも、歴史上の人物を出すときは、もういつ死んだのかわかっていますよね。そういう場合は、ちゃんとそこで死ななきゃいけない。

酒見 大丈夫、『墨攻』には歴史上の人物はほとんど出てこないから。

荒木 そうなんですか。いや、僕はてっきり漢字が出てくるともう、実際にいた人かと。

酒見 要するに、映画をつくるときに荒れ地を見つけて、そこにセットをつくってという感じなんです。城も自分で考えてつくったものですし。 荒木 ビッグコミックで漫画になっていますけど、あれは酒見さんの想像通りの絵になっているんですか。

酒見 というより、僕はあの頃の服装も全然知らないから、ああ、こんな服着ているのかとかね。

荒木 そうなんですか。(笑)

酒見 貴族の服なんかはわかるんですね、ちゃんと絵が残っているから。でも、庶民がどんな服を着ていたとか、何を食べていたかなんていうのは、全然わからないわけですよ。城にしても、あの頃の城壁は残っていないですから、難しい問題をいっぱいはらんでいるんでしょうね。

荒木 遺跡みたいのはあまりないんですか。

酒見 いっぱいあるんですけど、さすがにニ五〇〇年前となるとちょっと難しい。エジプトとかギリシャは石でつくってあるからちゃんと残っているけど、中国のは叩けば壊れるんですね。あれ、土を固めてつくっているらしいから。だから、そういう意味で、本当はあの小説はうそが書いてあるんですけど。

荒木 でも、全然うそだと思わなかったな。

酒見 だから、どうも中国物のエキスパー卜だと見られてしまいがちで。僕は嫌だ嫌だと言っているんですけど。SFも書いていますし、別に中国物にこだわって書いているわけじゃないんですよ。


●読者の想像をおもしろく裏切る

酒見 ジャンプで連載している『ジョジョの奇妙な冒険』でも格闘技が出てきますね。荒木さん自身、格闘技はけっこうやっているんですか。

荒木 全然やっていません。剣道をやっていたことはあるんですけど。

酒見 見る方も?

荒木 ないですね。テレビでやっている程度なら見るんですけど。それに、格闘技を書いているという感じはあまりないんです。酒見さんもそうだと思いますが、人間の駆け引きというんですか、その辺がおもしろいわけで。だから、プロレスとか、はっきり言って嫌いですね。

酒見 荒木さんはそうおっしゃるけど、実は、プロレスも同じなんですね。プロレスだと相手の外人なりなんなりの力を、十分引き出してからやっつけなきゃいけないというのがあるわけですよ。ようするに、未知の格闘家が襲来した場合、相手の持ち技を出さないうちに倒してはいけないわけです。向こうの強さを何回か観客およびレスラーに見せつけた後で倒すべきなんですね。漫画でも同じだと思うんです。はっきり言って、危険なやつだったらすぐ殺しちゃえばいいんだけど、やっぱり、相手の凄味を見せつけた後で一発逆転する。これは絶対に必要なことです。

荒木 一撃必殺だったら、ジャンプみたいな長い戦いはできない。(笑)

酒見 その辺で、前田日明がいた頃のUWFなんかは悩むわけですね。弱いやっだったら一分で倒せるんですよ、本当はね。でも、相手のすごい技を見せた後で、さらに倒さなければいけない。それが八百長だと言われている現状があるから悩むわけです。

荒木 それで分裂したりするんですね。

酒見 そういうことですよ。この前でも、ボクシンクのトーレバー・バービツクとUWFインターの高田延彦がやったとき、本当はバービックのパンチの凄さを存分に見せつけた上で倒すべきだったのに、高田はいきなりやっちゃったものだから、バービックは逃げちゃった。

荒木 それも戦いの方法だと。

酒見 バービックのパンチは三〇〇キロ以上のパンチというんだから、そんなもの受けたら終わりですから。その前にガンガンに蹴りまくった。格闘者としては正しいんですね。でも、プロレスでは間違いなんです。バービックの脅威を存分に見せつけてフラフラになってから逆転しなきゃいけないんです。だから、セメントはつまらない場合が多い。

荒木 セメントというと?

酒見 ガチンコとか言いますけど、真剣勝負のことです。プロレスとしてはちよっとまずいと思う。その意味では、漫画もそうだと思うんですよ。『ジョジョの奇妙な冒険』でも、肉を切らせて骨を断つという勝ち方が多いですよね。鏡の中でしか動けないやつとか、夢の中で襲ってくるスタンドとか、いろいろな相手が出てくるわけですけど、どうやって倒すのかと毎週楽しみです。

荒木 書く前に、一応、こんな感じかなというのはあるんですけど、書いていて、こうやって倒したらだめなんじゃないかとか思うんですね。

酒見 ふつう、漫画だとだいたい先が見えるんですけど、荒木さんのは先が見えない。どうやって倒すんだろうと。

荒木 そこが嫌いな人もいるんですけどね。

酒見 いや、これはすごいことですよ。読者の想像とか期待を裏切りつづけて、なおかつおもしろく裏切るというのが正しい姿と思いますね。

荒木 その意味で『墨攻』は感心しました。

酒見 僕も、そいつが凄いやつだというのを見せてから倒さなきゃいけないですから。


●毎週毎週、必死

荒木 さっき、酒見さんと似ていると言いましたけど、やっぱり心理戦なんですね。これがおもしろい。酒見さんの小説もみんなそうですね。そういうところが、ちょっと似ているなと思ったんです。

酒見 僕は、荒木さんのことは手塚賞をお取りになった『武装ポーカー』から知っているんです。あれに荒木さんの資質というのは出ていますね。ポーカーのトリックとか、やっぱりギャンブル好きでしょう。

荒木 まあ、大抵やります。私は、あまり負けないですよ。勝っているところでやめることができる男なんです。

酒見 外国でもやるんですか。

荒木 やりますね。エシプ卜でもグランカジノというのがあるんですが、一人で乗り込みましたから。

酒見 で、勝負は?

荒木 勝ちましたよ。お土産代は全部ギャンブルで取りましたから。

酒見 力ードゲームですか?

荒木 そうですね。あんまり時間がかかるのはだめですね。

酒見 やっぱり、ギャンブルでも機械相手じゃなくて、人間相手が好きでしよう。

荒木 そうですね。たとえばルーレットにしても、向こうのディーラーはプロフェッショナルだから、ちゃんと自分の好きな番号に入れられる腕があるんです。そういうプロを相手に、裏の裏の裏ぐらいから見ていくんですね。すごい心理戦なんですよ。

酒見 それでも、なかなか勝てない。

荒木 儲かるとやめないから。もうちょっとと思うんですね。でも、僕は勝っているところでやめられます。ギャンブルの楽しさは駆け引きですから。ぼくの漫画の面白さのひとつも心理戦にあると思っています。

酒見 その意味で、僕としては、実力者同士の戦いというのにすごく興味があるんです。でも、将棋とか碁の実力者というのは百手か二百手読みながら扇子をあおいでいるわけで、素人がその心理戦を描くというのはほとんど不可能ですよね。その点、相撲は一場所かけて実力者同士の戦いが見られる。だから人気があるわけですね。

荒木 プロレスはどうなんですか。

酒見 まあ、団体の思惑などがあって、卜ップ同士の戦いはまずないですけど、心理戦という面ではすごい。

荒木 奥深いんだなァ、プロレスは。

酒見 奥深すぎて、ほんと、八百長とか真剣とか言っている段階の人たちが可哀相だと僕は思いますよ。小説も漫画も一緒で、真剣漫画と八百長漫画があると思うんです。

荒木 そうですね。

酒見 相手の力を極限に引き出しておいてからかかっていく。相手の力を見せておかなきゃいけないわけですよ。荒木さんの漫画でもプロレス的に相手の技を読者に見せ切った上で、どうするんだろう、どうするんだろうと思わせておいて、ちゃんときっちり倒してしまうというのがいいんです。アイデアを出し惜しみしていない。

荒木 なにか、自分を試練に陥れるときがあるんですよ。最初はどうやって倒すかわからないまま、とにかく強くしちゃって追い込むんですね。

酒見 僕がそれをやると、助け方がわからなくなっちゃうので、あまりやらないんです。あまりに不利な状況で戦うというのは、やっぱり。その点、荒木さんはちゃんときっちり倒してしまう。そこがいいんですよ。つぎからつぎへとアイデアを出し惜しみしない。『ジョジョの奇妙な冒険』でも、もう十何人も倒してますけどみんなすごかった。

荒木 スタンドだけで三十通り近く考えているんですね。やっぱり、漫画ではその週のお楽しみがきちんとないとだめですから。どうしても話というのは山あり谷ありで流れていくけど、谷のところがずっと続いてしまうような話だと、ストーリーとしては必然性があっても、その週としてはおもしろくないですから。

酒見 その意味で、荒木さんのアイデア構成というのはすごいですね。アイデアのひとつに「波紋」がありますね。

荒木 肉体の限界みたいなものを追求して考えたことがあるんですよ。どこまで変身できるかとか。そしたら、赤外線で写したらオーラが写っていたとかね、科学的に「気」の研究がされているわけです。あと、宇宙からエネルギーが来ているとか、いろいろ不思議なことがある。こういうのは全部、ひとつ共通している何かがあるんじゃないかとか。そんなふうに発想していくんです。それで、読者にわかりやすいように、元気の「気」とか「波紋」だとか名前をつけるんですね。

酒見 「スタンド」もそうですか。

荒木 守護霊じゃちょっとあれだなあとか。それで、とにかく、枕元に立つからス夕ンドと名付けたんですね。でも、そろそろアィデアも使い切ったという。

酒見 いや、アイデアを先延ばしとかやっちゃだめだと思いますね。

荒木 ジャンプでそれをやったら生き残れない。毎週、その週の見せ場をつくらなきゃいけないわけですから。みんな、来週のことしかわからない。

酒見 小説よりも漫画の方の完成度が高いというのもそこに理由があるんでしょうね。

荒木 まあ、毎週毎週、必死であることは間違いありませんけど。


●ストーリーを追うだけなら簡単

酒見 漫画でいいのは、キャラク夕ーを立てるというのが一番だということですよ。持ち技とか個性をがんがん描いて、キャラク夕ーを立てられる。

荒木 確かに、キャラク夕ーが立たなければ、漫画は成立しません。読者にどうアピールするのか、毎週あたまを悩ますところです。キャラクターの魅力をひきだすために、どんなエピソードを描くのか、それが一番問題なんです。

酒見 小説は違うんですよ。キャラク夕ーを立てるより人間を書けというんです。

荒木 同じことじゃないんですか。

酒見 違うようです。要するに、突拍子もない人間を書いてはいけないんですよ、人間を書けといわれた場合。僕から見れば、ふざけるなということですけど、何か小説界というのはそういう仕組みになっているみたいでね。僕の世代になると、もうそんなのは関係なくて、はっきり言って、荒木さんのほうが上だと思っているんです。

荒木 そうでしょうかね。ただ、言えることは、漫画の世界ではつじつまをあわせただけのストーリーは通用しない。ストーリ—を追うだけなら簡単なんです。でも、キャラク夕ーにとって必要なエピソードを入れて、それでなおかつ、つじつまを合わせるとなると、これは難しい。毎週、作品があがると、頭の中はカラッポですね。

酒見 小説家のなかには、アイデアを出し惜しみして、このアイデアはこの短編にとっておこうとか、そういうケチくさい人がいるんですよ。僕は、今考えていることはすべて書くという方針だから、書き終わるとゼロになっちゃうんです。で、うまく浮かんでくるのをまた待っていなきゃならない。でも、そういうものなんじゃないですかね。要するに、推理小説だと一つの短編に一つのアイデアとか、プロなら当り前かもしれないけど、あざといことを考えたりする人が多いんですね。そんなことをせずに、三つ思いついたら三つ入れればいいじゃないかと、僕は思うんです。だから、まだ固まっていないんです。

荒木 僕も同じですよ。固まっていない。

酒見 僕はまだ二年ちょいですから。ポッと出ですね、まだ。

荒木 すごいですよ。『墨攻』を読んで、久しぶりに小説をおもしろいと思いましたもん。僕、思うんですけど、酒見さんの作品はイメージがはっきりしているから、漫画とか映画に向いているんじゃないですか。

酒見 絵にしやすいとは言われますね。でも『敦煌』ぐらいのお金をかけないと映画にならないでしょう。

荒木 『墨攻』を映画化したら『七人の侍』に匹敵するんじゃないかという感じがしましたけど。

酒見 僕は全然念頭になかったけど、よくそう言われますね。

荒木 かなり太い感じがあるし、ドーンという感じがあるし。元気な頃の黒澤明監督に撮ってもらいたいですね。

酒見 黒澤明監督にしても、同じ手法に絶対安住しませんよね。同じ映画は全然つくらない。そういう点が大好きですね。あのお年で、まだ新しいことをしたいのかというような、凄まじい人間だと思いますね。

荒木 日本の映画であれだけの映画作家というのは、その後、いませんよ。

酒見 もっとも、最近のはつまらない。でも、黒澤監督は、エン夕ーテイメントがわかった上で、ああいうわけのわからん実験的なこともやっているということで許せるわけです。若手のときから実験的なことばかりやって、妙に変な評価があるというのはちょっと気に入らないです。(笑) 荒木 エンターテイメントをしっかり押さえた上で、変なことをやってくれと言いたいですね。 [3]

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新感覚のロードゲームって感じだね!

本を読み返しているような雰囲気でした

 最初、取説読まないで始めちゃったんで、操作がわかんなくて、戸惑いがありましたね。(笑)精神レベルがあるとか、セリフで戦うのがあるんだ、というのはあとでわかりました。

 いろいろわかってきたら、今度は自分で作戦をたてられるようになってくるんですよ。覚えてくるとおもしろいですよ。知的な感じがするんですよね。

 作った人が原作をかなり読み込んでいるみたいですね。僕が、あ、忘れてたってセリフがけっこう出てきたりして。(笑)ゲームをやりながら、本を読み返しているような感じがありましたねー。

 承太郎や花京院が「オラオラオラ!」って攻撃するときに、最後の一発がアップで来るのがいいんですよ。(笑)拳だけ。あれは、やっつけた感じがしますね。

 花京院のエメラルドスプラッシュのグラフィックはきれいですよ。フワーッと出てくるやつ。これが出ると嬉しいんですよね。その場面だけ、もうちょっと画面を大きくしてほしいなと思ったりして。ドーンと画面の上半分使えませんかねー。(笑)

この夏に発売予定の『ジョジョ』のビデオアニメをただいま監修中!とても出来がいいので、ぜひ見て下さいね!

荒木先生の仕事場は、世田谷区の住宅街にある高級マンション!

「敵にセリフで攻撃するとき”言葉を無視した”って出るのがおかしかったですね。(笑)

「キャラクターがそっくりですよね。主人公だけじゃなく、せこいキャラクターまでが似ていてびっくりしたな」

●お気に入りスタンド使い

 (味方)空条承太郎 星の白金 (敵)いちおう全部

●好きな台詞

 自分で書いたものですから、もちらん全部ですね(笑)

●一言コメント

 ポルナレフの登場シーンは笑えました。これからゲームを始める人は注目!


体験レポートは荒木先生の他に、OVAの監督である北久保弘之、ゲームプロデューサーの林広幸、あと何故かボンビーこと榎本39歳のありました。 [4]

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第3部の小説が掲載された「ジャンプノベル」(1993年4月1日号)での対談。 noveloken_00 この号はジョジョ特集号で、小説以外にも折込ポスターや、ジョースター家四代の歴史(年表)、空条承太郎大激闘MAP(第三部冒険地図)等が載っていました。その辺の紹介についてはまた別の機会に。

お相手は音石・・・ではなく大槻ケンヂ氏です。 (※時期的には音石明が登場する直前)


オーケン&飛呂彦の奇妙な世界 THE SHOCKING BIZARRE TALK【大槻ケンヂVS荒木飛呂彦】 仄かに広がる燭台の灯の中、二人の特異な才能を持つ者が出会った――。 一人は荒木飛呂彦、そしてもう一人は大槻ケンヂ。ショッキング・ビザール・トークが今始まる・・・。

ホラーっていうのは知性に訴える部分とハートに訴える部分と両方あるから僕、好きなんです。

オカルトやホラー、例えば幽霊なんかでも僕、信じてないんですよ。でも、好きでしょうがない。

大槻 実は僕は「ジョジョ」を読んで一番思った事はあれなんですよ。何かウオ~ッとやる気になるなという。俺もやらねば~。何かやらねば~みたいな。僕はミュージシャンというか、バンドをやっているんですけども、実は本も書いているんです。で、ある雑誌に書くんで、集中しなくちゃならんと思って、4日間位マンションにこもって執筆してたんですけど、もう~・・・!僕ね、バンドをやったり、映画に出たり、テレビに出たりとか色々やっているんですけど、バンドが一番楽。もう「物語」を作るというのは辛いですね。

荒木 でもね、その壁なんですよ。辛い、っていう壁を越えると楽しいんですよね。

大槻 それでその時にちょうど「ジョジョ」を読みまして、う~むと。

荒木 でもね、私もほんと、曲からとかいっぱいヒントを得たりしますよ。

大槻 僕思ったんですけど、ディオって言うのはロニー・ジェイムス・ディオで、ジョジョは『ゲットバック』に出てくるジョジョですよね。

荒木 そうです。いっぱいいますよ、もう。何かね、ロックとこういうホラー的なものっていうのは、子供の時からビビッと来まして。僕は70年代位から聞き始めたんですけど。昔はジャケットってその曲のアーティストを撮ってたんですよね。ところが、70年代に入ってから急に悪魔的なものをジャケットに押し出すんですよ。マーク・ボランとか、キング・クリムゾンとかね。タイトルも「地獄のハイウェイ」とか「悪魔の頭脳選択」とか、そういうのがあって、何でか知らないけど、本能的にバシバシッってきちゃって。音楽よりもジャケットで買ったと言う方がいいんじゃないかという。

大槻 僕もそうですね。ジャケットで買ってました。

荒木 ワルの魅力というか、悪魔の魅力みたいなね。そういうのが、僕、きましたね。

大槻 「ジョジョ」では、どっちに肩入れしてかいているっていうのはありますか? やっぱ悪の側?

荒木 いや、一応全員に思い入れして書くんですけど、悪の方が楽しい時もありますね。何か自分が変態みたいに思われると困るんですけども、異常性とかを追求したりするんですよ、殺人鬼とか。

大槻 ああ。前の方に切り裂きジャックも出ていますよね。

荒木 ええ、出てきましたけど・・・。もうちょっと現代サイコホラー的な、ああいう異常心理を書きたいんですよ。

大槻 そういえば、去年、これは僕はきたな~って言う凄い事件が、ありまして・・・。今時、祈祷師が、悪霊がついたとかいう人をお払いだとか言って、ポカポカ叩いて、殺しちゃった事件なんですよ。

荒木 知ってます。きてますよね。

大槻 こういうのが僕、好きなんですよね。幽霊とかオカルトとか、そういうものを僕、信じていないんですよ。もうほとんど信じていないんだけど好きでしょうがない。

荒木 一応、「ジョジョ」なんかではオカルトどっぷりではなく、境目みたいな所にいるように心がけてて、完璧にあっちの世界にはいかないようにしてるんですけどね。たとえば、あのドアの向こうに誰がいるのかなとか、そういう怖さを追求するような所ですよ。

大槻 あのドアの後ろですか?

荒木 そう。窓からカーテンがチラッと動いたりすると怖いじゃないですか、ああいう感じですね。

大槻 いかりや長介がいる。(笑) たとえば、僕がそこに何があるんだと思ってバーンと開けたら、長さんがいて「ウオ~」とか。(一同大笑) 荒木 でも、そういう意外性って、「物語」を作る上で必要ですよね。

「物語」は行きあたりばったりに考えてます。描く感じはライブ的とか日記的なんですよ。

乗ってきたらあの「無駄無駄無駄」とか喋りながら書いてません?

大槻 僕は宇宙人とか信じていなかったんですが、ある時、南山宏先生の本を読んでガ~ン、ときましてね。それ以来、僕、UFOオタクなんですよ。

荒木 あの写真ビックリしたなあ。火星表面のピラミッドの写真。

大槻 ああ、あれね。でも、あれ、笑っちゃいますよ。

荒木 トリックなんですか?

大槻 トリックというか、心霊写真といっしょで、何かこうクニャクニャした岩がただ顔に見えるっていうのがあるじゃないですか。Kさんていう自称科学ジャーナリストがいるんですけど、その人が、実は月はUFOの秘密基地だったと言って、月の写真をいっぱい出して、クレーターとかの上から字をなぞって、ここにUFOが何機置いてあるとか、ここに秘密基地があるとか、絵にかくんです。そういわれりゃそう見えなくもないけど、岩の写真とか、遠くからのしかもよくわかんない写真で、ここに人の顔があるかなあと思えばそう思えちゃうじゃないですか。そういう感じですよ、あれって。

荒木 やばいですよね。

大槻 そういうパラノイア的なというか、集中しまくっちゃって、その世界に完全に入っちゃって、何かもう逸脱しちゃってると言うのかな、そういう人っているじゃないですか。特に作家の方って。だから、実は僕はお会いするまでは荒木さんもそういう方だったらどうしようかと、ちょっと怖かったんですけども。

荒木 ご期待に添えませんで。(笑)

大槻 いえいえ。いやあ、安心しました。何か、いきなり「けさもディオが来てね」とか言い出されたりしたらどうしようかと。でも、あるじゃないですか。例えば、前にアニメ化もされた『幻○○○』を書かれたHさん。あの方もどんどん、うお~っていっちゃう人で、すごいんですよ。

荒木 実際の人がですか。

大槻 Hさんは「ウ○○ガイ」って作品を書いてらっしゃって、僕も大好きなんですけど、その作品の主人公がどこかで実在するような気がずっとしてたんだそうですよ。で、何とある日、家にその主人公だと名乗る人間が来ちゃったんですって。とても犬○○とは思えない普通のおじさんだったらしいんですけど。それでHさんは、最初はこいつはただのパラノイアだろうと思って、でも怖いから話してたんですって・・・。でも、Hさんは話してるうちにこいつは本物だと思っちゃったんですね。それで恐るべき事に、ある雑誌で編集者立会いの下、対談してるんです。(笑)

荒木 じゃ、今まではその・・・テレパシーみたいなものをその人から受けて書いていたと。

大槻 そう。それで僕、その話をUFO研究家の知人に話したんですよ。そしたら、そのSさんていう方が、「いや、僕も実はHさんのブレーンとして超能力とかの資料集めをしていたんだよ」とか言い出しまして、「だから、僕もその犬○○さんに会いましたよ。見て下さい。サインをもらったんですよ」と。(笑)見せてもらったら確かに『犬○○』とサインに書いてあるんですよ。どうします? ある日荒木さんのお宅にジョジョが訪ねてきたら!

荒木 今の話、すごいリアリティがありますね。

大槻 荒木さん、それはあともうちょっとですよ。ジョジョが訪ねてくるまで。

荒木 でも、犬○○は僕も好きだから、実際にいるような感じはしますよね。

大槻 そういうふうになってきちゃうんでしょうね。あと、凄いのが・・・。

[ここからは余りにも過激なため、掲載できません。あしからず。]

大槻 でも、僕も何年か「物語」を作って数年後に終わらせた時に主人公が訪ねてきたとか言う人になってるかも知れないですね。

荒木 でも、私の所にも、どうして波紋って知ってるんですかと言う人が来ますよ。私がやっているんだって。

大槻 ほ~ら。あと数年後、ジョジョが訪ねてきますよ。

荒木 その時は紹介しますよ。

大槻 「ジョジョ」はアニメ化というのは?

荒木 今やってます。

大槻 もう始まってるんですか?

荒木 ビデオです。けど、このシナリオの出来がいいんですよ。何か僕自身が書いた訳じゃないんだけど、自分が書いたような・・・。

大槻 あ、それは見てみよう。

荒木 面白いですよ。ガンガン来る話になってて。

大槻 声の印象とかはどうですか?

荒木 そういうのは全然気にしないです。男が女の声してたらちょっとあれですけど。

大槻 それはまずいですよね。

荒木 あと、ジョジョが「ルパン三世」の声してるとか、「サザエさん」の声してるとか。

大槻 でも、それ、いいなあ。すごくいいなあ。ディオがマスオさんのあの声で「無駄無駄無駄ーッ」とか。

荒木 「ドラえもん」の声とか・・・。

大槻 でも、そういう意外なキャスティングというのも・・・。

荒木 いいけど、それはカルト作品になっちゃうよ。

大槻 例えば「サザエさん」で波平の声が「ルパン三世」の声だったりする訳ですよ。それは見てみたいなあ。

荒木 あとものまねの人にやってもらうとかもいいですね。

大槻 あっ、すごい似てる人がいるんですよ。広川太一郎のまねをする人で。ほんと、例えば、ルパンの声が広川太一郎だったりしたら。それこそがまさに日常の中の異常ですよ。何よりも。例えば、ある日テレビをつけたら、ルパン三世の声が全然違う!

荒木 いいですねぇ。

大槻 星一徹の声だったりしたら気絶しますよ、一億人がテレビの前で。

荒木 電話が殺到するでしょうねぇ。

大槻 サザエさんの大山のぶ代も見たいな。僕もいつかそういう「物語」を書きたいなあと思っているんですけどね。

荒木 書けると思いますよ。

―では、最後にお二人から読者へのコメントを・・・。

大槻 4月に「UFOと恋人」というアルバムが出るんですよ。まあひとつよければ買っていただけたら・・・。そして僕は真剣に、あと十年二十年かかってもいいから「物語」を作りたいと。でもやっぱり小説か映画とかいう手段になるんだろうなあ。

荒木 そうですね。月並みですけど、頑張りますかな。「ジョジョ」もアニメの他にもファミコンや小説になってますけど、そのどれにも本家のマンガが負けないように書いていくつもりです。 ―本日はどうもありがとうございました。 (渋谷『タントラ』にて)

荒木先生からのビザールトーク後記!! 「マンガ家にしては普通の人すネ」とそーいーあんただってロッカーのくせにまじめな人のくせに 対談は一種の闘いだなと思った

読者プレゼントはイラスト入りサイン色紙! [5]

Part 4's Theme:

Why did I decide to set Part 4's story in 1999, the near future? (Note: JoJo 6251 was released in 1993.) Well, it's suppose to continue after Part 3, and I figured "1999" could add some type of "turn of the century" feel to it. I was also originally thinking of depicting a world after death, but didn't think anybody could relate to it.
One of the themes of Part 4 is "describing the city, creates the city." In part 3, I came up with the idea of using a neighborhood middle aged woman selling cigarettes who attacks Jotaro and his friends. The problem was that Part 3 was a worldwide trip, so while Jotaro had to move on from the suburban setting, I couldn't. I thought, if the adventure were to happen in just one city, I could take advantage of the concept of several people you'd meet around town suddenly threatening you and lurking about. I thought, maybe I could set a hospital as a battle stage, or involve someone like a mayor in the story. I figured this would enable me to take anything people are familiar with in everyday life and do something creative with it.

Names:
As you already know, most of my character's names are named after foreign musicians. Why do I do this? Well, it makes it easy for me to name characters and easy for readers to remember them. Yep, that's it (laugh), I don't bother coming up with original names. What's worse is that the names I give can sometimes cause confusion; "Kakyoin" for example, is the name of a place that exists in Sendai, my hometown. Part 4's another story though, as I had to come up with so many Japanese names. That was tough! From the very beginning, I had already decided on the name Josuke (Also read as JoJo), but deciding the family name gave me a hard time. (東方 Jojo of the east side) By the way, for Kujo, I looked into the dictionary and found ku meant sky and figured that sounded nice. For Okuyasu Nijimura, I used Niji which meant rainbow and chose "Nijimura" specifically cause it had a nicer ring to it than Nijioka or Nijiki. (Note: mura 村 means village, oku 億 means one hundred million. His big bro, Keicho's cho 兆 means trillion) I combine my favorite kanjis with sound taken into consideration, whether it it's easier to say or not. Though I'm having trouble thinking of any other JoJo puns, so I were to start Part 5, I'd probably have a hard time. (The result ended up having every character named after Italian food.)

Jotaro's School Outfit:
I decided Jotaro must be in a school uniform due to influence from "Babiru the second," a famous manga of a boy in a gakuran having an adventure in a desert. I've always thought how cool it was to have an adventure in a school uniform. This idea boggled me. It permeated a sense of "a man's spirit of romantic adventure," and "beauty" that could only be found from a boy having an adventure in a school uniform in a desert.

Wanting a sequel to previous works.:
People sometimes ask, "Why don't you draw sequels to Baoh or BT? Well, they're already done in my mind. Similarly, I always get letters asking me to revive Kakyoin, or bring back Polnareff for Part 5. I don't think I will though, since characters with similar natures are already present in Part 4. (Note: He did end up bringing back Polnareff, though in another interview he mentions adding him in was a last minute choice.) Even though I say this, you'll likely ask, "then why did Jotaro and Joseph show up in Part 4, weren't they done too?" Well, they have the advantage of being related to Josuke. Bloodline is important. Really, I don't have anything lingering whatsoever for Part 1-3, my previous works. Although, I'm more of a "forgetting" than "moving-on" type of person (laugh). My works resemble a diary in that I don't put too much thought into what I had previously written, but more so into drawing what I'm feeling NOW. Now is what matters most.

ゴゴゴ:
You encounter ゴゴゴ alot in my works. This sound effect is kinda the "groove, "tempo", or "rhythm" I feel when drawing. The atmosphere of the scene is what decides when I put this sfx. Like when I'm drawing a scene where a "DOOON" (ドーン!) appears, here comes ゴゴゴ to add a more ominous, something-is-happening touch! For Dio's MUDAMUDAMUDA, I add it to give feeling to his shouting. My way of adding SFX's and choosing lines is similar to making music in a way.

How Araki works on Weekly JoJo:
First, I draw the "name" on report paper, which takes about 12 hours. (Name is Japanese, it refers to the draft storyboard.) Then I have a meeting with my editor, and after I begin drawing more elaborate sketches and eventually inking. I never start on the next page until I completely finish the one I'm working on; I work strictly on a one-page-basis. This system allows for my assistants to work on each page more efficiently. I finish the names and begin dividing them into frames on Sunday. Work begins on Monday, where we work from 11 in the morning to 12, though we do take a siesta for lunch from 3 to 4. On Tuesday and Wednesday we work as we do on Monday, and I make sure it's all finished by 6pm on Wednesday. For the rest of the time on Wednesday, I deal with determining the plot for the next chapter. On Friday and Saturday, I sit back and relax, draw illustrations, go somewhere to interview people, look for ideas or info for my works. I'm not really good at research though (laugh), or talking to people I first meet. I remember my stomach being filled with butterflies when I tried talking to the people who take care of the animals at the zoo. Either way, I'm quite strict when it comes to my schedule, and I deal with my work quite squarely. Otherwise, if we get too lazy, we never actually get any work done. During daytime, I have to give instructions to my assistants, which often stops our work, so ironically the time when I get the most work done is when my assistants go home.

At times I'm on a roll when it comes to coming up with ideas, and other times, it's hard for me to come up with anything. So whenever I am on a roll, when the ideas start cascading, I take advantage of that moment to try to write down everything for later use. I've never experienced a "slump" (the time a mangaka cannot draw anything, and gets nowhere), but there are times where I don't FEEL like doing anything. Everyone feels like that at some point, right? I always have so much work that if you ask me it it's tough, I'd say it very much is.

Characters:
If you ask me who my favorite is, It'd definitely be Josuke. Definitely Josuke...and Jotaro, and Dio, N'Doul, D'Arby. I love characters that have their own aesthetics. Characters I hate are ones I really tried to make look disgusting, unpleasent e.g Vanilla Ice. I gradually felt sick while drawing them.

Which type of character is easier for me to draw, good guys or bad guys? I can't say which is easier, because good/bad are like heads and tails, they're two sides of a coin and there is a really fine line between the two. Good characters tend to be bound by rules, but it's fun to work with them because at a certain times they begin to have a weird eccentricity. Depicting good characters is fun, but I guess depicting bad ones can be more fun since I can make them do anything (illegal) or destroy everything.

My Childhood:
I began drawing by imitating Shirato Sanpei's "Watari" or Chiba Tetsuya's "Harisu no Kaze" when I was 5 or 6. It seems so long ago, back when you could watch "Ultraman" on TV. I also made original stories, like muscle men fighting villains. I loved period plays (Stories that take place in Feudal Japan). There were so many manga titles I loved back then...sports comics, ghost related, I even bought the very first issue of Jump! Among all those mangakas, the one who moved me most is Yokoyama Mitsuteru (Babiru the second). I read his comics until they were worn out.

I was quite a normal child, but I was much more cool-headed than others. I was like that kid calmly looking at others raising hell. My hobbies were manga or movies. I didn't show any interest toward plastic models or radio-controlled model cars. I was such a pushover for "Spaghetti Western movies" and "Clint Eastwood." My dad loved them too.

I commented "My parents don't understand my manga" on the cover of a comic before. They still don't understand, which is puzzling to me because I draw manga with respect to Eastwood, whom my Dad loves. Why the heck can't they get to like my work? What is at the very core of my works is same as Eastwood's. Maybe the JoJo anime will help them get interested.

Other than Eastwood's, I loved the Godzilla series, or panic-filled movies. I couldn't see movies so often with the small amount of allowance I had, though.

Sports? I practiced Kendo. Group sports such as basketball or soccer were not my thing. I joined the baseball team once, but when I failed to catch, pitch or hit, everyone stared at me. I didn't like that part of group sports. Like it's ok for me run alone, but I could not do relay races; I didn't want the responsibility. I couldn't work as a team. (laugh) What I did I love was magic tricks and playing cards, I even bought a How-to book and practiced them.

I've always loved Rock 'N Roll. From the late 1960's I began to listen to "Chicago," and "Led Zeppelin." In the 80's, "Prince," which is actually what I was listening to when I was drawing the cover for JoJo 6251. Foreign music with an ancient time's atmosphere and a baroque feel stir up my imagination. I couldn't afford expensive records back then so I listened to music from the radio. I recorded songs with a gigantic cassette deck my parents bought for my studies in English. I remember trying to stay perfectly still so I'd be quiet while recording (laugh). I didn't listen to Japanese songs at all at the time, and I still don't.

I had really wanted to become a mangaka since I was very little, but I tried to keep it a secret. Once I was asked, "What do you want to be in the future?" and I replied, "mangaka." The one who asked said "Good luck," though I could from their eyes that they were really saying, "You can't become a mangaka!" So I ended up not telling anybody, not even my parents. I didn't even work on any kind of "doujinshi" either.

At some point, I began to think that I should immerse myself into the world of my stories and illustrations, so I started studying at a designer school. At the time, I had drawn two western manga, which I entered for a manga competition sponsored by Shonen Jump. I used to like Shonen Magazine too, but from the 1980's they started to focus on love-comedy. I hated that type of thing, so I didn't enter any contests Shonen Magazine sponsored. Despite entering the competitions with my "masterpieces" I never did receive any calls. I wondered why, so I went to the Shueisha HQ in Tokyo to ask their opinions on it directly. The one editor I showed it to, before even reading it, pointed out that I forgot to erase the black lines. He boggled my mind (laugh), but I learned a lesson that day. Back home, I began improving on my story, after 4 months I finished 30 pages worth. This work was called Poker Under Arms and it is what I made my debut with.

Fashion-conscious:
I am interested in fashion. I take Italian fashion into account when deciding what my characters wear. Versace and Moschino's clothes are so loud and gorgeous, they make my illustrations beautiful. However, they do have their weaknesses. I get bored with them if I draw them for too long (laugh). Similar to how certain clothes go out of fashion througout the years. I used to check out Japanese fashion books, but they are something different; they seem out of date.

Stands:
My doubt over supernatural powers helped me come up with Stands. I doubt such powers like, "Just think hard enough and things will begin to move." I don't see anything? How can you say your "willpower" moved things? I wanted something visible that could explain these powers. For example, if a person is in the dark and something moves, you can't really see what's happening. But, if something visible pops out from the person and actually touches things and moves them, then you'd say, "Oh, I see!" Stands are proof of those superpowers, basically my way of explaining how these invisible powers work. Well, they're kind of like "pseudo" proof, but they still work as an explanation (laugh).

I called it a "stand" after "light stands," the type that sit beside your bed in a "looming" manner when you read. With stands, I thought I could describe loads of things. "What a good idea", I thought. In part 3, I connected stands with tarot cards cause I wanted each stand to be unique. I thought 22 would be enough, but I ended up running short (lol). The stand's designs were insprised by Yokai's and eerie folkcrafts. I first decided the abiity, and then the appearance with which readers can associate with the ability. What I love about stands is that I can express psychological warfare. The Stand's physical powers are not what matters most. e.g. A stand with no physical power but with the the ability to make enemies tell lies can still be very formidable (Which ended up being the basis for Talking Head.)

Miscellaneous:
"Cool Shock BT." My First serialization. I worked on it in Sendai, my hometown. It was around the time the delivery service was first established, so I would send copies of rough sketches through that and talk with my editors by phone, jsut like Kishibe Rohan (laugh). My editor back then was so severe. After I had sent all of my work, he'd end up calling me to Sheuisha in Tokyo anyways. I had to use an ashtray as a palette to practice and had to sleep on the train the next morning. That trained me as a mangaka; my editor is a man I respect as a severe teacher and also a god. He was the one that decided that Dio should be in Egypt since he loved Egypt and was very knowledgeable of it. (He was the one who tried hard to get BT serialized in Jump, when other eidtors were against it.)

"Baoh." I was thinking about Baoh when I drew BT during it's Jump serialization. By "the visitor," I meant "Strike Back." Back then, everyone was talking about Biotech, so I named Baoh after Biotech. I also wanted to pursue physical power.

"Gorgeous Irene." I came up with Irene's plot while pursuing physical power. I named her "Irene", which sounded cute. I started to draw Irene to see If I could actually draw girls. The result: I realized I couldn't draw girls. That's why you generally don't see that many girls in JoJo. Recently though, I've been incorporating more and more girls, and now I think I can draw them.

Starting JoJo:

I earned alot of money from drawing Baoh, which allowed me to go abroad for the first time in my life. I ended up going to England for 10 days, where I was at a loss, since I couldn't order food at restaurants due to my inability to speak English. I had a rather hard time there, but the experience inspired me to draw JoJo. By the way, two years after the trip I tried to write off the expense. The tax office refused me, so I had to pay surcharge; I've had a grudge against them ever since.
—Hirohiko Araki

Untranslated

インタビュー記事⑥-ユリイカ 97年4月号- リアル脱出ゲームにハマッて以来放置していたブログをきまぐれで更新。 気づいたら20万アクセス超えてました。

ユリイカ1997年4月号の「特集 J-コミック'97 マンガ家が語るマンガの現在」より。 この企画では、荒木先生の他に楳図かずお、吉田戦車、伊藤潤二、安野モヨコら15人の漫画家のインタビュー・対談が掲載されています。 荒木先生のインタビュアーは精神科医の斎藤環氏。

進化する『ジョジョ』

―― 私は本業は精神科医なんですが、精神病理的な視点から語りうる漫画は、『エヴァンゲリオン』や吉田戦車などを筆頭に近年たいへん多いのです。これに対して荒木さんの作品は一種「過剰な健康さ」が特徴と言えるのではないか。ふつう健全なコミックというのは、人畜無害のつまらないものと相場が決まっているのに、荒木さんのものは健全性と個人的な表現衝動が他に例を見ないバランスを維持しているように思います。今回は荒木ファンの一人として、そのあたりの謎に迫りたいと考えています。まあそれは後のお楽しみということで、まずはデビュー当時のお話をお聞かせください。

荒木 出身は仙台です。二〇歳の頃にデビューしました。『魔少年ビーティー』という連載を仙台で描いていて、次の『バオー来訪者』の時、一九八四年のロスアンゼルスオリンピックの時に上京しました。ジャンプの『ジョジョの奇妙な冒険』(以下『ジョジョ』)は一九八七年から連載がはじまったんです。

―― デビューされて一六年、ことしは『ジョジョ』一〇周年ということになります。代表作である『ジョジョ』サーガは単一の作品というよりは、いろんなものを詰め込むための物語装置というか、世代ごとに受け継がれて別の作品になってゆきますね。現在の第五部に至っては、シリーズで共通する登場人物は広瀬康一くらいですし。

荒木 そうですね。読者が気に入らなければ、いつでもやめなければいけないという宿命がありまして。それでも、三部くらいまではある程度テーマみたいなものがあって、現代まで来ようと。主人公も、それはあまりなかったことなんですが、変えてゆこうと。そういうことをおぼろげには考えていたんですよね。

―― 物語が「ジョジョ」という血筋=固有名の連鎖で繋がっていく形式は、非常に新鮮でした。第五部の主人公「ジョルノ・ジョバァーナ」が、「ジョジョ」一族の宿敵「ディオ」の息子であるという設定のように、血筋の流れの中で、敵味方が渾然としてますね。

荒木 人間というのは良い人でも悪い人でも認め、賛美しよう、読者に元気を与えよう、そういうテーマから始まっているんです。そうすると血とか、生き方とかが重要になってくる。主人公を描く時に必ず、親の代とか、どういう境遇で育ってきてこの主人公が今あるかたちで存在しているのかということを確立し、固めていくんですよ。そういうところからやっていこうと思ったんです。

―― 最初の設定としてはだいたい三代目まで、つまり「空条承太郎」までですか。

荒木 あの辺は結構ストーリーの進行を急いでいるんですよね。三部までいくことはもうわかっているから。だけど、三部は最後だったし、これで終わりなのかなみたいな感じでやっていたんですけれど・・・・・・。描くことがガンガン出てくるというか・・・・・・。

―― 荒木さんにはあんまりスランプってないんじゃないですか。

荒木 人によって違うと思いますが、僕は割合に波が短いんですね。

―― 漫画家というと締め切り前にドリンク剤をガンガン飲んで徹夜して、みたいなイメージがあるんですけれど、荒木さんは割とクールに昼間に仕事時間を決めて、淡々と職人的にこなしてる感じがします。

荒木 するどいですね。その通りです。

―― 以前インタヴューで話されてますよね(JoJo6251「荒木飛呂彦の世界」所収)。日曜日に構想を練って、月火水とかけて描いて金土が取材。それが一〇年続いているわけで、なおかつマンネリにならないというのがすごく不思議なんです。いまだに絵柄まで進化し続けるということが、どうして可能なんでしょうか?

荒木 多分、反省じゃないでしょうか。読み返した時にちょっと違うなとか、他の作家さんの方がいいなぁとか。そうすると、やはりその点をちょっと変えていこうかと思っている。特に意図はしてないんですが。

―― 荒木さんでも他の作家の絵柄がいいとか、羨ましいとかあるんですか?

荒木 ありますね。ですが、クセがあったりして、なかなか自分の思う通りにはいかないんですけれど。

―― クセというか個性が強烈ですよね。面白いのは荒木さんの亜流ってあんまり見かけませんよね。たとえばひところ大友克洋の亜流っていっぱい出ましたけれども、荒木流って見たことない。

荒木 変化するから真似のしようがないかもしれないですね。

―― 絵柄だけ真似てもしょうがないし、セリフ回しや、めまぐるしい視点の切り替え、極端な構図やパースなどの総合されたものが荒木流ですから。亜流が出てこないというのは、そういう技術的な問題でもあるでしょうね。

荒木 絵もそうですが、ストーリー展開でも登場人物の視点が、私は自分ではずいぶん切り替わるなぁと思っているんです。そういう描き方じゃないとストーリーが進行しないというのもあるし。多分一回一九ページという制約のせいで、目まぐるしくならざるを得ない時はあるかもしれないですね。

―― それと時間の流れが独特ですよね。単線的には流れて行かない。手品的なトリックを多用されていて、時間が後戻りして実はこんなことをしていた、とか。まあ「スタンド」も実際に時を止めたり、戻したりできるわけだし。

荒木 一秒のことを綿密に描いたりするんです。登場人物が落ちていく間のことを、延々と描いて、落ちている間にここまで考えるか(笑)みたいな。

―― 第四部ラストの「吉良吉影」が死ぬところは、時間にして十五分くらいの出来事を、ほぼ単行本一冊を使って描いていますもんね。このあたりは漫画ならではの時間性ですね。  荒木さんの作品は、理詰めで明快な娯楽性といいますか、それこそSF的な意味で常に説明がきちんと出来ているじゃないですか。「スタンド」にしてもトリックにしても原理がきちっとしていないと気がすまないみたいな・・・・・・。

荒木 それはあります。幽霊や超常現象にしても、目に見えないものを描いていく場合、それが科学的であろうが漫画的であろうが、ちゃんとした原理がないと満足出来ない。それで「スタンド」みたいなものが生まれたんですよね。

―― あれはすごく斬新な感じがしましたね。あれに似たアイデアって見たことないんですけれど、なにかヒントはあったんですか?

荒木 いえ、それも「願い」から出て来たことですから。つまり超能力というのはただ念じたらバーンって割れる感じを、まぁ、何か出てきて叩けば読者はわかりやすいなと。ただそれだけなんですけれど。『うしろの百太郎』を読んで、守護霊なんかが出てきても、ただ出てくるだけで何もしない(笑)。パンチでも繰り出して、悪霊をやっつけてくれればいいのにと思っていて、そういう発想で出て来たことだと思うんですね。

―― 八〇年代初頭には、一方で大友克洋ブームがあって『童夢』のような、それこそ目に見えない超常現象をみんな描きたがる傾向があったじゃないですか。あれに対するアンチというものを多少意識されたところはあるんですか?

荒木 そうですね。超能力のわかりにくさというのをなんとかしてやろうというのはありましたね。でも大友先生の空間の描き方にはすごい勉強させていただきましたよ。コップの割れ方とかね。よく見て描いていくとちゃんとわかるんですよ、理論的に描いていて。ちゃんとこう、パズルみたいに破片をきっちり描くんですよね。水の散り方も、写真に撮ったりしてスローモーションを見て描いているんじゃないかと思うような、そういうのがすごい緻密で。好きで読んでいましたが、ただ超能力の部分がちょっとわからない、納得いかないんですね。じゃあ、わしらは叩きに行くんだ!みたいなね。そのへんが願いとして出てきたということなんだと思うんですね。

―― 独特のセリフ回しというのはいろいろなところで指摘されていると思うんですけど、翻訳調というか、翻訳ものを読んでるような感じを持つことがあるんですが、それは意図してやっておられるんですか。

荒木 いや、本を読んだ影響が残っているんじゃないかと思うんです。そういうふうに喋っている時もありますね。なりきっちゃってね(笑)。

―― 海外の小説はやっぱりキングがいちばんお好きなんですか?

荒木 そうですね。他のサスペンス系の作家をあまり読んでいないだけかもしれないですけれど。

―― 擬音についてはどうでしょう。あの一部で有名になったキスシーンの背景音がありますね、「ズキュウゥーン」という(笑)。キメの場面では必ず「バーン」とか「ドドドド」とか、独特の効果音が出てきますが、あれも内面からほとばしってくるわけですか。

荒木 何かリズムみたいなもので「このシーンにちょっと欲しい」とか。映画の影響だと思いますよ、やっぱり。たとえば殺人鬼が後ろに立つと急に音楽が鳴るじゃないですか。「キュンキュンキュンキュン」とか、「ズンズンズンズン」とかさ(笑)。なんなんだろうね、あれは。あれが欲しいんですよ。

―― やはり映画的に展開しようというのはありますか?

荒木 ありますね。視点とか、カメラの目で想像しながら描いたりしますもん。カメラがモノに寄っていったりするのがちょっと恐いなとか。何の変哲もない水の入ったグラスでも、ゆっくりとカメラが寄っていくと、毒が入っているんじゃないかなと思うじゃないですか。もちろん漫画の画面という制約はありますけど。

―― 映画はかなりお好きのようですね。

荒木 だいたい話題作は観ていますね。監督ではクリント・イーストウッド、コッポラ、デ・パルマ、スピルバーグあたりが好きですね。リンチやキューブリックは、僕はちょっと駄目なんです。もちろんいいところはあるんですが、自分のものとして採り入れようという気にはならない。

―― キャラクターもですが、ともかくスタンドの造形が見事だと思うんですよ。ウルトラマンをデザインした成田享さんが書いてますが、化け物をきちんと描くのは難しくて、かなり技術のある作家でも、化け物だけは奇形やせいぜいキメラ的な造形になりがちなんです。 荒木さんの描く化け物は、デザイン的な整合性もさることながら、ちゃんと健康で自律した生命を持っていますね。だからぜんぜんグロテスクには感じられない。

荒木 グロテスクなものは、もしかしたら描けないかもしれない。まあ作品中でもあまり残酷なシーンは描いていないと思います。例え血まみれになるような場合でも、出血はあまりリアルじゃなくデザインするし。ただスタンドの造形にはそんなに苦労しないですね。民芸品や人形の使えそうな部分をちょっとずつ持ってきたりして。それにスタンドの能力を加味して考えます。

―― 「エコーズ(広瀬康一のスタンド)」なんかも無造作に出てきた感じですか?ちょっと工夫した感じもしますが。

荒木 「エコーズ」はちょっと考えたかもしれない。はじめて成長するタイプのキャラクターを試したので。スタンドも卵から孵って変化するという。

―― 広瀬康一は好きなキャラクターなんですよ。

荒木 まあ彼の運命いかんで再登場となるかもしれませんね。でも本当にあまり計算はしていないですね。一見計算しているように思われるみたいですが。ストーリーの計算も最初の頃はやっていたんですが、ある時ね、なんか日記みたいにして描いていてもいいんじゃないかなって、今日思ったことを綴っていこうかなという気になったことがあるんですよね。ただ、方向性をはっきりさせているんで。

―― 過去のキャラクターにはあまり思い入れはない?

荒木 考えもしませんね。別れた友達みたいな感じで、懐かしいなというだけで。次の週のことで頭がいっぱいで忘れるんですよ。この世界は振り返っている暇がないんじゃないかな。

―― 以前、寺沢武一さんが荒木さんのことを、最後までストーリーを練ってから描くタイプだと解説されていましたが。

荒木 いや、それはもうないです。もう来週のストーリーがわからないですから。『バオー』や『ジョジョ』の第一部の頃はそうでしたが、それをやっていると持たない。  ただキャラクターに対して明確なイメージがあれば、その人の「運命」で行くんです。人と同じで、動かざるを得ないというか。主人公の動機付けがはっきりしていれば、こういう気持ちだからこう行く、というのは必然的に決まってきます。

―― その辺がスランプのなさというものにつながるんでしょうかねぇ。

荒木 いや、スランプはありますよ(笑)。

―― ないと言い切ってしまうのも問題でしょうけれど、ほかの方との比較で。漫画家も絵が上達するにつれて、どんどんイラスト的な比重が高くなって、物語を動かせなくなってしまうというパターンもあると思うんですが、荒木さんの場合、全然それがないですね。絵柄の変化と物語の進行が相互に加速し合っている。このテンションで一〇年続いている漫画って他にありましたっけ? 『ジャンプ』でも『こち亀』が二〇年で、『ドラゴンボール』が一〇年ぐらいでしたか。ただ『ドラゴンボール』ですらパターンの反復は避けられなかった。トーナメント方式で、どんどん強い敵が現われていく。荒木さんは、こういうトーナメント方式に対して、疑問を持っているように思うんですが。

荒木 バブル的だなと思うんですよ。あの後どうするのかなと不安になるというか、自分がそれをやれと言われる時は、えーっと思うんですよ。トーナメントは完全に否定しているところはありますからね。

―― 『ジョジョ』に関しては、どうもトーナメント式に誤解されている方がずいぶんいるみたいなんです。批評家までがちゃんと読まないで、あれはトーナメントだと断言したりするのは本当に残念です。物語が何部かに分かれているところや、あとスタンドの能力が一つしかないということで、強さよりも質で差別していますよね。こういう設定によって強敵のインフレーションを防ぐという意図はあったわけですか。

荒木 トーナメント方式は読者には受けるので、編集者がやっぱりやろうか、と言う時もあるんです。でもその時は「うーん。でもこの敵が終わったら、その時僕はどうすればいいんですか?」みたいなね。実は、第四部の杜王町の時に、これで終わりかな、と思ったことがあったんです。また違う漫画を描かなきゃいけないのかなぁと。ところが、編集部が「休みは駄目だよ」と言うから(笑)。それで仕方なく、無理やりキャラクターを作って始めましたが、でも描いているとキャラクターに情が移ってきて。

―― 広瀬康一がうまくバトンタッチをしたという感じで、読んでいるほうは何も違和感というか、本当に作為が感じられなかったですよ。

荒木 あそこは結構作ったなと自分では思っています。でもだんだんキャラクターに入っていくところから、そういう感じがなくなるのかな。

少年漫画の王道

―― 荒木さんはいろんな意味で、漫画の王道を行っている感じがしますね。

荒木 でも勘違いされて、マイナー系の人だなと思われているところもあるんです。自分では昔からある少年漫画の精神を受け継いでいるつもりなんですが。

―― それは本当にそうですね。要するに漫画の批評が荒木さんの作品について語る言葉を持っていない。私は今日、それを力説したくて来たようなものなんですけれど。これはあきらかに不当な過小評価だと思います。初期のころは「セリフや擬音が面白い」とか、そういう些細なところで持ち上げておいて、いまやマンネリとか言ってますけど、私はテンションはかえって高まっていると思います。実験性が目につかないせいでしょうかね。わかり易い実験をしないというか。いまのところ、正当な評価と思われるのは宅八郎の批評(『イカす!おたく天国』所収)だけですね(笑)。

荒木 読者が『ジャンプ』の読者ですから。そういうのに鍛えられているせいなのかもしれないですね。でも何かそれも過大評価じゃないかという(笑)。

―― いや、この王道を行きながら実験的であるというのはすごく稀有なことで、現在のあまりにも不当な評価を多少なりとも逆転させようという使命感を持って、今日は来たようなものです。  荒木さんの作品は生命賛歌といいますか、健全というのともちょっと違いますが、すごく健康的なんですよね。私は一方では吉田戦車の漫画について語ったりもしているんですが、あれはいろんな意味で病理的に語れるところがあって、逆に語り易いんですよ。ああいう漫画はどう思われます?

荒木 好きですね。ああいう人間の病的な部分をえぐり出す感じも面白いですよね。ああいう漫画を読んでアイデアが浮かんだりするけれども、僕の漫画のテーマの根本は、人間を賛美しようというところにあるんで、ちょっとそこに視点を移しちゃうだけなんですよね。ただ、僕の漫画も裏返せばああいう漫画になるとは思いますが。  前の編集者には、「もっと人間の悲しさを描こうよ」とかいうことも言われたんですよ。そうすると、うーん、描けないなという時があるんですよね。「わしの資質が違うかもしれん」とかね。そういう時はやっばり悩みます。描いてみたいと思うんですよね。  小説でいうとS・キングのホラーとか、ああいう”生まれてきた悲しさ”みたいなのもやっばり「人間賛歌」だと思うんですよ。だけど、それはちょっとなかなか行けない。だから、そこを中心に語ってしまうとへボな作家だなみたいな感じだと思うんですよね。あまりそこに焦点がいくとね。映画でいうと『セブン』のように地獄に突き落として終わるようなみたいな、あのへんは行けないと思いますね。どこかで救ってしまうんですよね、わしは。でもああいうのもいいんですよね。いいと思うんですよ。いずれは挑戦しようかなと、テーマがビシッと合った時にトライしてみたいとは思うんですが。

―― 第四部というのは少し流れが変わってサイコパスものというか、『羊たちの沈黙』とか『セブン』とか、あの辺のテイス トがちょっとあるんですね。

荒木 そうですね。時代ですかね。『ジョジョ』の第三部あたりは神話的なストーリーの様相があったんですけれど、四部あたりで少し日常のものに移ってきたというので、主人公がそういうふうになったんですよね。

―― それは積極的に採り入れた感じですか。それとも日常を描こうとしたら、必然的にそうなったという感じですか?

荒木 そうですね。宮崎の事件とか、ああいう感じで。敵の象徴が何かなと考えた時に、ディオもいろんなものの象徴として描いているんですけれど、やはり日常の、隣に住んでいる人が何をしているかわからないというのがいちばん恐いなと思ったので。で、いまの第五部の敵は内部にいる、自分の上司が敵ということになります。これは自分を守ってくれるはずの政治家や警官が敵かもしれないという意識に重なりますね。

―― 第四部の「杜王町」は例外として、あまり世界が箱庭的にならないようにということは考えますか?オタク的な閉じた空間のなかで敵が出てくると、それこそトーナメントみたいになってしまうということで。

荒木 必要とあればそれもやらないことはないと思います。でも一週間で描いている時は、本当にここだけなんですよ。一秒のあいだだけ、この空間だけでどういう攻防があるんだろうなということを考えています。そういう感じですので描いてる時は狭いですよね。あとから見るとその世界はでかくなっていますけれど。  それと毎週アイデアは一個しか出さないというのがあって、ニ個出すと読者はわからなくなるというのがあるんですよ。描くことは一個だという漫画の描き方があるんです。編集者がそういうことを言うんですよね。アイデアが二個あると、編集者は「そんなに考える必要はない」「ニ個あると駄目だよ、読者はどっちを読んでいいのかわからないだろ」と。一個でいい。

一個を照れずに描き切ると。「こういう照れたようなコマは駄目だよ」とか、あるんですよ(笑)。あえてやるんだと勇気づけられますね。こっちがちょっと不安になってくるところを「大丈夫だから」とかね。そういう編集者の言葉は大きいですね。

―― 血筋の話ですから家族が出てくるわけですが、だいたい父親が死んでしまったりとか、ヨボヨボになっちゃったりしますよね。女性を守るためといっても、それは母親を守るため、助けるために闘う場合が多いようですが、この辺も一種の健全さとして受け取ってしまうんですけれど。

荒木 うーん。読者がこれはちょっと変だなと思うようなことは避けようとすると、どうしてもそうなってしまうというか。恋人を守るためだったら、ちょっと気高くないかなという・・・・・・。もうちょっと欲望の部分、自分の損得の感じが入っていたりするけれど、それがちゃんと愛になるまでいろいろ描かなけりゃいけないですよね。だけどお母さんとか肉親だったら何の動機もいらないと思うんです。女性を守ったりすると違う話になってしまうんですよ。なぜその女性を守らなければいけないのかの話を描かなければいけなくなってしまう。話がずれていってしまうんですね。まあ女の子があまり描けないというのもありますが。何度か試してはみたんですけどね。  闘いの漫画を描きたいのに、読者はそれまでに我慢しなければいけないわけですよ。熱心な読者は読んでくれるかもしれないですけれど、『ジャンプ』の読者は闘いが見たいのに、そんなところを延々と描かれていたんじゃ……。だったらお母さんにして、そこのところはパーンと流すというやり方というのはあると思うんですよね、打ち合わせの時にまどろっこしいやり方は却下したりとかね。だからパズル的な作り方の時もありますね。ここにこうはまるとか、それは駄目だなぁとか。ここでちょっとあいつを助けようかとか、そんなのはかったるくないですかとか。ジェームズ・キャメロンのようにゴーンと行かなきゃ駄目だという時があるんですよ。キャメロンは骨太に行くところが好きですね。余計なところはあまり描きませんよね。でも背後に物語がある。

―― 実写映画が撮れたらなと思うことはありますか?

荒木 自分で撮れたらなという希望はありませんが、映画というのは芸術としてすぐれた伝達方法なんだなと思う時はありますね。映画は認めて尊敬してます。でも漫画が映画みたいな芸術になるのかなというところは疑問があったりもしますけれども。アニメはあんまり眼中にないし。

―― 加藤幹郎という評論家が、寺沢さんとか荒木さんなどの漫画を総称して、マニエリスム、つまりきわめて高度な技術で絢爛たる引用をちりばめた漫画だと指摘していますが、それは意図的になさっていることなんですか?

荒木 そうならざるを得ないというところですね。

―― 引用はされるけれどパロディはあまりされませんよね。シリアスなタッチでもアニメ的なおちゃらけがないといいますか。

荒木 あの、多少馬鹿馬鹿しいと思っても、照れずにやるというのは基本なんですよ。ちょっと照れはあるんだけれど、そこを突き破っていくんですよ。そういうテクニックってあるんですよ。あえてやる!みたいな(笑)。決心がいるんですよね、あれはね。

―― やっばりおちゃらけてしまいたいという誘惑はあるんですか。

荒木 ははは。あるんですよ。描いていてちょっと、なんかやばいんじゃないかなと思うこともあるけれど、それを見抜かれると読者がしらけるから。でもあれもジャンプの伝統なんですよね。車田正美先生とか、なんでここまでノレるかなという、すごい人がいますからね。

―― あれは『ジャンプ』ならではという感じですよねぇ。

荒木 よく考えると、なんで宇宙に飛んでいくみたいなね(笑)。だけど、完全に読者の上をいってしまうから、ああーってなると思うんですよね。

―― ちなみに技の名前を叫ぶのは車田正美先生ですね。

荒木 ですね(笑)。

―― 車田先生はパンチシーンの構図はだいたいいつも一緒でしたけれど、荒木さんはその辺は描き分けておられますよね。

荒木 だんだん時代も進化してくるわけですからね。うん。だから僕の漫画はやはり伝統に則っていると思います。

―― 最近こいつはいいと注目しておられる漫画家の方はいますか?

荒木 うーん。いっばいいるけれども認められないなという部分もあったりとか。オタク系の漫画家というのは、ちょっと理解できないけれども、うまいとは言わないけれども、やっばり独特の魅力があるのかなと思うんですよ。みんな熱狂的にその絵がいいといって支持しているわけでしょう。だけど自分にはわからない部分もあったりして。なんでこうペラペラに描いていいのかなとかね。同じ顔ばっかりでいいのかなとか。  望月峯太郎さんは好きですね。『ドラゴンへッド』は読んでます。『バタアシ金魚』はよく判らなかったけど、『座敷女』のころからいいなと思い始めて。『ジャンプ』では、うすた京介『すごいよ!マサルさん』。あとあの『カイジ』の福本伸行さん(『ヤングマガジン』連載)。『カイジ』はわし好みじゃないですか、そんな感じしませんか。絵はちばてつやを記号にしたみたいな感じで、そんなにうまくないけど。あれはいいんですよ。去年燃えたのはあれですね。本屋に走っていったのは久々ですね。

―― 今日のお話を聞いてますます確信しました。やっばり我々がすごいと思っている部分を全部軽い気持ちで出しておられるというのがわかりましたので(笑)。これはもう天才性の証ということで。

荒木 天才じゃないですけどね(笑)。でもあまり重要じゃないと思うんですけどね。

―― 我々の見方も間違っているのかもしれませんけれど、でも他の漫画と違うところに目がいってしまうんです。意図して違わせてるのかなと思うと、そうでもないわけですよね。自然に出てくるもので。

荒木 それしか行けないですね。

―― そのノリで今後も一〇年、二〇年と。

荒木 わかりました。頑張らせていただきます。つらいですけど(笑)。 [6]

Untranslated

子供の頃からマンガは好きでした。マニアじゃないけれどね。 時代は手塚治虫先生の全盛で、もちろん手塚先生の作品も読んだけど、どちらかといえば、劇画が好きでしたね。劇画時代の始まりの頃でしたしね。特に梶原一騎先生の作品。白土三平先生の作品もよく読みました。  学校に行っていた頃といえば、ロックもよく聴きました。僕の一番のお気に入りはレッド・ツェッペリンですが、さまざまなバンドを聴いてましたよ。子供の頃はお金がないから、友達同士でアルバムの貸し借りをやって、テープにとっておくんです。僕のマンガに出てくるスタンドの名前は、昔好きだったグループの名前やアルバム名から取ったりしています。例えばローリングストーンズのアルバムでスティッキーフィンガーズというのがある。ジャケットがジーンズになっていて、中央にジッパーが付いているわけ。当時話題になったジャケットなんですが、そのジャケットを見ていて、いろんなところにジッパーを付けて開け閉めすることができたらおもしろいのにな、なんて思ったんです。そんな発想から生まれたのが『スティッキィ・フィンガーズ』というスタンドです。  '70年代、というのは今考えると凄い時代だった。時代そのものにもインパクトがあったし、活躍したアーティストの個性も光っていたと思います。マンガでいうところの「キャラクターが立っている」という感じ。これはミュージック・シーンに限らず、映像などにも感じますね。  マンガ家になろうと本気で作品に取り組み始めたのは高校になってから。初めて出版社に持ち込んだ原稿は「カウボーイもの」だったんですよ。だって、カウボーイマンガなんてマンガ本に載ってなかったから、目立つかなって(笑)。だけどね、編集の方からやっぱりいろいろ注意されましたよ。「枠線からはみ出した線はしっかり消さなきゃダメだよ」といった基本的なことから始まって、内容的なこともさんざん突っ込まれる。そこで降りちゃう人もいるようですが、僕は「次はがんばろう」って感じで。だからその次の持ち込みの時はもう、自分で考えられる限りカンペキにして持っていきましたね。質問や突っ込みに対する答えも含めて。それでももちろん言われることはたくさんあるわけですが、こっちが注意されたことを直そうとしていることは伝わって「ああ、この子は本気なんだな」と認められたんじゃないかな。  デビューまでが短かったせいもあって、僕にはアシスタントの経験がないんです。だから、アシスタントをやってれば誰でもすぐわかるようなことを知らなかったの。例えば黒いバックに星を描くなんていう時に、星の形に残してベタ塗ってたりとかね(笑)。他のマンガ家さんから教えてもらって「なんだ、そうか」と。  『ジョジョ・・・』の最初の単行本が出る時、週刊少年ジャンプの先輩、秋本治先生は『こちら葛飾区亀有公園前派出所』をすでに51巻も出しておられたんです。凄いですよね。そう思っていたら、『ジョジョの奇妙な冒険』ももう55巻を数えるまでになりました。とても秋本先生のようにギネスに挑戦、とはいかないと思うけど、感慨深いものがあります。  『ジョジョ・・・』に出てくるスタンドは、守護霊からヒントを得たものなんです。守護霊というのは人間を守ってくれるものでしょう。それがもう少しアクティブになって、守っている人間を襲ってくる者があったら、えいっと拳を出して攻撃してくれたらいいのにな…っていうところから生まれました。さまざまなスタンドを描いているうちに、もう強くなり過ぎちゃってカンペキなスタンド、みたいなのができちゃうことがある。「ああ、これじゃあ倒せないよ、困ったな」なんて(笑)。でも結局何かがどうかなって倒せるんですけど、それを理論的に説明するナレーションをコマの中に入れるんです。少々強引でも納得できちゃうような、ね。とても不可能なことを科学的に検証する、という本がありますけど、ああいうのが好きなんです。  僕自身が気に入っているスタンドは、第4部に出てきたクレージー・ダイヤモンドですね。破壊されたものを何でも直しちゃうの。そういうのがついててくれたら便利(笑)。 現在、連載は1本。マンガは週4日描いて、ネームに1日かけています。徹夜はできませんね。仕事は5日に収めるようにしています。  マンガ家というのは家ですわって仕事をしているから、楽に見えるかもしれませんが、実は非常に重労働。バトルシーンなんか描いている時って肩にもの凄い力が入ってます。若い時じゃなきゃできない仕事なのかな。他のジャンル、例えば青年誌なんかに描いてみないの? なんていう声もあるんですが、僕にとって『ジョジョ・・・』は全身全霊で描いている作品。今、他のマンガを描いても、みんな『ジョジョ・・・』になっちゃいますよ、きっと。  オフの日は映画を観たり音楽を聴いたり、できるだけ自分の勉強に当てています。毎日進歩していかなければ、いくら人気のある作品でも2~3年で飽きられてしまう時代。常に前に進んでいくことを自分に課しているんです。  映画は趣味であると同時に、貴重な研究材料でもあるんです。僕はミステリーが好きなんですが、ミステリー映画というのには造り方のセオリーがあって、よくできた作品は、すべて緻密な計算の上に造られているものです。カメラの視点の位置、カメラワーク、場面構成など、作品を描いていく上で、何よりも参考になるんです。『ジョジョ・・・』の中に、ツメのアップのシーンを描いています。指の先から何かが出てくるといった場面の説明で、指先のアップを描くというのは、ミステリー映画にあった手法。映画のカメラワークを参考にして構図を決めることがよくあります。  でも最近は映画も作品が小粒になってきた印象を受けますね。びっくりするような作品が観たいなあ。  このところ、イタリアにはまっています。ルネッサンス美術には感性を刺激されますね。食べものもおいしいし。『ジョジョ・・・』も現在イタリアを舞台にドラマが進行中です。激しいバトルを通じて生命の尊さをテーマに作品を描いていきたい。それはずっと変わりません。

One question and one answer from Araki-sensei, "Feelin JOJO" final episode special!!

JOJO Q&A!!

"Jojo's Bizarre Adventures is headed in to it's 12th year! And as it's the last episode of "Feelin JOJO", we've had Araki-sensei himself appear!! He'll point blank answer some of the questions in JoJos!!

Q: Who's the strongest in the Passione?
A: Abbachio. (If we're talking about fist fighting...)

Character part Q1: Who is the first character you came up with in the allies of part 5?
A: It's Giorno! By the way, the characters I'm most fond of is Giorno if we're talking about allies, and Pesci if we're talking about villains.

Q2: What is that thing on Abbachio's head?
A: It's a hat that acts like a hairband. The thing on Bucciarati's head is a hairpin brooch, and Mista keeps a lot of things in his hat. Mista is the kind of guy that wants to keep both hands open at all times, so he adds things to it pretty often. It also seems that he feels like it's a pain for him to carry things around too. Side comment: The thing on Abbachio's head wasn't an eggshell after all...

Q3: Who spends the most money on their clothes?
A: Mista. His sweater is cashmere, and his pants are zebra striped leather pants! (it's suspected that it breaks the Washington Convention)

Q4: Before they met Giorno, how did Bucciarati's gang earn their livelihood?
A: They received money for protecting restaurants, controlled ports, and what you would call gang work. They didn't affiliate with gambling and drug business. Of course they didn't go to school.

Q5: Do all of them have girlfriends? Also, who is the most popular and the least popular in the gang?
A: They don't have girlfriends. They are so popular it seems like they're always running away from girls. However, it seems like all of them think that "I'm the most popular"...

Q6: When looking at Fugo's pants, it looks like there's no way he could be wearing underwear but.... Does he not have underwear on?
A: It can be assumed that he's wearing the t-back like sexy things that are popular now a days. Side comment: When you look around his waist it really does look like he's not wearing any underwear.

Q7: When they're interrogating Zucchero, what was up with Narancia and Fugo starting to dance to the music that Narancia put on?
A: They are dancing to gangster rap. As they are a gang... Side comment: Even though we know what they are dancing to, why they started dancing is still a mystery...

JoJo's Bizarre Adventures celebrating 11 years of being published.

Q: Who is riding in Aerosmith?
A: It's Smith-san. Side comment: Check the cockpit! The person riding in here is Smith-san!!

Q8: What does Jotaro intend to do with Giorno?
A:I haven't thought of it yet. It might be that he's just simply curious about him...?

Q9: Is Trish based off of the super model Trish Goff?
A: Good job! I'm surprised that you know this. As you thought, I'm a big fan of hers.

Stand part

Q10: Will Fugo die from the abilities of Purple Haze?
A: He would die.

Q11: What is the name of the stand that you put the key in the turtle to activate? Also, what is the name of the turtle?
A: The turtle has no name. The name of the stand is "T-Rex"... or at least I think that's what it'll be.

Q12: Can the Sex Pistols only be used with the gun that Mista has?
A: Any gun that has been fired by Mista is OK! Also, Mista is able to always hit his target with one shot, and so he doesn't need machine guns and such.

Q13: Wasn't it a rule that there's only one stand per person? There's a few that have appeared since part 4 that are a number of stands such as Harvest and Sex Pistols...
A: No, these are still just one ability, and so they're counted as one stand.

Misc. part

Q14: "JOJO" has a lot of animals(a turtle, frogs, snakes, mice, spiders and such) that appear, but how do you pick what living creatures will appear?
A: For the most part I choose animals that "Look like they're not very intelligent and seem like they're not thinking of anything."

Q15: Do they really air "Captain Tsubasa" in Italy?
A: They do! At the very least I was it being aired 2~3 years back in Italy!! Side comment: Tsubasa playing in the turtle! Of course this isn't in Japan, it's in Italy.

Q16: If you could pick one stand to have Araki-sensei, what would you pick?
A: Hmmm, maybe Harvest because I want money... No, I want Heaven's Door instead! I'm not very good with research interviews...

Q17: What's the meaning of the "Romance horror! The crimson secret legend!"?
A: It was something the first editor added, and there's no deep meaning to it. I actually feel like we can remove it after all this time...

The road leads on to a new adventure!! [7]

About each other’s beginnings

Araki: Shall we begin by talking about each other’s beginnings?

Kaneko: Yes.

Araki: The first question will be related to work, but are you also involved in writing the stories?

Kaneko: Officially not, but I contribute as well.

Araki: Ah, I knew it! Looking at the illustration books, I believe that, after all, you can’t draw without being involved in the story. Nevertheless, even though you only do the designs, it’s amazing how many you create. There are also a lot of descriptions regarding the characters’ backgrounds and so on, aren’t there? I design Stands combining those characteristics. For example, it would be strange if I didn’t give a water Stand a certain type of design.

Kaneko: Of course, I think about the way the characters are and I draw them according to their personality type.

Araki: I see. For example, if something releases poisonous gas from its shoulders, it will definitely need a hole. Now the question is, what kind of hole would be most fitting?

Kaneko: But when Jojo is in front of the Stand, there will also be strange poses and things like that, right? How does that work?

Araki: I’ll eventually get to that too. Just in a little while (laughs).

Kaneko: Oh, is it still your turn?

Araki: Yes, yes (laughs). I have things I want to ask.

Kaneko: Understood. Then please ask me (laughs).

Araki: First, my parents used to read to me all kinds of books when I was a wee little boy, like “The Adventures of Tom Sawyer” or Jules Verne’s “Twenty Thousand Leagues Under the Sea”. Only this kind of books and no Japanese ones at all. That’s why I grew up to be very attracted to foreign countries, even when it comes to food and music. And that’s also why I don’t really like Japanese food.

Kaneko: I’m not too fond of Japanese food either, but you see, my parents owned a sushi shop (laughs)/

Araki: Hahaha. Really?

Kaneko: I really came to hate it when I saw eels getting skewered after their eyes were removed (laughs). But, returning to the main question, I was more into Disney than Jules Verne. What about music? I can see from reading your works that you love Western music. I love it as well, but you know Takenoko-zokum right? I used to do that before.

Araki: That’s not Western music, is it (laughs).

Kaneko: But what about Dschinghis Khan? (laughs). They were very interesting. I stopped watching Yoru Hit, and quickly got into Western music and came to love funk and other styles.

Araki: I like progressive rock.

Kaneko: Eh, progressive rock? (laughs)

Araki: From the ‘70s. Bands like Yes or Emerson, Lake & Palmer.


Kaneko: Almost all your Stand names come from progressive rock bands, huh. Araki: Well, yes but…(laughs)

Kaneko: I liked Esidisi [AC/DC] (laughs). It fit really well.

Araki: If the bands are foreign, using their names is ok. But this is definitely not the case for Japanese bands. That’s no good. Or maybe I should say, it’s empathy. It’s a bit strange, like “What kind of silly things is this guy talking about?” (laughs)

Kaneko: Well, Western bands also sing about rather silly things, right?

Araki: If I knew what they were saying, I’d get too embarrassed to continue listening (laughs). That’s why for me it’s about the rhythm, the propagation of sound. There’s a sort of space between the sounds. Like the subtlety of the strings, the pauses, the way the air vibrates. That’s why I’m fine with whatever that person sings.

Kaneko: Do you get motivated to work during times like this?

Araki: Yes, yes, I get motivated and I start crying.

Kaneko: Eh, you start crying? (laughs)

Araki: That’s right. “Oh〜, this is so sad〜” (laughs). Don’t you get sad even if the lyrics have nothing to do with it?

Kaneko: Oh, I do, I do. Similarly to diabolus in musica, making your emotions fluctuate, right? If you used it well, you’d even be able to manipulate people, don’t you think? (laughs)

Where do you collect data from?

Araki: Do you travel abroad to collect data?

Kaneko: No, not really.

Araki: Soo, you are the type to admire foreign countries from afar?

Kaneko: Well, I guess so. I read the books I have with utmost attention and absorb all the information the writers provide, but that’s pretty sly, isn’t it (laughs). But I’d love to travel if I had the time. You travel a lot, don’t you?

Araki: I only travel to certain places though; I’ve been to Italy many times, for example, and I love how it’s the “real deal”. Other countries just look like imitations in comparison – when I see sculptures or other works of art, I can only think “Oh, this is an imitation of that sculpture.”.

Kaneko: I want to look more into Japan’s underground, like the lifestyle of the people around Shinokubo or drug routes.

Araki: So you can include them in games?

Kaneko: Exactly. There are a lot of games that take place in our current times, so inevitably I got interested in present Tokyo. It’s not limited to the city, but the places where people gather have different appearances depending on the time of the day, so I wonder whether I can convey the impact of the contrast between noon and the darkness night brings. I simply like clubs and the like as well…

Araki: What kind of clubs do you visit?

Kaneko: I don’t, but now I go to a lot of spacious establishments. When I was young, I used to go to hobby shops quite a lot, but now… Before, there was no automatic water in clubs, so the toilets would be filled with ice and once it melted it would turn into automatic water. And then, if you went to the toilet at 4 a.m., you’d find the whole place drenched in blood.

Araki: Huh, why?

Kaneko: Group scuffles, it seems. Well, both scary and painful things happened, but looking and hearing about those rowdy times has become a very important factor to me now.

Araki: But if Tokyo is the main setting, then it’s all right. I first came up with the concept of “Stands” when I was in Egypt, since the people over there looked really suspicious. So I thought they were all bad guys.

Kaneko: Hahahaha.

Araki: It wouldn’t have been odd if anyone there had turned against me. No matter how kind they were to me, I just couldn’t trust them.

Kaneko: Sounds like something you won’t be able to let go of.

Araki: And that’s how I created Stands, the power of evil, or should I say, a different kind of power.

Kaneko: Ooh, is that why the manga takes place in Egypt?!

Araki: Exactly. Well, the editor loved Egypt as well; the inhabitants’ power was truly great.

Kaneko: As I thought, if you don’t go there it won’t actually be clear.

Araki: For that reason, the people closeby have great power, but the further they are, the weaker their power gets. I made all kinds of rules.

Kaneko: It would be boring if they were all-powerful. It’s good that the characters in your manga also have weak points they can overcome. We use demons in our games, but we thought of adding a slightly different nuance to it - “What if we used them as guardian spirits?”. That’s how the concept of Persona was born. We call them guardian spirits, but they are actually great Indian gods or all kinds of demons. Just as the name suggests, doesn’t Persona mean someone’s “personality”? One’s other self. So, how should I put it, there are all kinds of “other selves”, from the characters’ current appearance, to their manner of speech and even to their job. I thought I’d combine them all. That’s how the characters in the game started moving around naturally. The impetus to start drawing

Araki: What made you become a graphic designer?

Kaneko: I’ve been drawing for a long time, but I wanted to become a manga artist at first. Later, in middle school, when I wanted to be popular with girls, I’d try to look like a badass, but fail (laughs). When I reached a certain age, I asked myself what job I’d take; I couldn’t become a musician, I couldn’t become anything. And the last option I had was drawing. Getting into a company was good, but I realized I didn’t have much strength by myself, so from then on I put a lot of effort into it.

Araki: You see, I went to the kendo club in school, but I wasn’t praised even once, whether I won or lost. However, when I’d draw manga, everyone would tell me how good I was. That’s how I started. My friends too would get really enthusiastic about it, like “This is the greatest thing ever!”

Kaneko: Hahaha. It looks like you already had editors by that time.

Araki: Yes, yes, they really sounded like editors (laughs). So I really got into this and would tell myself I’d keep drawing the entire following night as well. These designs [are influenced] by Go Nagai, right?

Kaneko: That’s right, Go Nagai’s influence is strong. Also, Kamen Rider, kaijuu…

Araki: Yes, the kaijuu effect is definitely there!

Kaneko: It’s impossible to say the name of all the kaijuu. But if I’m shown the Rider cards, I can tell everyone’s names. But you know what’s interesting? When you look into the designs and discover the original source of inspiration, like Ultra Seven’s monsters being the spitting image of clay figures (doguu).

Araki: Ah, yes, you’re right.

Kaneko: I realised this while I was wondering whether armour should have a (Western) clothes motif, but if you left out the armour it would have looked just like Ultraman’s costume; it becomes Western armour from the outline.

Araki: An extremely abstract image. Didn’t Picasso, after seeing African masks, want to see how simple he could make his own paintings? Same here. Ultraman’s form is indeed extreme. The type of design you simply can’t imitate, just like Snoopy. You generally can’t draw that sort of thing.

Kaneko: You start thinking why it is actually like that (laughs).

Araki: If you make Ultraman’s design simpler than this, he won’t look cool anymore.

Kaneko: Besides, anyone will be able to draw him. That’s why adding one thing after another is easy. Simplifying things, on the other hand, is really difficult.

Finally talking about fashion

Kaneko: What do you usually wear? Neatly fitted clothes?

Araki: I rarely wear ties and the like. And even then, is there a brand that actually suits me? There are brands that don’t fit me at all, that make me feel like I’m anything but myself. Prada, for example, or Gucci.

Kaneko: Indeed, this does tend to happen. I have a lot of Gaultier suits, but I go shopping often. Because of that, when people ask “Are people like mangaka coming?”, it seems they are pretty familiar with Jump authors like K.M. or T.B. Apparently, Mr. K.M once spent several tens of thousands yen on clothes. “That’s so awesome!”, I thought. It looks like Mr. T.B’s clothes are bought by his friends or his girlfriend though. In the end I realised that there are all kinds of mangaka as well! (laughs)

Araki: I don’t really go shopping. If we’re talking about brands, then my picks are Versace or Dolce & Gabbana; still, I’m not too crazy about them. However, when it comes to fashion, I love looking at models. Don’t you think models have this kind of spectre quality to them? The way they tilt their head or their mouths look oddly big. That kind of stuff captivates me. And so, by reproducing them, they gradually turn into Jojo-like characters (laughs) – like bending their hips back or forth. This kind of bending is also because of Italy.

Kaneko: So this is how they are turned into Jojo’s characteristic poses! Like, “ズキューン!!” or grabbing a blood vessel and going “You should be still” (laughs). There’s a fairy named Trish in Persona who helps characters recover their health. Her name comes from the fashion model Trish Goff. Back when she wasn’t that famous I used to think “She’s so cute!”. Her name was interesting as well. But then she became super famous not long after and I thought “This is bad!” (laughs).

Araki: But I find it amazing that you knew about her from that time. She was already popular by the time I had created Trish Una.

Kaneko: All models have really cool names, don’t they? Like Shalom Harlow.

Araki: Her huge eyes are cool as well.

Kaneko: Lately, thin models have become more numerous than bigger ones, huh. Like Devon Aoki.

Araki: Devon Aoki has got a strange air about her too.

Kaneko: Did you know she is Rocky Aoki’s daughter?

Araki: Eh, is that so? Who is Rocky Aoki anyway (laughs).

Kaneko: Do you know the restaurants Benihana?

Araki: Oh, yes, yes.

Kaneko: He is the owner. Incidentally, isn’t there someone in Jojo part 4 who likes Ferré? “Is it because Mr.Araki likes him?” I wondered.

Araki: But the truth is, even if I write this, I think “They don’t know about it” while writing it, but do it anyway.

Kaneko: Moschino is the same, right?

Araki: Oh, oh, Moschino was good too! I was surprised when it appeared. The peace mark design came from there.

Kaneko: Double suits are characteristic to them too. The buttons are in the place of the eyes, forming a face. Lately, there have been new designs from John Galliano or Alexander McQueen. They’d make good Stands as well (laughs).

Araki: Also, I like Roberto Cavalli too. Quite a lot of people have been debuting these days. They don’t have shops in Tokyo though. They remind of that type of dangerous ladies. I think that kind of thing is great.

What flows from the root of your work

Kaneko: Your works are referenced in a lot of things, right? It’s kind of like Shakespeare, or, how should I put it, something not seen with other Japanese drama, literature or manga.

Araki: But you know, there’s also Kajiwara Ikki. “In order for small people to beat big people, you must think of yourself as a small fry!”, something like this (laughs). I find this kind of thought pattern moving. Like, “Don’t say such cool things!”. , I still got that kind of feeling even though I read that in my fourth year of elementary school.

Kaneko: I’m a bit startled that you’ve read Kajiwara Ikki’s works. It’s quite different from what I expected.

Araki: Truth is, I started with “Star of the Giants”.

Kaneko: Eh, no way?!

Araki: I think it was during my first year of elementary school…This is something I don’t usually say, but “Magazine” was the first publication I talked to in order to publish my first manga. However, incidentally during that time Kajiwara Ikki stopped serializing in “Magazine” so I switched over to “Jump” (laughs).

Kaneko: Eh, that’s seriously unexpected (laughs).

Araki: Despite saying I love foreign countries, I also love stories where poor people rise in the world.

Kaneko: When I see the photos in the tankoubon, it’s kind of rude of me to say, but I think you look like you had a good upbringing (laughs).

Araki: Hahahaha.

Kaneko: Because of that, when you write about Kishibe Rohan and those kind of stories, all the more I wonder “Is this really all right?” (laughs)

Araki: But you are surprising as well. You had a more frightening image.

Kaneko: I’m often told that. I have more of an role-playing personality. Truth is, I’m a pretty easy-going guy. Speaking of manga, I was into “The Genius Bakabon”.

Araki: Oh, Akatsuka Fujio-sensei (laughs). It was quite a thing (laughs). Great stuff.

Kaneko: I simply loved the surrealistic setting, couldn’t get enough of it. After all, it’s the person who discovered Tamori! In a way, he raised him and turned him into who he is today.

Araki: Speaking of settings, I went to a Christian school. That’s why I read the Bible every day and that particular way of thinking got ingrained in my brain.

Kaneko: Is that so! Was it a Catholic school?

Araki: No, it was a Protestant one. As a kid, I thought “What the…?” at the disciple’s betrayal, but as an adult I understood how important it was. Different kinds of literary works also have their roots in it, and I’ve come to understand all kinds of allusions. However, in my case, rather than believing in God, I believe something exists. It’s difficult to say it concretely, but it includes destiny. Because of that, if the basis of my works doesn’t have that kind of thing, they become something scary. “Why am I drawing manga?”, stuff like that. Am I doing it in order to earn money or to impress women? In time, they become terrible things to feel. But if I have fairness and humanity, I persevere.

Kaneko: Indeed, if you don’t have human love, you can’t draw. It’s obviously fine if you can get money out of this as well though (laughs). But doing it just for this is not right.

Araki: You definitely need it in order to continue, don’t you think? Kaneko: It also gets difficult when you start thinking “Why do people exist?”.

Araki: You reach this question when you draw about things like destiny – “Why is this person here?”. If you’re attached to the protagonist,the question gets even more important. The people who make RPGs feel that to an even higher degree, right?

Kaneko: That’s right. We think about the inevitable fate of the characters. Don’t animals exist on the earth freely? Earthworms exist to clean the soil, isn’t their purpose to leave descendants? However, only humans do something different.

Araki: But if that kind of world comes to the surface, then it’s no good. We shouldn’t see the lowest of the lowest. However, if they didn’t exist, then it would get even worse. Not only manga, but also music and just about everything.[8]

Untranslated

エジプトを目指す旅にしたのはどうして?  当時の担当が、エジプトにものすごく詳しかったんですよ。エジプトの古文書とか遺跡とかの文字も読めるくらい。「これはいい!」と。それと、やっぱりエジプトって神秘的な感じがしたからですね。最終目的地はエジプトというのを先に決めて、それからルートを決めていきました。『スターダスト・クルセイダース』の後に、『電波少年』で猿岩石が旅したルートも大体同じでしたね。だから、間違ってはいなかったのかな?取材でエジプトやアジアの国なんかにも行ったけど、あまり好きじゃあないんです(笑)。マンガにも描きましたけど、エジプト人は見るからに怪しいし。ホントにスタンド使いみたいでした(笑)。  う~ん、好きな国はやっぱりイタリアなんですよ。イタリアにさえ行ければ、他の国にはもう金輪際、行けなくてもいいくらいです。イタリアは、やっぱり美術館にいけるのがいいんです。印刷物とは違って、有名な絵画の実物がある!これは何度でも足を運ぶ価値がありますね。他の人が、演劇とかに行くのと同じ感覚だと思います。でも演劇は、そのときどきに違ったりするけど、美術館はもう、絵画の究極の姿があるわけだから、何度でも行きたくなります。ダ・ヴィンチとか、ロダンとかが好きですね。  よく自分の絵柄は独特だといわれるんですけど、自分からすると基本に忠実な絵だと思っています。ルネッサンスが絵画のオリジナルですから、僕はそれに忠実に描いているだけです。自分からすると、他のマンガ家さんのほうが異端だなぁと思いますね。

どうして承太郎を学ランにしようと思ったのか?  何度も行ってますけど、やはり『バビル2世』のイメージが強い。学生服で砂漠に立っているというインパクト。今考えても、『バビル2世』のあのコマはすごい。もしあの絵をリトグラフとかで売ってるんだったら、ぜひとも部屋に飾りたいですね。日常と非日常が同時に存在している、というところがいいんですよ。  承太郎のは、普通の学生服だとつまらないんで、いろいろアクセサリーを付けたりしてみました。ホントはあんな学生服ありませんけどね。僕も中学高校は学ランでした。でも、承太郎みたいなあんな長ランは着てません(笑)。

ジョセフはどうして連続登場した?  ジョセフは第2部『戦闘潮流』との橋渡し役なんですよ。毎回、部が変わるごとに、橋渡し役と出すようにしています。『戦闘潮流』の頭にはスピードワゴン、そしてジョセフ、承太郎、康一・・・というようにね。それに、ジョースター家は短命で、一生涯一人の女性しか愛さないと言われてるけど、ジョセフだけは例外だという設定にもしたかったんですよ。性格的にもジョースター家の中では異端ですしね。

アブドゥルはいったいどんな役割?  アブドゥルは参謀役ですね。本当は、一番年のいったジョセフがそんな役回りをやるんだろうけど、ジョセフの性格じゃあできないだろうと思ったから登場させました。スタンドという新しい概念も登場させたので、スタンドの事について詳しい解説役でもあります。

花京院の死の直前に生い立ちが明らかになったのは?  花京院には戦う動機というのを、ちゃんと考えてあげたかった。花京院が仲間になってからずっと、それは考えていたんですよ。承太郎、ジョセフはホリィを助けるためだし、ポルナレフは妹の件があったりする。でも花京院には何もなかったから、その理由をつけてやりたかった。命を賭けてまで戦う理由を・・・死ぬ間際にそれを描く事が出来てよかったです。このことは、第5部『黄金の風』の仲間たちも同じなんですよ。ブチャラティやナランチャたちの戦う理由をちゃんとつけてあげたかった。だから、それぞれ過去の話、どうしてギャングになったのかをちゃんと考えたんです。

ポルナレフは『黄金の風』に登場すると思っていた?  まずポルナレフは、承太郎と対称的なキャラクターにしたかったんですよ。承太郎はクールでどっしり構えていて、あまり走らせたりもしないと決めていたので、走りまくる、直情的なキャラクターが欲しかった。静と動ですね。ポルナレフは、かなり描いてて楽しかったし、動かしやすかったですね。だから結果的に、かなり活躍してます。あと、髪形もよかった。他の仲間たちがぺしゃんこな頭ばかりだったので、コマの中にポルナレフがいるとメリハリも効いて絵になるんですよ。『スターダスト・クルセイダース』が終って、第4部『ダイヤモンドは砕けない』になってから、ポルナレフはどうしているのという読者からのはがきがとても多かったんです。だから『黄金の風』ではポルナレフが『スターダスト・クルセイダース』の後、どうしているかも描く意味で登場させました。承太郎と同じように、彼も戦っていたんだよ、というのを描いてあげたかった。

犬をどうしてスタンド使いに?  僕は、弱そうなヤツが実は強いというのが好きなんですね、基本的に。ちっちゃくてブサイクな犬が強いというのは面白いんじゃないか?と思って、イギーを登場させました。助っ人として現れて、人間だったら普通じゃないですか。それが犬だったら面白いな、とも思いましたね。『ダイヤモンドは砕けない』では、さらにそこにこだわりました。本体は弱そうでも、スタンドは強い。ドブネズミのスタンドとか、重ちーとかもそうですね。

ホル・ホースを仲間にする気はあった?  ホル・ホースは、仲間にしようかと思ったりもしました。でも、仲間になるヤツばっかりだと面白くないなと思い直して・・・仲間になりそうでならないヤツがいてもいいんじゃないかと。ホル・ホースの性格を考えると、仲間にはならないですよ。けっこういいかげんな性格で、あっちへふらふらこっちへふらふら。コウモリみたいなヤツ。でも、ホル・ホースはもっと登場させたかったですね。ポルナレフと同じくらい、動かしやすいキャラだったし、描いてて面白かった。あと何回か、登場させてあげたかったですね。

DIOはいったいどんな存在?  『ファントムブラッド』の頃から、3部構成で・・・ということは考えていて「3部の最後はDIOを倒すんだろう」とは漠然と思っていたんですよ。『警察署長』というTVドラマにもなった小説があって、代々警察署長の家系の話なんですよ。それでも、最初におきた事件を子孫が解決したりしている。それをやりたかったんです。善のジョースター家に対して、シリーズ全て通して悪の存在がDIO。圧倒的な悪。『スターダスト・クルセイダース』でDIOは倒されましたけど、その後の物語でも、DIOの悪の精神は残っていて・・・ジョースター家は代々、その邪悪な精神と戦っているんです。『ストーン・オーシャン』でも、DIOは出てきませんが、DIOが残した邪悪な精神と徐倫は戦っています。DIOを描く時は、いつも気合が入りましたね。DIOが出てくると、雰囲気もなんか変わるんですよね。マンガの中の空気がこう、張りつめるというか・・・。生き物本来の弱肉強食の世界からすると、DIOのやってることは正しいことなんです。人間が生き延びていきやすくするために作った 、社会の常識ということからは外れてますけどね。弱肉強食の世界から考えると、DIOは普通の行動をしている。DIOを描く時は、自分もDIOの気持ちになってます。・・・こんなこというと、反社会的だっていわれるかもしれないけど、ある意味DIOは自分の憧れの存在です(笑)。[9]

Untranslated ARAKI Hirohiko : Exposed AnimeLand : Pouvez-vous nous éclairer sur la genèse de Jojo ?
ARAKI Hirohiko : En premier lieu il y avait le concept de succession des générations, l’héritage père/fils. Ensuite, je voulais mettre en scène des héros voyageurs qui se battraient pour défendre l’humanité. L’idée des générations successives m’a été inspirée par la saga du Parrain (Brian DE PALMA), ou A l’Est d’Eden (Eliat KAZAN) : des histoires de familles, dont l’action se déroule sur plusieurs générations. Très Jeune, J’ai été touché et inspiré par tous ces films devenus des classiques.

A.L. : Aviez-vous une idée de ce serait chaque saison à l’avance, ou votre idée première s’est-elle modifiée au fur et à mesure ?

A.H. : Au tout début tout était axé sur le combat, les rapports de force, puis, au fil du temps, tout est devenu plus “spirituel”, avec une grande place faite à des valeurs comme l’amitié. Au niveau graphique, les premières séries mettaient en scène des héros très “machos” aux muscles surdimensionnés. Puis les personnages sont devenus plus fins, plus élégants aussi.

A.L. : Que pensez vous de la traduction occidentale du titre de Jojo (1) : le terme bizarre vous parait-il approprié ? Et si oui, quel aspect de votre travail reflète-t-il ? A.H. : En effet, le titre japonais se traduirait plus par “amazing” : étonnant, merveilleux. Mais justement, ce que je tenais à exprimer dans ce manga est réellement quelque chose de différent, d’étrange, de bizarre. Donc, en définitive, la traduction est plutôt juste (sourire). Je pense que cette sensation se reflète dans certains aspects ou situations du manga : les retournements de situation imprévus, la façon dont l’expression des visages change, se déforme, la personnalité cachée de certains personnages…

A.L. : Comment vous est venu l’idée de l’Onde, puis du Stand ? A.H. : Pour l’Onde (ou Hamon), l’idée de départ était celle d’une force indirecte, une force qui frappe à distance, comme dans l’eau par exemple : si je frappe une surface d’eau calme, j’affecte indirectement les alentours grâce à l’onde résiduelle. Le stand, quant à lui, est peut-être quelque chose de difficile à appréhender pour un occidental. Il trouve son origine dans le shintoïsme : l’essence spirituelle de nos ancêtres nous protége, en fait chacun de nous est protégé en permanence. Sans être moi-même shintoïste, je connais bien la culture et la philosophie japonaise pour y être né, je suis donc influencé par elles dans mon travail de création.

A.L. : Vous semblez beaucoup apprécier le gore et mettez souvent en scène des personnages possédant la capacité de se reconstituer après blessure. Est-ce un hommage à ce cinéma, et au The Thing de John CARPENTER ?

A.H. : Oh, j’aime beaucoup ce genre de cinéma, mais aussi les comics, et la télé. John CARPENTER, DE PALMA… leur travail m’intéresse énormément, j’étudie beaucoup tout cela, je les ai tous vus. Maintenant, concernant The Thing, il ne faut pas oublier que les premiers volumes de Jojo remontent aux années 80, j’avais probablement eu l’idée avant de voir ce film.

A.L. : Il parait d’ailleurs que vous êtes un grand fan de culture occidentale, classique ou moderne ?

A.H. : Oui, je m’intéresse beaucoup à l’art en général, qu’il s’agisse d’impressionnisme, d’art contemporain ou d’illustration. J’étudie tout cela également, et ça m’influence dans mon travail.

A.L. : Cela peut-il expliquer, à votre avis, le succès remporté par Jojo en occident ? A.H. : Eh bien, pour devenir auteur de manga au Japon, il faut étudier énormément, apprendre beaucoup de choses très différentes : en quelque sorte, il faut tout connaître, de JANGAYA à SPIELBERG.

A.L. : Tous les héros de Jojo ont certaines caractéristiques communes : morale impeccable, témérité, don de soi, plastique parfaite, force incommensurable. N’avez-vous jamais été tenté de donner vie à un anti-héros ?

A.H. : Non. Pour moi, un héros doit être propre, juste, du moins c’est l’idée que je m’en fais. Il peut avoir l’air méchant, dangereux, il peut traverser des moments difficiles, mais son coeur reste pur, et jamais il ne ferait quelque chose de malhonnête. Jamais il ne s’attaquerait à une femme ou à un enfant, voila son principal trait.


A.L. : Jojo est également un des seuls manga à mettre en scène la mort de ses héros de façon très gore. (voir la mort de Zeppelli, coupé en deux).

A.H. : Pour protéger quelqu’un, un vrai héros peut avoir à se sacrifier, même si sa mort ne fait aucun doute : c’est là aussi un héritage de la philosophie japonaise. Un héros ne cherche pas l’argent, il devient ce qu’il est pour sauver autrui, il est honnête, charitable. Plus sa mort est horrible, plus son sacrifice prend de la valeur.

A.L. : Parlant de valeurs morales, on a d’ailleurs l’impression d’assister à des affrontements “moraux”, plus qu’à de réels combats dans JoJo.

A.H. : C’est une symbolique, cela a trait à la façon dont le héros arrive à vaincre le mal. Il y a très basique ment trois archétypes de personnage dans Jojo : les gentils, les méchants, et les personnages indéterminés (du moins momentanément, un personnage apparemment agressif pouvant se révéler être un gentil par la suite). Même les personnages “mauvais” ont une raison de mal agir, il y a toujours une raison qui justifie leurs exactions. Et il faut présenter au lecteur les circonstances qui ont poussé ces individus à se tourner du mauvais coté.

A.L. : Jojo reflète également votre passion pour la magie, l’illusionnisme… A.H. : Oui, je ne rate jamais un show de magie, au Japon ! Lance BARTON, David COPPERFIELD : vous savez, par exemple, ce tour ou il fait disparaître une moto…Ça m’intéresse beaucoup, je me donne du mal pour essayer de comprendre comment ils font tout ça ! Cela me donne également de l’inspiration.

A.L. : Comme pour la création du personnage de Zeppelli notamment ?

A.H. : Oui (rires) !

A.L. : Et vous, pratiquez-vous la magie ?

A.H. : Je connais quelques tours, je sais faire disparaître les pièces de monnaie (rires)

A.L. : Jojo’s bizarre adventure a souvent été comparé à Hokuto no Ken : qu’en pensez-vous ?

A.H. : HARA Tetsuo est un de mes amis, nous dînons souvent ensemble. Il a complètement révolutionné la représentation du corps humain dans le manga, il m’a donc influencé également à ce niveau.

A.L. : Parlez-vous de vos travaux respectifs quand vous vous voyez ?

A.H. : En fait, étant tous deux des professionnels du manga, nous évitons de parler boulot.

A.L. : Et peut-on dire que Jojo’s est émaillé de clins d’oeil, à HNK ?

A.H. : Dans les premiers épisodes, oui, au niveau des corps masculins et des effets gore… Mais plus maintenant.

A.L. : Toujours en ce qui concerne votre travail sur la plastique de vos héros, quelles sont vos influences, hors manga ?

A.H. : Je consulte en permanence des livres d’anatomie, des écorchés, pour la structure des os et des muscles. J’ai été très impressionné par le musée Palazzo Vecchio à Florence, en Italie. J’y ai acheté des ouvrages sur le sujet.

A.L. : La sculpture également ? Il y a des oeuvres dans ce musée démontrant des poses très caractéristiques de votre travail…

A.H. : Oui, tout à fait, et j’aime également beaucoup le musée RODIN, ici à Paris. J’ai assisté à des séances de pose, cela m’a beaucoup touché.

A.L. : Pour finir, il semble qu’il y ait plusieurs niveaux de lecture dans Jojo, et chacun peut selon son âge, apprécier ce manga à sa façon. A qui destinez-vous Jojo en priorité ?

A.H. : Actuellement au Japon, on me demande d’écrire des choses pour un public plus jeune (moins de 15 ans), dans un esprit très mignon, très Kawaii… Mais tout cela est très loin de moi, en fait. Pour écrire quelque chose de correct, il faut avant tout être capable de le comprendre et de l’apprécier.

A.L. : Chose étonnante, Jojo’s Bizarre’s adventure semble beaucoup plaire aux lectrices françaises, alors qu’il semblait destiné avant tout à un public masculin. Qu’est-ce qui peut justifier cela, à votre avis ?

A.H. : Eh bien, peut-être le fait que mes héros sont tous très beau garçon ! (Rires)

Remerciements pour la traduction à M. OGII Michael-Akira, organisateur de l’exposition. [10]

References