User:TragicGlee/Sandbox3

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Tohoku University / Aoyama Gakuin University Lecture by Araki

Lecture Opening Remarks
(Jokingly explains why he accepted the offer even though he isn't good at giving lectures)
Tohoku University version: "As a resident of Morioh, I just can't turn down this request from my hometown Tohoku University."
Aoyama Gakuin University version: "My daughter is taking the entrance exam for this school next year, and I wanted to make sure she won't say, 'My father was the one who got me rejected me last year.'" (audience laughter)

Childhood Memories
"I was a boy who liked to chase mysteries, wondering why Picasso painted such strange pictures, as well as the mysteries of UFOs and ghosts. My curiosity got the better of me, and at the age of five, while looking at fish in a pond, I slipped and fell on my head, and my parents said I almost died from the fall. When my mother found me, I had sunk to the bottom of the pond so she grabbed my legs and pulled me back up to save my life. When I was a child in Sendai in winter, I used to love to follow the animal tracks on the snow in the morning. One day, while I was chasing after them, I fell into a ditch under the snow. As soon as I fell, I quickly turned around and grabbed the ground, which saved my life, but I was one step away from death. When I got home, they wouldn't let me in because of the smell of my body, so my parents sprayed me with water from a hose even though it was the middle of winter, and I almost died from that (laughs). Ever since that terrible experience, I have become a cautious person. When plasma flat-screen TVs came out, I spent a few years watching other manga artists who immediately jumped on the bandwagon, thinking, "they'll be cheaper and have better performance in a couple of years," and I'm still watching CRTs. (laughs)."


How to Draw Manga Without Losing Money
"The name of this lecture is a bit crude, but it's called "How to Draw Manga Without Losing Money". In short, if you don't have a basic understanding of how to get your work published in magazines, you won't make it to the big time. In today's world, politicians are so desperate for power and influence that before they know it, they are covered in money from graft, and corporations are so focused on sales figures that they tend to go out of control, destroying the environment while not thinking about the workers. It is the same with manga. If you only pursue manga that sells, you and the publishers will fall into a pit. In order to get people to read your work, you have to sell it, but if you only think about selling it, you will go in the wrong direction. If there is an uncharted mountain and you don't even have a map to the base of the mountain, you don't know where the mountain is. If you have a basic map that takes you to the base of the mountain, you can climb an uncharted mountain and come back if you feel like you're in trouble. If you get into a slump, you can just go back to the base. These kinds of maps are absolutely necessary!"
"Every man needs a map... a map in his heart to ride across the wilderness." (SBR Volume 4)

About the artwork - The first thing the reader encounters is the artwork
"There are many kinds of artwork, such as classic, cool, fantasy, and realistic, but I think the most important thing is that you can recognize the character from 15 meters away. When I was a rookie, I worked on Ring ni Kakero, Captain Tsubasa, and Fist of the North Star. One Piece (from a distance) is still recognizable these days. I can recognize a Picasso painting even if I've never seen it before, and I can recognize Mickey Mouse just from his silhouette if he draws three circles. Not only classical painters such as Michelangelo, but also Barnett Newman, who has been simply painting colors these days, even if has just painted orange. Ultraman, Spider-Man, Michael Jackson, you can tell at a glance that they are all global superstars. You can tell who Michael is even in the smallest of images. In this way, I believe in the pursuit of a design that can be seen from any angle is what painting is all about. If you are good at drawing, that's all that matters, but if you are not, it doesn't matter so much."

●キャラクターについて~絵の次に飛び込んでくるのはキャラクター 「ヒーローとは孤独に戦う人です。仲間はいても最後は自分一人で戦っていく人に泣けるんです。「お前頼むわ」というキャラはヒーローじゃない(笑)。変人と世の中から爪弾きにされても影ながら人の為に戦っていくのがヒーローの基本なんです。キャラは善と悪に分れていて、悪というのはDIOにしろ吉良にしろ描いてて楽しいですね。ストレスがとんでスカッと(笑)。悪いヤツにも理論があって、吉良はただ静かに暮らしたいだけで、そこには読者も共感できる部分があると思う。悪役は細かい設定を考えるのも楽しくて、吉良は爪を集めて体調を調べるとか、DIOは本当は女の子が好きだけど男でもOKだぜとか、そういうのを想像するのが面白いんです(笑)。 一方、善のジョースター側は描くのが難しいです。正義とか勇気とかは、描き方によっては読者が「何を良い子ぶってんだよ」と反感を持ちます。でも、互いを引き立てる為に、この難しいのを描かなきゃならないんです。白い原稿用紙に黒いインクで漫画を描くように、キャラも黒と白がないと互いが引き立ちませんから。 悪ばかり描いてるマンガっていうのは虚しいと思うんです。世の中には美しい心があるわけで、それを目標に何かしていかないと。正義とか善とか希望を貫いている主人公がいないと、悪だけを描いていると、一時的には人気が出て皆の話題になるかも知れないけど、時代を超越するには人間の普遍的なもの(善)が必要なんです。 NG設定はバカとマヌケのコンビで、武器やケータイを家に忘れるとか、そんなストーリーを作ってはダメです。持ってるのが当然だし、外に逃げずに2階に逃げるとか、そんなバカなキャラには読者が引きます。虫が怖いとかそういう欠点はいいけど。絶対に主人公は孤独に世の中の人の為に戦う人なんですよ」。

●ストーリーについて~絵とキャラクターが融合したものを動かしていくのがストーリー。ポイントは4つ(起承転結) 「漫画家によっては“キャラクターさえいればストーリーは自然に出来上がっていく”という人もいます。でも、ストーリーがないとキャラだけでは時代を超えないんです。確固としたストーリーの上でキャラが動かないとだめなんです。 (1)主人公がいきなり困難な状況に突き落とされる (2)その困難を主人公は乗り越えようと努力する (3)乗り越えようとするが、悪化してさらに絶体絶命になる (4)最後はハッピーエンド

これはバトルマンガに限らず恋愛モノにも言えて、好きな女の子に彼氏がいた→しかも彼氏は主人公の兄貴だった、みたいに状況を悪化させて最後にハッピーエンドを持ってくるのが鉄則です。この地図から外れたものは支持されません。ただし、この地図を知っている上で、わざと外して新しい芸術として出すのは良いです。 主人公が負けるというハッピーエンドもあります。負けても友達を助けるとか、子孫に何かを残す為に死ぬとか、美しい心の為に死んでいくのは、悲しいけどそれもハッピーエンドだと思ってます。 あと、 1頁目で読者を引きつけるのが僕の目標なんです。1頁目を読まれなかったら当然2頁にいきませんから(笑)。 ※ジャンプSQに描き下ろした新作の露伴外伝について。「僕はよく鼻血を出すんです。春は花粉で鼻をかんで鼻血出して、夏は暑くて出して、秋は乾燥して出して、冬はチョコを食べ過ぎて出してという感じ。もしこれが止まんなかったら怖いなと思った時にメモしたものが今回の読み切りのネタになったんです」。

●テーマについて~すべてを統括しているのがテーマ(作者の哲学) by @JOJO(Thanks!) まずキャラ(主人公)とストーリーが結びつき、

それをひっくるめて表現する為に絵があり、 すべてを包んでいるのが作家の哲学・人生観 であるテーマ。ジョジョで言う“人間讃歌”! 「絶対にやっちゃいけないことは読者を説教すること。説教すると“お前なんかに言われたくない”と読者は引くと思う。テーマは背後にあるべきもの。キャラの行動を通じて描いたり、最後の台詞でちょっと描くとかその程度。新人の審査をするとテーマだけ描いてくる人が多く、そういうのは通らないですね。“俺は何々をするんだーッ!”とか言いながら戦っている主人公はスマートじゃない。テーマは背後に隠すのが創作の基本だと思ってます」。

Q&A Section (学生)ジョジョの奇妙な冒険、連載20周年おめでとうございます。

(先生)ありがとうございます。

(学)20周年を迎えられてどんな感慨をもたれましたか。

(先生)若い芸人さんやミュージシャンの方が盛り上げて下さるんで有難いなぁと。20年やってきたのに何も言われないのは寂しい じゃないですか。

(学)連載を振り返ってみて印象に残っていることは?

(先生)色々ありますが、スタンドを初めて描いた時、周囲の皆から「読んだ人は分からないよ」と言われて、人気も全然出なくて、 その時に一人の編集者だけが味方をしてくれて、それで勇気づけられて描いたことですね。

(学)スティール・ボール・ランではジャイロがスタンドではなく鉄球を使っていますね。

(先生)あれは波紋とダブらせてるんですよね。ツェペリの血統だし(笑)。

(学)連載が週刊から月刊に変わったことで何が大きく変わりましたか。

(先生)週刊だと月に80枚描かねばならず40歳を超えるとすごく体力的に辛いんですよ。それに月刊はページ数の制約が週刊より 自由なので描きたいことが表現しやすいです。

(学)制作に行き詰まることはありますか。

(先生)腰が痛くて行き詰まることがあります(笑)。生活の中で常に謎を意識していればアイデアは湧きますね。画家(ゴーギャン)が タヒチまで行って絵を描くのも謎だし、いろんな謎からアイデアは出てきます。

(学)スタンドを考える時は、アーティストとの名前から能力を連想するのですか?それとも能力にあった名前を後から探すのですか?

(先生)アイデアにマッチしたものを探してきて、怒られないような範囲で付けてます。(場内爆笑)

(学)一番好きなスタンドはなんですか。

(先生)重ちーのハーヴェスト。あの頃僕はCDのクーポン券とか集めてて、ベッドの下とかに落とすと“ハーヴェスト便利だろうなぁ”って(笑)。

(K)4部といえばどうして間田や玉美は最初身長が高かったのに小さくなったのですか。 (鬼)あれ、最後は60cmくらいじゃないですか?康一君は55cmくらいで。

(先生)デザイン上の理由っす(笑)。週刊だから直せないんですよ。月刊なら直せるんですが。 ※これについては後の会話で「あれは康一君の心理が反映されていて、最初は玉美が怖くて大きく見えたんです」とも。

(学)杜王町の名所はモデルがあるのですか。たとえばアンジェロ岩とか。

(先生)そうですね。アンジェロ岩は松島のナントカ岩からとってるんですよ。

(学)これまでにイタリアやアメリカが舞台になりましたが、今後の舞台にしたい土地とかありますか。

(先生)やっぱ杜王町に帰ってきたいですね。露伴の読み切りを描いた時に、故郷に戻ってきた気がした。また描きたいです。

(学)今までに体験された奇妙なことを教えて下さい。

(先生)つい最近なんだけど、スポーツジムでシャワーを浴びてたら、あるオジサンに尻尾が生えてたんですよ。ビックリしてその事を ジムの人に報告したら“この人頭おかしいんじゃないか”という目で見られました(笑)。

(K)それってDioの恐竜化みたいですね(笑)。

(先生)あと、家の近所で猫が車にひかれたんですが、その猫はパッと立ってタタタタって走っていったんですよ。“アイツ、不死身だなぁ”って 感心したので、漫画家の迫先生に“スゴイ猫がいるんですよ!”って話をしたら「先生それね、死んでるのに気付かないんですよ」って。 でも次の日もいましたからね、そいつ。絶対あの猫は不死身なんですよ(笑)

(K)ノトーリアスBIG…。

(学)そのうち草と合体していたりして…。

(先生)本当に見たんですから、言っておくけど!(場内爆笑)

(学)ジョジョという作品のバックボーンにあるものは何ですか。

(先生)ズバリ、血統ですね。

(K)先生、アブドゥルの血統に厳しくないですか?

(先生)アブドゥルねぇ~。(場内爆笑)

(学)拝見してるとお三方はとても親しいようですけど、知り合ったのはどういうきっかけなんですか。やはりジョジョ立ちですか。

(先生)一昨年くらいに、噂でスゴイのがあるって聞いてパソコンで見せてもらって、大阪城の前でやってるのが、なんかこう、地球(アース)アート みたいな感じで、それに新興宗教みたいな感じもして(場内爆笑)、今までにない異世界というか、新しい芸術として僕は感じていて、 パーティーの時とかにこうやって来てもらってるんですよ。

(学)一番愛着のあるキャラクターは?

(先生)東方仗助です。承太郎までは神話的な憧れの人物だったけど、仗助は友達を描いている気がして、億泰と仗助が喋ってる 場面は描いててもすごく楽しかった。

(学)仙台に帰ると必ず立ち寄るところはあるんですか。

(先生)牛タン屋には必ず行きます。僕が住んでた頃は牛タンは名物じゃなかったのに、いつのまにか誰かが名物にしていて(笑)。

(学)ジョジョに影響を受けている若手マンガ家とかはどう思われますか。

(先生)真似されるのは光栄なので、どんどん真似して漫画界を発展させていって欲しいですね。

(学)先生から見て後継者的な方はいるのですか。

(先生)後継者は大亜門かなぁ。(場内爆笑)

(学)ネタはアリですか(笑)。

(先生)大亜門はしょっちゅう謝りに来てるんで。(再び爆笑)

(鬼)僕は全巻持ってます(笑)。

(学)逆に影響を受けた先輩のマンガ家はどなたですか。

(先生)先輩全員から影響を受けていますが、中でも『バビル2世』の横山光輝先生は感情を排した表現がすごいなと。『バビル2世』 はサスペンスだけをひたすら描いて、感情とかはあまり描かないんですよ。あと、『巨人の星』の梶原一騎先生からはセリフの言い回しの 影響を受けてます。「~だ!」と言い切る感じは梶原一騎なんですよ。

(学)“圧迫祭り”にはビックリしたのですが、あれはどこから出てきたんですか。(笑)

(先生)ウチの奥さんがよく突撃してきて「圧迫祭りだ、圧迫祭りだ」って言うんですよ。(場内爆笑)

(K)ジャイロの“モツァレラチーズの歌”も楽しかったです。(笑)

(先生)暗い話が続くと緩急が必要で、読者をリラックスさせておいてから恐怖に突き落としてやれみたいな(笑)。

(学)“4・2・0”(シツレイ)のギャグも楽しかったです。

(先生)ああいう会話が大事。仗助と億泰との関係もそうだけど、何気ない会話で読者に仲の良さを伝えたいんです。この2人は 絶対に裏切ったりしないんだなっていう。

(学)今後、恋愛モノとかそういう変わったものを描いてみようとかありますか。

(先生)ジョジョの中で恋愛させるのはできるけど、2人が出会うシーンは特殊な状況で、爪が剥がれたりするんでしょうね(笑)。

(学)最後に会場の若い学生たちに一言お願いします。

(先生)大学生はこれから社会に出て行くわけじゃないですか。基本地図を知ってて外れるのは戻ってこれるからいいんですけど、 知らないで外れると暴走するんじゃないかと、今日はそのことをマンガを通して言いたかったんです。