連載25周年を迎え、ジョジョの物語を紡ぎ続ける荒木飛呂彦さんが、作品に込めた思いを語った。
「ここまで続くとは思っていませんでした。当初、米国文学の『エデンの東』の影響を受け、3部立てで描くことは考えていた。その後は、僕の人間としての成長に合わせて、テーマを決めてきました。第8部まで続けているのも、途中から、僕には『ジョジョ』しかないと思うようになったから。今はライフワークですね」
「奇妙なセリフは、意識していません。湧いてくるまま書いています。けれど、米国の『刑事コジャック』とかのドラマの影響が自然に出ているんでしょう。独特な擬音も、作品に与えるリズムを意識しています。漫画は音楽がない表現媒体。映画のように、ここにこんな音があったら、というのをそのまま擬音にしました」
「作品のテーマは『人間賛歌』です。物語は人間が中心。神様は出てきません。一見ひ弱そうでも、恨みの気持ちがすごく強い人は怖い。でもそれが人間で、強い登場人物ばかりじゃない。そんな人たちの衝突や戦いが、どのように解決されるのかを描きたいです」
「未来のことは描きません。最近は時代の流れが速すぎて、未来を描いてもすぐに古くなってしまう。常に今の時代の空気を感じながら、作品に反映させたいですね」